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特攻に想う・・・年寄りは死に時を選ぶべきである




日本社会の高齢化が進み、将来は若い人が高齢者を養わなければならないので、「日本には将来がない」と言われる.

「かつては若い人5人でお年寄り1人だったから良かったけれど、2人が1人を支えるようになってきた。そうなると日本は衰退する」と繰りかえし識者が警告している.

大人たちは、夢を持てない日本の将来を描画し続けている.

よく考えてもらいたい。

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「母上様、幸光の戦死の報を受けても決して泣いてはなりません。

靖国で待っています。きっと来てくれるでせうね。敵がすぐ前に来ました。私がやらなければお父様お母様が死んでしまふ。

否、日本国が大変なことになる。幸光は誰にも負けずきっとやります。母上様の写真は幸光の背中に背負ってゐます。」

 海軍少佐 富澤幸光は昭和2016日、神風特別攻撃隊第19金剛隊でフィリッピンに出撃、戦死した。彼は北海道江差町の出身で23歳だった。

 彼らは若き身を捨てて必死に戦ったが、日本を守ることができなかった。

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私たち日本人は60年前、「日本を救うために」、「23歳の若者に命の提供を求めた」のである。

今、日本社会の高齢化で、日本の将来が危ういなら「日本を救うために」、「老いた体でご奉公できるなら死のうではないか」と私は思う.

人の命の価値は同じと言っても、23歳の若者に命を求め、老人が命を惜しんでいて、なんで尊敬されようか!

現実には自殺はしなくてもよい。貧乏を楽しみ、若い人の邪魔にならないように老人は老人でその分を果たそうではないか!

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ところが、少子化が進むと「年金が減る」というので「少子化対策」が必要とされている。なんということだろうか!何という短慮だろうか!

いや、年金のために少子化対策をするということがばかげていることは多くの人が知っている.でも口に出すまでには到っていない。

昔から子供が少なければ老後は安定しない。子供が多くて健康なら老後の面倒は、あるいは見てくれるかも知れない。

老後を安定させるために子供を作るのではない。子供はそれ自体で価値があり、日本の繁栄が第一だから子供が大切なのだ。

さらに、90兆円を超える国家予算を組み、天文学的な国債を出して、将来の子供たちに負担を強い、それで「未来に夢を持て」とか「勉強しろ」と言っても意味がない.

私たち日本人の老人はもっと、誇りと誠実さをもって自分自身の老後の生活を設計するべきと思う.

(平成221228日 執筆)


武田邦彦



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