冷たい空気を切り裂くように軽快に走る。斎藤は室内でのウエートトレを終えて再びグラウンドに姿を現すと、外野ポール間のインターバル走を10本。前日に続いて追加メニューを自らに課し、新人合同自主トレ第1クールを終えた。
「(筋肉痛は)多少ありますが、いい感じの張り。最後の走り込み? 走り込みまではいきませんが、(全体練習で)足りない部分はやっているし、満足しています」
合同トレ3日目は新たに重たいメディシンボールを使ったトレーニングや約70メートルの遠投が加わり、約5時間、精力的に汗を流した。
15日は初の休養日。「いつでもブルペンに入れます」と順調な調整ぶりで、「第2クールはブルペンにも入るのでキャンプに向けて投げる体に仕上げていきたい」と意欲的。最初は立ち投げだが、16日の第2クール初日にもプロ入り初のブルペン投球を行う予定があることを明かした。
と、その前に…。15日には一大イベントが待っている。都内で行われる日本ハム本社の商品展示会には梨田監督やコーチ、選手が出演予定。ダルビッシュと斎藤の初共演については「質問コーナーで(壇上の)前に並ぶ可能性はあります」と本社広報。同社の株主や取引先の家族、事前申し込みを済ませている就職希望の学生ら約3000人の前で、夢コラボが実現するかもしれない。
実は、昨年のドラフト指名後、斎藤はエースと都内で初対面は済ませている。「周りに教えたがる人がいるけど、それを見極める目と、しっかりとした理論を持っていた方がいい」との助言を受けたという。
「(ダルビッシュと)キャンプも一緒になるかもしれないので、しっかりとあいさつしたい」と斎藤。この日のネックウオーマーは鮮やかなピンク色。1700人のファンに見守られた斎藤の存在感は増すばかりだ。(吉村大佑)