政治

文字サイズ変更

菅首相:きょう内閣改造 最後まで仙谷節「20世紀型の政治手法、棚上げを」

 ◇野党の審議拒否「20世紀型の政治手法、棚上げを」

 14日に行われる内閣改造で、菅政権の「影の首相」とも称された仙谷由人官房長官が交代し、民主党幹部に転出する。仙谷氏は13日の会見で、政権の要として批判の矢面に立った役回りを「屋台骨とかじゃなくて、右腕一本くらいでしょうか」と冗談まじりに自負。その一方、閣僚経験を振り返り「野党と、ガバナンス(統治)の側に立っていることが、こんなに違うんだな、と一番勉強した」と述べ、野党時代とは勝手が違う政権与党の重さを実感した日々だったと総括した。【野口武則】

 仙谷氏は鳩山政権では行政刷新担当相となり、事業仕分けを主導。国家戦略担当相を経て昨年6月発足の菅政権で官房長官に就き、民主党政権の中枢を担い続けた。菅直人首相は就任会見で仙谷氏を「煙たい存在だが、力がある人を長官にして政権の一体性を作る」と評価していた。

 ただ、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件では、映像の非公開や、中国への融和的姿勢を主導したことで「弱腰外交」批判を招き、内閣支持率の急落を招いた。その後も自衛隊を「暴力装置」と表現するなど国会答弁の粗さに野党が反発し、参院での問責決議可決につながった。

 仙谷氏は13日の会見にさばさばした表情で臨み、首相の専権事項の閣僚人事で自らの交代を明言する異例の対応に出た。問責には「憲法論的にも政治の構造としても、無理筋という見解は変わらない。これから先、無理が通れば道理が引っ込むような話になるんじゃないかと心配もする」と懸念を示し、審議拒否をちらつかせる野党を「スケジュール闘争のような20世紀型の政治手法はそろそろ棚上げされた方がいい」と皮肉るなど、最後まで仙谷節は健在だった。

毎日新聞 2011年1月14日 東京朝刊

PR情報

政治 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド