【社説】「対話の前に北の謝罪」 米中は韓国に共感を

 韓国と日本は15日、ソウルで韓日外相会談を行い、「日本と北朝鮮の直接対話や6カ国協議の前に、まず南北対話が行われるべきだ」との認識で一致した。前原誠司外相は「南北対話が再開されるためには、『天安』沈没事件、延坪島攻撃事件に対し、まずは北朝鮮が確実で責任ある態度を示すべき、との韓国の立場を支持する」とも述べた。ロバート・ゲーツ米国防長官も14日、韓米国防長官会談で「(韓半島〈朝鮮半島〉問題の解決に向けた次の段階は)南北対話から始まる外交的な交渉だ。北朝鮮は(対話に先立ち)真剣さを示すための行動が必要だ」と述べた。

 韓・米・日の3カ国は、今年に入り相次いで閣僚級の会談を実施し、「南北対話が米朝・日朝・6カ国協議より先に実施されるべき」「北朝鮮は南北対話に先立ち『天安』沈没事件、延坪島砲撃事件に対し『責任ある措置』を取るべき」との認識で一致した。韓・米・日が北朝鮮に対する圧力・制裁について共同歩調を取ってきたように、北朝鮮との対話についても3カ国が共に行動することが重要だ。北朝鮮はこれまで、韓・米・日と別々に交渉することで立場を強めつつ、必要な支援を取り付けておいて、対話のテーブルを蹴飛ばすようなことを繰り返してきた。北朝鮮のこうした振る舞いは、3カ国が足並みをそろえてこそ阻止することができる。

 大統領府(青瓦台)の千英宇(チョン・ヨンウ)外交安保首席はこのほど、米メディアとのインタビューで「北朝鮮が『天安』攻撃や延坪島砲撃について、真実を明らかにし、遺憾を表明するまでは、公式的な南北対話を再開しない」との立場を明らかにした。さらに、「北朝鮮は、外部の支援がなければ生存問題を自ら解決することができないにもかかわらず、内部の資源を、住民の生活改善ではなく軍事費に投入してきた。このままでは、ある瞬間に破産するときが来るだろう」と述べた。政府が南北対話再開の先行条件として、「天安」沈没事件・延坪島攻撃事件に対する北朝鮮の遺憾表明に直接言及したのは、これが初めてだ。

 韓国が掲げる南北対話再開の条件は、19日にワシントンで行われる米中首脳会談で最初に是非が問われる。米国政府は、米中会談で話し合われる国際安全保障に関する議題のうち、第一の懸案が韓半島問題だと明らかにした。だが中国は、「天安」沈没事件が北朝鮮の仕業という事実を認めておらず、北朝鮮による延坪島砲撃についても、南北双方に責任があるとの立場だ。現段階では、中国が今回の米中首脳会談で、哨戒艦沈没と延坪島砲撃に関する従来の立場を変える可能性はない。中国が態度を変えなければ、北朝鮮も、韓国が掲げる南北対話再開の条件を即座に受け入れることはないだろう。

 韓国政府は、「南北対話に先立ち、まずは北朝鮮が謝罪すべきだ」との韓国側の主張について、米中首脳会談で中国側がはっきりと、あるいは暗にでもこの主張に共感するよう、外交力を集中させる必要がある。また、韓国の主張が壁にぶち当たるというケースに備え、外交的な対応策も同時に検討すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事
記事リスト

このページのトップに戻る