ししゃかもグループの発表

というわけで、ししゃかもグループによる学会発表があったようです。
僕は息子の運動会を優先(当然)したので、見てないですが。
見たかたのご報告をぜひ。噂では大入りだったそうですけど(^^;

― posted by きくち at 07:48 pm commentComment [126]

この記事に対するコメント[126件]

Owner Comment きくち  September 24, 2006 @13:17:55

某氏による詳細なレポートです。
mixiに載ったものですが、転載許可をいただきました。
ちょっとだけ編集してあります

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追記: レポートの著者に直接質問したいかたは、mixiでセージさんを探してください(^^
%%%%%%%%%%%%%%
 
.....
 12:00頃から人が増え始める。部屋に入りきらないので部屋の外から覗いている人もいた。そういう点では早めに行って正解でした。そして発表者が登場、近頃めっきり減った指示棒を持ってました。まぁ、レーザーポインター出なければいけないなんて理屈はないのでそれはそれで結構。

 プレゼンの最初のページが表示されただけで早くもザワザワ、まぁ気持ちは分かるよ皆さん。タイトルが「言葉が水の氷結状態と水中元素濃度に及ぼす影響」だもんなぁ。発表グループは九大院工,アイエイチエムA,ホワイトマックスB,IHMテックC,サロンドジャンD 高尾征治,○川添淳一,江本勝 A,増本勝久B,里中耕也C,石田静子D。発表者は多分丸のついてる人だと思うけれど興味ない。

 ここからはプレゼンのページごとに区切って説明しよう。
1ページ目:
 イントロに当たるのだが、言葉が氷結状態に及ぼす影響についてのこれまでの成果を滔々と語る。まぁ、そんな事はどうでもいいかなと思って聞いていたら、恐ろしい台詞が飛び出した。「つまり言葉の持つ『意識エネルギー』による核反応についての〜」って、ちょwww、まwww。VIPPERじゃなくても釣られるよ。早くも私の聞いたことのない新しいエネルギーが登場しました。

2ページ目:
 水伝のお家芸ともいえる「氷の結晶の写真」を持ち出してきて、「ありがとう」と「ばかやろう」の効果の違いについて語る。まぁ、見慣れてしまえば面白みが失せるが。

3ページ目:
 次の実験結果はさらに衝撃的です。「これは〜県の主婦が実験した結果ですけれど」って、ちょっとマテ。「〜研」の間違いだよな、な?ともかく、お米を瓶詰めして「ありがとう」と「ばかやろう」のテープを貼り付けて放置したら、「ありがとうは醗酵」して「ばかやろうは腐敗」したんですって。そうですか。多分、「味噌とかヨーグルトの入ってたビンと水洗いした未乾燥のビンでも使ったんじゃねぇの?」などと穿った見方をしたくなりますがやってる人は真剣なのだろうから堪える。
 さらに変な単語が飛び出す。「ニュートリノは半分物質で半分精神の『意識粒子』で〜」ってもうツッコム事もしんどくなってきたよ。そんな事言ったら「宇宙の質量の99%はダークマターでそいつらがニュートリノだって説が有望だから宇宙は半分精神で出来ている事になるよ。『バファリンの半分は優しさでできています』どころじゃないね。手塚先生のコスモゾーンが証明されるよ」と0.1秒ぐらい意識が飛ばされました。

4ページ目:
 実験方法。四本のビンを用意して、「ありがとう」、「ばかやろう」、「Thank you!」、「You fool!」の四つのラベルをそれぞれ貼って、『市販の水』を入れました。キューピー三分間クッキング並みのお手軽さですね。でも、料理番組で「ここで 20分煮込みます。で、こっちに20分煮込んだものがあります」とかちょっとズルイよね。関係ないか。
 
5ページ目:
 実験結果の前に検証。さっきの『市販の水』を20ヶ月放置して水中元素濃度を測ったんだってさ。私の予想では「掃除をしてたら昔、実験に使うとき余ったビンが出てきたので折角だから測ってみた」でファイナルアンサー。まぁ、ともかく20ヶ月放置しただけでも多少の水中元素濃度が変化している辺りからして、実験のエラーバーとかデカそうだなと、ICPの装置壊れてるんじゃね?と小一時間(ry。
 
6ページ目:
 少し早かったのでメモしきれなかったが、確か「ばかやろうは実験開始して初期の段階では急激にFe濃度が上昇するが、その後減少し始めます」だったような。だから、計測誤s(ry。
 
7ページ目:
 先に断っておく、私はネガティブキャンペーンがしたい訳ではない。単に面白かった事をみなさんと共有したいだけなのだ。だから、ここから出てくる話を聞いても不買キャンペーンとか言わないでね。
 講演者が「次に愛・感謝実験の説明をします」と言ったときには、会場全ての人間が笑いを堪えていた。顔文字で表示するなら「(゚д゚)ハァ?」といった感じ、私はAAには詳しくないけれどね。どうも、発表していた九大の先生が「やずや」の社長さんと親しくてやずやの「愛・感謝」と書いた魔法瓶を貰ったらしく、その中に水を詰めて凍らせながら氷結常態の観察をしたらしい。ちなみに使った水は『枚方の水』らしい。妙に庶民的な実験ですな。
 
8ページ目:
 で、まぁ。Si・Ca・Feの濃度が上昇していたのだとさ。で、どうもそれが『ニュートリノ励起原子ラジカル経由』で起こっているらしい。私は(色んな意味で)専門外なので初めて聞きましたそんな反応、それなんてエロゲ?
 反応式がたくさん書いてあって、例として「6C+14Si→20Ca」とか数字は原子番号ね、下付き文字が使えないから。そりゃ足し算したらそうなるだろうけれど。私だったら「真鍮に牛乳かけて(20Ca+29Cu+30Zn→79Au)『ありがとう』と連呼」するね、一応アルケミストだし。
 
9ページ目:
 で、次の結果が面白かった。「次にビンの内壁の写真を示します。ありがとうの方は曇っています、ばかやろうの方は輝いています。これはありがとうの方で核反応が起こっていたことを示しているのではないでしょうか?」ってアンタが疑問文で喋ってどうするんだYO!まぁ、また変な単語を持ち出してきて『ゼロ粒子』どうだの、『虚・実〜』がこうだの。
 
10ページ目:
 氷の結晶の写真。ここに来て気付いてしまった。やずやの魔法瓶は広告塔なのだろうな、可哀想に。「どうみても被害者です。本当にありがとうございました」です。みんな、やずやは悪くないよ、きっと…。
 
11ページ目、12ページ目:
 別の会社の宣伝、野菜が元気になるんだとさ。
 
13ページ目:
 おそらく考察。そして会場の皆から見れば盲察。どうでもいいけれど「ペンローズのツイスター重力論から推測されるように〜」とか「時空構造の創生」だとかもっともらしく言うのは良くないよ。ペンローズは確かまだ生きてるんだからさ。確かにペンローズは脳と量子の関係について考えてるけれど、あの人は理論物理学で行き着くところまで行った人だから別に構わないのであって、アンタは道の途中で蛇に唆されて獣道を歩いているんだから権威に頼っちゃ駄目だと思うな。お兄さんは「誰にも相手にされないけれど信じる事を自力で追い続ける人」が好きなんだ。権威に頼っちゃ駄目よ。
 
14ページ目:
 まとめ。「やっと終わったか」という感じの真面目な人と「もう終わっちゃったの?」という感じの不真面目な人に分かれる。当然、私は後者ですよ。
 
質疑応答:
 とりあえず、最初は科学の定義論争。まぁ、真面目に研究している人から見れば同じセッションにこんなトンデモが出てくるだけでも耐え難いのだろうね。で、いつものように平行線(別にいつも見てるわけじゃないが…)。
 
 次の質問は私も聞きたかった事。「その実験の再現性はどれほどなのよ?」という質問に「三回です」と自信満々で答えられると会場中が苦笑の渦に包まれる。「実験の母集団が小さいのだからもっと実験手法に気を使うべきだ」というありがたい指摘が出たり、「ICPのメーカーはどこよ?」などという下手したらそのメーカーに風評被害を与えかねない質問までありました。
 
次の質問「講演中に意識エネルギーによる核反応だと仰っていましたが(会場一同吹き出す)、「ニュートリノ励起原子ラジカル経由(棒読み)」の反応についての幾つかの反応式における核反応に必要な意識エネルギーの定量的評価はなさっているのでしょうか?
 つまり、『ありがとう』と『ばかやろう』の間にどれほどの意識エネルギーの差があって、それが核反応に必要なエネルギーを満たしているのか、そうでないかの検証はなされてますか?」
 
 当然、「私には出来ません」という解等が返ってきた。なんか可哀想になってきましたよ。最後に別の先生が「さっきの質問にもありましたがやはり『定量性』というのがないことには、なんとも。例えば、意識エネルギーをX軸に取ったときに「ありがとう」と「ばかやろう」がどこにあるのかも分からないならば、定性的な話も出来ない訳ですよ(以下略)」といったコメントで終わりました。座長の人はご苦労様でした。
 

 
 まぁ、奈良まで出掛けて聞くだけの価値のある発表でした。ここまでの破壊力があるとは思いませんでした。「見せてもらおうか。ニセ科学の実力とやらを!」と意気込んで突撃したら、「ニセ科学の発表はバケモノか!?」と返り討ちにあった気分です。むしろ、それぐらい歯ごたえがないと楽しくないよね。
 
 で、最後にふと思うのだが。発表していた人がやたら自信なさげに発表していたのが印象的でした。あぁいうのはもっと堂々と発表した方が面白いのだが。むしろ、私はあの人は「勢い余ってこの道に踏み込んでみたけれど、やっぱり失敗だったなぁ。予算は無くなるし、学生はいなくなるし、かと言ってこのまま止めてしまったら大学追い出されちゃうよなぁ。あぁ、気が進まないけれどこういうのにも寛容な物理学会にでも行って発表して実績積み上げておかなきゃな」という存在なのかもしれない。まぁ、あくまで想像だけれど。
  

2. ながぴい — September 24, 2006 @13:31:07

う〜〜〜〜む、
予想以上の破壊力だ…
聞きに行かなくて正解だったかも。
実際に会場でこんな話聞かされてたら、気分が悪くなってたかも知れない…

3. こなみ Website — September 24, 2006 @13:56:58

心待ちにしてましたが,う〜〜〜〜〜〜〜〜む。なんて楽しそうなんだ。
かもさんと同じく非会員の参加料払ってまで入るのはと,日和ってしまったのでしたが,無理しても行けばよかったかなあ。

4. Mon — September 24, 2006 @15:17:52

私も行ってきいてきました。一応大学の先生が講演するからもうちょっと筋の通った話しを期待していたのだけど、実験は粗雑、理論は人の伝聞ばかりでその場で説明できず、がっかりです。この手の話しをまじめに考えている人とはいるんですかね?
実験の話しとしては系統的誤差がまったくなくて、元素転換した物質の濃度が負になったりしているデータを見せてました。あとデータの数字の有効数字がppbで小数点以下4桁くらいかいてました。それで比較実験の言葉を書いた紙ををはっていないものも25ppbほど濃度が変化してました。これでどうやったら元素転換の可能性があるといえるんだろうか? 理論の説明は後付でもいいんですが、一応実験のセッションですから実験だけはきっちりとだしてほしかったです。

UpOwner Comment きくち  September 25, 2006 @00:11:51

ししゃかものウェブサイトや高尾氏の著書(実は、大昔にトンデモ本コレクションの一環として買ったのがあるのですが、トンデモ本にしてはつまらない)を読む限り、ちょっとでも筋の通った話は期待できません。
ちなみに、実験がきっちりしていたら、彼らの結論は出ないわけですから、きっちりしていないことは当然なのです(^^;

6. こなみ Website — September 24, 2006 @18:23:55

負の濃度のデータとか,ネットに公開されていた予稿にもそのグラフが載っていて,「なんじゃこりゃ?」とつぶやいていたものですが,そのまま登場したのですね。
http://www1.odn.ne.jp/shishakamo/kagaku/06butsuri-3.htmLink
この発表で重要なことは,江本勝氏が物理学会という科学の土俵に,水伝の「実験」の結果を乗せたということかな。連名で発表している以上,「科学ではなくてファンタジーだ」とは言えないはず。

> 江本1)は、水の氷結技術を独自に開発し、言葉や音が水の氷結
> 状態に影響を及ぼすことを世界ではじめて実証した。

日本物理学会での発表にこの文章が載った以上,江本氏は逃げるわけにはいきませんね。

7. はりがや Website — September 24, 2006 @20:03:44

会場の記号が「SF」だったっていうのは,
最後の講演だけ,その文字どおり,フィク
ションだらけの講演だったとか...

8. ken50 — September 24, 2006 @20:40:56

わたしは大学に籍を置く研究者ではないので、状況がわからないので教えて頂きたいのですが、大学というところは、一旦、教授なりの席を確保してしまえば、こうしたナンチャッテな論文(論文になっていないようにも思いますが)を大量生産していても首にならないのですか?
 
一般社会の感覚でいえば、優秀な人は評価され、役割を果たせない人は解雇されます。もし、学問の自由、という名のもとに、こうした一種の無法がまかり通るのであれば、それは、大学それ自体が、研究者の業績と内容を評価するモノサシを持っていない、ということの証明になってしまうように思えるのですけど。それって、無能、ということですよね。
 
研究者の皆さんは、盛んにいろいろなモノを計測していますが、自らを計ることができない、という、実にパラドックスな状況にいらっしゃるのでしょうか? お教え頂ければ幸いです。

Owner Comment きくち  September 25, 2006 @00:52:52

まずご理解いただきたいのですが、国立大学教員はつい最近まで「国家公務員」でしたから、彼のような人でも、身分は保障されていました。これは大学でどうこうできる問題ではなかったわけです。大学は最近「法人化」されましたが、移行の混乱はまだ続いています。とにかく、いったん雇っちゃうと、不正行為や犯罪にでも関わらない限りは、クビにならない制度だったわけです。
 
さて、ししゃかもの人の現在のポストを見ると、研究業績を(もちろんマイナスに)評価されていることは間違いないと思われます。まともな研究業績はありませんから、このまま定年を迎えることになるのでしょう。不正でも犯罪でもなく、単に能力がないだけだとすると、大学にできるのはそれくらいです。いくら出ていってほしいと思っても、業績がなければ他の大学には移れませんから、結局そこに留まることになります。
任期のついたポスト(これも最近可能になった制度です)なら、契約を更新しないという手が使えますが。
 
ただし、研究内容を理由にクビにしてよいかというのは、微妙な問題です。彼くらいでたらめな研究ならクビにしたいところですが、そういう制度はひとつ間違えると恣意的な運用をされてしまうので、かなり慎重に扱わなくてはなりません。
その意味では、捏造事件のほうがはるかに話は簡単です

Up10. かも ひろやす — September 24, 2006 @21:14:07

しまった。私は地元民だから、「隣の部屋で仕事をしているんですよ」という顔をして廊下から覗くという手があったんだ。私はこの失敗を1ギガ秒は悔やみ続けるでしょう。
ken50さんの疑問についてですが、研究内容があっち側に行っちゃっていることだけを理由に排除することは無理でしょう。そのための制度で、政府などに都合の悪い人物を排除することに悪用できないものは、まだ発明されていませんので。なにしろ、われわれには滝川事件という大失敗の過去があります。無能といわれればそのとおりですが、とにかく、われわれはうまい制度作りに成功していないのです。
もうちょっとぶっとび度の低いものなら、実験データの捏造なりをみつけてつくことができるでしょうが、ここまでお粗末で粗雑なものだと、かえって、捏造もへったくれもなくなっちゃうのがつらいところです。

Owner Comment きくち  September 25, 2006 @00:55:55

なまじ「科学」を知ってる人がやるから「捏造」になるので、彼らのようにでたらめだと、単に「でたらめ」なだけなんですよね。悪意はない。
釈然としませんが(^^;

12. nabe — September 25, 2006 @08:06:38

23日の実験でのトークは立ち見が沢山出ていましたね。まぁ大学の小さな教室でセッション中に入って来る人はなかなか前の席まで行けないので、例によって座席も沢山余ってましたが。
さて、質問の最初に「科学と考えているのか?」と質問したのは私です。予めアブストラクトを読んで理論の講演も聞いていたせいもあって、講演中は「うぇーん、やっぱりだぁー」と思い続けていて、「細かい点についての議論が始まる前に誰かが、これは科学ではない、という事を言わなければならないなぁ。誰かやってくれないかなぁ」ってな事を考えてました。質問時間になって、手を挙げるのが一瞬遅れたのはそのせいです。
定義論争したつもりはないのですが...私の性格が弱いからだろうなぁ、もっと強く言えば良かったかもしれませんね。
20日にあった2つの理論のトークでは通常通りの人数。この講演が変であることを予め分かって来ていた人は数人だったように思います。質問も2,3ありました。出てきた式の反応断面積を求める質問や通常の半減期などと合うのか?という質問には、「細かいことはやっていない」という答え、「自然科学として進めるには定量的な議論が弱いと思うが?」という質問には「そういうことです。我々は大まかなことを示している。矛盾があれば訂正していただく。でもICP-MASSとか使っているから結果は正しい」と答えてました。
で、感想ですが、
子供の頃、なにかしらで知った不思議な事象を自分で説明出来ないので、「きっとSFで読んだあの理論を使えば説明できるぞ」と思い込んで、友達に得意げに話している自分を思い出しました。

Owner Comment きくち  September 25, 2006 @12:02:39

ししゃかものウェブサイトを見ると、まさに「友達に得意げに話している自分」的ですね(^^;。ほんまにそういうことやと思うんですよ。
高尾氏がかつて書いた本を読みましたけど、「単なる思いつき」がいつのまにか「真実」になってるんですよね。論理もなにもありゃしないのです。
でも、その思いつきを得意げに話すと、感心して聞いてくれる人たちが周囲に集まっている。だいぶ以前に読んだのでなんの本だったか忘れましたが(別冊宝島?)、関英男さんが近所の人たちを相手に「幽子」の理論を語る会合の様子をレポートした記事がありました。よく似た印象を受けます。
たぶん彼は自分の言ってることを本当に信じていて、学会で発表すれば他の学者が褒めてくれると思っているのでしょう。満を持しての物理学会発表だったのではないでしょうか。
 
しかし、当人がそう思いこむのはしょうがないのだけど、ついてくる仲間がいるというのが信じがたいところです。今回の登壇者のかたの真意が知りたい。

14. ken50 — September 25, 2006 @12:36:05

レスを頂きました皆さまありがとうございます。滝川事件は思想問題であって、今回は、明らかに科学になっていない、のでは? というところなのではないかと。それはnabeさんのご質問意図ともかぶるわけですが。
 
水に呼びかけ、それに水が呼応するのだ・・・それを信じる自由は保障されるべきですが、科学としての証拠、プロセスが整っていないものを、科学の先端の舞台である学会で、科学と疑似科学の線引きは曖昧だから、という論点で、許容していくのは、さてどうなんだろう、とわたしは思うのです。
 
もちろん、物理学会がトンデモ系の学会だから、まあなんでもありなんですよ、というのであれば、それはそれで理解できるのですが、ごくまともな学会なら、こんな発表は事前にリジェクトされるのでは? 査読が機能していない学会なんでしょうか? わたしの知り合いが参加している学会では、論文のレベルが低いからと、口頭発表の時間をもらえない、なんて普通なんですが。
 
当初の質問と話がずれてきておりますが、ご容赦。

UpOwner Comment きくち  September 25, 2006 @14:23:22

この話は以前も出たのですが、物理学会での発表は無審査です。発表は学会員の権利であって、学会員であれば発表できます。つまり、発表する権利は「学会の年会費」のうちなのです。
 
審査するかしないかの方針は学会ごとに違うと思います。
物理の分野では「海のものとも山のものともつかないアイデア」を発表して議論することが重要ですから、審査しません。学会は完成した研究を発表する場でもありますが、同時に、未成熟の研究を発表して「叩いてもらう」場でもあるのです。僕自身は後者の意義のほうが大きいと考えています。完成した研究なら、論文を読めばいいので。
つまり、審査制によって「もしかしたら大事かもしれない未成熟の研究」を締め出してしまうことに比べれば、無審査の副作用として「怪しい研究」も発表されてしまうことはたいした問題ではないと考えるわけです。
実際、この手の「怪しい研究」は全体の発表数に比べれば無視できるほど少ないので、この方針はうまく機能しています。
学会で発表したが論文にならなかった「まともな研究」もごまんとあります。それらは最終的に研究業績ではないわけです。
研究は最終的に論文として専門誌に掲載されてはじめて「業績」として認められるものです。当然、専門誌(日本物理学会のJournal of Physical Society of Japanなども含め)では論文掲載にあたって、きちんと審査します。とんでもない論文はこの段階でリジェクトされます。
 
ありていに言えば、物理学会で発表するというのは研究者仲間に研究内容を知らせることであり、それ以上でも以下でもありません。その点をご理解いただけばよいと思います

16. かも ひろやす — September 25, 2006 @14:24:17

ようするに、理念の問題ではなく技術的な問題なんです。
たとえば、公害の隠蔽を狙って「明らかに科学になっていない」の問題にすりかえて研究者を追放しようと制度の悪用が試みられたときに、有効に反撃できる手段があるような制度を作ることができるかということです。残念ながら、うまい制度を作ることに成功していません。

17. 柘植 — September 25, 2006 @16:13:20

皆さん、こんにちは。
 学会発表の事前審査については、学会事にマチマチなのですが、総じて実利性の強い学会は事前審査が厳しい感じを受けています。分析化学会などは、分析装置の開発関係の発表を無審査にすると、特定のセッションが分析装置メーカーの宣伝合戦の場に成りかねないという事で事前審査性をとっています(年会などでは、分析装置の宣伝用に別途ワークショップコーナーをつくって、登録費とは別に宣伝費をとってそこで新製品の宣伝をしてもらったりします)。ただ、そういう宣伝要素が少ないと、審査する方にも「できるだけ門前払いは避けたい」という意識は働きます。もともと学会というのは「発表してなんぼ」ではなくて「発表した内容が認められてなんぼ」のものという意識は、我々には強い訳です。
 このあたり、ニセ科学について言うと「特許取っています」の宣伝が、特許に詳しい者にとってはなんら宣伝効果をもたないけど、「特許ってすごいんだ」と思う人には宣伝効果となる様な面と同じに、「学会発表しています」が、学会の関係者にとっては「で、反応はどうだったの、その後論文になったの」でしか無いという事を一般にどう認識して貰うかという話も含んで考えていくべきでしょう。
 もともと、我々の住んでいる社会において「討議の場」「審理の場」に対しての「門前払いはできるだけ避ける」という基本はあるわけです。民事訴訟などは「審理の場」ですから、訴状にそれなりの要件が書いてあれば裁判所は受理して裁判を開きます。そしていい加減な訴訟は「原告敗訴」となるだけでなく、「濫訴による迷惑料を払え」という反訴の対象となります。この前も武富士に対し週刊金曜日という週刊誌の会社に「無茶な訴訟をした迷惑料として240万円払え」という反訴勝利判決が出たばかりです。

18. てっく — September 25, 2006 @18:04:55

きくち先生。
>国立大学教員はつい最近まで「国家公務員」でしたから、・・・
>とにかく、いったん雇っちゃうと、不正行為や犯罪にでも関わらない限りは、クビにならない制度だったわけです。
任期の有無に関係なく、国立大学の教官は、まともな専門誌に掲載された業績が一定期間(5年くらい?)無ければ、諭旨免職(分限免職)にすれば済む話だと思うのですが、ダメでしょうか? 

Owner Comment きくち  September 26, 2006 @00:53:26

んー、それはだめです。「研究所」ならいいのかもしれませんが。
10年越しの研究なんてのも充分ありうるし、そういうのは大学でしかできませんから。
もうひとつ、大学教員の仕事は「研究」だけではないので、「教育」も業績としてきちんと評価しなくてはなりません。研究業績はそれほどでもないが、ものすごくよい授業をする人もいるわけです。研究業績はすごいが授業はてんでだめという人と本当はどちらが大学に貢献しているのかなんて、誰にも言えないです。
もちろん、ししゃかもの人はそのどちらでもないでしょうが。

Up20. 赤ガエル Website — September 25, 2006 @21:48:25

非常に基本的な疑問なのですが、ICPという装置は「負の濃度値」というものを表示なり出力なりできるものなんでしょうか?
島津のHP見たんですが負の濃度なんて出しようがないように思えるのですが・・・
それともキャリブレーションでゼロ合わせをずらしたりすればマイナス数値も出せるのかな?
「ICP-MASSとか使っているから結果は正しい」って回答もすごいですが、負の濃度っていうのはすごすぎます。
うちらの業界で「マイクロメーターでマイナスと出てるから厚さはマイナス5マイクロ」なんて言ったらどうなるのだろうか?

21. apj Website — September 25, 2006 @23:09:43

>「マイクロメーターでマイナスと出てるから厚さはマイナス5マイクロ」
「何を寝ぼけているのだ?」で終わりではないかと。

Owner Comment きくち  September 25, 2006 @23:22:47

マイクロメーター様がマイナス5とおっしゃっているのだから、マイナス5なのである。たかだか人間の分際でマイクロメーター様に逆らうとは不届き千万

23. yebisu500 — September 26, 2006 @01:59:27

ちゃちゃなんですが、もういっそのこと「物理学芸会」とか「物理学会寄席」に名前を変えちゃったらどうでしょう。「学会発表」を宣伝に使われるよりはマシでしょう。
ああ、旅費をもらいにくくなりますね。:)

24. 柘植 — September 26, 2006 @08:31:59

赤ガエルさん、おはようございます。
>非常に基本的な疑問なのですが、ICPという装置は「負の濃度値」というものを表示なり出力なりできるものなんでしょうか?
 ICP−MSの原理からはマイナスの値は出ないのですが、検出感度以下の所では検出器の変動が観測されてマイナスの値になることもあります。ただ、数十ppbレベルだと検出器の変動ではないでしょう。別に考えられるのは最近の装置は検量線の作成とか、その検量線に比較しての数値化が付属のパソコンの中で自動的に行われるものがあります。その際に検量線の切片(つまり濃度0の時のシグナル)を検量線の平行移動で0としてしまうものもあります。いわゆる空試験値の引き去りと同じ事をやるわけです。そのとき、検量線を作成した検量用試料の濃度がズレたりしていると異常に大きい切片を強引に引き去る事になるので、測定対象試料の値が負に表示される事も出てくると思います。本来、負の値が出たなら、検量用試料から確認し直さないとならないものです。
 実は、一昨年だったか、応用物理学会の東海支部で「分析の基礎セミナー」がありまして、「赤外分光を話せ」と講師を押し付けられました。そのとき、同じく講師をさせられた同僚が「分析屋に物理屋の前で機器分析を話させるのは酷だ」と喚いていましたが、まさに同感でして、機器分析の原理は物理学にあります。そして我々は概略的にしか原理は理解しておらず、その原理を正しく分析に応用するための様々なテクニックの専門家であるわけです。「基礎から話せ」と言わずに、「原理を分析に応用するためのテクニックを話せ」と言って欲しいわけです。原理が正しくてもその原理を実際に応用して正しい分析結果を出すためには専門家が必要とされるほどの様々なテクニックや留意点があるわけです。

Up25. Toshi — September 26, 2006 @08:53:00

>>赤ガエルさん
私も直接ICPを使った事は無いのですが、検量線をとって定量するのだとすれば、ブランク(濃度0)にコンタミ(混入)があった場合、混入量よりも薄い濃度のものを測定すれば当然マイナスの値は発生するはずです。
私の記憶が正しければ、ICPという測定装置はメモリー効果が起きやすかったはずです。メモリー効果というのは、前の測定の成分が装置内に残ってしまい、次の測定時に現れてしまうことを言うのですが、これがあるとブランクにある程度の値が発生してしまう可能性はあります。
ただ、このあたりはこの手の定量分析をやる場合には基本中の基本ですから、わかってないなら装置を使うな!というレベルの話です。

26. com — September 26, 2006 @12:16:47

ICP-MSを簡単に説明すると…
(長くなるけどwikiを紹介 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%98%E5%B0%8E%E7%B5%90%E5%90%88%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%BA%E3%83%9ELink   こちらも参照ください)
サンプルの形態:液体で、希薄な濃度が望ましい。
分析対象:元素。原理的には全元素を測定可能だけど、実際には金属元素濃度を同定、定量する目的で用いられる。
測定可能な濃度:元素によって異なるが、1ppb以下(10の-9乗…10の0乗が1)も可能。
実際に濃度をどうやって測定しているか、を簡略化してまとめてみました。
ある元素の濃度を測定するには、サンプルを測定するだけではダメなのです。測定したら25、って出力があるけど、その出力のときに、どの程度の濃度なのかを検証する必要があるからです。
そこで検量線というモノを作る必要があります。
検量線は、例えば1ppb、10ppb、100ppbと三種類の濃度の異なる液を予め調整しておきます。そして、この液を分析すると、1ppbの時は1、10ppbの時は10、100ppbの時は100と結果が出力されます。
グラフを用意して、x軸に濃度を、y軸に得られた出力をプロットし、最小自乗法等でy=ax+bの式を求めます。
一般的には、濃度0ppbの時は、出力も0なので、得られた式はy=axとなります。
以下ネタ。
マイナスの濃度の作り方。
しかし、B=0にならない場合はどうなるでしょうか。
bがマイナスの値で(例えば-3)、ax<3となれば、負の値が簡単に作れます。

27. kkojima Website — September 26, 2006 @12:26:37

まじめな議論をしているなかですみません。
「それなら真鍮に牛乳かける」が面白かったので。
でも、中性子の数にも注意が必要ですよ。折角できた金が、一瞬にして別の元素になってしまったらつまらないし、放射線で被ばくするかも
というか、そうだ、そういう反応なら放射線で測れないか?と質問するのはどうでしょう(どこまでもふざけててすみません)

28. ken50 — September 26, 2006 @21:27:37

雑感ですが、大学の体制システムにて解決しようとした場合、ネガティブなリスクが増大するのであれば、とりあえずは、このシステムを継続するとしたらならば、ゲーム脳にしろ、水伝にしろ、何にしろ、メディアの弊害がいかに大きいか、というのを感じますね。しかし、いったん席を手に入れたら特に査定を受けない、というのはなんというか、牧歌的というか・・・。いわゆる学者バカ=社会性ない人、が生まれるのもよくわかります。

Owner Comment きくち  September 26, 2006 @22:06:58

んー、査定は受けているんですよ。
業績がなければ昇進はありません。その点については、年功序列社会よりもはるかに厳しいです。同じ研究室内でポジションと年齢の関係が逆転していることはざらにあります。かなりの業績があってもそういうケースがあります。その場合は「かなりの業績」と「さらにかなりの業績」の比較になっているわけです。
一般的には、普通の社会よりもはるかに厳しい「業績主義」であることは理解していただきたいところですね。ただし、業績がなくてもクビにはなりませんから、トンデモない人が居座っている例もあるということです。
社会性がないのは、年功序列社会ではないからです(^^

Up30. 赤ガエル Website — September 26, 2006 @23:55:25

みなさんのコメントのおかげで、ICPで負の数値をひねり出せないものでもないとわかりました。ありがとうございます。
同時に「濃度がマイナス」とグラフに平然と記してしまうセンスのよさも理解できたような気がします:E
 
とはいえ当方の身内にも、新人とはいえ「マイクロメーター様がマイナス5とおっしゃっているのだから、マイナス5なのである」と断言してしまった漢がいたことがありますので、あまりえらそうなことは言えないな。
「ベアリングの面粗度(表面がどれくらいでこぼこしているかの数値)はゼロにして下さい」
などといったリクエストを受けたこともあります(++!)
まあ機械屋さんでないひとが良かれと思っての発言ですが、こういうのも数値を見て実物をどれだけイメージできるかというセンスの問題でしょう。
自分も気をつけたいと思います。

31. kkojima Website — September 27, 2006 @08:57:18

クビにならないことも、必要なのかも知れません。査定というものは、おそらくは成果を上げているかでなされると思いますが、往々にして成果を見る指標に、その時代ならではのバイアスがかかることはあり得ますし、時代のバイアスってのは、同時代人には判らないものです。
特定の学説が弾圧を受けるというのがガリレオの時代で終わりではないことは、物理を学んだ方なら思い当たる筋があるのでは?
(特にニューエイジ系の)トンデモな話をする人たちが、そういう話(彼らの主張が認められないのは科学が古めかしく権威主義的だからとかいう理屈)を持ち出すのは腹が立ちますが、一方で、本当に独創的な研究を潰しちゃってたらまずいっていう思いは理解できます。
だから、私はトンデモな発表でも認める物理学会の姿勢は好ましいと思うし、とはいえ、実際問題としては邪魔なだけの発表があるのは、お疲れ様でもあり、それを含めて、運営者の皆様に敬意を表すべきと思いますし、大学に籍を置くことの扱いについても同様かと。
ken50さんは、そんなことは判っているが現状はひどすぎるんじゃないか?という意味で書かれているかもしれないので、だとしたら噛み合っていないかも。だったらすみません。私は、学生・院生時代の専門と関係のない行政の職について既に十数年で、ひょっとしたら、今の大学とは違うイメージで語っているかも知れませんが、恣意的な運用の排除は難しいというきくち先生の発言にはリアリティがあると感じます。

32. ken50 — September 27, 2006 @09:44:00

kkojimaさんフォローありがとうございます。そんなところです。10年なんてスパンじゃ成果わからん研究あるのも理解していますし、現時代において直接、功利効用に直接縁がなさそうな基礎研究といった分野があるのもわかっています。そうした話とは別に、水伝のようなものは、あまりに何じゃないんすか? というところです。

あらたな知見の可能性じゃなくて、実験手法の木訥さとか、そんな基礎的なことを無視するレベルの人を教授としておいておくことは、結局は、大学の自死につながるのでは? ということです。いいかれば構造と中身。新たな知見の可能性という中身を排除するのではなく、構造上に問題があるにもかかわらず、中身の可能性という言葉で、それを放置しているのは、いかがなものだろうか、ということです。
 
専門家であればちょっとみれば、こりゃ試験方法なってねーだろ、とわかるかも知れませんが、一般の人はそこまで見ていないですし、理解できるかもわらない。ですから、学会で「ネタ」として扱うのは、その辺を理解している人には、いいんじゃないの、になるかも知れませんが、現在、きくちさんが四苦八苦しているように、メディアで恣意的な情報が広まってしまうと、その火消しに不毛な労力が必要になってしまうわけです。
 
簡単にいえば、中学校で電圧計の目盛りの読み取りができなければ試験ができないわけで、それと同様の話ですよね、と。機器の扱いが???で、そのデタラメデータをもとに詭弁を弄するわけですから。それって科学じゃないでしょ。科学でないものを、独創的なものがあるかもしれない、なんて評するのは視点としてはピンぼけなんじゃないのでしょうか? ということなんです。専門機器取り扱いできないレベルの人間であれば、大学においておくのが間違い。それは、思想信条とか、独走的研究を阻害する、なんて話じゃないわけです。単に、能力が足りない、というだけですから。
 
大学に入る時に試験受けてふるい落とされるように、大学に入った後、アタマの程度が下がる人もいる、ということが想定外なんでしょうね。時代は進歩し、機器も進歩し、それを扱えなくなったらご退出いただくだけの話だと思います。それは、入る時点でふるい落とすのと、なんら変わらない話ですので。しかし、終身雇用制度は大学に残っていたのですね。では。

Owner Comment きくち  September 27, 2006 @17:44:04

ししゃかもの人が、科学の分野で「独創的なものがあるかもしれない」などと評価されているわけがないですよ(^^;。そりゃ、あれを科学だと思っている研究者など、いるとしたってごくごく例外です。彼が大学にいられるのは、「独創的なものがあるかもしれない」と評価されているからではないですよ。追い出せないからでしょう。
 
ししゃかもの人などが「大学の先生でござい」という顔をしているのは、多くの人が、苦々しく思うわけですよ。やめてもらえるなら、それほど楽なことはないわけです。
しかし、「トンデモさんだから」というのが解雇の理由として大変に難しいことは、おわかりいただけるはずです。「学問上の見解の相違」では解雇できないことは明らかですから、「トンデモさん」と「学問上の見解の相違」の違いを合理的に説明する規則が必要です。労基法上、解雇には「客観的に合理的な理由」が求められますから(法人化以後は国立大学教員も労基法に従います)
しかし、相対主義的科学論だって学問として認められてしまうのですから、その規則は不可能でしょう。
  
ししゃかもの人は助手のまま、学生を指導することもなく定年を迎えると思います。それが"査定"の結果です。会社でいえば窓際族に相当するものとご理解ください。クビにできないなら、窓際扱いにする以外に手はない
少なくとも、彼のように国家公務員時代に雇われて、法人化でも「不利益を受けない」雇用になった人については、制度上それ以外の方法はありません。不祥事を起こしてもらったほうが、話ははやい。
 
たしかに教授になってからトンデモに転んだ人もいて、みんなが困ったわけですが、国家公務員は身分保障されているので、身分をどうこうはできなかったのです。できることといえば、学生を配属しないとか授業を持たせないとかです。
それは恐らく国立の研究所も同じで、だからこそ電総研やら放医研にはトンデモな人がいたわけです。このレベルでの話は「無能な役人をなぜ役所に置いておくか」ということと同じで、大学だけの問題ではなかったのです。
まだしも、「年功序列ではない」分、ほかの役所よりは査定が働いていたとご理解ください。納得してもらう必要はないですが。
 
法人化でどう変化するかは、まだこれからの話です
ただし、制度化するなら、かなり慎重にやらなくてはならない。ししゃかもの人は誰がどう見てもだめですが、しかし、ではどういう基準で切るのかと言われれば、統一的な基準は思いつきません。おっしゃるような「この機械が使えなければクビ」などという簡単な基準は使えません。研究者はみんな違うことをしていますから。僕自身はどんな実験装置も扱えないと思います(^^;

34. nakanishi — September 27, 2006 @09:13:19

「水伝先生がどうして大学を首にならないか」という、ken50さんの疑問に対する返答は、すでに何人の方が書かれている以上はなく、とくにつけ加えるべきことはないのですが、ひょっとして受け止め方のずれがあるかもしれませんので、少し詳しく書きます。

「大学ではまったく査定がないのか」ことでしたが、今回問題になった人は、工学部の助手の方で、すでに定年まじかで、そういう意味では大学の中では彼の資質について必ずしも評価を受けずにおられたわけではないと思います。
大学教員の職務としては、大きく分けて教育、研究、そして、組織の運営がありますが、大学の組織としては、教育が一番重く、「大学教育=研究者」という一般の方が大学教員としてもたれれいるイメージとは異なると思います。特に、実験系の助手という立場で言えば、大学1年から3年レベルの学生実験の指導が主な職務になると思います。

私は、本人を直接知りませんが、九大に勤めている関係上、学生のうわさを耳にすることもありますが、その方は「気のいいおじいさん」だそうです。過去に何もなかったかは分かりませんが、現時点で学生実験の指導という意味で大きなスキャンダルを起こしているわけではないようです。
今回の発表に関して、物理的にありえない数字を平気で出しているということですので、学生実験指導の場などでそのような質問があったときに、本人がどのように答えられるのか心配ですが、発表者は本人ではなく文系出身の学生ということのようです。
いずれにせよ、もし実験系の助手で学部学生の指導がまともにできないと周りが判断した場合でも、一昔前だと担当をはずされるだけで放置されるかもしれませんが、これからは大学として何らかの組織としての対応ができるようにすべきだとは思います。

一方、研究に関して、「トンデモ発表」だけを理由に何らかの処分が可能かということについては、かなり難しいと思います。大学人としては自らが信ずることを真摯に研究することは「職務」でしょうが、その結果に対して、生産性が低いなどの外形的な理由や、学問的に見て荒唐無稽であるということであっても、研究内容を理由に教員を排除する効率的システムを作ることは、副作用が大きすぎるように思います。
研究内容の評価は学会によるべきで、大学としては、昇格に際する業績評価で行うべきでしょう。
また、今回のように、博士学位取得を目指している学生さんを巻き込んでいる場合には、学位審査やその指導の過程で、その内容について大学あるいは専攻としてのチェックがそれなりに入るようにはなっていると思います。
ただ、助手の場合には、博士課程の学生の指導をすることについて、職務上の責任はないので、その指導に問題があったとしても上司の教授か助教授の責任ということになると思います。

「5年間、論文を出していなければ首」ということにすればすむじゃないかとのご意見もどこかでありましたが、どの程度論文を出していればそこそこかということは、分野によってかなり違うので、そのような基準に当てはまらない人でもまじめでちゃんとした研究をしている人も多くいると思います。
また逆に、そのような基準を設けたとしても、「トンデモ学者」を有効に排除できるかどうかはきわめて疑問です。例えば今回問題になった方でも、少なくとも1999年までは査読つきの学術誌に論文を出されているようですし、もしそんな基準ができたらその基準をクリアーしているように見せかけることは非常に難しいことではありません。
一方、大学としてそのような外形的基準を設けること自体、学問を内容ではなく外形で判断しようという姿勢と写り、当初の提案の意図とは逆に、見せ掛けだけで内容の無いトンデモ学者が跋扈する事態にもなりかねません。

いずれにせよ、納税者としてみれば「水伝研究」などに大学教員がかかわって堂々と発表していることを「理解」するのは難しいことは理解できます。しかし、学問の性質上、あるいは学問が社会に果たしている役割の性質上、「簡単で有効な解決法」は無いように思います。一方、大学人としては、そのような批判が一般からあるということは、常に心に留めておく必要はあると思います。

Up35. いしやま — September 27, 2006 @13:58:05

理論のを見物に行ったうちの一人です。ほとんどの人はトンデモと気づかず、まじめに話を聞こうとしてました。残念ながら実験のは見にいけませんでした。
確かに、ほのぼのした感じのおじさんでした。その手の話に乗せられて、いつの間にか自分でも信じるようになってしまったという類じゃないでしょうか?あの手の粗雑な実験センスで学位とれている(論博のようですが)というのは、どういうことなんでしょう?
物理学会の千葉会場では高校生のポスターセッションがあったのですが、こちらも大入り満員で、よくできた発表がたくさんありました。こういう人たちを育てていくのが、この手の問題解決の最短コースなのかもしれません。

Owner Comment きくち  September 27, 2006 @17:54:40

こんだけ世間で話題になっているのに、「ほとんどの人はトンデモとは気づかず」というのは由々しき事態ですね。彼らの発表があったことよりも問題だと思う。
その点、実験の発表のほうは、トンデモさん見たさの聴衆が多かったようですが。

37. いしやま — September 27, 2006 @20:10:11

トンデモ発表に慣れ親しんでる我々(って誰だ?)とは違い、これまで縁がなかった人たちのセッションだったため、もしかしたらマトモな発表なのかもしれないと予断なく聞こうとしたのではないかと。
でもさすがに、「反応の断面積は?」等の質問に「細かい話は検討していない」の一点張りで返していたため、あきれられてました。物理的な検討は細かい話なので無視していいらしい。
けど、それがトンデモであるとは認識できてない感じ。そろいもそろって、「ちゃんとした物理として認めてもらえるためにはどうしたらいいか」系の解説を懇切丁寧にやってましたし。
これは、理論セッションに大挙して押しかけなかったトンデモフリークさんたちに責任があるのではないかと:)

Owner Comment きくち  September 27, 2006 @21:43:22

いや、これだけ世間を騒がせているトンデモさんを「知らない」というところが、あまりに世間知らずなのではないか(^^;

しかし、どれほど指導したって、トンデモさんは治らんでしょうね。残念!

39. nakanishi — September 27, 2006 @21:20:03

>それは、入る時点でふるい落とすのと、なんら変わらない話ですので。
>しかし、終身雇用制度は大学に残っていたのですね。では。
何ヶ月か前に書きましたが、九大は、「全国に先駆けて」ほとんどの理系学部に、全教員の任期制を導入しています。
これは、世界の(一流)大学の常識から見ても異常なことですが、皮肉な見方をすると、トンデモさんが跋扈するのは「終身雇用」と何の関係もないのかもしれません。
ただ、九大には1000人以上の教員がおり、その中で一人二人の特に通常の社会規範を犯しているわけではないトンデモ学者を排除するのに、大学全体の機能にかかわるようなルールを持ち込むのは、それこそ自死にいたる危険があります。

UpOwner Comment きくち  September 27, 2006 @22:13:19

新規採用以外にも任期がつけられたんでしたっけ?
それは不利益なんちゃらに当たるから、不可能だと思ったのですが、違うのですか。
 
いずれにしても、大学教員の大多数はトンデモさんではないので、トンデモさん対策としてトリッキーな「解雇」の論理を考えてもしょうがないですね。
 
それよりも、所属研究科として「トンデモな発表に大学の名前を出すな」という圧力をかけることはできますね。もちろん、それに強制力を持たせることはできませんが、少なくともそういうアクションがあるというのは重要でしょう。
実は、阪大でも先日ちょっと問題があったのですが、仄聞するところでは、「大学の名前は出さない」ということで話し合いがついたようです

41. 福岡在住 — September 27, 2006 @23:06:59

九大の工学部・農学部など(文系学部と理学部を除けばほとんどが該当すると記憶しています)は、全教員任期制で、きくちさんの表現なら『新規採用以外にも任期がつけられた』です。本人の同意書が必要だから、同意書を提出せず、という人は存在するということです。

Owner Comment きくち  September 27, 2006 @23:23:39

そうか、同意書を集めましたか。
トンデモな人は同意書を出さないですよね。任期が切れたあと、行く先がないから。
しかし、九大だけ全員任期制ですか。テニュア・トラックという概念もないのですね

43. nakanishi — September 27, 2006 @23:32:03

>テニュア・トラックという概念もないのですね
そこが面白いところで、全員任期制を導入するのに熱心だった九大の執行部は、同時に、すでに任期制が入っている学部にも学振のテニュアートラック制度を導入するプロジェクトに応募することにも熱心でした。
こうなってくると、現九大の執行部は、大学におけるテニュアー職の意味や、テニュアートラック制の意味すら理解していない、「トンデモ経営者」集団としか思えません。

ところで、任期制に移行する同意書の件ですが、提出率について公表されていませんが、大半の教員が出したとかとのうわさです。工学部や農学部、医学部では組織の締め付けが強い上に、助手や助教授の人にとっては提出しないと昇格のチャンスがなくなるのでは、という不安もあるようです。

Owner Comment きくち  September 27, 2006 @23:56:20

うーん、それは矛盾していますね。そんな大変なことになっているとは。
同意書について、組織の締め付けがあったとすると、労基法に違反するのではないでしょうか。
 
理学部がそれに乗らなかったのは、賢明でした。

UpOwner Comment きくち  September 28, 2006 @00:07:31

農学部というと、活性水素の白畑教授は同意書を出したのかなあ。
彼には同意書を出さなきゃならない理由なんかまったくないと思いますが。

46. nakanishi — September 28, 2006 @09:17:08

「組織の締め付け」といっても、そこは大学ですから、一般企業で問題になっているような威圧的なものがあったとは思いません。ただ、学科や学部、研究室の雰囲気みたいなものは、理学部の中で感じているものとはかなり異なるようです。
農学部のその先生が同意書を出されているかどうかについて、私は知りませんが、出されていたとしてもそんなに驚くべきこととも思えません。むしろ学部の方針に抵抗して提出を拒否されているとしたら、そのほうが意外な感じがするでしょう。
形式的な判断をする限り、その研究室はアクティブに見えないことも無いですし、私自身、全学の***委員会で拝見したお顔や話し方の印象で判断する限り、この方もきわめて常識的な方に見えました。
また、○×水の研究だけではなく、教育や学内運営の業務にも熱心にも見えますので、今、九大で考えているような再任審査で引っかかるようにも思えません。

Owner Comment きくち  September 28, 2006 @12:49:15

そうなんですか。
じゃあ、「肩書きを利用」しているわけではないのですね。
白畑さんの話は、「謎の水の宣伝に使われている」という点を除くと、科学なのだと思います。たぶん間違っているけど。
積極的に肩書きを利用して商売にしているのでないなら、単に「たぶん間違っている科学」ということになるでしょうか。科学的な評価は天羽さんが詳しいはず
 
ししゃかもの人のはまったくのトンデモですが、でも善意の人なのだろうとは思います。善意の人の扱いは難しい。
 
阪大にいる問題のかたは、専門分野では大変優秀なのだそうです。悪い噂はまったくないようです。ただ、なんらかの理由があって、トンデモにも手を染めている。前にも書いたように、このかたについては、トンデモ関係は大学の名前を出さずにやることになったそうなので、まあ理想的な解決なのかなと思っています。

48. apj Website — September 28, 2006 @19:52:13

>積極的に肩書きを利用して商売にしている
「商売」の内容の定義にもよりますが、白畑教授については積極的に利用していると思います。そうでないなら、なぜ、宣伝に実名入りで登場するのか?というのが疑問です。
 もう少し一般的な判断基準を申しますと、研究者本人の研究成果を使ってベンチャー企業を作った、というような場合以外で、肩書き付きで宣伝に出ているものは、すべて信用しないほうがいい、と考えています。製品の宣伝は、企業の信用、知名度、品質、工夫などに拠って立つものであり、他の権威に拠って立つものではないからです。例えば、私は今、ホンダ技術研究所の研究委託を受けて、研究費もいただいています。大学と会社の間には契約が結ばれ、守秘義務が課されています。製品の原理や性能について新聞や雑誌に登場してもっともらしいことを言いまくれというのとは、全く逆のことになっています。で、研究がうまくいったとしても、ホンダの製品の宣伝に私が肩書き付きで登場することなどまずないでしょう。企業自身の知名度、技術、培った信用や実現した品質で、十分宣伝できるからです。
 白畑氏については、肩書きを利用した宣伝をしていると判断してかまわないと考えています。最初のBBRCの論文で、活性水素が仮説に過ぎなかったのに、企業による「活性水素の実在が証明された」という宣伝に登場し、かつそれを止めませんでした。普通の科学者なら、主張できない範囲のことまで言われたら、それは言い過ぎだとして止めさせるはずです。また、活性水素の定量方法を開発したといいつつも、直接測定は(当然)できていません。宣伝内容と研究内容の間に大きなずれというかウソがあって、それを放置したり、その後も宣伝に荷担しているのですから、これは、肩書きを利用した宣伝と判断すべきかと思います。

49. nakanishi — September 28, 2006 @20:18:08

> そうなんですか。
> じゃあ、「肩書きを利用」しているわけではないのですね。

私の文のどの部分がそのような印象を与えたのか、ちょっと分からなかったのですが、九大の農学部の「再任審査」の基準に、「企業の宣伝に肩書きつきで出ないこと」という条件があれば再任されない可能性もありますが、そんな条件があるかどうかは分かりません。
いずれにせよ、全教員に任期をつけて、定期的な再任審査にかけたとしても、このような人を一網打尽に排除するなんてことはできそうに無いということを言いたかっただけです。

UpOwner Comment きくち  September 28, 2006 @21:08:52

ああ、そうか。
いや、教育やらなんやらにも熱心な人は、「肩書きを利用して商売」をしないと、なんとなく思いこんでしまいました。早とちりです。すみません

51. ken50 — September 29, 2006 @16:26:26

ご丁寧な返信をいろいろいただいており、ありがとうございます。なかなか難しいものだなと感じます。いろいろ思うところ書かせていただきましたが、水伝のようなハッキリしたトンデモさんは、はっきりしている分、まだマシなんだろうと思います。素人目にもわかりますからね。世間で言うように、善人ずらした悪人が一番始末に負えないように、疑似科学もきっとそうなんでしょうね。では。

52. 左巻健男 Website — October 1, 2006 @18:49:57

明日10/2の読売夕刊に“「ニセ科学」横行防げ”と科学者たちが動き始めた、という記事が出る予定です。
ニセ科学フォーラムも少し取り上げるということです。
このスレッドの物理学会の発表も。
*「予定」ですから変更もあり得ます。

Owner Comment きくち  October 1, 2006 @21:14:18

夕刊って、駅で買えるかな
その手の記事が増えるのはありがたいですね

54. かも ひろやす — October 2, 2006 @21:39:17

こちらでは、10/2付けの夕刊の6面に載っておりました。物理学会の立て看板の写真が載っていますが、あの背景の門は奈良女子大学の正門で文化財に指定されております。
どさくさにまぎれて宣伝でした。

Up55. 温泉カワセミ — October 2, 2006 @23:03:33

読売新聞の記事、読みました。物理学会のししゃかもネタを、非常に強い口調で批難していることには、好感を持ちました。ただ、このエントリーの最初のコメントで紹介されてたセージさんのリポートと若干ニュアンスが違う部分もあるやに思いますが、まぁ大筋としては大差ないのでしょう。
 
ただ、一番大きい面積を撮ってる写真が、マイナスイオンを云々するためがための『滝』の写真やというのが、ちと引っ掛かりますが。
(^-^;)
#箕面の滝かいな?

56. SSFS — October 3, 2006 @00:21:54

「滝で豊富なマイナスイオン」をうたっている観光地は意外に多いんですよ。そういうところに注意喚起する意義はあるでしょうね。柘植さんが称名滝を擁する富山県立山町に安易な宣伝を戒める「ご忠告」を具申したばかりです。

57. 温泉カワセミ — October 3, 2006 @01:10:42

SSFSさん、
 
>そういうところに注意喚起する意義はあるでしょうね。
 
あぁ、滝を取り上げたことそのものに不満があるのではなくして、滝だけでそんなに面積取るんやったら、もうちょっと文章増やして欲しいって言う希望やったのです。確かにさっきのワタシのコメントやと判りにくいですね。f(--;

58. 柘植 — October 3, 2006 @08:51:22

皆さん、おはようございます。
 私が思うのに、大事なのはこうやって先生方が出す一次情報が、一般の人の間で二次伝搬、三次伝搬していくことだろうと思うわけです。そういう意味では、大きな滝の写真で読者が読む気になるならそれでもかまわない。
 ただ、近所の井戸端会議やら仕事場の雑談で「そういえば夕刊で見たんだけどニセ科学が・・・」なんて話はなんか起こりにくい雰囲気があるわけです。その解析をもう少ししたい気がしています。
 でもって、自分の町の観光パンフの記載なんてのは、私に言わせると二次伝搬とかをする気になると比較的やりやすい気もするわけです。私みたいに自分が住んでもいない町にわざわざメールするのではなくて、町役場の「町政ご意見箱」に「新聞の夕刊で見た。マイナスイオンなんてニセ科学を町の観光パンフに使うな、恥ずかしい」と一言書いて放り込むだけでも良い訳です。
 ご意見箱に放り込まれたら、一応町の担当者は「なんだ、コレ」となるでしょう。そうすると町役場にもその夕刊を読んだ人が居て「どうやらマイナスイオンはニセ科学だと学者が問題視しているらしい」という話もでるでしょう。こうやって、町役場のその部署の間に、少なくともニセ科学問題というのがあるという情報は伝搬するわけです。さらに、パンフを書き改め様とするなら、町の観光なんとか審議会とかに、「これまでマイナスイオンとか書いていたのですが、ニセ科学だと言われまして」とか言わなきゃ成らない。そうすると、審議会の人も「ほう、ニセ科学問題というのがあつて、大学先生なんかが問題視しているんだな」と伝搬する訳です。
 一次情報の発信が無いと始まらないのだけど、その一次情報をどうやって伝搬させるのかの一つの形として、町の人が気楽に自分の町の観光パンフを気にするといった形などもあると思ったので、「こんな風に忠告すると良いですよ」という事例を示してみた訳です。

Owner Comment きくち  October 5, 2006 @09:17:11

mixiで見る限りでは、僕が朝日新聞に書いた記事よりも今回の記事のほうが圧倒的に影響力が大きいようです。たしかにかなり思い切った表現の記事でしたし、目に止めた人が多かったようですね。
 
地方行政に対しては、新聞記事を添付して投書すると効果的なのかもしれません。

Up60. D51 — October 3, 2006 @10:31:22

 東京12面にありました。確かに滝の写真が大きいと思います(それより左巻教授を大きく)。それでも最後の部分に『「波動」「共鳴」「クラスター」「マイナスイオン」「エネルギー」「活性」(中略)、このような言葉を見かけたら、まずは警戒した方がよさそうだ。』とまとめられたことは良いと思います。

61. D51 — October 4, 2006 @20:01:41

No6<日本物理学会での発表にこの文章が載った以上、江本氏は逃げるわけにはいきません
 たぶん、「学会でも発表された」といって信者を喜ばすのでしょう。信者は「大本営発表」しか信じないのですから。しかも新たな信者の獲得の宣伝にも利用できるでしょう。「学会で発表され、注目を浴びた」(実際には「非難を浴びた」でも)などと宣伝すれば、残念ながら多くの人が飛びつくのが現在の日本でしょう。
 読売東京夕刊12面を大量に用意して知人に配るつもりです。

Owner Comment きくち  October 5, 2006 @09:19:29

彼らとしてはそうでしょうね。
ただ、彼らがこれを利用すると「科学ではなくファンタジー」という主張が通らなくなるので(ビリーバーはその矛盾を気にしないでしょうが)、批判側としても「利用」していくことになります。

63. mitake — October 6, 2006 @08:17:55

10月2日読売新聞夕刊「現場から」
 ◇SCIENCE WALK
 ◆水が「ばかやろう」に反応…
 「それは科学ではない」――。9月23日、奈良女子大で開かれた日本物理学会で、九州大の研究者の発表に対して場内から批判が相次いだ。自分の研究を他の研究者の目にさらし、批判を受けてさらに発展させるのが学会発表の目的。厳しい批判は珍しくないが、「科学でない」とは異例の発言だ。
 最近、科学のように見えて実は科学とは言い難い「ニセ科学」が世間にあふれている。それを苦々しく思っている科学者は、少なくない。それが、この過激な発言の背景にある。
     ◎
 発表の概要はこうだ。水を入れた小瓶4本にそれぞれ「ありがとう」「ばかやろう」「Thank you(英語の「ありがとう」)」「You fool(「ばかやろう」)」と印字した紙をテープで張り付け、7日後と14日後に水中の元素濃度を計測した。
 その結果、「ばかやろう」と「You fool」だけが、7日後にカルシウムが増加し、14日後にはそれが減少していた。「言葉の持つ意識エネルギーが水の中の元素の核変換を引き起こし、別の元素に変えたためと考えられる」という。
 発表したのは、九州大大学院工学研究院の高尾征治助手(化学工学)。共同研究者には、「水からの伝言」「水は語る」などの著者も名を連ねる。
 発表後の質疑応答では、「何度実験しても同じ現象が起きることを確認したのか」という科学の基本ともいえる質問に「再現実験はやっていない」、「言葉の持つエネルギーというが、どの程度の大きさなのか」という質問には「そこまでは調べていない」と答えるにとどまった……。
 続きは下記。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/32167/2620794#2620794Link

64. nakanishi — October 6, 2006 @09:07:13

読売の記事のアップありがとうございます。どういうわけか西部本社版にはまだ載っていないようなので、どんな記事だったのかと思っていたところでした。

ひとつ疑問ですが、記事の中では高尾さん本人が発表したようになっていますが、物理学会のプログラム(23aSF13)
http://w4.gakkai-web.net/jps_search/2006au/jk.html#23aSFLink
では川添さんという文系の元院生が発表者になっています。
どちらが実際には発表したのでしょうか?

UpOwner Comment きくち  October 6, 2006 @09:39:10

あ、僕はてっきり○印の人が発表したと思いこんでました。
若い人か年配の人かの違いだから、現場で見た人ならすぐにわかるはずですね。
いかがだったでしょう > 見たかた

66. nabe — October 6, 2006 @10:11:24

講演したのは高尾さんです。
彼が講演の冒頭で講演者の変更を申し出た所、座長から「そういうことは予め申し出ておいて下さい」と注意されてました。

Owner Comment きくち  October 6, 2006 @11:40:16

ああ、そうだったんですか。ありがとうございます
では、いずれ学会誌には変更記録が出ますね

Owner Comment きくち  October 11, 2006 @02:14:19

ししゃかものウェブサイトが更新されて、物理学会で発表したという記述が載りましたが、どんな質問があったとか、どんな批判があったとか、そんな話は一切書かれてませんね。
暖簾に腕押し・糠に釘・・・
発表したという実績だけが重要なんですかね、やっぱり

Owner Comment きくち  October 19, 2006 @09:40:52

気づいてなかったのですが(たかぎFさんのブックマークにはあったのか?)、もうひとつ、詳しい報告がありました↓ 
http://d.hatena.ne.jp/kazima/20061003Link
これも参考になります(意見の相違はありますが、理解できる範囲ですから)。
 

「精神エネルギー」の存在を認めるためのハードルは恐ろしく高いのですが、本当にそれをクリアできる実験事実が出てくれば、最終的には科学者も認めるはずです。しかし、それなりに長い歴史のある超心理学でも、みんなが納得するようなデータなど出ていないと思うので、むりでしょうね。
ハードルの高さは問題に依存します。なぜこの問題では「ハードルは恐ろしく高い」のかを考えるのは、練習問題としてよいかもしれません。

Up70. たかぎF — October 19, 2006 @22:07:43

その記事は補足済です :) …っていうか、話しませんでしたっけ?

ついでなので、
朝日の夕刊のニセ科学記事に関するレビューを載せていた SciencePortal で、読売の記事に対するレビューも載っていました↓
http://scienceportal.jp/news/review/#0610041Link

Owner Comment きくち  October 19, 2006 @22:31:37

部分的に読んだ記憶があったのだけど、もうなにがなんだかわからなくなっているので(^^

72. Niki — October 21, 2006 @22:07:55

こちらでははじめまして。
10月2日読売新聞夕刊「現場から」の記事ですが、本題の部分よりもむしろ、
>自分の研究を他の研究者の目にさらし、批判を受けてさらに発展させるのが学会発表の目的。厳しい批判は珍しくないが、
が、「新聞に載った」ことを、嬉しく、ありがたく思いました。

Owner Comment きくち  October 22, 2006 @10:24:54

ああ、たしかに
こういうところを読み取ってもらえるといいですね

74. SSFS — October 31, 2006 @00:04:22

きのうの読売夕刊の「レジャー&趣味」から。富士宮市を訪れたリポートです。
******************************************************* 
 市内には「白糸の滝」「音止の滝」など、名瀑とされる滝もあるが、ここは観光客が少ない穴場だ。深い木々に囲まれた落水は高さ10m、幅30mほど。規模はそこそこでも、周囲が静かなためか、轟音が腹に響いて心地よい。ひんやりとしたマイナスイオンもたっぷり感じる。
******************************************************* 
 今月2日の“「ニセ科学」横行防げ”で、せっかく滝の写真を大きく掲載したというのに、滝→マイナスイオンの表現を阻止できず。困ったもんです。

UpOwner Comment きくち  October 31, 2006 @08:16:05

まあ、個々の新聞記者が自紙を隅々まで読んでいるわけではないということですね。
「マイナスイオン」を「感じる」という表現には、それならイオンカウンターなんかいらないじゃん、とでも突っ込んでおくのが吉でしょうね。
今や「マイナスイオンたっぷり」という言葉が「心地よさ」を表現するための慣用句になってしまっているわけですが、その手の慣用句を使ってよしとする安易な言語感覚も問題ですな

76. D51 — October 31, 2006 @08:39:05

 10/2の読売夕刊には「マイナスイオン・・・(略)。このような言葉を見かけたら、まずは警戒した方が良さそうだ。」と書いてあります。「マイナスイオンたっぷり」と書く新聞は警戒した方が良いのですね。
 言語感覚について、fantasyを英和辞典で調べてみました。「取り留めもない想像、空想、幻想、気まぐれ、酔狂、白日夢」などでした。片仮名語を使うと高級に聞こえるような「幻想」が蔓延していますが、要するに「嘘」だと本人が言っているのです。

77. kk — November 7, 2006 @09:33:04

はじめまして。
ブログはしばらく前から読ませていただいていたのですが、最近気になることがあって、ちょっとお知恵を拝借できたく、コメント欄で相談させていただきます。
その前に軽く自己紹介しておきます。
私は工学系で修士まで修めた後、建築関係の職を経てきました。現在30代です。
物理、化学はいずれも高校までの知識に毛が生えた程度です。こちらの話題も、自分ではわかったつもりでも、他者に噛み砕いて説明できるほどにはものにできないまま読んでいます。
さて、本題です。
私がよく利用する某県立図書館に、「水」の本を集めたコーナーがあります。そこの「水の辞典」などと同じ箇所に江本氏の著作が大量に並んでいるのです。辞典的な利用をされるであろう硬派な書籍や概説的な学術書の合間に江本氏関係の書籍が10冊近く並んでいるのを見ると、やっぱり心配になるわけで、図書館を説得してなんとか変えられないかと考えるようになりました。
水の辞典と隣接するのは、同じ分類番号になるからであって、これは恐らく図書館としては変えられないことだろうと想像します。ですので、内容的な問題に踏み込んで説得し、撤去か、配架において何らかの配慮をしてもらう(配架箇所を分ける、一般向けに開架する数を減らすなど)ことを訴えようと考えています。
そこで、なるべく簡潔に意見をまとめて投書したいのですが、よい参考資料を教えていただけないでしょうか。あるいは、専門外の人にも問題が端的にわかるようなポイントを教えていただけないでしょうか。
なお、「単分子化水」も比較的近くにありますが、これもまとめて何とかしたいと思って見ています。
図書館としては資料の良否は利用者の判断に委ねるという考えもあるでしょう。しかし、水の辞典と同じ分類番号の大半が「水は答えを知っている」の関連本では、あまりにも偏りすぎでないかと思われます。また、広く一般に開架されている県立図書館で、判断をすべて利用者に投げてしまっていいのかという疑問もあります。
長文ですみませんでした。
批判も含めて、ご意見いただければ幸いです。

78. 柘植 — November 7, 2006 @10:42:26

こんにちは、kkさん。少し変な話をすると、「こういう本はけしからんから、図書館に置くな」みたいな議論を聞く度に私は「葷酒山門に入らず」を巡る議論を思い出す面があります。
 
「葷酒山門に入らず」というのは、精力のつくニンニクとかニラや、酔って理性を失いやすい酒は仏教の修行の妨げになるから修行の場である寺に持ち込むなという話なんですが、酒はともかく葷の方で、文句をいう人もいるわけです。精力が付かないようにして、煩悩を押さえたとして、それが本当の悟りに結びつくのかと言うイチャモンですね。本来、悟りというのは精力のつくものでも食って、バンバンに煩悩が沸き立っても、それを押さえつけてこそではないかという訳ですね。
 
「それとこれがどういうつながりがあるんだ」と思われるかもしれませんが、私に言わせると「ニセ科学」というのは、人類が科学という文化を持ったときからついて回る煩悩のようなものじゃあないかと思うわけです。まともな科学が今まで人類が知らなかった事を明らかにしてくれて、そこから派生した技術が皆さんの生活を便利するということをする限り、科学的でないことを「科学的」と言い張るものや、「科学の成果」だと怪しげなものを売り込むものは出てくるわけです。なんていうか、それを「目に触れない様にする」というのは、なんていうか「精が付く食べ物を排除して」をもっと進めて、坊主を栄養失調にして、「ここまで弱れば煩悩に悩まされないだろ」とするのに似ている気がするんですね。そうして、「煩悩に悩まされない境地」に到っても、それは真の悟りとはほど遠いみたいに、「ニセ科学的なものが目に触れないから、ニセ科学に惑わされない」は、真の意味で「科学的な合理性を身につけた」では無いと思う訳です。たとえ図書館の科学の欄の本の半分が「ニセ科学」図書でも、「ああ、これはまともな科学の本だな、こっちはニセ科学だな」と分かる様になって欲しい、それが本当の意味での「ニセ科学の排除」だと思うわけです。
 
私は、観光地の滝の宣伝に「マイナスイオン」をうたった役場に「ご注意」のメールを入れたりもしましたが、私の意識としては「観光客の耳目に『マイナスイオン』というニセ科学用語が入らない」なんてことを願ったりはしていないわけです。社会的責任のある役場(観光協会)が、うかうかとニセ科学のブームに乗ることは「恥ずかしい事」だと気が付いて欲しいわけです。大手家電についても同様です。ニセ科学のブームに乗った商品を売り出すということは、社会的責任から見て「恥ずかしい事」だし、将来の経営リスクを高めることだと気が付いて欲しいわけです。公立図書館の場合にも公費で「文化的に役に立たない本」を買うことの問題はあるでしょうが、市民が読んでみたいという本を収集し、分け隔て無く閲覧させるという目的からすれば、収集閲覧の段階で排除するべきものではなく、手に取り読んだ人が「読んでみたけどくだらないタワゴトしか書いてない」と思うようにすることで排除されていくべきものの様に思うわけです。

79. たかぎF — November 7, 2006 @12:08:48

柘植さんのおっしゃることは正論だと思うのですが,短期戦略としてはやはり,図書館の分類を変えてもらうのも必要なのではないでしょうか.
アレを授業で使おうかと思うようなうっかりした先生なんか,ネタ本が科学の棚にあるのと超心理学の棚にあるのとで,実際に使うかどうか判断がかわりそうに思うのですが…いや,そうであってほしいというか…

>>> kkさん
> 水の辞典と隣接するのは、同じ分類番号になるからであって、
> これは恐らく図書館としては変えられないことだろうと想像します。
> ですので、内容的な問題に踏み込んで説得し、撤去か、配架に

前にもちょっと話題になったのですが(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1132122356Link ),分類番号の付け方はわりと適当らしいので,単に「分類のしかたがおかしいですよ」と指摘すればいいんじゃないでしょうか.資料は,去年の AERA 12月5日号 (たぶん図書館にあるでしょう)なんかどうでしょう.著者が「科学ではない.ポエムだ」と言ってますから.
あとは,「国会図書館では超心理学に分類されてますよ」と言ってみるとか.

UpOwner Comment きくち  November 7, 2006 @12:47:58

僕は高城さんと同意見で、図書の分類は図書館の裁量にまかされているようなので、「科学書ではないですよ」と言うのがいいのではないでしょうか。
国会図書館の蔵書は
http://opac.ndl.go.jpLink
で調べられます。たとえば「水は答えを知っている」を検索するとNDC(9)の分類番号が147であることがわかります。これはたかぎFさんが書いているとおり「超心理学. 心霊研究」です。

81. kk — November 7, 2006 @12:31:44

ご意見ありがとうございます。
>>柘植さん
そうですね。私も、撤去という選択は、果たして望ましいことなのか疑問でした。私が問題に思ったのは、隣接して開架されている自然科学のオーソドックスな本がどちらかというと専門的な読者を対象とするのに対し、一般向けの本を探すといきなり江本氏の著作になってしまう点と、その江本氏関連が大量に並んでいるという点でした。現状では、問題の書架の該当分類箇所においては江本氏関連がむしろ多数派です。つまり、科学に詳しくない人が江本氏の本を第一の資料として手に取る可能性が非常に高い状態なわけです。科学的な判断力が不足する人にとってあれがベースとなり得る事態は、やはり見過ごしたくないのです。
 
>>たかぎFさん
「超心理学のすすめ」はいいですね。この線で攻めてみようと思います。確かに問題は自然科学の資料の一角において並列的に開架されていることですから、それを解消できれば十分だと思います。

82. kk — November 7, 2006 @13:35:29

>>きくちさん
私は、図書館の資料の分類は国会図書館等が主導して一律に決まっているものかと誤解していました。分類を妥当なものにすることで、閲覧を妨げることもなく、無用な誤解を解消することもできて解決できそうですね。
 
今度の休みにでも、投書してみようと思います。
 
私の地元がポエムで満ち溢れるのはまだしも、オカルトが跋扈する秘境と化すのは食い止めたいものです。知人に、アポロ宇宙船の月着陸がフィクションだと本気で信じている人がいることを知って以来、トンデモの破壊力をあなどってはいけないと思っています。

Owner Comment きくち  November 7, 2006 @16:12:01

排除するのではなく、置き場所を変えて貰うことには、教育的効果もあります。
「水は答えを知っている」を「超心理学・心霊」の棚で見つけた人は、"そうか、この本の内容は心霊現象に近いのか"と思ってくれるはずです

84. nakanishi — November 7, 2006 @14:01:26

うちの大学の図書館でも(!)、「水は音楽を聴いている」(江本勝)が入っていて、その分類が、「435.44 無機化学」になっていたので、
 
   147.7 心理学
160 宗教
150 倫理学・道徳
760 音楽・舞踏
 
なんかのほうが良いのでは、といったら、すぐに心理学に変更してくれました。
大学の図書館と県立図書館とは違うかもしれませんが、、、

UpOwner Comment きくち  November 7, 2006 @16:12:49

大学の図書館もあなどれなくて(^^)、阪大はながぴいさんが意見されたのだったかな

86. ながぴい — November 7, 2006 @18:03:12

はい。
無機化学と波動力学のコーナーに江本氏の著書があったので、
「この本は科学的に間違ったことばかり書いてあるので、科学以外のところに置いてください。」
といったクレームを入れました。
その結果、超心理学系の棚に移されたハズです。
対応した図書館の人は「風水みたいなものですか?」のようなことを言ってました。
 
ちなみにAmazonで「無機化学」を検索すると、江本氏の著書がゾロゾロ出てきてしまいます。
これについては、しばらく前にあんねさんがメールで意見してるハズですが、対応はないようです。
 
そのうち暇な時にわしもメールしてみるかも知れません。

87. 柘植 — November 7, 2006 @17:53:26

こんにちは、皆さん。
 
 私が言いたかったのは、「撤去」とかいう方策を他の方策と同列に考えて欲しくないという事に過ぎないわけです。
 最終的な目的としては「ニセ科学の蔓延に寄与することは恥ずかしいこと」という認識ができて、自然にニセ科学が社会の片隅のものとなっていく事だと思うわけです。目の前にあるニセ科学的な事物を単に叩いて目の前から無くすのはその目的にかなう様に見えて、「ニセ科学の蔓延に寄与することは恥ずかしいこと」という認識を作る上ではマイナスとなってしまう面がある訳ですね。
 
 図書館の分類へのクレームは、きくちさん言われるように、読む人に対して"そうか、この本の内容は心霊現象に近いのか"と思って貰う効果だけではないと思うわけです。少なくとも図書館の人に「下手に分類すると良くない影響がある本がある」という認識を持って貰う事ができるということも大事なことだと思うわけです。
 
 実は私も産総研に成る前の名工試時代に購入図書の分類番号付けを手伝わされた事がありましてね。いや〜、実に悩ましいものでした。もうどういう本の分類をしたかも忘れましたが、架空の本で例えると「何々材料の特性と化学分析」とでもいう本があると、その材料の番号が良いのか、化学の番号に分類するべきかを悩んだりする訳です。でもって「化学」の方に分類して後で見ると、前に購入した類似の本は材料の方に置いてあったりするわけです(笑)。なにせ結構な冊数がありますから、中をいちいち読んで分類するなんてできなくて、題名であたりを付けて、それでも悩ましいと前書きあたりを斜め読みして分類するのが精一杯なんですよね。
 そういう意味では、分類というのは、それほど厳密なルールでされている訳では無くて、その時分類した人の「きっとこっちがメインだ」みたいな部分がありますから、「中身からして、分類が違うよ」というクレームは比較的通りやすいと思います。

88. たかぎF — November 7, 2006 @18:13:46

水伝本が「435.44 無機化学」に分類されている件,元凶は図書館流通センター(TRC)なのではないかと思っています.出版する側が付ける Cコードは社会科学分類になっている本(例えば「水は答えを知っている」(C0030))も,TRCの分類では 435.44 になっています.
実際に図書館等に問い合わせたわけではないので間違ってるかもしれませんが,多分,各地の図書館は個々の本をちゃんと見て分類しているわけじゃなくて,TRC のデータベースを見て分けているだけなのはないかと思います.TRCの中でどういう基準で分類しているのかは全くわからないんですが… 一度 TRCに問い合わせたほうがいいのかもしれないですね.

Owner Comment きくち  November 8, 2006 @00:02:15

正直、図書館の人に「あらゆるジャンルを正しく分類せよ」というのは酷だし無理です。
TRCのデータに従っている可能性は大きいでしょうね。
いずれにしても、「違うよ」と教えてあげるのは、感謝されることはあっても嫌がられることはないのでは

Up90. OSATO — November 8, 2006 @00:39:46

 >kkさん
 TRCでは今年初めから順次分類変更を行っていますよ。それは図書館向けの「TRC新刊案内」の中に載っています。
参考) 
『自分を愛するということ』(掲載04年3月ごろ)(←「水からの伝言Vol.3」)
旧分類 435.33   訂正分類147
旧件名 水ー写真集    訂正件名 心霊研究
    氷ー写真集         水ー写真集
                  氷ー写真集
『水は音楽を聴いている』(掲載04年3月ごろ)
旧分類 435.33   訂正分類147
旧件名 水        訂正件名 心霊研究
    氷             水
    音楽            氷
                  音楽
  (2006年1月31日号)
 図書館の方がチェックしていない可能性があります。この辺りを問うてみたらいかがでしょう?

Owner Comment きくち  November 8, 2006 @01:18:28

おお、これはすごい。ありがとうございます
誰かが意見を言ったのが通ったのでしょうか。事情に興味が沸きますね(江本グループ側が申し入れた可能性もあります)
いずれにしても、TRCが「心霊」に分類したとなれば、図書館対策はやりやすいでしょう

92. kk — November 8, 2006 @08:16:26

>>OSATOさん
ありがとうございます。これはいいですね。
国会図書館とTRCとがいずれも超心理学・心霊研究に分類したということで、県立図書館には真剣に検討してもらうことが期待できそうです。
「単分子化水」や「パイウォーター」に関する本については併せて書籍名を指摘して灰色のものであると参考程度に言及しておいて、司書の方の今後の意識の高まりに期待するという路線でいきたいと思います。江本氏関連のように大量にまとまっているわけでもなく影響力は限定されていますし、他の資料による検証を試みたときに、より一般的な内容で、なおかつレベルが近いものがその場で見つかると思われるからです。

93. たかぎF — November 9, 2006 @11:44:55

たざきさんが水伝批判まとめページを公開されたようです↓
 「水からの伝言」を信じないでください
 http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/Link

FAQ がわかりやすくまとまっていてすばらしいです :-)

94. たざき Website — November 9, 2006 @15:02:00

たかぎさん、ご紹介ありがとうございました。
副題は「99.9パーセントは受け売り」じゃないかというくらいで、ほとんどが菊池さんや天羽さんや他の方が既に書かれていることです。物理についてものを書くときには、自分にしか書けないものを書こうと思ってますが、こういう領域では、オリジナリティなんぞにこだわっていてはいけないと悟って、夜な夜な、疲れて仕事ができなくなってから、書きためました。
書き足りないところ、おかしいところ、欠けている情報(とくに、マスコミの記事)など、ありましたら、ぜひ教えて下さい。

Up95. Kosuke — November 9, 2006 @17:36:06

大変分りやすいテキストで、我が家の子どもたちにも読ませたいです。
 
素人の目から見て気になる点を強いて挙げれば、「コントロール」とか「バイアス」といった「専門用語」を、より噛み砕いた平易な言葉に言い換えられるともっと良いかもしれません。
「実験条件を整える」とか「思い込み」とか・・・。

96. たざき Website — November 9, 2006 @20:02:47

Kosuke さん、ありがとうございます。
コントロール、バイアスは、落とし穴でした。コントロールの日常用法は、「あいつは、邪悪な何者かにコントロールされている」とかですよね。
それぞれ、「温度を一定に保つ」とか「思いから来る偏り」などと言いかえました。実は、自分でも、どこに何が書いてあるかわからなくなっているので、見落としがあったら、また教えて頂けると助かります。

97. ながぴい — November 9, 2006 @23:28:26

>たざきさんが水伝批判まとめページを公開されたようです
 
おぉ、きれいなHPだ。
Libbrecht先生にも連絡とられたのですね。

98. たざき Website — November 9, 2006 @23:57:59

> Libbrecht先生にも連絡
はい。物理学会のシンポジウムのことなども説明し、ページの趣旨を説明したら、もちろん、速攻でオッケーしてくれました。それならということで、各々のページで、違う写真が二枚ずつ見られるようにして、読者に楽しんでもらうことにしました(そのため、ひたすら写真のファイルをダウンロードして、サイズを調べて html のタグを書くという涙の単純作業をしたのですが・・)。
公開して24時間ほどですが、「はてなブックマーク」の人気記事というのにあがっていて、登録数がほぼ300です。みなさんの宣伝のお陰ですね。

99. じゅん — November 10, 2006 @02:31:27

毎朝、昼、夜、深夜とkikulogを開いて楽しんでいます。 理論や議論は1%の理解もしてない筈ですが、学者の思考、洞察の仕方を垣間見て高校の化学や生物の授業の先生を懐かしく思い出しました。科学に携わると言うことは、ある事柄について隙なく理路整然と語る事が出来るようになる事も重要な要素なのですね。きくち先生(と呼ばれるのはお嫌とのことですが一度だけ敬意を表します)の簡潔にまとめたメッセージは息がつけてほっとします。子供を理解させるには非常に知恵を必要としますが、そのエッセンスのようなまとめにたどり着くと非常にさわやかさを覚えます。
氷?水?・・・の結晶は一つとして同じ物はないと聞いていますが、今日の写真のようなきれいな結晶を見つけるのは困難なことなのでしょうか。 彼の方が「有難う」と話し掛けて出来たきれいな結晶はどのくらいできたのでしょうか。

Up100. nabe — November 12, 2006 @01:16:10

そろそろ雪が降る季節になってきましたね。
そんな時期に割と標高の高い所(例えば長野県の標高1500m位とか)へ行くと直径5mmくらいの雪の結晶はよく降ってきます。手のひらに受けると流石にすぐに溶けてしまいますが、手袋の上とか上着の上に乗ったものを肉眼や虫眼鏡で十分観察できると思います。

101. じゅん — November 12, 2006 @01:48:25

nabeさん 有難うございます。
私は新潟育ちでして、良く見つめては見とれたものです。でも同じものもたくさん混じっているものと思っていたのです。子供のときは・・・
実験方法を知らないので、勝手に想像したのですが、二つのシャ-レーに水を入れてそこに別々の言葉を書いた紙を入れる、または言葉を吹き込むとかしたものを一滴ずつ取り出したものを凍らせたのかなと・・・そうすると完全な結晶と不完全な結晶の確率はどの位だったのかなと言うことです。これはすごいということであれば人に話したくなりますよね。
多くの知識人が噴飯物と太鼓判押しておられるので、成り立たないことだったのだと理解できますが、どんな確率だったのか知りたくて文字通り老婆心、好奇心です。

102. Nakano — November 16, 2006 @10:01:06

こんにちは、長崎県佐世保市在住の、60歳近いおやじです。
ずっと、ただのギャラリーとして楽しませて頂いておりましたが、楽しんでいるばかりでは、きくちさん始めボランティアで努力して頂いている先生方に申し訳なく、できることをしてみました。
私が利用する「佐世保市立図書館」「長崎県立図書館」「長崎市立図書館」のいずれも
著者名”江本 勝”で、蔵書検索しますと、自然科学系・医学系に分類されていましたので、たかぎFさんや、OSATOさんのご意見・情報を参考にして、”分類の再検討が
適当では?”との趣旨のメールを、住所・氏名を明記した上で送ってみました。
本日、長崎県立図書館より、担当者の方の署名入りで次のようなメールがありました。
*一部引用*
「水からの伝言1」は現在貸出中ですので、資料そのものにあたることができませんでした。
「水からの伝言2」は本棚にありましたので、内容を確認できました。
ご承知のこととは思いますが、分類を行う際はその本の主題に分類いたします。主題が二つある時は、どちらが「主」でどちらが「副(素材)」かということを勘案いたします。「水からの伝言2」は当館では「主」は水の結晶写真集と判断して、435.4
といたしました。
今回のご指摘を受け再度内容を点検してみました。
「水からの伝言2」の著者の意図される主題の重点は、結晶写真集に付記された
コメントおよび後ろのページにまとめられている文章であるように思われます。
結晶写真が 「副(素材)」と考えますと、分類は変更すべきではないかと考えます。
「超心理学」に変更することも含めて「水からの伝言1」が返却され次第まとめて検討させて頂きます。現在の借受者の返却日は12月上旬になっておられます。もうしばらくお時間を頂きたいと思います。
 今回、ご指摘を頂き、大変有り難く存じます。
*引用終わり*
正直、こんなに真摯な対応が戻ってくるとは、期待していなかったので、ちょっと感動しました。後の2箇所の図書館からの反応を、期待しつつ
今後も私に出来ることは、出来る範囲で行動してみようと思います。

Owner Comment きくち  November 18, 2006 @21:13:53

ご報告ありがとうございます
なるほど、図書館はきちんと検討してくれますね
前にも書きましたが、最初の分類が不適切でもしょうがないです。図書館の人たちがすべての本を自力できちんと分類できるかと言えば、当然、得意不得意があるはずですから。
だから、不適切ならきちんと指摘してあげればよいのですね。
 
それにしても、丁寧な対応だったようで、すばらしいです

104. たかぎF — November 18, 2006 @22:11:16

ひさしぶりに「水からの伝言」関連本リストを作り直しました.
http://www6.atwiki.jp/cactus/?page=%E3%80%8C%E6%B0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%A8%80%E3%80%8D%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%9C%ACLink

確かに TRC の分類は,だいぶ変更されましたね.批判がマスメディアに載った効果なんでしょうか.図書館のほうは,国会図書館以外は大部分が自然科学分類のままです.でも,Nakano さんのお話を見ると,単に批判がでていることを知らないんでしょうね.指摘すると喜ばれるのかも?

それにしても,@wiki の表組み見にくいなぁ.どうせ誰も書き込んでくれないし ;_;,自分のところに置こうかな.

Up105. としぞう — November 19, 2006 @17:45:10

物理とは分野違いですが、食品安全情報blogの畝山さんが「、、信じないで下さい」を取り上げておられました。http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20061119Link
この方もちなみに子供が学校で教わってきた、というデキゴトの経験者のようですね。
 
「賽の河原の石かシーシュポスの岩という感じ」と書いておられますが、そうであったとしても、こういう努力を積み重ねないと、ニセ科学に負けている、というか、科学の側は最近なにも発信していない、というような印象を与えることになってしまうので、それぞれのできる範囲でできる努力を続ける必要があるのだと思います。
私も実は近所の市立図書館で水伝本の分類問題を発見したので、これから指摘しようと思っているところです。

Owner Comment きくち  November 20, 2006 @00:53:37

実際、シジフォスな感じはあるわけです
 
最近一番の「がっかり」は、ブログにいろいろ書いたって、所詮は「こうだくみ一発で帳消しか?」ってやつですね。あれで「水伝」がどーんと売れちゃうんだから、がっかりです。
「水伝」を始めて授業で取り上げたとき(もう、ずいぶん以前ですが)、レポートに「窪塚洋介のテレビ番組でやっていたから、不思議だが本当なのだ」と書いてきた学生がいて、阪大生も物理学者の言うことより窪塚洋介の言うことを信じるかとがっかりしたものです。どう見たって、あっちのほうが言動が怪しいと思うんですけどねえ。って、この話は何度も書いたかな
 
といった、「がっかり」にめげていてもしょうがないので、ぼちぼちと努力はするということで。
みなさんも「口コミ隊」とか、身近な機会にいろいろやっていただけるとありがたいです。ブログなどお持ちのかたは、ぜひとりあげてください
後ろから銃撃するのは、やめてね

107. こなみ Website — November 20, 2006 @08:21:55

> 後ろから銃撃
田崎文書に対して,いや水伝は正しいというおバカな日記なんかはさらに追撃しようという気を掻き立てるからまだしも(よかないけどね),あんなことやって何の意味があるんだとか,批判としてダメだが俺は何もしないぜ,みたいなのを見ると,無性に腹が立ちますね。

108. kk — November 20, 2006 @08:41:44

>>Nakanoさん
やっぱり図書館は真面目に取り組んでくれるのですね。
メールだと放置されないかと心配して、直接に話をしに行こうと思いつつ、週末の都合がつかなくて、私はまだ行動していないのです。お恥ずかしい。
 
この間に調べてみると、近隣の図書館で水伝関連を入れていない所はないようで、しかもことごとく435あたりに分類されています。とりあえずはメールで当たってみましょうか。
 
しかし、小中高の学校図書館にも入っているんでしょうね・・・。

109. 柘植 — November 20, 2006 @08:39:15

こんにちは、こなみさん。
>批判としてダメだが俺は何もしないぜ,みたいなのを見ると,無性に腹が立ちますね。
 なんとなく、根底に「失敗する事への禁忌」みたいなものを感じるんです。人生なんて、「裏切られた気分」の連続なのが普通というのは、いろんな事をやってきて心がかさぶたに覆いつくされた人間の言うことかもしれませんが。何かの動きが起こったときに「うまく行って欲しいな」なんて期待すると、うまく行かないときに感じる失望感があるわけです。そういう失望感というのは、何度か味わっていると、「まあ、やらないよりやった方がましだった」なんて合理化できてしまうわけで、少々の事ではメゲ無くなってくるものなんですが、そういう経験がほとんど無い人の場合、第1歩の「期待」を持つことを恐れてしまう感じです。
 人は「劇的な変化」を期待してしまう生き物だと思うわけです。物理学会ガシンポジウムをやり、そのことがマスコミにも報道される。それにより劇的な変化が起こることを期待するけど、マスコミは今日も「マイナスイオンを浴びて気持ちいい」というコメントを垂れ流すし、ゲルマニウムが健康に良いかの様な元野球選手のコメントを垂れ流し続ける。ニセ科学フォーラムしかり、きくちさんの新聞記事しかり、人はついついそれによって「劇的な変化」を期待してしまうわけです。でも、劇的な変化なんてのは起こらない訳です。常に地道な小さな変化の積み重ねしか無いわけです。シンポジウムは少なくとも中部に済む一人のおっちょこい、つまり私をニセ科学批判に駆り立てた。私がやったことも大して劇的な変化はもたらさないけど、私の周りで「ニセ科学批判」への興味は少しずつ増えている。結局は地道に何かをやり続けるしか無いわけです。

UpOwner Comment きくち  November 20, 2006 @10:33:21

物理学会シンポジウムの告知記事で僕が
 「一度シンポジウムをやったくらいで世間が変わるとは考えていません。たぶん、シンポジウム終了後には性急に結果を求めるかたがたによる「がっかりした」という発言がネットに溢れるに違いないと予測しているが、そういうものではないので」
 とあらかじめ書いておいたのは、まさにそういう意味です。
学会シンポジウムについては、あまりそういう反応はなかったようで、よかったのですけど(僕の記事が影響したかどうかは不明)。
 
もちろん「即効性」などないわけで、やれることは地道な活動だけです。「口コミ」に期待ですね。PTAの話題にしてくれるといいのですけど
雑誌や新聞の取材は確実に増えているので、どこかでブレークスルーがあるかもしれませんが、まあそれは我々がどうこうできるものではないから

111. たかぎF — November 20, 2006 @09:48:07

今回のたざき文書に対する「批判のしかた批判」は,内容的にはとてもありがちな感じでアレでしたが,はてブで注目されている状態で出てきたものなので,わりと多くの(おそらく以前から水伝問題について知っていた人による)「『批判のしかた批判』に対する批判」が出て,結果的にニセ科学の文脈で「水からの伝言」を取り上げたブログの数が増えたのは良かったんじゃないでしょうか.多分その意味においては,肯定的に取り上げるブログばかりの場合よりよかったのではないかと.それぞれトラックバックしあっているからgoogleのランクも上りやすいし.

…まぁ問題は,水伝をうっかり信じちゃうような層がググったりするのか,ってことなのですが.

Owner Comment きくち  November 20, 2006 @10:26:02

「水伝」の人たちはgoogleを使わない層と思われるので、yahooのディレクトリに登録したほうがいいというアドバイスをもらいました。自動収集じゃなくて、申請するほう
たざき文書はyahooに登録するべきですね

113. いしやま — August 11, 2010 @15:01:35

来月の物理学会、九工大でやるなあと思ってプログラムを見たら、11aSEがワンマンショウになってました。私はこの日は京都で仕事なので行けないのですが、どなたかレポートを。(無くてもいいですが)

UpOwner Comment きくち  August 11, 2010 @19:05:06

素核のほうだからなあ

115. nabe — August 16, 2010 @15:28:33

あちゃー。スケジュールがあえば聞きに行ってみます...が,6本続けざまですか。飽きて何も頭に残らないような気がしますねぇ。7本目は飯田先生ですか...

116. nabe — August 19, 2010 @17:50:59

一方,物理学会期間中に行われる市民科学講演会の一つは池内了さんの「科学とニセ科学にどう向き合うか」ですね。
もう一つの初田哲男さんの「熱々のクォーク・スープと宇宙の始まり」も,きっと面白い。
皆さん,お誘い合わせのうえおいでください。

117. ながぴい — August 19, 2010 @21:55:14

>池内了さんの「科学とニセ科学にどう向き合うか」ですね。

その池内了さんが書いた書評なのかな、これ?
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100725/bks1007250820001-n1.htmLink
『評・池内了(さとる)(宇宙物理学者)』と書いてある。

例の「まだ科学で解けない13の謎」の書評なんですが、
『…やホメオパシー(同種療法)など人間にまつわる謎が採り上げられている。』
とあまり批判的でない…
どうして?

Owner Comment きくち  August 20, 2010 @13:21:47

「13の謎」でのホメオパシーの扱いはそれほど妙ではないんです。好意的ではあるけど、「でも無理だよねえ」的な扱い

Up119. nabe — August 20, 2010 @10:01:55

うーん,どうなんでしょうねぇ.
池内さんに聞いてみないとなんとも...
「まだ科学で解けない13の謎」でどんな取り上げられ方をしているか読んでみましょうかねぇ.

120. かも ひろやす — August 20, 2010 @14:52:16

編集者に削られたとかではないですか?

121. ながぴい — August 20, 2010 @23:23:24

「まだ科学で解けない13の謎」は当方でも入手していますが、
あまり感心できる内容の本ではないなあ…

そもそもこのタイトルでホメオパシーを取り上げるのは、筋が悪すぎる。

122. nabe — September 24, 2010 @22:29:01

もう2週間もまえの話ですが,日本物理学会における高尾征治さんの発表の場にいましたので,簡単にメモを記します。
まず始まる前,会場になっている教室の前で事務局の方から参加票の確認を求められたので,このセッションに神経を使っていることがわかりました。
教室にいたのは大体30人位,そのうち10人くらいは高尾さんのお仲間という風情でした。
講演は,初歩的な素粒子反応を高尾さんの提唱する理論を用いて説明する所から始まり,その理論と五角形の幾何学(黄金比)との関係を示し,発展させた理論と哲学との関係から精神エネルギーとの関係性を示すという,理論ぽく展開するものが4コマ。その理論に基づいて作った波動器具の説明が一コマ。そして酸水素ガス(?)という特殊な物質の説明がその理論で可能であり,また波動器具を用いたことによって栄養価の高いおいしいトマトが出来たという主張が一コマ。計6コマ,高尾さんの独演会でした。
質問等は1コマ目には若者から一つ,2コマ目からは私自身が耐えられなくなって各コマ毎に発言するようになってしまいました。他にも学会関係者の方や私の友人など2,3名が発言をしていましたが,まぁ終始穏やかにそして話は噛み合わず進んでいきました。
その中で,「まったくナンセンスなのでこの場で発表すべきでない」という意味の発言があったのは良かったと思いますし,議論のなかで高尾さんが「私のやっているのは従来の科学とは違うものである」と明確に言われたことも収穫であったと思います。
私の発言では,「トマトがおいしくなったのは波動器具のお蔭ではなく,農家の方が丹精込めたからに違いない」というのが一番良かったかな?
議論の最中に笑い声が上がることはあっても,高尾さんの講演そのものにおいて笑い声が上がるようなことはありませんでしたから,聴衆の多くは批判的な目で見ていても,トンデモを笑いに来たのではないようでした。

こんなところです。
そうそう,その後実験核物理領域のインフォーマルミーティングにおいて,一人で6コマ講演を行うことが問題として取り上げられ,今後は数を制限するなど何らかの対策を立てることになりました。

Owner Comment きくち  September 24, 2010 @23:43:15

貴重な情報、ありがとうございます。
たいていのおかしな発表は、笑いに行っても、イタすぎて笑えないですよね。
質疑応答で「ナンセンスだ」とコメントしてあげるのが、一番いいのでしょうが

妙な講演をあまりにたくさんするかたのお陰で講演数に制限が設けられたのは、数学会でしたっけか。物理学会の分科会は制限ないですよね。
発表数の制限は学会全体で何か考えてもいいのかもしれません。

あるいは、参加費払うと一件発表できて、あとは追加一件ごとに追加料金とか(^^

Up124. nabe — September 25, 2010 @11:18:07

あ,もう一つ気づいたことがありました.
それは水伝には全く触れなかったことです.もっとも高尾さんの提唱する量子水理論は精神世界を組み込んでいるので,あいかわらず親和性は高いのだと思いますが.

Owner Comment きくち  September 25, 2010 @13:22:01

たぶん高尾さん的には「水伝」は one of にすぎないんでしょうね

126. nabe — September 26, 2010 @16:16:53

はい,私もそうなのだと思います.
聴衆の中には高齢のご婦人がいたり,終了後,お仲間と思われる方に”だいじょぶ,良くやった”という感じで,肩を叩かれたり,なんか地元の身近な教祖様というような感じでしょうか.真面目で難しい話をするのに,人当たりは柔らかで,誰の話でも聞く方のようです.

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