漫画「ちはやふる」編集者が講演　あわら市出身の冨澤さん

　競技かるたを題材にした人気漫画「ちはやふる」の編集者冨澤絵美さん（３２）＝あわら市出身＝による講演会が１５日、福井市の福井県立図書館で開かれた。冨澤さんは「年齢や世代を超え、熱中できるのが競技かるたの魅力」などと語った。

　講談社ＢＥ・ＬＯＶＥ編集部勤務の冨澤さんは、作者の末次由紀さんと県内や各大会を取材するなどして、作品の立ち上げから担当編集者として携わってきた。主要人物「綿谷新」が本県出身で、あわら市などが舞台になるなど、冨澤さんの経験とエピソードが作品に生かされている。

　かるたを題材にした漫画を担当することになった経緯について「大好きなかるたの魅力を伝えたいと思い、数年がかりで編集長に提案していた」と振り返り「叙情的な部分と迫力の両方を描ける末次さんだからこそ漫画にできた」と打ち明けた。

　福井市の福井渚会道場で連日、かるたを練習していたという冨澤さんは「福井は熱心な指導者の下、超一流の選手に練習相手になってもらえるのが強み」と指摘。連載中の作品については「かるたの魅力だけでなく、福井の人の温かさ、駅や土産物の描写など細かいところでも福井への親近感を表現している」と作者の思い入れを紹介した。会場には漫画ファンら約１４０人が詰め掛けた。