おおさど丸（新潟〜両津）
　【佐渡汽船株式会社】　評価：★★
あらら・・・総トン数、半減？


　　　　　　　　　　　　　　おおさど丸		 佐渡汽船の新潟〜両津航路に就航する。いまでこそ「おけさ丸」や「こがね丸」と比較すると船内設備は劣るのだが、佐渡汽船の大型化、豪華化のはじまりとなった船で、特等船室の豪華さは短距離の離島航路としては特筆に価する。就航当時は初の１万トン超とＰＲしていたが、実は大きく見せるため「国際トン数」。さすがに余計な経費がかかるので国内の総トン数に変更したようだ。

昭和６３年就航。総トン数５３００トン。
（利用時期：平成２２年１２月）
　Ｃａｂｉｎ〜船室は快適か？
等　級 　設備・感想など
スイート
ルーム		 ・従来は「貴賓室」として一般販売していなかった部屋なのだが販売を開始。２人より利用可能。ただ、わずか２時間半の航路に片道１５２６０円も払って利用する人がはたしてどれくらいいるのだろうか？
・昭和天皇が乗船されたという由緒あるお部屋らしい。
特　等 ・専用テラス付きのツインルーム。なぜか定員は４名だが１人でも貸切料金なしで快く発売してくれた。
・テレビ、案内所直通のインターホン付き。備品は、スリッパ４人分、ポット、ドリップ式のコーヒー、お茶、紙おしぼり、船内案内冊子がある。
・ベッド幅は１ｍで寝具はシーツなしの毛布。シーツ交換は毎回やっていない様子だが、航路事情を考えると仕方ないかと思う。
・放送音量、空調の調節可能。
・予約していくと部屋のドアの脇に乗客の名前を書いた札（○○様）を表示。表示して良いかの確認あり。予約なしだと「御在室」。
・室内禁煙に変更されていたのだが、札が小さいのでわかりにくかった。
１　等 ・椅子席とじゅうたん席がある。全席禁煙。じゅうたん席には禁酒席がある。
・椅子席は電車のグリーン車風の２人掛けリクライニングシートで、ラウンジ風のソファーとテーブルのあるスペースも使える。
・じゅうたん席はゆったりとした間隔で枕と毛布、マットがセットされた中くらいの部屋。敷き毛布からマットに改善されており、寝心地が格段に向上した。
・船尾には１等（特別）室という部屋があるが、観光バスの運転手と旅行会社の添乗員の優遇部屋との事。（情報提供：ＬＩＶＩＮねこ様）　こちらはマットはなく以前の敷き毛布。
２　等 ・普通の大部屋で枕なし。貸し毛布は１００円。
・酒盛りがうるさいという苦情が多いのか、禁酒席という珍しい席がある。
※以前の「特２等」は廃止されて「１等」と統合、１等運賃が値下げされた。
特　等 特等専用サンパーラー １　等（椅子席）
１　等（ジュウタン席） １　等（旧特２等のジュウタン席） ２　等
　Ｐｕｂｌｉｃ　Ｓｐａｃｅ〜営業施設・公室は充実しているか？
公室名 　設備・感想など
案内所
エントランス		 ・大きな階段を中心に案内所、売店、公衆電話、コインロッカーあり。
・案内所には蝶ネクタイのおじさまが常駐。記念スタンプあり。
・時刻運賃表以外の観光パンフ類はカウンターの奥にあるので声をかけにくい。
売　店 ・別会社の運営のようで男性が勤務。
・品数は豊富で、おつまみとお土産が充実。弁当、おにぎり、パンなどの食事になるものも販売。
・早朝の両津発便では営業しない。
自動販売機 ・ジュース１２０円、ビール（大）３１０円、ビール（小）２４０円。佐渡牛乳１００円。
・飲み物の他、カップラーメンも扱っている。
スナック ・食券を自販機で購入するセルフサービス方式でメニューは充実。別会社の運営のようだ。
・冷水器とコップがあるが、注文していない人は１０円払えとの事。
・早朝の便では営業しない。
・メニュー例：ラーメンセット（ミニカレー）７００円、海老天そば５５０円、ヒレカツ丼８００円、生ビール５５０円、晩酌ほろ酔いセット（生ビール・いか焼き、ソーセージ３種・つけもの）１０００円など。
ゲーム
コーナー		 ・昔懐かしいファミコンボックス？に時代の流れを感じて思わず苦笑。
トイレ ・和式、洋式とも併設。
・水漏れ修理中との事で使用できないトイレが多数。
ロッカー ・エントランスに１００円玉返却式コインロッカーあり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
※特等区画に授乳室がある。立入禁止の看板の先なのだが、多分頼めば利用できると思う。
エントランスホール 特等ラウンジ スナック
　Ｉｎｆｏｍａｔｉｏｎ〜船内案内・感想など
（ＮＥＷ）今年の夏、機関故障により長期間欠航となり、話題になった船。報道等ではあたかも佐渡汽船が悪いかのようにボロクソに書きたてていたのだが、機械は故障することもあるのが当たり前で、会社側を過度に責めるのは気の毒な面もあると思う。他の交通機関でも故障して運休することはある。船の場合、予備の船を持つことや代船を調達するのは他の交通機関以上に困難だし、部品の類も物によっては特注しなければならず、製作に数ヶ月かかる事もあるという、当たり前の事を理解せずに文句を言っていた外野が多かったように感じた。欠航直後の予約客への連絡などの対応が悪かったようだが、その後ジェットフォイルへ破格の割引を行っていた点は誠意ある対応だと感じた。

（ＮＥＷ）佐渡汽船のＨＰは船室の写真だけで、船内営業に関する案内がない。会社が別会社であることも影響があるのかも知れないが、営業時間や、メニューの一例などを案内してくれた方が便利であるし、売上げにも少しはつながるのではないかと思う。また、１等のマット設置について、せっかく良い改善を行っているのに、部屋の写真は昔のまま。もっとＨＰで宣伝してはどうだろうか？

船内の構造的には上等級の客室への無断侵入は容易に見えるのだが、乗船時の検札の他に、航海中にも蝶ネクタイのおっさんが適宜、座席表を持って巡視を行い、不正利用がないか確認していた。乗客に対して不正は認めないぞという断固とした姿勢を見せるという意味で効果抜群で、それが結果として乗客に安心感と信頼感を与えることになると思う。

船内で等級変更を促進するために、船内各所に上等級の部屋の写真と差額の掲示がある。船内での等級変更を嫌がる会社も見受けられるなか積極的な取り組みかと思う。上等級を利用するなら特等がお勧め。ジェットフォイルとほぼ同額で快適な船旅を満喫できる。

平成１６年１月から、減便およびダイヤ改正により、僚船「おけさ丸」と配船が交互にかわるようになった。船を選んで乗っている人はほとんど居ないと思うし、わざわざ避けるほどではないが、船内設備にやや格差があるので気になる人は注意。できれば佐渡汽船のＨＰに配船表を掲載してほしいもの。新潟海上保安部　新潟信号所のＨＰで今日明日の配船を確認できる。

燃料油価格の高騰の影響を受け、航海時間を従来の２時間２０分から２時間３０分に伸ばして省エネ運航を行っている。（もちろんバンカーサーチャージも設定）船ヲタ的にはその時期の方が長く乗れるので嬉しい？

地域性なのか何なのか知らないが、昼間から酒を飲む人が多く、宴会がうるさいという苦情が多いのか、全国的にも珍しい「禁酒室」が１等と２等に設定されている。うるさい客は単に酒に限ったことではないと思うので、静かに睡眠したい人のためにＪＲ西の新幹線レールスターのように「サイレンス・ルーム」として設定してはどうだろうか？「禁酒室」って響きが悪いような気が・・・。

船尾にはスナック、ゲームコーナーがあるのだが、ここは２等船室内か外部デッキを通らなければ行けない構造となる。外部デッキは冬季や強風時辛いし、２等とはいえ船室を頻繁に客が通り抜けたらうざいと思う。船内配置にやや欠陥を感じた。

航海中の本船にカモメが多数ついて飛んでいた。売店ではそれ向けのお菓子の販売もある。

有名な話だと思うが「この航路は国道３５０号線です。」という看板がある。
　　　船　室　構　成 合　計
スイート 　洋室？名×１室 ？名
特　　等 　洋室４名×７室 ２８名
１　　等 　椅子席７２名　ジュータン席２５名×４室、８６名×１室　８４名×１室 ３４２名
２　　等 　大部屋３４５名×１室、３８６名×１室、１９２名×２室 ９２３名
　更新履歴
Ｈ２２．１２．１６　船体写真、船室写真の追加、差し替え。サービス体制の確認。

もどる
トップページにもどる
佐渡汽船（株）のHPへ