かめりあ丸 (東京〜大島〜利島〜新島〜式根島〜神津島)
 【東海汽船株式会社】
 評価:★★★
竹芝桟橋発!伝統の夜行貨客船


             かめりあ丸
従来、東海汽船の片航路下り便は永年、夜行で運航されていたが、平成14年4月ジェットフォイル就航後は運航体系が大幅に変更されている。(貨客船は概ね週末と繁忙期の運航だが、冬季は毎日就航。)従来この航路は「さるびあ丸」が就航していたのだが、八丈島航路へ移り、大島や神津島航路への客船便は繁忙期を除き、基本的に本船「かめりあ丸」が就航している。さほど大型ではないのだが、東海汽船では「大型客船」と呼んでいる。

昭和61年就航。総トン数3700トン。
(利用時期:平成22年12月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特 等 ・洗面台、テレビ付きの洋室2人部屋。
・浴衣、スリッパ、洗面セット(タオル・歯ブラシ・せっけん・リンスインシャンプー→人数分のセット)、お茶、ポット、紙コップ有。
・放送音量の調節可能。空調は天井のつまみで風量調整可。
・ベッド幅は80cm。寝具は布団なのだがシーツが襟元だけにしか付いておらず清潔感に欠けるので
全面にシーツを取り付けるように改善を強くお願いしたい。赤色の予備毛布あり。
・シャワー付きである「さるびあ丸」の特等の格差が激しいので不人気のようだ。少しでも是正するために、シャワー無料サービスやバスタオル等の設置を希望する。
・室内の配置はちょうど昔の関西汽船の客船のような配置だが、外洋を航行するのに船首の揺れる場所に位置するうえ、進行方向に垂直なベッドは荒天航海時にはかなり辛いよ。
特1等 ・2段ベッドの4人部屋。テレビはあるが、洗面台なし。
・浴衣、スリッパ、洗面セット(タオル・歯ブラシ・せっけん・リンスインシャンプー)、お茶、ポット、紙コップ有。
・ベッド幅は80cmで寝具は布団だが、特等同様にシーツが襟元だけで不潔。
・部屋の中から施錠するには鍵が必要。ルームキーなし。
・面積に余裕はなく4人入ると窮屈かな。
1 等 ・7〜8人定員のじゅうたん敷きの和室。スリッパ、寝具(柔らかい枕、マット、布団)、テレビ付き。
・2部屋だけだが特1等区画に3人部屋がある。元は4人部屋だったらしく、3人ならゆったり。ただ、予約時にこの部屋の指定はできず、あくまでも希望として聞くとの事。
・大型フェリーなら2等指定程度の船室で2等の倍は高いと思うが、できるだけ相部屋にならないように席指定をしてくれるようなので、部屋を確保するという意味ではいいかも?
特2等 ・従来の1等内部屋を2段ベッドに改装したもの。寝台の配置が複雑な形となる。
・室内にテレビ有り。箱型の枕と毛布1枚が付く。
・寝台幅70cm。寝床がマットではなくカーペットなので硬くて痛い。貸し毛布をかりて下に敷くと良い。
・消灯は各部屋でとの事だが、相部屋なのだから、従業員が各部屋を消灯して回るべきだと思う。
2 等 ・和室(大部屋)と椅子席(リクライニングシート)があり、どちらも指定席。
・和室はガムテープで席の仕切りを明示しており、1人あたりの幅も広め。
椅子席は正直な話、かなり嫌われているようで、予約は和室から埋まる。以前はクッションが置かれていたが無くなっていた。椅子席の席数が多いが、好んで選ぶ人は少なく、席なしでエントランスにレジャーシートを敷いて寝る方を選ぶ人も・・・。
特 等 特 1 等 1 等(7名部屋)
1 等(3名部屋) 特 2 等 2 等(和室)
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・深夜時間帯も当直あり。「巡視中」で不在のときもある。
・ホワイトボードに入港時刻や港、「条件付」などの表示がありわかり易い。
・天気図、予報文、各種観光パンフレット、記念スタンプあり。
・貸し毛布は100円。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)310円、ビール(小)240円。ビールが10円値上げ。
・飲み物の他、冷凍食品、カップラーメン、お菓子、洗面具なども扱っている。(その代わりに売店がない)
軽食コーナー ・ 食堂は廃止されて「軽食コーナー」に改造された。軽食を購入しなくても利用できる。ただし、混雑時のゲームやトランプはやめてくれとの事。
・下り便では朝の営業なし。上り便では細切れの営業時間。
・軽食のカウンターと冷凍食品、カップめんの自販機、電子レンジ、給湯、給茶、冷水器がある。軽食はおつまみとわずかな食事の販売があるが、内容はあまり期待しないほうが良い。
・紙コップ、割り箸、プラスチックのフォークとスプーンが用意されており、軽食を購入しなくても利用可能。
・メニュー例: カレーライス600円、牛丼700円、スタミナ丼700円、うどん500円、おでん600円、ホットケーキ600円、生ビール600円など。
喫煙コーナー ・以前ゲームコーナーだった場所に、喫煙できるように椅子とテレビを備えた場所。
・船室内は全て禁煙となる。
・船位、条件付等の案内表示のモニターが新設されていた。
コイン
シャワー
・シャワーは10分間200円でボディーソープの備え付けがある。(以前はあったシャンプーは撤去)
・残り時間がわからないので突然止まるので時間に注意して利用しましょう。突然終了したときに体中が泡だらけだった場合に備えて予備の200円を用意しておくと良いです。
・髪の毛や埃がやや気になるが清掃時間が短いのでやむを得ない面もあるかと思う。
・以前、東海汽船の船には入浴施設が無いのを知らずに乗船して閉口したものだが、補水時間が極めて限られているにもかかわらず、シャワーの設置はサービス改善として大いに評価できると思う。
トイレ
洗面所
・和式中心で洋式も併設。揺れるという航路事情から、汚物吐きもある。
・案内所後方にバリアフリートイレが設置されていた。
・洗面所は蛇口から手を離すと水が止まる。
※船舶公衆電話はさるびあ丸と同様に撤去されていた。
※エントランスに監視カメラが新設されていた。
エントランスホール 軽食コーナー 喫煙コーナー
Bデッキエントランス シャワールーム Fデッキ談話室(実質2等?)
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)特等室は1名で利用しても貸切料金がかかる訳でもなく、相部屋になる事もない。船社のパンフレットや港の部屋写真の案内看板等に「1名でも相部屋になりません」と積極的にPRしているようである。1名で利用するオタだけでなく、出張者等の個室ニーズにも柔軟に配慮してくれる姿勢には頭が下がる思いで感謝したいと思う。他の等級は相部屋になるし、片航路では上等級がよく売れるので、1名での利用は特等がお勧め。(冬季でも早めに予約しないと取りにくい)

(NEW)丸いクルーザースターンの船尾、海面近くにあるデッキ、船底の2等室や丸窓、特等室のレイアウトなど、昔の関西汽船の純客船を思い出すような懐かしさを感じる船。いまどきの大型フェリーとは全く異なる昔の雰囲気を満喫できる。

電話で手軽に予約できる便利さゆえ、予約精度が低い事が問題(予約満席なのに出港すると空席が目立つ現象)となっていた東海汽船だが、島民からの苦情に応えてか、予約制度の見直しに入ったようだ。インターネット予約ではクレジット決済が必要となり、電話予約では繁忙期にNO SHOW(予約だけして乗船しない行為)をやった客を要注意人物として登録し、再度繰り返したらキャンセル料を請求するとの事。ただ、電話連絡だけで実際にキャンセル料を請求するのは難しいかも知れないが、利用客のモラルの低さに船会社側が重い腰を上げた格好となる。繁忙期は島民割引(35%)以外の客には事前決済を義務付けてもいいような気もするが、カード会社や旅行社への手数料分が減収になるので思いとどまっているのかも?

東海汽船HPは利用しやすく便利になっている。
@運航状況だが、条件付や欠航などの案内があるので便利。更新はまめに行われている模様。悪天候時の乗船に重宝するのは勿論だが、どのような天候の時に使用する港や条件付、欠航になるかの傾向を学習するのにも役立つ。
A空席照会が、従来は「2等」と「特2等以上」というきわめて大雑把な区別でほとんど意味がなかったのだが、各等級別となってとても便利になった。(2等は和室と椅子席別)

下り便では東京出港後、羽田沖で仮泊して、各島への到着が朝早くなりすぎないように時間調整を行い、客の睡眠時間を確保してくれる素晴らしい気配りがある。(横浜寄港時は除く)デッキや部屋の窓から羽田空港に着陸する(出発便はもうない時間帯)飛行機を眺めるのもなかなか良い。

ジェットフォイルの就航により、東京から大島・神津島間の航路に永年就航してきた貨客船は週末と多客期(夏休み・GW・椿祭りなど)、ジェット船の就航率が悪くなる冬季のみの運航となった。下り夜行便は便利なので利用価値が高く乗客はそこそこ居るが、上りの昼便では運賃が安い(といっても意外に差は小さい・・)というメリットしかなく、多くの乗客はジェット船を選択している感じで、乗客は少ない。上り便では大島でジェット船に乗り換える人も少なくない。

2等も全席指定制となったのだが、繁忙期には「席無し券」という恐ろしい名前の乗船券を発売している。
(時々定員オーバーではないか?との疑問を見かけるが、法律上の旅客定員は守っている筈なのでご安心を!)以前のように当日に席取り競争(トラブルが多かった)をするのではなく、公平に予約で席を割り振るようになったので、席無しの人も納得の上で乗船できると思う。夏場の混雑のことを考えたら、2等和室の枠の間隔、椅子席のシートピッチをもう少し狭くして1人でも多くの人に席が当たるようにしたほうがいいと思う。

船内清掃は他大型フェリーのように陸上から業者がくるわけではなく、限られた時間の中で本船乗組員が行っている。時間がないのは解せるのだが、特等と特1等の布団全面にシーツがないのは清潔感に欠ける。作業量が増えて時間的に厳しいのなら、セルフサービスでも良いので布団用シーツ設置の検討をお願いしたい。

東京〜横浜間にも運賃の設定があるようで、驚いたことに2等だけでなく特等まで設定されている。ヲタと丸出しとなるだろうが、東横クルーズ、如何ですか?
   船 室 構 成 合 計
特  等  洋室2名×4室 8名
特 1 等  洋室4名×10室 40名
1  等  和室3名×2室 7名×8室 8名×6室 110名
特 2 等  2段ベッド 74名
2  等  大部屋またはリクライニングシート ?名
 更新履歴
H19.02.27 公室の写真追加、1等3人部屋の写真掲載(かわりに2等椅子席削除) サービス体制の確認
H21.03.05 特1等、軽食コーナー、喫煙所、エントランスの写真差し替え サービス体制の確認 感想を追加。
H22.12.20 評価を3点に加点。他、特等の写真を差し替え。サービス体制の確認。

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