2010年11月18日 11時37分 更新:11月18日 12時40分
【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は17日、パリでこの日始まった「大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)」の年次総会で、東大西洋・地中海のクロマグロ漁獲枠の大幅削減は求めず、現状維持の容認もあり得るとの方針を決めた。交渉のカギを握るEUが削減要求を弱めたことで、現行枠の維持または小幅削減での合意作りに向けて議論が集約される可能性が強まった。
EU内では漁獲枠を巡り、大幅削減を求める行政府・欧州委員会と、現状維持を求めるフランス、イタリア、スペインなどの地中海沿岸漁業国が対立してきた。17日のEU加盟国大使級会合の結果、「現状維持または小幅削減」の妥協案で交渉に臨むことで合意した。
交渉にあたる欧州委員会は当初、漁獲枠を今年の1万3500トンから来年は6000トンに減らす大幅削減案を提示したが、フランスなどの反発を招き、全加盟国の同意を取り付けられなかった。このため、EU議長国のベルギーが妥協案をまとめ、合意形成にあたっていた。