足利事件の再審で無罪が確定した菅家利和さんに対して、宇都宮地方裁判所は、17年半にわたって不当に身柄を拘束した補償として、最高額のおよそ8000万円を支払うことを決めました。決定を受けて菅家さんは「17年半は長かったが、これが1つの区切りだと思います」と話しました。
平成2年に栃木県で幼い女の子が殺害された足利事件で無期懲役に服していた菅家利和さん(64)は、DNAの再鑑定の結果、犯人の型と一致しなかったとして釈放され、去年3月、再審で無罪が確定しました。これを受けて菅家さんは、逮捕された平成3年12月2日から釈放されたおととし6月4日までの17年半の間の刑事補償を請求していました。刑事補償は、刑事裁判で無罪が確定した人に対して支払われるもので、宇都宮地方裁判所は、13日、1日当たりの補償額を法律で決められた最高額の1万2500円として、あわせて7993万円余りを支払うことを決めました。弁護団によりますと、菅家さんは刑事補償の一部と、これとは別に裁判にかかった費用として支払われるおよそ1200万円を今後の再審などを支援するために日弁連=日本弁護士連合会に寄付するということです。菅家利和さんは栃木県庁で記者会見し、「今回の決定は自分が期待していたとおりですが、17年半の期間は長かった。自分を取り調べた検察、警察に謝ってほしい。真犯人が逃げ得になるのは許さない」と話していました。