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何気なく僕たち使う消しゴムはまちがい直す文具のヒーロー | 北海道 北嶺中学校 1年 渡辺 大祐 |
雪景色全てを白に染め上げる息も時間も音も心も | 北海道 北嶺中学校 2年 三條 嵩明 |
「すごいね」と素直に言えない弱い自分憧れ転じて嫉妬する日々 | 北海道 北星学園女子高等学校 1年 清水 茉莉花 |
えびぞりで東京タワー写したりファインダーからはみ出る夜景 | 青森県 藤崎町立藤崎中学校 3年 成田 好 |
おばあちゃんこれが高校の制服だ勇んで見せる春の墓の前 | 青森県 県立青森中央高等学校 1年 奈良岡 貴大 |
エリクソン・パスカル・デカルト赤ペンで線を引かれる“思う”人々 | 青森県 弘前学院聖愛中学高等学校 3年 棟方 貴之 |
下北に晩夏を告げる囃子の |
青森県 県立むつ工業高等学校 3年 今 亜以沙 |
「触れてみたい」腕をのばして |
岩手県 県立水沢高等学校 1年 及川 祐花 |
「元気だが?」受話器の向こうの祖母の声電話切っても残るぬくもり | 岩手県 盛岡女子高等学校 3年 三浦 文香 |
“もっけだの”言われる人になりたいな言われた回数心に比例 | 山形県 県立酒田商業高等学校 3年 佐藤 晴香 |
ブカブカの制服を着てはや二年思い出つまりちょうどよくなる | 福島県 県立田村高等学校 2年 関根 拓馬 |
「また明日」じゃなくて「またね」と言った君その日は少し霧がかかってた | 茨城県 県立下館第一高等学校 2年 羽田 美帆 |
温暖化氷河はとけて消えていく人には届かぬ白熊の声 | 茨城県 東洋大学附属牛久高等学校 2年 菅谷 菜瑠美 |
親友と遊び疲れた帰り道夢の話は少し嘘つく | 茨城県 東洋大学附属牛久高等学校 3年 中川 知明 |
「本当は何になりたい?」と訊きたげな顔をしている進路調査書 | 茨城県 茨城大学 4年 大島 愛美 |
エアコンをきって初めて気付く風風鈴鳴らし涼を連れくる | 埼玉県 さいたま市立植竹中学校 2年 木村 郁香 |
十五歳大人の都合で使い分けある時子どもある時大人 | 埼玉県 さいたま市立土屋中学校 3年 置鮎 夢子 |
炭酸ののどごしほどのいい刺激君がいるから感じる毎日 | 埼玉県 県立久喜北陽高等学校 1年 山口 美由紀 |
ペットショップ動物たちの叫び声「私の値段を誰が決めた?」 | 埼玉県 県立熊谷女子高等学校 1年 大澤 麻衣子 |
テレビ見てダイエット法をけなす祖母私は見たよ試してたのを | 埼玉県 県立熊谷女子高等学校 1年 小守 翔子 |
“痛いよう”“熱いよう”と必死な声聞こえてきそうな原爆ドーム | 埼玉県 県立熊谷女子高等学校 2年 間仲 絢子 |
絵描き部の箱から見える晴れた空筆の先にはひまわりが咲く | 埼玉県 県立白岡高等学校 2年 新井 沙也果 |
入試の時緊張してた教室が今では一番落ちつく居場所 | 埼玉県 県立松山女子高等学校 1年 星 君枝 |
台風が去った後には水たまり僕と夕焼け静かに映す | 千葉県 芝浦工業大学柏中学校 2年 野口 雅哉 |
学校の秋のイベントひとつ減る中止にしたのはインフルエンザ | 千葉県 西武台中学校 1年 三上 菜々美 |
バスの中席をゆずったその時に私の中に桜が咲いた | 千葉県 東邦大学付属東邦中学校 1年 横田 真希 |
明けきらぬ梅雨の中での日食で天空の神が指輪を贈る | 千葉県 麗澤中学校 2年 長谷川 仁美 |
ブルーベリー青い実いくつか寄りそって家族みたいで摘みたくないな | 千葉県 和洋国府台女子中学校 2年 永松 千聖 |
流行のインフルエンザ対策は彼とつないだ手も洗わなきゃ | 千葉県 県立市川西高等学校 3年 小川 舞子 |
人込みのホームで感じるむなしさを父は何回味わっただろう | 千葉県 県立市川東高等学校 3年 佐藤 樹里 |
夢を追うあなたの背中が美しい努力という字が見える気がする | 千葉県 県立市川東高等学校 3年 高橋 由佳 |
「妹ちゃん?」「お母さんですか?」と声のする電話出るたび間違えられて | 千葉県 県立市川東高等学校 3年 中村 陽子 |
記録より記憶に残る思い出を形にならない宝石として | 千葉県 県立市川東高等学校 3年 東瀬戸 敬 |
友が降り電車に一人残されてため息深く演技終了 | 千葉県 芝浦工業大学柏高等学校 1年 小崎 遥佳 |
本当になくなることを信じてる「核をなくそう」オバマの言葉 | 千葉県 秀明八千代高等学校 1年 西谷 俊亮 |
寝坊してご飯はいいと言ったのにかばんにひとつ鮭のおにぎり | 千葉県 西武台千葉高等学校 2年 金子 聡美 |
母さんが「頑張ってね」と置いていくココア目当ての夜更かし勉強 | 千葉県 県立松戸高等学校 3年 髙畑 七海 |
ミャンマーで銃弾に倒れた写真家一人あなたの勇姿で我が夢決まる | 千葉県 木更津工業高等専門学校 1年 中島 武忍 |
「じゃあまた」と言って別れた終業日それが最後の言葉と知らず | 東京都 足立区立第七中学校 2年 数山 泰正 |
一人ではつくれない顔が一つあるそれは仲間と笑い合うこと | 東京都 大田区立東蒲中学校 2年 渡辺 夏海 |
部活後にチェロを背負って帰るときまるで友達優しいぬくもり | 東京都 慶應義塾中等部 2年 水野 由実子 |
クラス皆困り顔でもただ一人頭脳明晰電子辞書様 | 東京都 慶応義塾中等部 3年 武田 祥平 |
ベッドない医師がいません今無理です救命救急まさに迷宮 | 東京都 晃華学園中学校 2年 古島 才 |
気がつけば母が私を見上げてる少し嬉しい初夏のある朝 | 東京都 晃華学園中学校 2年 小山 舞 |
ボランティア与えるだけではないらしい与えた分だけもらった元気 | 東京都 星美学園中学校 2年 山下 希実 |
一人旅伊勢市の駅に祖父と祖母ホッと笑顔がホロっと涙が | 東京都 創価中学校 2年 黄木 優美 |
やっぱりね絶対はまると思ったよお盆休みのながい渋滞 | 東京都 東大和市立第二中学校 2年 猪巻 世支人 |
総選挙「一票の重み」はどこいった開票してすぐ当確決定 | 東京都 本郷中学校 2年 桐野 将 |
七変化昼はロボット放課後はヒョウ家へ帰れば泥になりたり | 東京都 都立片倉高等学校 1年 花田 美乃莉 |
秒速で眠りにおちる幼子に愛しさ覚えた保育体験 | 東京都 都立片倉高等学校 3年 石黒 優希 |
終戦後六十年で意志崩れ九条の意味どこへ消えたか | 東京都 駒込高等学校 2年 小山 和宏 |
一瞬で命を奪うあの武器が魔法で鳩に変わればいいのに | 東京都 星美学園高等学校 3年 廣岡 涼子 |
目の前にすっぴん女性座ってる降りるときには別人みたい | 東京都 専修大学附属高等学校 3年 梅村 実帆 |
流星群無くともたまには見上げてね毎晩でてる星から伝言 | 東京都 都立田柄高等学校 3年 本間 麻恵 |
ドラマあり少年時代の祖父の筆日記が語る戦争体験 | 東京都 東京農業大学第一高等学校 2年 西澤 喬広 |
ハンガーにさみしくかかる制服に今日も触れず登校拒否 | 東京都 日本橋女学館高等学校 1年 森 杏奈 |
向い風オールにかかる重い水椎間板が悲鳴をあげる | 東京都 早稲田大学高等学院 3年 田中 裕彬 |
会うたびにこぼれる笑顔むけられて細く小さなしわの手にぎる | 東京都 新宿区医師会立看護高等専修学校 2年 早川 美喜子 |
アレ取ってソレじゃないってアレだって最近父は指示語が多い | 神奈川県 神奈川大学附属中学校 1年 五道 芙美 |
「ただいま」とドアを開けたら玄関でしっぽ振り待つ小さな家族 | 神奈川県 神奈川大学附属中学校 3年 新井谷 将紀 |
電車内席をゆずったその後のまわりの目線が妙に歯がゆい | 神奈川県 慶應義塾普通部 3年 楠本 遼 |
「おばあちゃん起きてよ遊ぼう」妹の無邪気な問いに棺は答えず | 神奈川県 藤嶺学園藤沢中学校 2年 岩崎 達生 |
メール待つ心も体も寒い冬あなたの返信まるでゆたんぽ | 神奈川県 神奈川大学附属高等学校 2年 渋谷 希 |
大切な思い出だからコーヒーに一緒に混ぜて飲み干したのです | 神奈川県 捜真女学校高等学部 1年 伊藤 綾乃 |
高速代公立学校無料化とお金の事しか言えない政党 | 神奈川県 横浜山手女子高等学校 3年 白澤 佳菜 |
蒲公英がふわりと飛んでる帰り道つかめない君恋に似てるね | 新潟県 東京学館新潟高等学校 3年 桜井 彩光 |
帰りみち見慣れた背中目に映り頬をゆるませ駆け下りる坂 | 長野県 伊那西高等学校 2年 山本 翔子 |
ワイシャツに赤きリボンの輝ける鈍行列車の陽だまりの席 | 長野県 伊那西高等学校 3年 千村 真美 |
君想う気持ちはだれにも負けないと真赤に掛けるタバスコの量 | 静岡県 静岡市立清水商業高等学校 2年 佐々木 わかな |
天変地異インフルエンザに覚醒剤日本の未来もフェーズ6!! | 愛知県 光ヶ丘女子高等学校 3年 新實 真央 |
先生の上に落ちたらどうしよう汗がボタボタあん摩の補習 | 愛知県 県立岡崎盲学校 1年 内田 義隆 |
土日にはとても優しいお母さん寄宿生活悪くないかも | 愛知県 県立岡崎盲学校 3年 石原 達也 |
もっているゲームソフトやケータイでどんどんかわる友だちマップ | 大阪府 岸和田市立北中学校 2年 原 誠 |
サムライの魂燃えた決勝打人の心も打ったイチロー | 大阪府 金蘭千里中学校 3年 岸本 真良 |
あの夏のはなしする祖父ふと見ると目元が少しうるんで見えた | 大阪府 金蘭千里中学校 3年 杉村 光咲 |
嘘をつくこんな私が裁判で罪の重さを決められるのか | 大阪府 金蘭千里中学校 3年 竹内 美晴 |
だんじりを泉州男が曳き回し愛する町に熱い秋来る | 大阪府 清風中学校 3年 原田 誠 |
平和賞僕も欲しいなオバマさんみんなそろってYES we can. | 大阪府 清風高等学校 3年 古川 和伸 |
帰り道家の窓からきこえてくるまちがいだらけの「ねこふんじゃった」 | 兵庫県 神戸海星女子学院中学校 1年 伏見 円香 |
兵庫県 県立伊川谷高等学校 3年 小野 茜 |
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親指を立てて上京した兄はかばんに不安をおしこめていた | 岡山県 県立倉敷青陵高等学校 1年 松本 蒔子 |
「志賀直哉」ゼミで調べて行きづまり「なおくん」「しがっち」などと呼んでみる | 岡山県 就実大学 3年 平野 多加惠 |
「こんにちは」たった五文字のジャパニーズ千の気持ちを伝えてくれよ | 広島県 広島新庄高等学校 1年 森末 和 |
おにぎりを作る母の手見て思う私はこの手に守られてきたと | 広島県 県立総合技術高等学校 2年 脇本 奈緒美 |
県外に内定決まりふと思う地元はこんなに良かったっけ | 山口県 県立宇部工業高等学校 3年 添田 智史 |
風船が小さな指をすりぬけるきっと神様ほしかったんだ | 香川県 県立高瀬高等学校 2年 富山 由貴 |
人らしく生きることさえ許されず格差の海を『蟹工船』ゆく | 香川県 県立丸亀高等学校 2年 佐藤 亮 |
歴史的政権交代に立ち会えた開いてみたい未来の教科書 | 福岡県 西南女学院高等学校 2年 小笠原 華子 |
芋を煮る娘の姿祖母に似る私もコトコト青菜を刻む | 福岡県 県立博多青松高等学校 3年 原田 広美 |
おなもみが自分についたらうざいなあ人につけるとたのしいけどね | 長崎県 雲仙市立吾妻中学校 2年 中村 透 |
秋の田のそばに咲いてる彼岸花黒いあげはが舞い降りてきた | 長崎県 佐世保市立中里中学校 1年 加藤 啓彰 |
秋空の下で踊ったソーラン節はだしで大地をドンとふみしめ | 長崎県 佐世保市立中里中学校 1年 樋口 真理沙 |
もういらない8月の空のきのこ雲やっぱり空は青空がいい | 長崎県 佐世保市立中里中学校 1年 松村 美来 |
百分の一の世界に生きているノギスのわずかなずれに泣いている | 長崎県 県立長崎工業高等学校 3年 浦瀬 恵介 |
溶接の火花で赤い実習室無言で己と闘い続ける | 長崎県 県立長崎工業高等学校 3年 西村 源二郎 |
太陽と蝉の長崎目や耳に煮えたぎってる被爆の残像 | 長崎県 県立長崎工業高等学校 3年 松尾 圭介 |
手の平を水にひたしてふと思う海と一つになった気がする | 熊本県 熊本市立飽田中学校 2年 古庄 希美 |
剣山に花をさすたび見えてくる映し出される私の心 | 熊本県 県立大津高等学校 2年 菒 幸恵 |
簡単に使わないでよ誰だって期待するでしょハートの絵文字 | 鹿児島県 鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校 1年 川本 真衣 |
先生の話が脱線してるとき授業中より真剣に聞く | 沖縄県 県立首里高等学校 1年 知念 綾香 |
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やさしいねおじいちゃんが入院し早くよくなれ早くよくなれ |
宮城県 大崎市立鳴子小学校 6年 田中 沙季 |
メロンパン丸くてあまくていいにおい元気をくれるまるで太陽 | 埼玉県 コロンビアインターナショナルスクール 6年 伊藤 華子 |
負けたけどすごい経験有り難う相手がいたからできたことだよ | 埼玉県 コロンビアインターナショナルスクール 6年 片岡 吾聞 |
六時から見たいテレビがあったのにどこまわしても政権交代 | 埼玉県 コロンビアインターナショナルスクール 6年 吉永 健大 |
ゆずの実に手をのばしたらぎょっとしたぽってりふとったいもむしいたよ | 千葉県 成田高等学校付属小学校 5年 重吉 彩乃 |
あじさいの葉っぱの上にかたつむり雨のシャワーをかぶっているよ | 愛知県 東海市立加木屋小学校 6年 伊藤 可子 |
しんけんに「大」とゆっくりふでで書くはらい終わって息をすいこむ | 大阪県 茨木市立春日小学校 5年 小川 美紀 |
インフルがみんなの笑顔うばっていたはやくみんなにあってみたいな | 奈良県 奈良市立西大寺北小学校 6年 金子 優莉香 |
宿題の短歌づくりはできたんかもう書いたんかすぐあきたんか | 奈良県 奈良市立西大寺北小学校 6年 森 将太 |
さみしくて泣きそうな時いいかおりキンモクセイのやさしいメロディー | 奈良県 奈良市立西大寺北小学校 6年 山口 彩華 |
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第20回~22回の冊子は在庫がございます。 ご希望の方は希望冊数により下記の切手代をご負担いただきます。 住所・氏名・電話番号・希望冊数を明記し、切手を同封の上、下記の宛て先までお送りください。 ※本年度(第23回)の小冊子は2月中の発行予定です。何とぞご了承下さい。 (1冊 140円、2~3冊 240円、4~6冊 390円、7~12冊 580円) 〒112-8606 東洋大学広報課 「現代学生百人一首」冊子希望 係 |