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大阪View:高度救命救急センター 救いたい、1秒を争う極限の現場 /大阪

 深夜1時。1人の若い女性が救急車で運び込まれた。薬物による錯乱状態で、建物から飛び降りたという。顔面からは出血し、暴れて言葉もまともではない。24時間365日、重症の外傷患者や心筋こうそくなどの急患を受け入れ、治療をする高度救命救急センター。女性が運ばれた府立急性期・総合医療センターの高度救命救急センター(大阪市住吉区)は、府内に三つあるうちの一つだ。

 同センターに運ばれる患者は1カ月あたり90人以上。15人ずつの医師と看護師が勤務し、当直時間(午後6時~午前9時)は医師4、5人と看護師7人態勢となる。

 救急隊や医療機関から受け入れ要請があると、院内の雰囲気は一変する。症状に合わせ慌ただしく準備がされ、緊張が走る。1秒を争い瞬時に求められる治療指針。医師同士と看護師の密な連携を必要とし、生命を預かる現場はさながら「戦場」だ。

 一方で、緊張感と激務による反動は想像以上に大きい。医師らは30時間以上連続で働くこともある。医療訴訟のリスクも常に存在する。それでも藤見聡・同センター長(45)は「回復への可能性が1%あればそこに懸ける。治療で生き続けられる人がいることが糧」と話す。その言葉に「極限の現場」に立つ医師の誇りが垣間見えた。【大西岳彦】

毎日新聞 2011年1月16日 地方版

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