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小沢・民主元代表:政倫審出席表明 仙谷氏更迭、暗に要求 首相「無条件で」

 民主党の小沢一郎元代表は28日、党執行部から求められていた衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席について、来年1月召集の通常国会で応じる意向を明らかにした。国会内で記者団に語った。ただ、条件として国会の正常化を挙げ、菅直人首相が検討する年明けの内閣改造をにらんで野党側から参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官の更迭を事実上要求した。これに対し、首相は国会召集前の無条件での政倫審出席を求めた。首相と小沢氏の対立が先鋭化するのは必至だ。

 小沢氏はこれまで政倫審出席を拒否してきたが、28日は一転、党の支持団体・連合から要請されたことなどに触れ、「総合的に考え、政治家の判断として自ら出席することを決意した」と強調した。ただし、「私が(政倫審に)出席しなければ国会審議が開始されない場合は、通常国会の冒頭にも出席する」と述べる一方で「出席が国会審議のための主たる条件でなければ、予算成立後に出席する」とも語った。野党による仙谷氏らの交代要求に応じないことが国会審議を妨げている主な理由だと暗に指摘し、事実上仙谷氏らの更迭を求めた格好だ。

 これに対し菅首相は28日夕、首相官邸で記者団に「自ら出席をすると決意されたのは大きな前進」としながらも「通常国会前に政倫審に出席をされたい、これが党の決定だ」と小沢氏の条件を拒否。岡田克也幹事長も首相と会談後、「小沢氏が条件なしに説明すると表明しない限り議決する」と述べ、国会開会前に政倫審の招致議決を行う方針を変えないと表明した。【葛西大博】

 ◇起訴ずれ込み、検察官役示唆 「政倫審聞き判断」

 小沢氏が政倫審に出席する意向を明らかにしたことを受け、強制起訴の手続きを進めている検察官役の指定弁護士は28日、政倫審での発言を聞いたうえで小沢氏に聴取を要請すべきか判断することを決めた。指定弁護士の大室俊三弁護士が明らかにした。政治資金規正法違反での起訴は政倫審開催後にずれ込む可能性が高まった。一方で大室弁護士は「あまり先になるようであれば開催を待たないこともあり得る」とも説明した。【和田武士】

毎日新聞 2010年12月29日 東京朝刊

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