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【金曜討論】「東京都の“性描写規制”条例」 都議会公明党幹事長・中嶋義雄vs漫画家・松本零士が激論
――改正された条文を見ると、なおあいまいさが残る
「昨年6月の都議会で改正案がいったん否決されたため、『非実在青少年』など誤解を招いた文言は修正した。ただ実際問題として、全員が百パーセント満足いく条文というのは難しい。だから運用が重要となるが、現状では二重の歯止めがかけられている。まず不健全図書の指定を行うのは都ではなく、行政のほか出版・報道関係者やPTA、都議などを交えた青少年健全育成審議会だ。さらに今回の改正で、慎重な運用を求める付帯決議が付いた。行政にとって、民意を代表する議会がこうした意志を示した意味は大きい」
◆作者の意図勘案
――指定を受けた場合は、流通に大きく制限を受ける。結果的に表現の萎縮を招くのでは
「描き手にプレッシャーを与える可能性があるという懸念は理解できる。だから付帯決議では、条例の運用にあたり、作者の制作意図を勘案すること、不健全図書指定の審議は十分な時間をかける-という2つの条件を付けた。これは不安解消に役立つものだと思っている。議会としても今後行政の運用状況を監視していく」
――可決を受け出版大手は東京国際アニメフェア不参加を決めた
「アニメや漫画は重要な文化。私自身も、子供のころ貸本屋に通って以来の漫画ファンだし、都も議会も敵視どころか海外に向けて誇るべき日本の文化として応援していくつもりだ。都と出版業界の対立は、双方にとって大きなマイナスだ」(磨井慎吾)
松本零士氏 作家の倫理観に任せて
◆職業差別だ
――改正都条例が成立した
「描く側が倫理観を根底に持っていなければならない、という点に異議はないが、なぜ対象が漫画・アニメに限られているのか。これは職業差別そのもので、無限大の侮蔑であり、屈辱を感じる。作家個々人の倫理観に任せられるべき問題であり、百歩譲ってこうした条例をつくるなら、対象を平等にしてくれといいたい」
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