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独立歓喜、対立の火種も=最大民族の支配に不満―スーダン南部

時事通信 1月12日(水)14時33分配信

 【ジュバ(スーダン南部)時事】スーダン南部独立の是非を問う住民投票は15日まで続き、約200万人が死亡した南北内戦終結の総仕上げとして、独立が圧倒的に支持される見通しだ。北部への隷属からの解放や、半年後にも実現する独立を前に、南部は歓喜に沸いている。だが、その陰で2005年の和平合意後、最大民族ディンカ人による支配が強まった。少数派からは「新たな支配の始まり」との声も出ており、新たな内戦の火種がくすぶっている。
 長引いた南北内戦の原因は、民族、宗教の違いを無視した英国の植民地支配や1956年の建国までさかのぼる。キリスト教徒が多い南部は、北部のアラブ人主体のイスラム教徒に支配される形となり、言語や習慣が軽視された。こうした南部の人々にとって、「悲劇の建国」からの解放という半世紀を超える宿願がようやくかなう。
 しかし、南部の中にも対立の構図は存在する。民族数は40を超え、09年には民族間抗争で2500人以上が死亡した。解放闘争を主導したディンカ人が、キール大統領を筆頭に南部自治政府や治安機関の要職を占める中、少数派からは公的機関での雇用や、住民サービスをめぐる差別的な扱いに不満も出ている。
 ウガンダ国境近くの南端に住む少数民族出身のヨブ・アネットさん(26)は「どうして新たな支配のために独立に投票しなければならないのか」との思いから棄権した。
 地元紙ジュバ・ポストの編集者によれば、南北統一維持に票を投じた人が、投票所で治安機関に連行されたとの情報がある。内戦の論功行賞による能力無視の人選や、ディンカ人による縁故人事も目立っており、同紙がある閣僚の不正を紙面で批判したところ、武装した護衛を伴う閣僚が編集局に殴り込んできたこともあるという。 

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最終更新:1月12日(水)21時31分

時事通信

 

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