菅再改造内閣が発足…経財相に与謝野氏、女性閣僚は蓮舫氏１人

留任が決まり、首相官邸に入る蓮舫行政刷新相

　菅再改造内閣が１４日午後、皇居での認証式を経て正式に発足した。菅直人首相は消費税増税論者で、たちあがれ日本を離党した与謝野馨元財務相を経済財政担当相に登用し財政再建を目指す姿勢を強調。小沢一郎民主党元代表と距離を置く枝野幸男官房長官の起用で「脱小沢」路線を堅持し、政権浮揚を図る。官房長官を退任した仙谷由人氏が兼ねていた法相には江田五月前参院議長が就任した。

　首相は同日夜、官邸で記者会見し「社会保障の持続可能な財源に関する議論を高めていきたい」と、消費税を含む税財政と社会保障制度の一体改革に意欲を表明。

　通常国会で審議する２０１１年度予算案については「日本の危機を突破していく第一歩になる」と指摘、早期成立を目指す考えを示した。「党首討論もできるだけ早い機会に開かれるなら、積極的に応じていきたい」と言明、野党側に審議への協力を訴えた。

　年金制度見直しに関しては「従来議論してきた改革で対応できるのか。民主党の議論をベースにしながらも、他の考え方を含めて議論されることがあっていい」と述べ、全額税方式によって最低保障年金を賄う民主党案にこだわらない考えを示した。

　再改造では、仙谷氏とともに参院で問責決議を受けた馬淵澄夫氏も国土交通相を退任させた。前原誠司外相、野田佳彦財務相ら主要閣僚は留任させるとともに、新入閣は与謝野氏ら４人にとどめ、政策継続の意向を強調した。

　与謝野氏は新設の社会保障・税一体改革担当相を兼務。官房副長官に藤井裕久元財務相を起用した。海江田万里経財相は経済産業相に、大畠章宏経産相は国交相にそれぞれ横滑り。

　会見で首相は内閣再改造をめぐって「通常国会に向かって、危機を越えていく力を最大にしたいとの観点から行った」と説明。仙谷氏らの交代については「最も強力な態勢を考えた」と説明、問責が理由ではないとした。自らが提唱する環太平洋連携協定（ＴＰＰ）など自由貿易の推進では「経済連携と日本農業の改革を両立させる道筋をしっかり打ち出したい」と強調した。

　党役員人事では仙谷氏が代表代行に就く。岡田克也幹事長は続投し、国対委員長に安住淳防衛副大臣を充てる。

（2011年1月14日21時33分スポーツ報知）