2011年1月17日12時23分
追悼のことばを述べる遺族代表の小河昌江さん=17日午前6時2分、神戸市中央区、竹花徹朗撮影
そして、付き添って下さった工務店の方が帰られる時、私はその後ろ姿にただただ深く頭を下げ、彼の姿が廊下から見えなくなるまで見送る事しかできませんでした。
震災の光景は決して忘れる事はないでしょう。でも、それと同時にいつも思い出すのは、あの勇気ある工務店の寮生たちの行動で、私はその度に深い感謝の気持ちを覚えます。そして不思議な事に、その感謝の気持ちは薄らぐ事なく、逆に日に日に深く大きなものになっていくのです。
私は、あの震災の日、私の心に「感謝の種」がまかれたのだと思います。そして、その種は育ち、今私の心に花を咲かせているのだと思います。この花が実になり、種を作り、私もまた誰かの心にその種をまく事ができればうれしいなと思います。
最後に、震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。
平成23年1月17日 小河昌江