４４歳で女の子を出産。「半ばあきらめていたら、６年目にしてポンとできちゃったんです」

●西崎緑さん

　かつて高視聴率を誇ったテレビの「必殺シリーズ」。昨年２月に亡くなった藤田まことの出世作だったが、きょう登場の西崎緑さんもこのドラマから世に出たひとりだ。７４年、「暗闇仕留人」の主題歌「旅愁」を歌って大ヒット。その後も同シリーズのレギュラーに名を連ね、女優としても活躍した。西崎さん、今どうしているのか。

「吉沢京子さん、桑江知子さんとユニットを組んで活動してるんです。昔から３人で仕事をするのが夢で、ようやく実現しました。ユニット名は百花繚乱をもじって『三花繚乱』。ワタシたち、５０代になりましたが、まだまだ女として花盛りですもの、フフフ」

　世田谷線若林駅近くのファミレスで会った西崎さん、こう言って目を細めた。

「本格活動は一昨年の１１月から。企画も運営もすべて手作り、ライブハウスからスタートしました。大掛かりな宣伝はナシ。口コミだけが頼りで不安もあったんですが、うれしいことに追加公演をするほど大好評で。去年は一歩踏み出して夏に銀座の博品館劇場、あと、亀戸のカメリアホールで公演しました。終了後はお客さまとの記念撮影もあり、『三花繚乱』はいつもとっても和やかな雰囲気なんですよ」

　熟女３人のステージ。それは華やかだろう。

「もちろん！！　３人それぞれの持ち味を生かして、歌、踊り、朗読、トークショーなどをご披露いたします。ただ、いつも同じような展開だと面白くないでしょ。で、いつも新しいアイデアを盛り込むことを心がけ、例えば亀戸のステージではワタシの振り付けで京子さんに踊っていただきました」

　さて、日舞「西崎流」の新宗家である西崎さんは３歳で初舞台を踏み、子役としてテレビドラマやＣＭで活躍。そして、１４歳のときに作曲家の平尾昌晃さんの肝いりで歌った必殺シリーズ「暗闇仕留人」の主題歌「旅愁」が大ヒット。これをきっかけに同シリーズ「必殺仕舞人」「必殺仕切人」にレギュラー出演、女優でも開花した。

「必殺シリーズでは藤田まことさんはもちろん、京マチ子さん、高橋悦史さん、芦屋雁之助さんといったベテラン俳優の方たちからお芝居についてたくさん学びました。５０を越え、今度はワタシが教える番だと思い、若い人たちに日本舞踊の所作を基本にして歌やお芝居を勉強する『西崎流美緑会』に力を入れてます」

　３７歳のときに再婚。相手は７歳年下の宮大工だった。

「建築関係の職人さんは粋なところがあって、三味線や小唄なんかを習ってる方がけっこういるんです。主人はワタシのところに踊りを習いに来てて、それで知り合いました。どっちから？　さあ、どうだったでしょう、フフフ」

　結婚６年目で女児を出産。４４歳の高齢出産ということで話題になった。

「なかなか子供ができず、半ばあきらめていたら、６年目にしてポンとできちゃったんです。不安はありましたが、それより元気な子を絶対に産むって気持ちの方が強かったですね。娘は今年、小学校。だんだん手がかからなくなるし、少しずつ仕事量を増やしていきたいと考えてます」

（日刊ゲンダイ2011年1月14日掲載）