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──当時はソーラーパネルを単体で購入するのも難しかったらしいですね。

平沢: 難しいというほどではありませんが、当時、自然エネルギーを扱う日本のWebサイトは少なくて、豊富な情報が欲しいと思うと、米国のサイトへアクセスする必要がありました。

私も最初は米国のサイト運営者にアドバイスを受けたりしていたんですが、最終的には北海道のたいへん親切なショップ(※3)と出会って、機材選びから設置方法まで相談に乗っていただきました。

※3 北海道のたいへん親切なショップとは、具体的には「ノースパワー」を指す。同社では、独立電源用途向けのソーラーセル(太陽電池)をはじめ、自然エネルギー関係のグッズを数多く扱っている。以下のURLを参照。
http://www.northpower.co.jp/

──普通にソーラーパネルの設置を工務店などに依頼すると、数百万円はかかると聞きます。

平沢: そういうものは、私のスタジオとは規模が違いますが、例えばメーカーや代理店から得られる情報では、ソーラーパネルの設置には300万円から400万円かかるといわれます。耐用年数は20年間なので、20年後に瓦を葺き替えることを思えば同じ値段になるから、元は取れるし、そこから先は利益になる…というようなセールスがされているわけですね。

ですが、そういう個人の損得に委ねられる価値観では、見知らぬ人や動植物のためにお金や労力を払うのは愚かだということになります。

そもそも、そうした価値観が環境問題を生んだんじゃないですか? 矛盾してますよね。経済性で計るような動機では、環境に配慮しながら日常生活を送るという感受性にはつながりにくいでしょう。

ソーラーパネルをはじめ、私がソーラースタジオのシステムに費やしたのは50万円程度です。ですが、「50万円を取り返そう」なんていう発想はしていません。だから趣味なんです。人は趣味には喜んでお金をつぎ込むし、積極的に持続しようとしますからね。

京セラ製の多結晶型太陽電池パネル(120W)4枚を自作のタワー(やぐら)に設置している。

京セラ製の多結晶型太陽電池パネル(120W)4枚を自作のタワー(やぐら)に設置している。

しかも、私のソーラースタジオのような充電式の発電システムとは違い、通常の工務店が提供するソーラー発電は、電力会社と連携して、余剰電力は売り、不足する電力は買うというシステムなんですね。あくまで従来のインフラの下に属するシステムなんです。

たぶん、既存のインフラから独立した充電式のソーラーシステムは、今でも既成品としては販売されてないんじゃないでしょうか。ショップが色々な機材や部品を組み合わせてセット販売している例はありますが、それぞれ自動車用だったり、ほかの用途で使われるものの組み合わせだったりします。

タワーは、工事現場の足場材(単管パイプ)をカットして組み上げたもの。

タワーは、工事現場の足場材(単管パイプ)をカットして組み上げたもの。

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