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社説:菅再改造内閣発足 国民本位の姿勢を望む
菅再改造内閣が発足した。横滑りも含めて新任閣僚は6人。清新さは見られず、かといって重厚さもさほど感じられない。
菅直人首相は何をもってこの顔触れを「最強の布陣」だと自負するのだろうか。首相の言葉が空虚に響くのは、今回の内閣改造が自らの意志で断行したものではないからであろう。
24日召集の通常国会を前に、自民党など野党の強い求めに応じ、参院で問責決議された官房長官の仙谷由人氏らを交代させざるを得なかった事情がある。しかも昨年9月の民主党代表選後の内閣改造からまだ4カ月。不本意なまま仕切り直しを迫られた印象が先に立つ。
ただ内外に課題が山積している日本である。難局に立ちすくみ、右往左往するようなひ弱な内閣では困る。誰の目にも「最強」と映る推進力を発揮してくれることを願うしかない。
最大の焦点である官房長官には、仙谷氏の秘蔵っ子で、政策通で知られる46歳の枝野幸男幹事長代理を起用した。ただ幹事長として臨んだ昨年の参院選では惨敗。野党との調整力を不安視する声も党内にある。
枝野氏の経験不足を補うべく官房副長官に78歳の元財務相の藤井裕久氏を充てたが、総合力が問われるポストではない。国会審議を乗り切るには、内閣の要として枝野氏個人の手腕や力量が問われる場面が多々ある。
衆参で与野党勢力が異なるねじれのまま、2011年度予算関連法案をめぐる攻防が始まる。ここでつまずくと恐らく菅政権に後はあるまい。審議拒否する大義がなくなった野党を引き込み、どれだけ国民本位の議論ができるのか、国民の関心は極めて高い。
野党・たちあがれ日本を離党した与謝野馨氏の経済財政担当相起用には首をかしげてしまう。消費税増税論者で自民、公明両党にパイプがある。新設の社会保障・税一体改革担当を担う実績が十分なことは否定しないが、「打倒民主党」を掲げて昨年、自民党を離れ新党を結成したばかりだ。起用した側、された側の双方に有権者への説明責任がある。
税制と社会保障の超党派協議に関し「野党が参加しないなら歴史への反逆」とした首相発言に対しても、自民党などが反発を強めている。野党をけん制したつもりなのだろうが、国の最高権力者である首相が「反逆」などという言葉を安易に使うべきではなかった。新たな火種を自らまいた形だ。
内閣を支える民主党内に走る亀裂も気掛かりだ。枝野—藤井の官房ラインに加え、首相は仙谷氏を党代表代行に据え「脱小沢」路線をより明確にした。今後、小沢一郎元党代表の国会招致や強制起訴が控え、党内でも意見が分かれる環太平洋連携協定(TPP)の協議参加問題もある。責任政党として、足元の揺らぎを政権運営に飛び火させることがあってはならない。
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