民主党は12日夕、千葉市内のホテルで全国幹事長会議を開いた。4月の統一地方選に向けた結束固めが狙いだが、地方組織からは低迷する菅内閣の支持率や、消費税引き上げを目指す菅直人首相の姿勢への不満が噴出。地方には、野党時代に各地の連合と蜜月関係を築いた小沢一郎元代表への支持が根強くある。「脱小沢」路線を進める党執行部の手法に異論も飛び出し、党内の亀裂が浮き彫りになった。【朝日弘行】
岡田克也幹事長はあいさつで、地方交付税を増額した11年度予算案について「地方向けの政策にかなり力を入れたが、国民にしっかり届いていない」と情報発信に努める考えを強調。守勢に回った昨年の臨時国会を「反省すべきは反省し、通常国会では政府・党の強力な態勢を作り上げる」と表明した。
しかし、質疑に入ると、岡田氏らが小沢氏の衆院政治倫理審査会出席を急ぐ考えを強調したのに対し、出席者からは「『政治とカネ』の問題はそろそろおしまいにしてもらいたい」と、小沢氏を含む挙党態勢を求める意見が出た。政権運営をめぐっても「党と政府で意見が違うのが目立つ。統一してもらいたい」などと注文がつき、岡田氏は「事務次官会議を廃止して事前調整をなくした。許容範囲のものもある」と釈明に追われた。
全国幹事長会議は13日の党大会に先駆け、各都道府県連の幹部が出席した。当初は2時間の予定だったが大幅に長引いた。
民主党は統一選で行われる道府県議選で千数百人の候補擁立を目指している。すでに前回(476人)を上回る600人超を確保したが、依然目標の半数程度にとどまる。
昨年12月には首相の地元、西東京市議選で公認候補7人のうち4人が落選。11月の千葉県松戸市議選でも公認11人のうち当選が新人2人にとどまるなど苦戦が続く。最大の支持団体の連合も「このままでは現有議席さえも割り込みかねない」と危機感を募らせている。
毎日新聞 2011年1月12日 20時16分(最終更新 1月12日 23時01分)