マツダスタジアム(南区)周辺地区の開発について、広島市は14日、三井不動産(東京都)が提出した基本計画方針の内容で、双方が合意したと発表した。08年6月に交わした基本協定では球場の東西を同時に開発する予定だったが、東側に大型商業施設やスポーツ施設を先行して12年末を目標に建設し、西側は5年後の着手を見据えて暫定利用する方針に変更した。リーマンショック後の不況で着工が遅れていた計画は、2年ぶりに動き出す。【矢追健介】
「広島ボールパークタウン」と名付けられた計画で、東側用地2・6ヘクタールの半分以上を会員制倉庫型販売(ホールセール)施設が占める。この業者の希望で社名は非公表だが、国内9店舗を運営する外資系の「コストコ ホールセール ジャパン」(神奈川県)が広島にも出店を計画している。他には、スポーツクラブを全国で展開する「ルネサンス」(東京都)が大型施設を開業し、マンションも建てられる。今年9月に着工する予定。
合意内容によると、土地売買の契約期限は東側が今年10月末、西側は5年後の16年2月末で、全体が完成するのは17年2月。事業者の代表となっている三井不動産は、総事業費を約160億円と見込む。
マツダスタジアムは広島東洋カープの新しい本拠地として09年春にオープンした。08年の基本協定では、09年3月末を土地取得期限とし、今年3月末までに東西両地区で全施設の完成を予定していた。球場を核に、新しい「にぎわい」を生み出す地として期待を集めた。しかし、08年秋のリーマンショックで計画は変更を余儀なくされた。進出をためらう企業が多く、三井不動産は09年2月に計画延期を市に申し出て、承認されていた。
09年当時の計画事業者は、三井不動産、コナミスポーツ&ライフ、ラウンドワンだったが後者2社が撤退し、別の2社が名乗りを挙げた。
毎日新聞 2011年1月15日 地方版