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阪神大震災の教訓、児童がバトン 寸劇や「語り継ぐ会」(2/2ページ)

2011年1月17日7時8分

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写真:劇団自由人会の団員から、阪神大震災について話を聞く児童ら=岡山県笠岡市の市立今井小学校、森写す劇団自由人会の団員から、阪神大震災について話を聞く児童ら=岡山県笠岡市の市立今井小学校、森写す

写真:震災について調べた成果を5年生に伝える6年生の児童ら=兵庫県芦屋市の市立精道小学校、森写す震災について調べた成果を5年生に伝える6年生の児童ら=兵庫県芦屋市の市立精道小学校、森写す

 ところが、子どもたちは本番までに震災についてよく学んでくる。観客の子どもも、友だちが出ていて熱心に見ることに気づいた。これまでに被災地だけでなく、関東や東海、四国地方などの小中40校以上で子どもらと演じた。

 今井小での上演は今月19日。6年生の福尾明香里さん(12)は「本番までにもっと震災について調べ、当時の児童の気持ちに近づきたい」と話す。

■6年生から5年生に

 震災で児童8人が犠牲になった兵庫県芦屋市の市立精道小学校では、6年生が震災を調べ、5年生に発表する「語り継ぐ会」を2004年から毎年開いている。

 今年度は、6年生126人が9月から週3時間の総合学習の授業を活用し、「避難所・仮設住宅」「救援物資・ボランティア」といった六つのテーマに分かれ、準備をした。当時の教諭や消防署員から話を聞くなどした。

 発表会のあった12月21日は5年生104人に、1班が10分程度ずつ発表した。「震災当時の様子」について調べたグループは直後の街の写真を見せたり、「一番犠牲者が多かった市はどこか」「芦屋市の犠牲者は何人か」など三択のクイズを出したりした。

 「防災・減災」を担当した子どもたちは将来、南海地震が起こる可能性があることを説明し、「枕元にスリッパや懐中電灯を置きましょう」と呼びかけた。同級生を亡くした卒業生から聞き取りをした6年生の永江咲希さん(12)は「命の尊さや人間の強さ、防災の大切さを学ぶことができた」と話した。

 春名片史校長は「調べたことを誰かに伝えようと、児童は一生懸命に勉強をしてくれる。風化を防ぐことにつながる」と効果を強調している。(森直由)

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