2011年1月16日9時0分
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昨年11月には見放題で7.99ドル(約660円)のプランを打ち出して人気が加速。米調査によると、今や午後8時〜同10時の全米のトラフィック(ネットを流れる情報量)の20%を、ネットフリックス社が占めるという。08年に940万人だった同社の会員数は現在、2千万人弱に達した。10年の売上高は前年比3割増の21億5千万ドル(約1800億円)を見込む。
さらに米テレビ局ABCやNBCは、ネットフリックスとは別に独自の動画配信会社「Hulu」(フールー)を設立。米アップル、アマゾンも動画販売に乗り出した。
米ITアナリストのアラシュ・アメル氏は、ネットフリックスを除く米動画配信市場も10年は前年比47%、11年は同20%以上伸びるとみる。
急速な普及の背景には、家庭での機器の進化がある。
キースさんはネット受信機能を持つブルーレイディスク再生機を使っている。「Wii」や「プレイステーション3」といったゲーム機も同様の機能がある。米アップルの携帯端末「iPad(アイパッド)」や、テレビに接続する装置「アップルTV」も動画を楽しむのに適している。
9日まで米ラスベガスで開催された家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でも、パナソニックやソニー、サムスン電子、LG電子がネットに接続できるテレビを出展。LG電子は「まもなく、我が社が販売するテレビのうちネットテレビの比率は5割を超える」という。
■レンタルビデオ店を駆逐
あおりを受けているのがレンタルビデオ店だ。
世界最大のレンタルビデオチェーンだったブロックバスターは昨年9月、米連邦破産法11条の適用を申請し、倒産した。04年には世界に計9千店舗以上あったが、最近は売り上げが減り、店舗維持費が負担となっていた。事業は継続するが、大幅な店舗削減を迫られている。