大嘗宮:「藤原宮跡で建物跡発見」は誤り 奈良文研が訂正

2010年11月18日 20時49分

 天皇の即位に伴う重要儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」が行われた大嘗宮の建物跡について、奈良文化財研究所は18日、奈良県橿原市の藤原宮跡(694~710年)で見つかったとした7月の発表は誤りだったとして訂正した。調査の中間段階で発表したため、検証が不十分だったとしている。

 奈文研は7月1日の記者会見で、42本の柱跡を基に建物跡1棟(東西12メートル、南北3メートル)と、それを取り囲む外塀跡(東西23メートル、南北20メートル)、内部を区画する内塀跡、二つの門跡を確認したと発表した。大嘗宮跡は平城京跡(奈良市)で確認されていたが、藤原宮跡では見つかっていなかったため、「最古の大嘗宮」として注目された。

 しかし、柱跡を深く掘り下げて確認したところ、42本中35本は藤原宮造営時に排水用に掘られた溝などで、大嘗宮の柱跡ではなかったと判明した。

 発掘現場は、重要な儀式などに使われた朝堂院の広場「朝廷」に当たる。繰り返し整地され、小石の層があったために確認しづらかったという。奈文研の深澤芳樹・都城発掘調査部長は「深く反省して今後に生かしたい」と謝罪した。【高島博之】

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