あぜりあ丸 (下田〜利島〜新島〜式根島〜神津島)
 【神新汽船株式会社】
 評価:★★
伝統の花毛布が残る定期船


        あぜりあ丸(式根島)
伊豆半島の下田から利島・新島・式根島・神津島の4島を経由して下田に戻ってくる。以前は利島がなく、神津から新島を結んでいたので神新(しんしん)汽船と呼ばれる。それぞれの島の利便性を公平にするためか、曜日によって島を回る順番が異なるので乗船の際は時刻の確認をすることをお勧めする。水曜日は通常は休航日なのだが、欠航が続くと臨時便が出ることがある。

昭和63年就航。総トン数480トン。
(利用時期:平成21年2月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
1 等 ・じゅうたん敷きの8人部屋で、テレビ、スリッパ付き。ちゃぶ台と座椅子あり。
・寝具はマット、柔らかい枕、ふとん、毛布がある。毛布は最近ほとんど見かけることがなくなった船伝統の花毛布を折っているので船ヲタ的には貴重。
・窓のカーテンの束ね方も丁寧でこだわりを感じることができる。
・繁忙期以外、利用者が極端に少ないので相部屋になる可能性が低いのが魅力。
特2等 ・従来1等だった部屋をより手軽に利用できるように設定された船室で、お買い得。
・マット、箱型の硬い枕、毛布がある。
2 等 ・ふつうの大部屋。テレビ有り。丸窓のある部屋と、船底の部屋がある。
・箱型の枕あり。毛布は貸し毛布(100円)利用になる。
・乗船券には席番の記載があるが、自由席なのですいている時は好きな場所が選べる。(短時間の場合は自由席のほうが良いと思う。)
※他、最上階に謎の「特別旅客室(定員6名)」があるが一般には販売していない模様。
1 等 特 2 等 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・接客要員が1人乗船しており案内所業務等を担当している。
・到着予定時刻や条件付、下田からの接続列車を案内したホワイトボードあり。黒潮の流れや海水温度などを示した海洋速報を掲示。
・案内所では電子レンジ利用のレトルト食品(中華丼、チャーハン)を300円で販売あり。季節によってはおにぎりやサンドイッチも扱うとの事。
・新聞も販売。下田からの積まれた当日付けの新聞は住民には大切なものとの事。
・割り箸のサービスあり。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)350円、ビール(小)300円。
・また500mlのペットボトルのお茶を格安の120円で販売していた。
・カップラーメン(200円)、缶おでん(400円)の販売あり。
トイレ ・和式、洋式の両方あり。
喫煙所 ・船内は基本的に禁煙であるがソファーのある喫煙所がある。
・ゲーム機が撤去され、かわりに電子レンジを設置。閲覧用の古雑誌あり。
・航路周辺の海図(世界測地系の新しいもの)を掲示しているので見ていると楽しい。
給湯・冷水 ・給湯器、冷水器あり。紙コップあり。
※公衆電話の設備なし。船内各所にエチケット袋あり。
案内所 喫煙所 エントランス・自販機
 Infomation〜船内案内・感想など
下田港下船後の伊豆急下田駅行きのバスは廃止されていた。閑散期の旅客数を考えたら止む無しかと。船内にはタクシーの電話番号の掲示があるので、急ぐ人は船内から予約しておくと良い。

以前は船内でおにぎりやサンドイッチの販売があったのだが、季節限定に縮小され、通常は電子レンジ利用のレトルト食品の販売に変更されていた。閑散期は利用が極端に少ないので、売れ残りのロスを考えたらやむを得ないと思う。それでも船内でレトルト食品とカップラーメンの販売があるので、忙しくて食事を用意できずに乗船したとしても何とかなる配慮があるのは嬉しい。電子レンジは自由に利用できるので、持ち込んだ弁当を温めるのにも利用できる。

初めて乗船した時は、小さい船なので船内は狭くて何も無いのでは?と予想して乗船したものだが、上等席もあり、意外と広くてそれなりの設備は整っていた。また似たような条件の離島航路では接客担当の乗組員はいないのが相場なのだが、本船では1人乗務しており、旅客サービスを行っているのは離島航路として特筆できるサービスであると思う。船齢が古いのは否めないが、離島航路とは思えないほど船室のじゅうたんやトイレの清掃状況が良く、気持ち良く過ごせた。

1等室では日本の船伝統の花毛布を見ることができる。しかも豊富な数を折ってくれている。数年前まで関西汽船や大阪高知特急フェリーでも見られたが、今日では無くなってしまった。(あとはオーシャン東九の特等ぐらい?)花毛布を知らない一般の人にもその良さをわかって貰えるように、室内に花毛布についての説明を掲示しては如何だろうか?

「神新汽船ワンデークルージング」という下田から各島を巡り下田へ戻って来るヲタ向けの企画切符を発売している。遠方から朝の下田出港までに来るのは前泊しないとやや辛い面もあるが、力強い離島航路の貨客船を満喫できる数少ない貴重な航路なので興味のある人は如何?東京から東海汽船の夜行の客船便を使い、どこかの島で下船して本船で下田へ抜けると楽に乗れる。

夏のシーズン中なら青い海を見ながらデッキのベンチで過ごすのも気持ち良いかも。デッキにはゴザも用意されているので日光浴も楽しめる。
   船 室 構 成 合 計
1  等  和室8名×1室(法定定員35)   特別室6名×1室 14名
特 2 等  和室14名×1室(法定定員45) 14名
2  等  大部屋110名+120名 230名
 更新履歴
H18.01.08 更新
H21.03.05 船室写真を差し替え 下田港バス廃止について、食品の販売変更について記載

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