佑、ダルと飲みたい学びたい！キャンプ２４時間完全密着！！…日本ハム

控室で談笑する斎藤佑樹（左）（右は報道対応を終え控室に戻るダルビッシュ）

　佑ちゃんがダルと最強の“師弟タッグ”を結成する。日本ハムのドラフト１位・斎藤佑樹投手（２２）＝早大＝が１５日、東京・江東区の東京ビッグサイトで行われた本社の商品展示会に参加。ダルビッシュ有投手（２４）と公の場で初対面を果たし、２月１日からの沖縄・名護キャンプで昼夜を問わず先輩を密着マークすることを志願した。フィーバーに沸く後輩を気遣うダルは、エース道を惜しげもなく伝授する構えだ。

　ステージに向かう花道には、カメラを持った大勢のファンが群がった。ナインはフラッシュを浴びながら、壇上へと歩を進めた。選手の隊列の先頭はダルビッシュ、大トリは斎藤だ。運命のドラフトから７９日。今季の球界を彩る２人のスターが公の場で初接触した。

　「体がすごく大きくて、目指すべきところはダルビッシュさんだと、あらためて感じました」。控室でのあいさつを終え、斎藤が目を輝かせた。昨年１１月、早大の先輩となるヤクルト・青木の仲立ちで一緒に食事をしたが、“日本ハム・斎藤”として会うのは、この日が初めて。対面してまもなく、ダル軍団入りを志願した。

　５億円男はフィーバーの渦中にある舎弟を、優しく気遣った。「ちょっと大変なんじゃないかな。報道の方も斎藤君を出せば売れると思うんでね。そっとしておいてほしい」。そして自らの新人時代と比較し「僕の場合、人間としても質が違う。むちゃくちゃ言ってたし。結局キャンプでやっちゃってますから」。０５年のキャンプ中、パチンコ店での喫煙を写真誌に撮られた過去を振り返り、自虐的にエールを送った。

商品展示会に集まった大勢のファンと日本ハム・ナイン

　コメントを聞いた斎藤は「自分も結構むちゃくちゃですよ」と師匠を立てた。「キャンプに行ったら、一緒に練習させてもらえるかもしれない。いろいろ聞けたらいい」。梨田監督は斎藤のキャンプ１軍発進を明言している。「基本的には全部見たい。チームメートだから、見られるところもある。ウエートトレも食生活も含め、勉強になったら」と斎藤。学ぶべきポイントは、ダルの全てだ。

　ダルビッシュは後輩に面倒見の良いことで知られる。中田がルーキーだった０８年には、キャンプ３日目で早くも食事に招待した。高卒の中田は未成年だったが、斎藤は成人。休日前夜、杯を交わせばエースの思わぬ本音も聞ける。“飲みニケーション”に斎藤は「新人なんで…」と謙虚も「誘われたら、行きたい」と本音をのぞかせた。熱意次第では、昼夜問わず完全密着は可能だ。梨田監督も「技術よりもエースとしてのあり方を学んでほしい」と“有佑タッグ”結成を喜んだ。

　会場では日本ハムの選手が各ブースを回り、商品の試食を楽しんだが、混乱を避けるために斎藤は回避。１６日は２軍の本拠地、千葉・鎌ケ谷で新人歓迎式典に臨む。フィーバーに沈静化の気配はない。「声援はありがたいこと。これがずっと続くように頑張らないと」と１８番。ダルの一挙手一投足を盗み、エース道を継承する。