2011年1月15日5時32分
それでも乗客減に歯止めはかからず、09年度は過去最低の約216万人。地元自治体などは、西脇市出身の画家横尾忠則さんのデザインを描いた車両や駅舎の改築で利用増を図る。沿線住民も園児の絵を車内に展示したり、駅で朝市を開いたりして地域ぐるみで協力している。
昨年11月には生バンドとにぎやかな合唱が響く貸し切り電車が紅葉の加古川線を走った。住民らが05年から年2回開く「歌声列車」。童謡や唱歌を懐かしむ年配者に受け、10回目の今回は90人の定員に8倍近い申し込みがあった。
沿線の活性化に取り組む加古川市の市民グループ代表の三村修さん(69)は「年に1度か2度、加古川線に乗って沿線の良さを知る人が増えてほしい」と願っている。(清野貴幸)
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〈大回り〉 JRの旅客営業規則により、東京、大阪、福岡、新潟の指定区間(近郊区間)で特別に認められた乗車方法の通称。実際の乗車経路に関係なく、最も安い経路で運賃計算できる。同じ駅を2度通らず、乗車経路が重複しないことが条件。有効期間は1日。途中下車はできない。近畿地方では、湖西線などで琵琶湖を一周するルートも有名。