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ミュージシャン 平沢氏 「成熟した公共マナーの拡張」という視点で環境問題を考える

2007年2月16日

●2001年から2002年にかけて「Hirasawa Energy Works」という音楽プロジェクトを自ら発案し行ったミュージシャンの平沢進さん。元々は個人的な“趣味”で始めたソーラー発電へのアプローチをリスナーとも共有してみたくなったのだという。
●それは「あなたもソーラーパネルを買いましょう」などという「モノ」に訴えかけるメッセージではない。「好奇心と創造力があれば、誰でも環境負荷は楽しく軽減できる」という遊び心に満ちた「意識」に訴えかけるメッセージだった。
●最終回の後編では、「環境問題は難しく考えず、普通の大人が守る成熟した公共マナーの一種と考えましょう」という平沢さんの考えを分かりやすくお届けする。

前編中編はこちらからどうぞ)

取材/高橋かしこ、土屋 泰一 構成/高橋かしこ 写真/佐藤 久

ゆっくり走っても早く目的地に着くことは可能

──平沢さんは7年前から「プリウス」(トヨタ自動車)に乗っているそうですね。

平沢氏(以下、敬称略): ハイブリッド・カー(※9)に乗って気が付いたことは、不思議に聞こえるかもしれませんが、ハイブリッド・カーを買わなくても燃費を良くすることはできる、ということです。

ミュージシャン 平沢 進 氏

ミュージシャン 平沢 進 氏

ハイブリッド・カーに乗り始めたころ、実はいろんな実験をしてみたんです。プリウスというのは、それ自体の性能で燃費が非常に良い訳なんですが、モニターに燃費のグラフ(※10)が出たりするもんだから、それをさらに良くしようという欲求が出てくるんですね(笑)。

※9 平沢さんは、2000年にそれまでの愛車「シトロエン」をネットオークションで売り、「プリウス」に乗り換えた。その過程はリスナーにも公開された(なお「シトロエン」はリスナーに売った訳ではない)。
※10 初代プリウスでは、タコメーターなどをなくした代わりに、5.8インチ液晶のマルチインフォメーション・ディスプレイが搭載され、オーディオやカーナビゲーションのほか、現在の走行状態や燃費などもモニターできるようになっていた。そのため、プリウス・オーナーからは「燃費マニア」と呼ばれるマニアックなユーザーが多数生まれた。

クルマの運転が好きな人は、色々なドライビング・テクニックを学んだり、体得することに喜びを感じると思います。普通、そこで前提となっているのは、「早く目的地に着く」「スピードを出しながらコーナーをカッコ良く決める」「他車より先頭に立つ」ことなどと思います。つまり、速くてカッコ良く在りたいという欲求に基づいている訳です。

一方、私が燃費向上のために前提としているのは、「余裕のスピード」「私を追うものはいない」「しかし目的地に着く時刻は、かっとばした人とほぼ同じ」ということです(笑)。

ガソリンを“食わない”ためのテクニック、スピードを出さないためのテクニックっていうのもあるんですよ。しかも、それには体得していく間の喜びもあり、さらなる上級テクニックを追い求める楽しみもあります。

平沢さんが所有する現在のプリウスは、実は2台目。初代はトランクにギター・ケースが収まりづらいなど、機材を運んだりするのには難があったが、現在は居住性・収納性ともに上がったという。

平沢さんが所有する現在のプリウスは、実は2台目。初代はトランクにギター・ケースが収まりづらいなど、機材を運んだりするのには難があったが、現在は居住性・収納性ともに上がったという。

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