マレーシア  2011年1月14日(金曜日)
日本、教育・インフラで協力へ:片山総務相、ナジブ首相と意見交換[経済]
片山善博総務相は13日、訪問中のマレーシアでナジブ首相と意見交換した。片山総務相は菅直人首相からの親書を手渡し、日本政府が教育やインフラ分野でマレーシアへ協力していく姿勢を示した。また日本政府は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の情報通信環境改善に向け15万米ドル(約1,245万円)を支援する考えを表明した。
片山総務相は日本・ASEAN情報通信大臣会合への出席のため12日からマレーシアを訪問。13日午前中にはナジブ首相と意見交換した。
ナジブ首相に手渡された菅首相からの親書では、本年度の開校を予定しているマレーシア日本国際工科院(MJIIT)への教員派遣や財政支援での協力、原子力政策や水管理といったマレーシアで関心の高いインフラ分野での協力を進めたい意向を示した。民主党政権は海外へのインフラのパッケージ輸出促進に力を入れており、マレーシアへも計画が進む原発や、需要が見込める水道について関連設備、技術を売り込む。
また片山総務相は、ナジブ首相に「マレーシアは初めての訪問だが発展ぶりを見ることができた。菅首相にもぜひマレーシア訪問をするよう進言したい」と語った。ナジブ首相は「ぜひ会いたい」と答えたという。
片山総務相は当初14日まで滞在の予定だったが、内閣改造の動きが出ていることで急きょ予定を変更、13日夜にシンガポール経由で帰国することとなった。
■ASEANのITCに15万ドル支援
ASEAN10カ国は、情報技術通信(ITC)関係閣僚が一堂に会する会議を毎年開催している。これに合わせ、ASEANと関係の深い日中韓の3国も情報通信大臣クラスを派遣、ASEANとの協力拡大についての協議の場としている。
13日に開かれた5回目となる日本・ASEAN情報通信大臣会合で、片山総務相はASEANのITC支援に15万米ドルを拠出する方針を表明した。ASEAN・ITCファンドを通じて支援する。同ファンドはASEAN10カ国により、域内の情報通信環境改善に向けて設立されたもので、日本は昨年にも10万米ドルを支援している。
具体的には、マレーシアの大学が実施する3Dアニメ作成ソフトウエア開発とその成果のASEANへの普及、シンガポールが主体となり進めるASEANの中小企業へセミナーなどを通じたITC促進活動に使用される。
ほか同会議では、日本が今後1年で進めるASEANに対してのITC協力方針を説明。通信インフラ普及や政策への提言、人材協力などを行っていくとした。
ASEAN10カ国のITC大臣会議はきょう14日まで開かれる。14日には「ASEAN・ICTマスタープラン2015」を宣言する予定だ。