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相撲協会 年寄名跡買い取りを検討 一括管理で適任者指名

毎日新聞 1月17日(月)2時32分配信

相撲協会 年寄名跡買い取りを検討 一括管理で適任者指名
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日本相撲協会の放駒理事長=2010年8月撮影
 日本相撲協会が、公益財団法人移行に向けた改革案の柱として、協会が「年寄名跡」(年寄株)を買い取り、一括管理する方向で検討に入ったことが16日、複数の関係者の話で分かった。現在の慣習を覆し、協会が指名する適任者に無償で名跡を継承させることを視野に入れた抜本的な改革案。協会の運営方針を規定する寄付行為は、年寄名跡の取得について「協会に届け出て、認証を受ける」としているだけで、譲渡手続きに関する明確な記述はない。このため、年寄名跡は実態として億単位の金額で授受されている。【大矢伸一、藤野智成】

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 年寄名跡は105(北の湖、貴乃花の一代年寄を除く)あり、現役引退した力士が協会に残る際、取得が義務づけられ、65歳の定年まで給与が保証される。高額で譲渡されることが、無理な借金や、後援者に過度の依存をする角界の体質を生む要因になっているとの指摘が根強くある。

 協会内部の公益法人制度改革対策委員会=委員長・放駒理事長(元大関・魁傑)=でも議論が進められている。また、一連の不祥事を受けて発足した、外部有識者による「ガバナンス(組織の統治)の整備に関する独立委員会」=座長、奥島孝康・日本高校野球連盟会長=が協会に答申する改革案にも盛り込まれる見通しだ。

 困難が予想される資金調達について、改革の素案では、今後定年を迎える親方の年寄名跡を、協会が順次、退職金に上乗せをする形で買い取る方法が有力になっている。これまで、幕内、十両で実績を残すことが必要とされていた取得条件の見直しも行う方向。買い取った名跡を誰に継がせるかは、一般知識など社会的な適性を含め協会が判断することで検討が進められそうだ。

 公益法人に移行するには、13年11月末までに内閣府へ申請し、認定を受けなければならない。協会には、年寄名跡のほか、部屋制度やチケット販売契約を結んでいる相撲案内所(お茶屋)など金銭に関係した不透明な仕組みが存在し、公益法人化に向け改善が急務とされている。

 放駒理事長は16日、取材に対し「公益法人制度改革対策委員会の小委員会で検討してもらっているが、詳しい報告はまだ受けていない。独立委員会でも議論してもらっている。いずれにしろ、これからの話だ」と話した。

 ◇親方「理解」「資金は?」賛否

 抜本的な改革案として、協会の内部でも検討されていることが明らかになった年寄名跡の協会管理。親方たちの反応はさまざまだ。

 億単位の金銭授受が絡む年寄名跡継承が、多くの問題を引き起こしていることは周知の事実。ベテラン親方は、退職金に一定額を上乗せする形で協会が年寄名跡を買い取る方式について、「(金銭授受を解消するには)まあ、こうするしかないんじゃないか」と理解を示す。そのうえで「親方が辞める時、誰に継承させるか指名できるようにした方がいい」と話す。一方、中堅親方は「買い取るお金って協会にあるの? 何十億ってかかるのに、そんな財源が協会にあるとは思えない。荒唐無稽(むけい)な話だ」と一蹴する。

 年寄名跡の協会管理を巡っては、かつて境川理事長(当時、元横綱・佐田の山)が「年寄の死亡や退職後、2年以内に襲名がないものは協会保管」という方針を打ち出したものの、親方衆から猛反発を受けて撤回した経緯がある。「名跡を協会に取り上げられると、取得時に前任者へ支払った多額の金銭が回収できなくなる」「相撲部屋など個人財産にかかわる名跡の譲渡に協会が口出しするのはおかしい」−−など反論が火を噴いた。

 騒動の余波で98年の協会理事選挙は「反境川」を掲げた親方らが立候補し史上初の投票に持ち込まれた。境川親方は理事長職を退き、改革は頓挫。以後、抜本的な改革がなされないまま現在に至る。

 しかし、年寄名跡に絡む問題は後を絶たない。記憶に新しいのが、昨年12月の事例。横綱・白鵬が所属する宮城野部屋の師匠交代劇だ。

 元小結・広川が89年に死去し、部屋付きだった元前頭・竹葉山が宮城野を継承した。しかし、04年に元十両・金親(かねちか)が元広川の次女と結婚。名跡の実質的所有者が元広川の遺族だったため、元金親が宮城野を襲名し、部屋の師匠になった。元竹葉山は名跡を熊ケ谷に変更して部屋付きとなっていたが、元金親が不祥事で協会から名跡交換勧告を受け、再び宮城野親方となって師匠に復帰した。

 事実上の師匠更迭となる名跡交換勧告に対し、元金親が弁護士を交え協会に説明を求める一幕もあった。部屋の建物などは元広川の遺族が所有しており「師匠=部屋持ち親方」を退くことは、婿養子に入った元金親にとり、個人財産放棄を迫られることを意味するからだ。年寄名跡を巡り協会の人事権と親方の財産権が正面から衝突した例だった。

 既に10年12月に公益財団法人に認定された日本バレーボール協会の新公益法人制度対策小委員会の五十嵐三夫委員長は「スポーツ界で当たり前と思っていることが世間一般ではそうでないことが多い。原因は我々の説明が不十分なこと。一般の方に理解していただけるための組織作りが大事だと思う」と話している。

 【ことば】公益法人制度改革

 公益法人は不特定多数の利益に寄与する事業を主目的とする非営利法人で、税制上の優遇措置を受けている。だが、設立・運営の要件にばらつきがあるため、08年12月に新制度が施行された。引き続き公益法人となるには、公益目的と認められる事業が50%以上といった要件を満たし、13年11月末までに「公益認定等委員会」の認定を受けなければならない。事業の制約を受けない一般法人への移行も選択できる。


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最終更新:1月17日(月)3時6分

毎日新聞

 

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