クールな二枚目役で舞台やドラマなどで幅広く活躍した俳優の細川俊之さんが14日未明、急性硬膜下血腫のため死去した。70歳。12日に都内の自宅居間で転倒し、頭部を打ち、東京・渋谷区内の病院に運ばれたが、そのまま帰らぬ人となった。1963年に、文学座研究生となり俳優デビュー。独特の甘いしゃべり方で人気となり、ミュージカル「ショーガール」は15年ものロングラン公演となった。なお、通夜、葬儀は未定。
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甘い語り口とまなざしで「ダンディー」の代名詞となった細川さんが、悲しい最期を遂げた。
事務所関係者によれば、細川さんは12日午後2時ごろ、東京・品川の自宅居間で転倒し、頭部を打撲。渋谷区内の病院に搬送されたが、こん睡状態で14日午前5時24分に息を引き取った。死因は急性硬膜下血腫だった。
1940年、福岡県に生まれ、山口県下関市で育った細川さんは、学習院大中退後、俳優座養成所から63年に文学座に入団。舞台「かもめ」や映画「エロス+虐殺」などに出演した。71年に文学座退団後は、ドラマにも出演。ダンディーなたたずまいに加え、「ムー一族」などではコメディーセンスも披露、幅広い演技で引っ張りだことなった。
また独特なしゃべり方と甘い声でラジオパーソナリティーとしても人気を集め、TOKYO FM「ワールド・オブ・エレガンス」は16年半に及ぶ長寿番組に。アニメ「あしたのジョー」(劇場版)では力石徹役を演じるなど、声優としても活躍した。
さらに主演ミュージカル「ショーガール」では74年から88年まで16回ものロングラン公演を記録。コンビを組んだ女優、木の実ナナは「作・演出した福田陽一郎さんが昨年亡くなった後に会って『私たちは元気で頑張ろう』と言い合ったばかり。最高のパートナーで大切な戦友だった」と突然の別れに肩を落とした。
私生活では67年に女優・小川真由美と結婚、73年に離婚。95年には糖尿病で入院し、さらに脳内出血でも倒れたが仕事復帰した。04年からは大阪芸術大学芸術学部教授を務め、年に15回ほどの授業を持つなど、後進の指導にも熱心だった。昨年末までは講義を行っていたが、今年1月の講義は体調不良のため、休講したという。
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