日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22)=早大=が16日、千葉・鎌ケ谷のファイターズタウンで行われた新入団選手歓迎式典・交流会に出席。同地史上最多となる1万1000人のファンを集める空前の大フィーバーとなった。熱い声援を一身に受けた佑ちゃんだが、1軍入りを夢見て心は早くも札幌へ。鎌ケ谷市に“決別”を宣言する一幕もあった。
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ここはディズニーランド!?同じ千葉県内にある日本最大級のテーマパークかと思えるほどの人、人、人。人口10万人強の鎌ケ谷市、しかも最寄り駅から徒歩30分のファイターズタウン。内野2400席だけののどかな球場に、過去最多となる1万1000人ものファンが詰めかけた。
前夜11時半ごろには、場所取りのファン第1号が出現。最低気温マイナス1・7度で雪も降り積もる中、徹夜する人も現れた。早朝から球場周辺の道路は1キロ以上渋滞。予定より30分早い6時半に開門すると、敷地内の駐車場200台分はわずか25分で満車に。鎌ケ谷警察署は110人の総動員態勢で警備にあたった。
昨年までの同式典はダルビッシュ、中田の入団時も含め、室内練習場で数百人規模だった。それがこの日は、新人合同自主トレが開始された午前10時の開場時に、約300メートルの行列。これまでの最多動員数だった一昨年の「鎌スタまつり」の6400人を約5000人も更新した。グラウンド内には臨時席が設けられ、3200人が陣取った。
午後3時、いよいよ式典開始。この日、鎌ケ谷市に転入届を出した佑ちゃんは、気の利いたあいさつでファンを沸かせた。「(鎌ケ谷に)入った早々申し訳ないですけど早く北海道に行きたい。決して鎌ケ谷の皆さまが嫌いなわけではないので」。1軍宣言を意味する“お別れ”に場内は温かい笑いに包まれた。その後も「プロはプレー以外でも盛り上げることは大事」と同期5人らと一緒に「VICTORY」の人文字を作るなどファンサービスを行った。
自身が「こんなに来るとは思わなかった」と驚くほどの大観衆。合同自主トレ開始から続くフィーバーに「(騒がれるのは)正直、本意じゃない」と本音も漏らした。
それでも「プレッシャーを自分にかけて頑張りたい」と真っ正面から立ち向かう気概を持つ。自主トレも、今クール中にはブルペンにも入る予定と順調だ。さまざまな重圧に負けず、宣言通り今度は北海道にフィーバーを運ぶ。