フェリーくにが(七類〜隠岐諸島)
 【隠岐汽船株式会社】
 評価:★★
狭いながら個室もある快適な離島航路


       フェリーくにが(七類港)
通常は島根県の七類港から島前、島後を経て七類に戻る経路で運航されている。(繁忙期はダイヤ変更)船内はまだ新しさも残り、清潔な雰囲気。「しらしま」と同様に昼間のみの離島航路としては十分すぎる程の設備を有する。ただ、2等が狭いので混雑時が辛そうなのが難点か?最近のバリアフリーの傾向にも従ってエレベーターや身障者用トイレなども備わる。

平成11年就航。総トン数2300トン。
(利用時期:平成16年9月)
 Cabin〜船室は快適か?
「特 等」は、九越のニューべるのような1段ベッド2つが備わる2人部屋。テレビ、ソファー、インターホン、ロッカーの設備があり、スリッパが備わる。ベッド幅は80cmで寝具は毛布にまできちんと清潔なシーツがかけられているので気持ち良い。放送音量の調節可能で、空調は天井のつまみを回すタイプとなる。ベッドを2つ並べたツインタイプではなく、部屋の幅を狭くして窓の付いた個室を多くとろうとした苦肉の策とみえ、ソファー、テレビの位置のバランスが悪く、イマイチ使い勝手の悪い面も否定できない。しかし、この航路に対しては十分に立派な個室なのでお勧めできる。なお、特等には4名部屋の和室タイプもあり、さらに上に「特別室」の等級もある。

「1 等」は法定定員50名の大部屋が2室あり、禁煙と喫煙に分かれる。窓の外はデッキとなるので景観はイマイチだが、利用者が少ないので占有できる確率が高い。倍の運賃を払っているのに毛布が有料(30円)。

「特2等」も大部屋で、この2クラスは混雑時以外はあまり差額の価値を感じない。毛布が有料(30円)でしかも自主的に箱に入れるシステム。
「2 等」も大部屋で1室のみであまり広くはなく、混雑時はすぐに溢れることが想像できる。
特 等(洋室) 1 等 特 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
「軽食堂」の設備があるが、冬季は休業しており利用できなかった。
「売店」は離島航路らしく現実的な品揃え。弁当、サンドイッチ、カップめんなど。売店のカップめんを購入した人のみ、その場でお湯を入れてもらえる。また、復路の航海では弁当等が全て売り切れていた。
「自動販売機」はジュース120円、ビール(小)240円、ビール(大)300円と安くて良心的。

「ビジネスルーム」及び特等区画に「ラウンジ」があるが閉鎖されていたので詳細は不明。
「ゲームルーム」は船は小さいながらもけっこう広い。冷水器の設備もある。

「シャワー室」が売店横のトイレにあり、さっぱりと汗を流せる。3分200円でせっけん等の用意はなく、売店でシャワーセットなるものを販売していた。脱衣室も狭くはなく、暑い時期にはうれしい設備。ただ、シャワーの残り時間がわからないのでいつ止まるかが不安であった。ちなみに3分では体や頭を洗っていては短いかと思う。
エントランスホール 軽食堂 特等通路
 Infomation〜船内案内・感想など
2等・特2・1等の毛布は部屋の隅に積まれており、室内にある料金箱に自主的に30円を入れるシステム。都会では考えられない、乗客の良心に任せる料金収受システムに驚くとともに公平性という観点から疑問を感じる。また、2等はともかく、高い運賃を払っている特2や1等から毛布代を取るのはどうかと思う。

隠岐島間の航海は天気が良ければ瀬戸内海を航海しているような雰囲気で快適な船旅を楽しめる。しかし、逆にトイレのゲロ吐きが冬季の時化の凄さを想像させてくれる。SNFの大型フェリーでも冬の日本海は凄いのに、この船で航海するとねえ・・・・??

「フェリーしらしま」とも共通するが、階段が急なので歩きにくい。乗組員区画ではなく客室なのに虎マークと頭上注意の札がある。

乗船した瞬間、三菱下関建造かなあ?と思ったら案の定そうだった。
特等通路の雰囲気や臭い、テレビに映る航行位置と船内案内は、三菱下関建造のフェリーでよく見るタイプだった。

隠岐汽船のHPは、離島航路ながら古い船も全ての船室の写真の紹介があり、たいへんよくできていると思う。
ただ、パンフレットが時刻・運賃と観光案内しかなかったのが残念。

島民への割引として、復路の上等級(特別室以外)の差額が3割引となるそうだ。


自主的に貸し毛布の
料金を入れる料金箱
  船 室 構 成 合計
特 別 室  洋室3名×3室 和室3名×1室 12名
特  等  洋室2名×6室  和室4名×2室  ラウンジ10名×1室 30名
1  等  和室50名×2室 100名
特 2 等  大部屋 230名
2  等  大部屋(他?) 523名

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