現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 政治
  4. 地方政治
  5. 記事

阿久根市長に西平氏当選確実に 3選目指した竹原氏落選

2011年1月16日19時20分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 住民投票で市長が解職された鹿児島県阿久根市の出直し市長選は16日、養鶏会社経営の新顔西平良将氏(37)が、3選を目指した前職竹原信一氏(51)=共に無所属=を破って初当選することが確実になった。「市役所・議会改革」を唱え、議会に諮らずに専決処分を繰り返した竹原氏の行政手法が否定された形だ。

 西平氏は、市長解職運動を進めた市民団体の元役員。竹原氏が言う「改革」の必要性は認めるが、手法は「独善的だ」と批判。市議会と対立を続けた同氏を意識して「対立より対話が重要」と訴えた。

 政策面では市職員の人件費を「4年間で15%削減」、議員定数16も「2〜6減」と公約。相手側と議論しながら中長期的に実現するとした。農水産物の商品化支援など民間所得の向上策も打ち出した。

 住民投票に必要な署名が集まった昨年9月の時点で立候補を表明。市内各地でミニ集会を繰り返して、知名度と行政経験の不足を挽回(ばんかい)した。

 竹原氏は過去2回の選挙戦と同様「官民格差の是正」に絞って訴えた。「支え合って生きる社会をつくるには、市職員が市民以上の高給をもらったら駄目」と説き、職員賞与の大幅削減や議員報酬の日当制(日額1万円)導入など在任中の実績を強調。職員や議会を「改革の抵抗勢力」と位置付け「阿久根が国を変える」と戦う姿勢を見せた。

 だが、片山善博総務相からも「違法で無効」と否定された専決処分などの強引な手法に市民の反感が高まり、長引く対立と混乱への不安を解消する展望を示せなかった。

 市長選は、この2年半で3度目。竹原氏は市議を経て2008年の市長選で初当選。議員定数の大幅削減案を否決されるなどして議会と対立し、2度の不信任決議を受けて失職した。09年5月の市長選で再選されたが、昨年8月に解職請求運動が始まり、先月5日の住民投票で失職した。

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

原発のゴミの最終処分場は、日本では候補地の自治体名が一つも挙がっていないのに対し、欧州は建設に向け動き出した。

人口220万都市で前例のないリコール運動。名古屋市政の混迷を招いたのは誰なのか?

後藤謙次さんの記事を配信中。第一線の論客と朝日新聞の専門記者が、「タイムリーで分かりやすい解説」を提供。


    朝日新聞購読のご案内
    新聞購読のご案内 事業・サービス紹介