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【政治】

菅再改造内閣が発足 税改革、TPPに決意

2011年1月14日 23時24分

 菅再改造内閣が14日夕、発足した。菅直人首相は記者会見で「日本の危機を越えていく力を最大にしたい」と強調。社会保障と消費税を含む税制の一体改革、環太平洋連携協定(TPP)参加に取り組む決意を示した。だが、6月までに一定の結論を出すとした2つの課題には与野党ともに反対論が根強い。24日召集の通常国会では、衆参ねじれで、2011年度予算関連法案の成立のメドは立っていない。内閣改造しても、菅政権の苦難は続く。

 首相は記者会見で、社会保障と税の一体改革を担う与謝野馨経済財政担当相の起用にまず言及。「安心できる社会保障制度、持続できる財源をいかに確保するかの議論が必要だ。与謝野氏の起用は内閣の性格の表れだ」と力説した。

 消費税率引き上げのための布陣ではないかと問われると、「そう決めつけて質問するのはフェアではない。社会保障の議論をしっかりしようと言っている」と色をなして反論。久しぶりにイラ菅ぶりを爆発させた。

 首相は社会保障と税の一体改革を与野党で協議したい考えを重ねて示したが、与謝野氏の「一本釣り」人事に対し、野党側は反発しており、改革のために起用した与謝野氏の存在が現段階ではむしろマイナス材料になっている。

 もう一人の改造人事のポイントは、TPP参加が持論の海江田万里経済産業相だ。消極的だった大畠章宏前経産相を国土交通相に横滑りさせてまで起用した。首相は「経済連携と農業改革を両立させる道筋をしっかり打ち出していきたい」と意気込んだ。

 ただ、TPPに反対する農家をどう説得するのかについては「政府の農業改革推進本部で議論を始めている」と述べるにとどめた。

 首相は課題への決意や、そのための布陣を敷いたことは冗舌に説明したが、肝心のどう「突破」するかについての口は重かった。

    ◇

 主な閣僚人事では、たちあがれ日本を離党した与謝野馨元財務相が経済財政担当相に就任し、税と社会保障担当を兼務する。これに伴い、海江田万里経済財政担当相は経産相に、大畠章宏経産相は国交相にそれぞれ横滑りした。

 与謝野氏、枝野幸男官房長官のほか江田五月前参院議長が法相、中野寛成元衆院副議長が国家公安委員長として新たに入閣した。

 また藤井裕久元財務相を官房副長官に起用した。仙谷由人前官房長官は民主党代表代行に就任。馬淵澄夫国交相と岡崎トミ子国家公安委員長は退任した。

◆通常国会、24日召集決定

 枝野幸男官房長官は、14日の衆参両院の議院運営委員会理事会で、通常国会を24日に召集する日程を伝え、了承された。会期は6月22日までの150日間。

(中日新聞)

 

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