フィルイーズ宗谷 (稚内〜利尻島・礼文島)
 【ハートランドフェリー(株) 旧社名:東日本海フェリー(株)】
 評価:★★
1等椅子席は失敗だったのかな?


         フィルイーズ宗谷(稚内港)
稚内と利尻島と礼文島を結ぶ日本最北端のフェリー航路。わずか2時間足らずの近距離の離島航路なのだが、それらしくない大型で比較的新しいフェリーが就航している。船内には食事の販売こそはないものの簡単な売店や上等級の設備があり、必要十分なサービスを提供していると思う。この会社の船はどの船もほぼ同一仕様なのだが、本船だけに何故か1等椅子席が設置されている。この船から船名の付け方が複雑になった?

平成13年就航。総トン数3500トン。
(利用時期:平成19年5月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
1等ラウンジ ・電車のグリーン車のような2人用のリクライニングシートが窓側に並び、中央部がソファーとテーブル席となった展望室。入口で靴を脱いで上がる。座席は指定席で禁煙。
・エントランスの階段には利用者以外立入禁止の表示と、階段をロープで封鎖している。
・営業定員はリクライニングシートの48席の模様。(ソファー席は席としては売らない)
・外部のデッキも1等ラウンジ客専用となり、柵があるので完全に分離されている。
1等椅子席 ・2人用と3人用のリクライニングシート。
・他の姉妹船では売店前のロビーの部分に、席を増やすためにか本船だけに設置されてい。る
・窓の外は乗下船通路で、座席も特急電車の普通席程度でしかなく、1等ラウンジとの運賃差はわずかなのに設備の差が大きいので、あまりお勧めできない。
・これで2等の倍額は高いと思うし、船会社でも失敗だと思ったのか、以後の新造船には設置していない。
1等和室 ・15人定員のじゅうたん敷きの和室。
・箱枕、毛布がセットされている。毛布は船名入りで凝っている?室内にテレビ有り。
・大型フェリーなら2等程度の設備しかないのだが、確実に横になれるスペースは確保されるので、2等が激混みだったら相対的な価値が上がる。
2 等 ・ごく一般的な大部屋。
・夏季には甲板ベンチ席も定員に追加される。
1等ラウンジ 1等ラウンジ 1等椅子席
1等和室 2 等 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・エントランスには売店の設備があり、オリジナル商品やお菓子、パン、アイスクリームなどの販売あり。
・他の船だと、ソファーとテーブルがあるロビーの部分が本船では1等椅子席となっているので、エントランスがやや狭い印象を受ける。
自動販売機 ・ジュース140円、ビール(大)320円、(小)250円。食品の自販機は一切なし。
トイレ ・和式、洋式の両方あり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
給湯・冷水 ・冷水器あり。紙コップなし。
分煙の状況 ・船室内は全て禁煙。デッキの灰皿のある場所のみ喫煙可能と厳しい。
エントランスホール 1等ラウンジ前ロビー 自動販売機コーナー
 Infomation〜船内案内・感想など
以前は乗船名簿を記入していたように記憶しているが、船員法施行規則の改正で旅客名簿について緩和されたことに伴い、この会社では名簿を記入しなくても良くなったようだ。2等の乗船券なら自動券売機でも購入できるし、1等でも窓口に行けばスムーズに発券できる。混雑時には少しでもスムーズに乗船できるように改善されていると思う。

この航路は2等の予約は受け付けていない。夏季繁忙期は不安があるが、それ以外の時期なら問題ないと思う。バイクも予約ができないようだ。旅客で予約できるのは乗用車、1等ラウンジ、1等和室、団体の2等のみとの事。本船のみに設置されている1等椅子席は配船の都合か予約を受けていない。

1等(ラウンジ、和室とも)の乗船券が「乗船券」と「座席整理券」の2枚となる。ホッチキスで止められてどちらも入鋏、回収されるので無理に2枚にする必要はなく、1枚で発券して座席番号を印字すれば良いのではないかと思う。2枚にしなければならない何か特殊な事情があれば別だけど。

今年のドックから、室内での喫煙が全面的に禁止されて船尾の外部デッキのみに限定されることになった。夏場ならまだ良いが、冬季はマイナスが当たり前の極寒の地で、しかも海上大時化の日も外で吸えというのだろうか?分煙は世間の常識となりつつあるのはわかるが、過度な嫌煙権に合わせるのはどうかと思う。室内にも喫煙場所を設けた方が良いのではないだろうか?

初夏から秋口にかけて、登山客や観光客で便によっては大変混雑するようだ。特に稚内を朝出港する便に客が集中するようだ。こういう時期なら、上等級としてはやや見劣りのする1等やラウンジの価値が相対的に高くなると思う。2等が混んでいるなら1等ラウンジは天国。団体の観光客も混雑を嫌って船内で変更をかけてくる位。だが、逆に閑散期で揺れるような日の場合、2等の大部屋の方がむしろ快適なような気がする。

稚内〜礼文島間で乗船する場合、季節によっては利尻島経由便となる便がある。近い時間帯に直行便もあるので、一般には避けられる傾向があるので、利尻〜礼文間はすいていることが多い。ヲタ的には同じ運賃で長く乗れて、途中寄港が楽しめ、しかもすいているのでお買い得な便だと思う。
   船 室 構 成 合 計
特 別 室  洋室6名×1室(非売品) 6名
1  等  ラウンジ70名×1室  椅子席20名×1室 和室15名×2室 120名
2  等  和室204名×1室 105名×1室 65名×1室 (甲板旅客132名) 374名
 更新履歴
H19.05.13 新規掲載

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