2007年02月07日 読売新聞 Yomiuri On-Line/center>
| 【マニラ=遠藤富美子】腎臓売買の事実上の公認に向けた新制度案を検討しているフィリピン政府は7日、10日に予定する「公聴会」を非公開にすることを決めた。
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| 「公聴会」は当初、公開で行われることになっていた。政府筋は変更の理由について、「メディアの殺到を避けるため」としており、新制度をめぐって国内で賛否両派の間で緊張が高まっていることを示唆した。
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| 今回の制度案は、外国人患者が、〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人の移植代――を支払う内容。先週、新制度の概要が明るみに出て以後、内外の関心が高まっており、政府筋は「現状で一般公開の公聴会を開けば、議論が混乱する可能性がある」と語った。
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| 新制度案の賛成派は、一刻も早い腎臓移植を望む多くの外国人、フィリピン人患者。10日に議論される制度案のもともとの発案者である医療観光会社「コンシェルジェ・メディカル・ホリデイズ」のイメルダ・ニコラス専務は「外国人とフィリピン人双方に有益な制度」とし、「闇取引を一掃して透明化を図る狙い」と強調する。
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| 一方、移植医療関係者は、新制度で外国人患者がフィリピンに殺到するのを懸念。病院関係者は、「新制度が実施されれば、国内のドナー不足に拍車をかけるだけ」と述べた
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| 2007年02月06日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 塩崎官房長官は5日の記者会見で、フィリピン政府が腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めたことに関連して、「わが国の臓器移植法で臓器売買は禁止されている。臓器売買に該当することがあれば違法になる」と述べ、この制度を日本人が利用した場合、臓器移植法に抵触する可能性があるとの認識を示した。
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| 新制度案は、外国人患者に〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人分の移植手術代――を支払わせるのが骨子となっている。
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| 2007年02月05日 読売新聞Yomiuri On-Line
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| 塩崎官房長官は5日の記者会見で、フィリピン政府が腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めたことに関連して、「わが国の臓器移植法で臓器売買は禁止されている。臓器売買に該当することがあれば違法になる」と述べ、この制度を日本人が利用した場合、臓器移植法に抵触する可能性があるとの認識を示した。
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| 新制度案は、外国人患者に〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人分の移植手術代――を支払わせるのが骨子となっている。
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| 2007/02/05 東京新聞
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| 遅々として進まぬ日本の臓器移植。その現状を前に、海外に可能性を探す患者も少なくない。熊本県八代市の会社員稲葉洋一さん(39)は、悪質な仲介業者にだまされるなどの経験を乗り越えて、フィリピンに独力でルートを拓(ひら)き、二度の移植手術を受けた。稲葉さんが見たフィリピンの臓器移植の実情は。 (片山夏子)
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| 「ユーリネイション(排尿できたよ)」。フィリピン・マニラ市のマグサイサイ記念病院で、稲葉さんは看護師の女性の優しい声で目を覚ました。看護師が指さした袋の中に、何年も出なかった尿が見えた。初めは醤油(しょうゆ)のような色だったが、しばらくすると透明に変わっていった。「グッド」と言われて、思わず笑みがこぼれた。にやにやしてしまうのが抑えられなくて、布団をかぶって笑った。
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| 稲葉さんがフィリピンで念願の腎移植を受けたのは一九九七年十月十五日。日本で臓器移植法が施行される前日だった。
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| 小学校五年の時に尿検査で腎臓病が発覚。以後、塩分を控えるなど厳しい食事制限が始まった。大学では就職で健康をアピールするため自転車で日本縦断もした。ゲームメーカーを経て、ぬいぐるみデザイナーとして独立。だが九五年一月、高熱で病院に行くと「慢性腎不全です。すぐに透析を始めましょう」と宣告された。二十七歳だった。
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| 仕事で中国など海外へ行き来していた。だが、透析をしながらでは仕事が続かず、実家に戻った。当初は腹膜透析を選択。六時間ごとに自分で透析していたが、腹膜がだんだん厚くなると老廃物をろ過する効率が悪化する。一年半後には血液透析を始めた。
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| 週三回、毎回五時間。水分は一日六百ccまで。「血中のクレアチニンの値が高くなり、死ぬほどのどが渇く。レストレス・レッグス・シンドロームという症状になり、体の骨の髄からいてもたってもいられないほどかゆくなる。真っ赤になるまでたたいたり、足をばたばたしたり。眠れなくなった」と稲葉さん。
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| ■家族は不適合 あきらめも…
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| 医者に「移植しかない」と宣告されたが、家族で適合者はいなかった。日本臓器移植ネットワークに登録しつつ、「当たるのは、宝くじより難しいと言われ、助からないとあきらめかけていた」。
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| 一九九六年十一月。新聞で「フィリピンでの腎臓移植を無償で!」という広告を目にし、すぐに大阪の連絡先に向かった。「無償分は決まってしまったが移植はできる」と雑居ビルで仲介業者の男に説明された。費用は総額千八百五十万円と言われた。「必死だった。親せき中を駆け回り費用を工面した」。翌年二月に男とフィリピンへ。手術をするという女医に会った。
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| ところが、四月に手術をしに現地に行くと仲介業者がいない。帰国後、連絡をとっても「医者の都合が合わない」「ドナーが見つからない」と何度も逃げられた。おかしいという懸念が決定的になったのは八月。事務所は閉まり、男の行方が分からなくなった。
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| 警察に被害届を出す一方で、フィリピンで会った通訳や移植手術を受けたという牧師に連絡を取り、独力で移植手術を受けられないか相談。再び六百万円の費用をかき集めて、九月にマニラに。牧師に医師やドナー探しを手伝ってもらい、十月に手術にこぎ着けた。
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| ■腎臓提供者に 70万円の謝礼
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| ドナーは二十九歳男性。売血に来たところで牧師が臓器提供を打診すると応じたという。謝礼は三十五万ペソ(約七十万円)だった。
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| 「移植後、好きだったカヌーを再開した。階段を上がるのも苦しかったのに、うれしくて駆け上がった」と稲葉さんは振り返る。
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| フィリピンで臓器移植手術を受ける人は年間六百人とも七百人ともいわれる。臓器売買を禁じる法律はない。保健省の臓器移植ガイドラインでは、臓器売買を認めていないが法的には拘束力がなく、貧困層や受刑者が臓器を売る。
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| 「一回腎臓を売れば、小さな雑貨店が開けるぐらいの費用が手に入る。なぜ売ってはいけないのだという発想だ」と稲葉さん。
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| フィリピンでの移植に詳しいジャーナリストの今西憲之氏も「ドナーのあてがない患者が病院の窓口に行くと、表向きは医師やそのチームが仲介者を紹介してくれることはない。でも、何となく探す方法が分かるように教えてくれるようだ」。ドナー希望者は売血の場所や病院の周りにたむろしている。「例えばタクシー乗り場などで声を掛けておくと、口コミで情報が広がりドナーがすぐに見つかる」という。ただ、適合するかは検査をしないと分からないため、その時間と費用が必要になる。
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| 交通事故などで人が病院で亡くなったときにも、移植医に連絡が入る。稲葉さんは移植した腎臓の調子が悪くなり、三年前にフィリピンで再移植。この時は交通事故で亡くなった人から提供を受けた。
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| フィリピンでは、移植専門医が自分のチームを持って、病院などに事務所や窓口を持ち、検査、手術、術後管理までを行う。手術に掛かる費用は選ぶ病院や医師によって違うが、稲葉さんが二度目に受けた時の場合、病院に約百六十万−百八十万円。主治医に約二百万円。このほか検査や手術代、内科医や看護師などスタッフへの費用など総額で約七百万円掛かった。「医師によっては一千万円以上もかかる。金の切れ目は縁の切れ目の国。少ない費用で安全にやることは難しい」と稲葉さん。
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| 移植医の腕はどうか。稲葉さんは「マルコス大統領が何度か手術を受けていることもあり、移植医療は進んでいるようだ」と話す。
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| 「ほとんどの移植医が米国に留学して学んでいる。年間数十例もの手術をこなす腕のいい移植専門医が十−十五人いて、手術あとも小さくきれい。近隣諸国からも医師が勉強しにきているようだ」と今西氏もみる。病院ごとに倫理委員会があるが、「結局は医師の判断がものをいう」とも。
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| 怪しいブローカーが暗躍していないのか。稲葉さんは仲介してくれた牧師に約十五万円を払った。「二度目の時は奥さんが手伝ってくれたが、彼女もふだんは保険外交員で仲介業者ではない」。だが、現地では法外な金額を要求するブローカーの話を耳にした。実際に仲介業者を名乗る日本人に声を掛けられた。
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| 従来、日本人の腎臓病患者にとって、海外で移植手術を受ける可能性を探れる国は、米国、中国、フィリピンなどといわれてきた。
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| ■米は費用高額 中国にも批判
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| しかし米国では極めて高額な費用が必要。中国政府は、死刑囚の臓器利用を世界保健機関(WHO)が「非人道的である」と批判したことを受けて、外国人への臓器提供に消極的な姿勢を見せ始めた。このため近年、フィリピンに注目が集まっているといわれる。
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| しかし今も毎年、フィリピンに診察を受けに行く稲葉さんは「まだ日本人が殺到しているという話を聞いたことはない。フィリピン人の妻や夫がいる人、日本で働くフィリピン人から紹介を受けた人などがきているだけ」という。
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| 日本の厚生労働省は、海外での臓器移植に倫理面で懸念を示しており、情報の不足が歯止めとなっている。
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| しかし、稲葉さんは、こう話す。「本当は国内で手術を受けたい。だが、国内でドナーが見つからない現状では海外に助けを求めに行くしかない。フィリピンの人に無理に臓器を提供させているわけではない。(フィリピン政府は)臓器取引を法で認めることも検討しているようだが、すべて闇で取引されるよりいいかもしれない」
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| <デスクメモ> 臓器売買の裏側には貧困や犯罪があり、容認はできない。ただし国内で絶望的な移植待ちをする患者に「海外でも処罰の対象になる」などと脅すのは、「飢えてもヤミ米に手を出すな」というのと同じだろう。大切なのは国内でドナーカードの普及率を上げ、死体腎の提供数を増やすことだ。積極的な政策を。(充)
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| 2007年02月02日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 年内導入目指す、闇取引に歯止め
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| 【マニラ=遠藤富美子】フィリピン政府は、腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めた。
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| 闇で横行する臓器の国際取引を事実上公認するもので、10日に保健省が公聴会を開いて各界の意見をくみ上げた上で、今年中の制度実施を目指す。外国人を対象とする政府公認の臓器売買は世界に類例がなく、実際に制度運用が始まれば移植待機者が1万人を超す日本から患者が殺到することも予想される。
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| ドナー支援など費用600万円
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| 新しい生体腎移植制度案は、外国人患者に〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人分の移植手術代――を支払わせるのが骨子。ドナー生活支援費などが1万2000ドル(約144万円)、フィリピン人患者の移植代が円換算で96万〜120万円相当とされ、外国人患者の手術・入院代とあわせ、外国人患者は総額5万ドル(約600万円)を支払うことになる。仕組み全体は政府が管理し、ドナーは民間のドナー支援団体「腎臓財団」を通じて生活支援を受ける。
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| 保健省のジェイド・デルムンド次官は本紙の取材に「新制度導入で闇の売買横行の余地は消え、ドナーは搾取されずに、恩恵を受けられる。臓器売買ではない」と述べ、新制度の狙いが闇取引撲滅と比国民の保護にあることを強調した。
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| フィリピンの人身売買禁止法は、臓器売買を禁じているが、昨年は仲介業者1人が同法違反で逮捕されただけ。世界各地の深刻なドナー不足を背景に、闇の腎臓売買が貧困地区ではびこっているのが実態で、犯罪組織介在も指摘される。
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| 比保健省はまた、「外国人の移植数は移植総数(2005年には630件)の10%」という上限を設けているが、実際には国内患者より高い「外国人価格」目当てに上限に違反する施設も多く、移植総数の3割程度が中東出身者を中心とした外国人と見られる。
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| ただ、国による臓器売買の実質公認となる制度については「先進国による搾取」との反対論も根強く、内外の反応次第では見直しを迫られる可能性もある。
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| [解説]日本人、国内法抵触か
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| フィリピンの新制度が導入されると、日本の移植医療に大きな影響を及ぼす。まず、日本人が移植を受けた場合、国内の臓器移植法に違反しかねない。腎臓提供者が受け取る金銭の詳細は未定だが、医療費以外の生活支援が含まれるとしたら報酬と見なされる。これは国内外に関係なく、売買を伴う臓器提供を禁じる同法に抵触する可能性が高い。
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| また、大挙して日本人が渡航した場合、国際的な批判もでるだろう。
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| しかし、移植を長期間待つ患者も放置できない。臓器提供の拡大を図る臓器移植法改正案は、審議が進まず、患者団体の不満も高まっている。「金で臓器を買う民族」というレッテルが張られる前に、臓器不足解消に早急に取り組まなくてはならない。(科学部 高田真之)
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| 2007年02月02日 読売新聞Yomiuri On-Line
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| 【マニラ=遠藤富美子】フィリピン政府は、腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めた。
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| 闇で横行する臓器の国際取引を事実上公認するもので、10日に保健省が公聴会を開いて各界の意見をくみ上げた上で、今年中の制度実施を目指す。外国人を対象とする政府公認の臓器売買は世界に類例がなく、実際に制度運用が始まれば移植待機者が1万人を超す日本から患者が殺到することも予想される。
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| 新しい生体腎移植制度案は、外国人患者に〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人分の移植手術代――を支払わせるのが骨子。ドナー生活支援費などが1万2000ドル(約144万円)、フィリピン人患者の移植代が円換算で96万〜120万円相当とされ、外国人患者の手術・入院代とあわせ、外国人患者は総額5万ドル(約600万円)を支払うことになる。仕組み全体は政府が管理し、ドナーは民間のドナー支援団体「腎臓財団」を通じて生活支援を受ける。
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| 保健省のジェイド・デルムンド次官は本紙の取材に「新制度導入で闇の売買横行の余地は消え、ドナーは搾取されずに、恩恵を受けられる。臓器売買ではない」と述べ、新制度の狙いが闇取引撲滅と比国民の保護にあることを強調した。
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| フィリピンの人身売買禁止法は、臓器売買を禁じているが、昨年は仲介業者1人が同法違反で逮捕されただけ。世界各地の深刻なドナー不足を背景に、闇の腎臓売買が貧困地区ではびこっているのが実態で、犯罪組織介在も指摘される。
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| 比保健省はまた、「外国人の移植数は移植総数(2005年には630件)の10%」という上限を設けているが、実際には国内患者より高い「外国人価格」目当てに上限に違反する施設も多く、移植総数の3割程度が中東出身者を中心とした外国人と見られる。
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| ただ、国による臓器売買の実質公認となる制度については「先進国による搾取」との反対論も根強く、内外の反応次第では見直しを迫られる可能性もある。
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| 2007年02月02日 読売新聞Yomiuri On-Line
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| 年内導入目指す、闇取引に歯止め
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| 【マニラ=遠藤富美子】フィリピン政府は、腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めた。
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| 闇で横行する臓器の国際取引を事実上公認するもので、10日に保健省が公聴会を開いて各界の意見をくみ上げた上で、今年中の制度実施を目指す。外国人を対象とする政府公認の臓器売買は世界に類例がなく、実際に制度運用が始まれば移植待機者が1万人を超す日本から患者が殺到することも予想される。
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| ドナー支援など費用600万円
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| 新しい生体腎移植制度案は、外国人患者に〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人分の移植手術代――を支払わせるのが骨子。ドナー生活支援費などが1万2000ドル(約144万円)、フィリピン人患者の移植代が円換算で96万〜120万円相当とされ、外国人患者の手術・入院代とあわせ、外国人患者は総額5万ドル(約600万円)を支払うことになる。仕組み全体は政府が管理し、ドナーは民間のドナー支援団体「腎臓財団」を通じて生活支援を受ける。
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| 保健省のジェイド・デルムンド次官は本紙の取材に「新制度導入で闇の売買横行の余地は消え、ドナーは搾取されずに、恩恵を受けられる。臓器売買ではない」と述べ、新制度の狙いが闇取引撲滅と比国民の保護にあることを強調した。
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| フィリピンの人身売買禁止法は、臓器売買を禁じているが、昨年は仲介業者1人が同法違反で逮捕されただけ。世界各地の深刻なドナー不足を背景に、闇の腎臓売買が貧困地区ではびこっているのが実態で、犯罪組織介在も指摘される。
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| 比保健省はまた、「外国人の移植数は移植総数(2005年には630件)の10%」という上限を設けているが、実際には国内患者より高い「外国人価格」目当てに上限に違反する施設も多く、移植総数の3割程度が中東出身者を中心とした外国人と見られる。
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| ただ、国による臓器売買の実質公認となる制度については「先進国による搾取」との反対論も根強く、内外の反応次第では見直しを迫られる可能性もある。
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| [解説]日本人、国内法抵触か
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| フィリピンの新制度が導入されると、日本の移植医療に大きな影響を及ぼす。まず、日本人が移植を受けた場合、国内の臓器移植法に違反しかねない。腎臓提供者が受け取る金銭の詳細は未定だが、医療費以外の生活支援が含まれるとしたら報酬と見なされる。これは国内外に関係なく、売買を伴う臓器提供を禁じる同法に抵触する可能性が高い。
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| また、大挙して日本人が渡航した場合、国際的な批判もでるだろう。
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| しかし、移植を長期間待つ患者も放置できない。臓器提供の拡大を図る臓器移植法改正案は、審議が進まず、患者団体の不満も高まっている。「金で臓器を買う民族」というレッテルが張られる前に、臓器不足解消に早急に取り組まなくてはならない。(科学部 高田真之)
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| 2007年02月02日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| フィリピン政府が移植を前提とした腎臓売買の事実上の公認に向け動き出した。背景には、同国の貧困と絡んだ闇での臓器売買があるが、法律面、倫理面でも課題は多く、日本でも論議を呼びそうだ。(マニラ 遠藤富美子、科学部 高田真之)
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| スラム街…貧しくて売るしかなかった
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| マニラ港近くのバセコ地区は、小さい木造小屋が並ぶ典型的なスラム街だ。
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| 「貧乏で腎臓提供するしかなかった。泥棒にはなりたくなかった」
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| 港湾労働者の男(37)は昨年9月にブローカーを介して腎臓を提供した。12万ペソ(約28万円)の報酬を約束されたが、実際に受け取ったのは8万ペソ(約19万円)。「だまされた。(患者を)殺してやりたい」と、男は憤った。手術後は時々傷口が痛み、重い荷物を運べなくなった。
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| 男が知る限りで、バセコには100人以上の臓器提供者(ドナー)がいる。仲介業者の男(31)は、「病院はドナーが必要になれば、電話のある隣人宅に連絡をよこすんだ」。一回の取引で病院などから受け取るのは円換算で約5万円という。
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| 闇取引が横行
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| 比政府が腎臓売買の実質公認に踏み出したのは、国内の貧困と闇売買の横行という悲惨な現実が背景にある。闇売買の実態は不明だが、ある医療関係者は「医師でさえ、闇の売買にかかわっている」とし、闇の腎臓売買が比国内での腎臓移植の公式統計(05年には630件)よりもかなり多いことを指摘した。
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| 新制度は、ドナーが闇取引で腎臓を買いたたかれた上、体を壊すといった悲劇を防ぐのが狙いだ。高額医療費をいとわない先進国の患者が、比国内の移植希望者支援にも同意すれば一石二鳥になる。
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| 関係者によると、新制度検討は、もともと外国人患者の要請が契機だった。ある観光業者は「中東の複数の国の大使館関係者から、『自国民がフィリピンで移植を希望しているが、手だてはないか』と相談を受けた」と明かした。
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| 日本から渡航急増か
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| 海外で移植500人
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| フィリピンの新制度が施行されると、日本人患者が同国に押しかける事態も予想される。
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| それくらい国内の腎臓提供が不足しているからだ。日本器移植ネットワークに登録して腎臓移植を望む患者は約1万2000人いるが、国内で1年間に実施される生体移植は約800例、心停止後の移植は約200例、脳死移植は4〜16例に過ぎない。人工透析を受けて待機する期間も長期化し、その間に亡くなった患者は、約2000人に達する。
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| 厚生労働省研究班が昨年3月にまとめた調査では、海外で移植を受けた患者は確認できただけで522人に上る。そのうち腎臓移植は198人。渡航先は、中国が106人と多く、フィリピンが30人と続いた。しかし、昨年3月、中国が渡航移植の管理を強化する方針を打ち出したため、日本人患者が中国からフィリピンに流れる可能性は高い。
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| ルール検討必要
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| 新制度の詳細な内容は公聴会で議論されるが、導入されても日比両国が抱える課題は多い。
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| フィリピンでは現在、売買を監視する仕組みがあるものの、十分には機能していないのが実情。臓器移植に関する国家倫理委員会は「新制度導入は事態を複雑化するだけ」と、闇取引の解消に否定的だ。
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| 一方、日本の臓器移植法は、海外で臓器を購入した日本人も処罰の対象とし、5年以下の懲役か500万円以下の罰金を科す。比保健省のデルムンド次官は「(新制度は)外国人患者が直接、ドナーに支払わないため売買ではない」と強調するが、甲斐克則・早稲田大教授(刑法、医事法)は、「手術代は必要経費だとしても、生活支援も含めるとしたら、それは臓器売買の報酬にあたる可能性がある」と指摘する。
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| また、臓器売買は「人体をモノ扱いする」として、世界保健機関(WHO)や国際移植学会が指針で売買を禁じている。日本移植学会も、会員が患者を海外に紹介する場合、売買による臓器提供でないことを確認するよう求めている。
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| 科学技術文明研究所の■島(ぬでしま)次郎・主任研究員は「アジア地域の臓器移植の実態は、売買や死刑囚からの提供など国際ルールと乖離(かいり)した部分が多い。こうした問題を解決するには、厚労省や移植学会が主導権を握って、アジア各国と移植医療の望ましいルールを検討する常設の場を作るべきだ」と話している。(■は木へんに「勝」)
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| 患者、金銭トラブル減少期待 / 医師、感染症危険「勧められぬ」
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| 「日本で待っていても、いつ移植が受けられるか分からなかった。生きるか死ぬかの患者にとって、臓器売買の倫理的な問題を気にしていられない」
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| 熊本県の男性(39)は、フィリピンで腎臓移植を受けた事情をそう語る。
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| 慢性腎炎のため、28歳から人工透析を始めた。移植を受けようと1996年、父親の退職金などで用意した1850万円を、日本人の仲介業者に払った。だが、業者は雲隠れし、後に詐欺容疑で逮捕された。金は戻らなかった。
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| 翌年、独力で見つけた同国の病院に600万円を払い、移植を受けた。しかし、腎機能が悪化し、2003年、700万円で再移植した。現在は元気に暮らす。
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| 今後、日本人の渡航移植の増加も予想されるが、「不透明だった仲介業務に政府が入ることで、金に絡むトラブルが少なくなるかもしれない」と語る。
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| ただ、感染症対策などフィリピンの医療現場の安全管理を懸念する声もある。
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| 札幌市立札幌病院腎移植科の平野哲夫部長は、「体に負担がかかる人工透析から解放されたいという気持ちは理解できるが、フィリピンでの移植は、臓器提供者が肝炎ウイルスに感染していないかどうかの情報が乏しく、勧められない」と話す。(医療情報部・坂上博)
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| 臓器不足が根底に
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| 臓器売買は、欧州や中東でも問題となっている。昨年10月に愛媛県でも発覚した。根は同じ臓器不足。フィリピンの売買公認は、貧困層救済の色合いが濃いとはいえ、国情が似た国々で広がる懸念がある。
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| 先日発表された内閣府の調査によると、脳死下で「臓器提供をしたい」という人は過去最高の41・6%に上ったが、意思表示カードの所持率は2年前より下がった。
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| 臓器不足を解決する処方せんは、臓器売買以外にないのか、改めて考えなくてはいけない。(高田)
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| 腎臓移植 糖尿病の合併症などで腎不全の状態に陥った患者に対する医療。日本移植学会によると、腎臓は摘出後48時間まで移植可能とされ、生体腎移植の5年生着率は75%を超える。治療成績は年々向上している。
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| 2007年02月02日 読売新聞Yomiuri On-Line
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| 約15年前からアジアの臓器移植の実態調査を行っている岡山大大学院教授の粟屋(あわや)剛(つよし)さん(56)(生命倫理)は、腎臓移植が必要な患者を中国本土の病院へ送っていた香港大・腎臓内科教授(当時)の言葉が忘れられない。
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| 「(中国での移植は死刑囚から摘出した臓器が使われているが)死刑囚はどうせ死んで、臓器は捨てられる。しかし、その臓器で助かる患者がいる。患者の命を救うのは医師の責任だ。絶望的な患者を目の前にすれば、倫理を持ち出す余裕はない」
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| 粟屋さんは1995年7月、当時は闇に包まれていた中国の移植医療の実態を詳細に聞き出し、死刑囚の臓器が使われていることを公表。98年には、米国連邦議会の下院公聴会で証言し、大きな反響を呼んだ。
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| 粟屋さんによると、中国の死刑囚は白血球の型(HLA)や健康状態などの検査を受ける。HLAが臓器移植を望む患者と死刑囚が一致するなどした場合、死刑囚の臓器が移植に使われることがあるという。
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| それを裏付けるように、90年代半ばに中国で腎臓移植を受けた50歳代の男性は「執刀医から『死刑が執行された25歳の男性から摘出した臓器を移植した』と聞かされた」と話す。
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| 死刑囚から臓器提供への自発的な同意が得られているかは不明だ。
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| 倫理的な問題はほかにもある。臓器売買だ。粟屋さんは93〜94年に3度、インドを訪れて調査した。
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| 多くの腎臓提供者が住んでいて「腎臓村」と呼ばれるビリバッカム村で、腎臓を売った55人に聞き取り調査した。最年少は14歳で最高齢は48歳。女性が6割を占める。臓器購入者は55%が外国人だった。
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| 村民の月収が5000円(当時)以下なのに対し、腎臓を売って得た金額は2万4000〜11万円だった。
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| 粟屋さんは「臓器を必要とする人と、売りたい人がいれば、倫理的に問題があろうと臓器は売買されてしまう。人体の商品化の流れは止まらない」と話す。
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| 国際移植学会や日本移植学会は、死刑囚からの臓器提供や臓器売買による移植に反対している。
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| 海外の移植事情に詳しい東京歯科大角膜センター長の篠崎尚史(なおし)さんは「他国を非難するより、日本の移植医療を進める努力をすべきだ。命がけで、これらの国に渡る患者を責めるべきではない」と強調する。
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| 臓器移植法施行から今年で10年を迎えるが、脳死での臓器提供者はわずか50人。法律の改正を含め真剣に見直しを検討する時が来た。(坂上博)
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| 移植希望数と実施数 脳死移植を仲介する日本臓器移植ネットワークに登録した移植希望者は今年1月末現在、腎臓が1万1915人、肝臓が140人。一方、脳死移植を受けることができたのは10年で腎臓が57人、肝臓が35人に過ぎない。
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| 2007年02月01日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| せきをしながら、「息苦しい」と訴える54歳の男性が2005年3月、東京医大八王子医療センター(東京都八王子市)を受診した。その前年9月、中国で腎臓移植を受け、移植後に必要な免疫抑制剤などの処方をここで受けてきた。
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| そのまま入院。精密検査をすると、免疫状態が極端に低下した時に発病するカリニ肺炎だった。カリニ肺炎の薬を投与する治療が始まったが、脳梗塞(こうそく)も併発して入院2か月後の5月に亡くなった。
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| 同センターの外来には現在までに、中国での腎臓移植経験者11人が訪れたが、4人は移植から2年以内に亡くなった。死因はカリニ肺炎のほか、胃がん、悪性リンパ腫(しゅ)、がんが胸の膜などにできる悪性中皮腫だった。
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| 国内の心臓停止後の腎臓移植では、5年生存率は94%なので、死亡者が異常に多い印象だ。カリニ肺炎やがんは、免疫の低下が病気の悪化と関係する。
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| 免疫抑制剤は、移植された臓器への拒否反応を抑えるために投与されるが、移植外科助教授の松野直徒(なおと)さんは、「中国では、免疫抑制剤の量が多過ぎる場合がある」と指摘する。
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| 日本では、患者は移植の前にがんなどほかの病気がないか詳細な検査を受け、進んだがんがあれば、移植の対象にならないが、そうしたチェックが行われていない可能性もある。
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| 松野さんは「中国での移植は、肝炎ウイルスの有無など提供者の情報が全く分からないので問題の究明が遅れ、治療が後手に回ることがある」と説明する。
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| 中国で肝臓移植を受けた韓国人の6・5%がB型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)に感染していたことが昨年末、韓国の研究者の調査で分かった。提供者のウイルス検査が十分に行われず、移植臓器や輸血血液などに肝炎ウイルスが混入していた疑いがある。
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| 市立札幌病院腎移植科部長の平野哲夫さんらは、臓器移植法が施行された97年から昨年末までに、中国で腎臓移植を受け、同病院を受診した患者10人の健康状態を調査した。
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| B型肝炎1人、腎機能を悪化させるBKウイルス2人、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)2人など計8人が重い感染症にかかっていた。東京医大八王子医療センターでもC型肝炎感染者が1人見つかった。
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| 平野さんは「感染症などの発病率が非常に高く、命にかかわる危険があり、現状では中国への渡航移植は勧められない」と話す。海外で腎臓や肝臓の移植を受けた患者の実態調査を早急に行う必要がある。
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| 移植後の経過 移植後の5年生存率は、脳死肝臓移植で約80%、心臓停止後の腎臓移植で94%。移植後は免疫抑制剤を一生飲み続けなくてはならない。免疫状態が低下するので、カリニ肺炎などの肺感染症などに注意が必要となる。
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| 2007年01月31日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 「もう一度、元気に仕事ができるようになりたい」。関東地方の会社員男性Cさん(50)が2005年にフィリピンでの腎臓移植に踏み切ったのは、仕事の関係で知人もいて、現地の事情が多少はわかっていたことが大きい。
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| 「費用は2000万円かかるアメリカの半分以下。留学経験がある医師が多く、医療水準も信頼できる。肝臓だと心配だが、より一般的な腎臓移植なら大丈夫だろう」と考えた。
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| フィリピンでは2000年に、日本の元プロレスラーが肝臓移植の手術中に出血多量で亡くなっている。
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| Cさんは40歳で慢性腎炎と診断され、2年後には、人工透析が必要になった。半年後に母親の腎臓をもらって腎移植を受け、いったんは透析から解放された。しかし、移植から約8年後の2005年3月には悪化し、再び透析を始めた。
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| 妻(48)は腎臓の提供を申し出てくれたが、断った。「2人の息子が病気になるかもしれないので、とっておけ」
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| 臓器提供者が少ない日本で移植が受けられる可能性はないに等しい。それでも移植を受けたかった。
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| フィリピンでの移植は臓器売買によって成り立っていることも知っていた。関係者によると、貧困地域の住民は臓器売買のブローカーに腎臓1個を十数万〜三十数万円ほどで売っているという。
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| Cさんは、「私が払った移植費用の一部が、貧しい臓器提供者や家族の生活の足しになってほしい」と語る。
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| フィリピンに到着して、7日後に移植を受け、移植の2週間後に帰国。今は、睡眠時間2〜3時間でも翌日の仕事をこなせるほどに体力がついた。
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| 国内で移植を受けるのが難しい現実に、患者や仲介者は人脈を頼り情報を集め、様々な国に目を向ける。
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| 肝臓が正常に機能しない難病「原発性胆汁性肝硬変」の男性(享年36歳)は南米・コロンビアでの肝臓移植を目指した。昨年春、病状が急激に悪化し、移植を受けないと命が危なくなったが、米国での移植は6000万円以上とされ、とても払えない。
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| 海外の移植に詳しい医師の紹介で、コロンビアの病院で受け入れてくれることになった。支援者が3000万円を目標に募金活動を始めたが、間に合わず、男性は昨年夏に亡くなった。
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| ほかにもタイやインド、パキスタンで移植を受けた日本人がいる。「安く、早く」。一刻の猶予もない患者は、経済格差があるアジアや南米へ向かう。
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| 移植費用 国内では生体・心停止・脳死による腎臓移植、生体・脳死による肝移植、心臓移植などが保険適用されている。だが、海外で受ける場合は保険がきかない。移植臓器によって違うが、欧米に比べ中国やフィリピンでの費用は2分の1〜6分の1程度。
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| 2007年01月30日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 「ほかのどこよりも安心・安全・親身・献身的なサポート体制を自負して設立運営しております」
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| ネット上には、様々な誘い文句で中国など海外での移植希望者を募るホームページが乱立する。中国、フィリピンの移植では主治医からの紹介が望めないので、こうした仲介業者に頼らざるを得ない。
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| 「約7年間に15人の腎臓病患者を中国へ紹介した。移植はすべて成功し、患者は無事に帰国している」。長野県の男性Bさん(58)は、こう告白する。仲介業者であり、自身が中国での移植経験者だ。
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| 37歳のころ、重い糖尿病と診断された。病状が悪化して腎機能が低下。44歳から人工透析を始めた。週3回の透析の後は体がだるく、仕事にならない。知り合いの中国の腎臓内科医の仲介で、透析開始から2年後の1995年2月、中国で腎臓移植を受けた。
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| 97年に臓器移植法が施行されても、移植医療は停滞したまま。「私のように中国へ行きたいと思う患者は多いはず」と2000年、希望者をホームページで募り仲介を始めた。
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| Bさんの場合、中国での腎臓移植の費用は、現地滞在費、医療費、仲介料などとして計900〜1000万円を設定している。
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| 上海や広州など中国の移植実施病院で、最適の臓器提供者を見つけるために白血球の型(HLA)などを調べる。提供者が見つかるまで、病院近くのホテルで待機。移植手術から約1か月で帰国できるという。
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| 「今も数人から問い合わせを受けている。日本で移植を受けるチャンスは宝くじのようなもの。海外移植を望む患者は今後も増える」と話す。
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| アジアでの移植の実態は厚生労働省も把握できておらず、闇の中だ。詐欺の被害も出ている。
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| 慢性腎炎と診断された熊本県の会社員男性(39)は28歳から人工透析を始めた。透析による副作用で足がむずむずする症状が耐えられない。
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| 移植を望んだが、HLAが適合する家族がいない。96年、海外での腎臓移植事情を取り上げた記事を見つけた。その仲介業者に連絡すると、「1850万円払えばフィリピンで移植ができる」と言われ、相場の2倍以上と高額だったが、実家の土地などを売って金を払った。フィリピンに渡ったが、業者と連絡が取れなくなった。
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| 業者はその後、詐欺容疑で逮捕されたが、お金は戻らなかった。男性は2002年春、別のルートを使って、フィリピンで腎臓移植を受け、現在は元気に暮らす。患者たちは、危険を承知で海外に渡っている。
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| 移植の仲介 欧米での移植は、主治医が受け入れ先を探してくれるケースが多い。一方、日本移植学会は死刑囚の臓器を使った移植を行う中国や、臓器売買が横行するフィリピンへの仲介を事実上禁止しているため、患者は仲介業者に頼るか、個人で移植病院に接触して移植を受けている。
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| 2007年01月29日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 「ほかの人に積極的には勧められない。でも、中国へ行かなかったら、私は今、生きていない」
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| 中国で腎臓と肝臓の同時手術を受けてから1年余りがたった札幌市の男性Aさん(64)は、苦渋の思いを告白する。
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| 25歳で慢性腎炎と診断され、45歳になると腎機能が急激に悪化した。翌年、腎臓に水分の袋ができる遺伝性の難病「多発性のう胞腎」と分かり、すぐに人工透析を始めた。
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| 透析開始から半年後の1989年3月、当時69歳の母親から腎臓の提供を受けた。13年が過ぎた2002年から再び、腎機能は低下し、のう胞は肝臓にも広がった。
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| 肝臓の病気は急速に進み、3年の間に通常の4倍以上に膨れあがった。極度に疲れやすく、階段を数段上ると動けなくなった。根本的な治療法は肝臓と腎臓の移植だけだった。
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| しかし、両方の臓器の提供を家族に期待できるわけがない。といって、脳死移植を仲介する「日本臓器移植ネットワーク」に登録しても、臓器提供者は年平均5人。これに対し、肝臓移植の待機者は140人、腎臓は1万人を超える。見込みがないも同然だ。
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| 欧米も提供者不足で日本人が受けられる機会は少なく、肝臓移植だけでも6000万円以上が必要だ。
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| 「中国なら安く、早くできる」。知人から聞いた中国・天津の病院に連絡を取り、2005年10月に診察を受けた。「余命は1年ほど」と現地の医師から宣告された。
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| 中国での移植を決心。医療費1300万円を病院関係の口座に振り込み2か月後に再び天津へ。ホテルで待機して13日後。連絡が入り、11時間にわたる肝臓と腎臓の移植手術を受けた。
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| 肺の感染症を起こし、高熱が出たが、医師は「大丈夫」と言うばかり。「このままでは命が危ない」と思い、手術から3週間後、600万円で小型機をチャーターして帰国。札幌市内の病院に入院した。昨年2月、3週間で退院し、今は体調に不安はなく、貸しビル業を営む。
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| 国際移植学会、日本移植学会は「中国の臓器提供者の多くが死刑囚で、倫理的に問題がある」として、学会員による中国への仲介を事実上禁止している。
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| Aさんは「国内での移植は絶望的なのに、『中国へ行くな』では、臓器不全患者を見捨てているのと同じ」と悲痛な声をあげる。
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| 臓器移植法施行から今年で10年。厚生労働省研究班が昨年3月にまとめた調査では、522人が海外で移植を受けた。最近、アジアなどへ渡る患者が増えている。その現状を報告する。
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| 海外での移植 厚労省研究班の昨年3月時点の国内の移植関連病院を対象にした調査では、海外で移植を受けたのは522人。肝臓221人、腎臓198人、心臓103人。主な移植渡航先は、肝臓が米国42人、豪州30人、中国14人。腎臓は中国106人、フィリピン30人、米国27人。心臓は欧米各国のみ。
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| 2006/12/26 VIET JO[2006年12月22日 Tien Phong紙 電子版]
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| 臓器の移植に関する法律が21日、公布された。この法律は2007年7月1日に施行される。
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| 同法は6章40条から成り、人道的または教育・科学研究目的という原則に則って、臓器および身体の一部の提供・摘出・移植、死体の提供に関する規則や、臓器バンク及び国の臓器斡旋センターの活動・組織に関する規則などを定めている。
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| 具体的には、臓器および身体の一部の承諾なしの摘出および売買、死体の売買、18歳未満の者による臓器および身体の一部の提供、利益を目的とした臓器の摘出・移植・使用などを厳しく禁止している。
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| 2006年12月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line
松山地裁支部判決 懲役1年、猶予3年
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| 愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院での腎移植を巡る臓器売買事件で、臓器移植法違反(売買の禁止)の罪に問われた患者の水産会社役員山下鈴夫(59)、内妻で同社社長松下知子(60)両被告の判決が26日、松山地裁宇和島支部であった。
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| 福井健太裁判長は「臓器移植法の人道性、任意性、公平性という基本理念に著しく反するもので、移植医療に対する社会の信用性を揺るがした影響は大きい」として、両被告ともに懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。被告側は控訴しない方針。
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| 福井裁判長は「国は生体移植に関する法整備やガイドラインの策定を行い、再発防止に努めなければならない」と言及した。執刀した万波(まんなみ)誠医師(66)の責任には言及しなかった。
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| 判決によると、両被告は昨年7月、知人の女性に、臓器提供者(ドナー)になってもらうよう依頼。同年9月、女性は松下被告の「妹」を名乗り、山下被告に腎臓が移植された。両被告は腎臓提供の謝礼として、同年11月に30万円、今年4月に150万円相当の新車を女性に渡した。
移植現場に課題「ルール違反」「ドナー不足」
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| 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で行われた腎移植をめぐる臓器売買事件で、松山地裁宇和島支部が26日、山下鈴夫(59)、松下知子(60)の両被告に言い渡した執行猶予付き有罪判決。
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| 臓器提供者(ドナー)不足や病院側の本人確認の甘さなど移植医療の現場に多くの課題を突きつけた、全国初の臓器移植法違反罪の判決に、患者や医療関係者からは「明確なルール違反」「ドナー不足もあり、被告の心情もわからないではない」など様々な声が聞かれた。
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| この日午前11時、グレーの上着姿の山下被告は、車いすで法廷に入った。グレーのジャージー姿の松下被告をちらっと見ると、被告人席にゆっくりと並んだ。
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| 山下被告は今月12日、体調不良を訴え、250万円を納付して保釈された。そのせいか少し青白い顔色だった。しかし、福井裁判長が主文を読み上げると、前を見据えて聞き入った。
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| 閉廷後、山下被告は「寛大な判決を頂いて感謝しております。世間をお騒がせしたことを反省しております」などと、弁護士を通じてコメントした。
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| 事件は、国内のドナー不足を改めて浮かび上がらせた。
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| 人工透析患者は25万人を超え、毎年約1万人ずつ増える傾向にある。日本臓器移植ネットワークに登録する腎移植の希望患者は、11月末現在で1万1800人、同ネットを通じた死体腎の提供は毎年150件前後。20年以上待ち続けている登録患者も325人いるのが現状だ。
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| 20年前、宇和島市立宇和島病院に勤務していた万波(まんなみ)誠医師(66)の執刀で母親から腎臓の提供を受けた市内の会社員男性(52)は「法を犯した以上、有罪は仕方ない。でも、ドナーをいくら待っていても見つからない厳しい現実がある」と話す。
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| 一方、大阪腎臓病患者協議会の田井信之会長(45)は「執行猶予付き判決は甘いのではないか。ルールを守っている透析患者の思いを理解していない」と両被告の行為を厳しく非難する。
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| また、病院側の本人確認のあいまいさが事件の一因とされ、日本移植学会が11月、ドナーは写真付きの身分証明書で本人確認をすることなど、3項目を倫理指針に補足した。この日の判決も、病院や医師に対し、不審な移植手術の実施に歯止めをかけるよう求めた。
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| 万波医師と面識がある愛媛県内の男性泌尿器科医は「執刀した万波先生が手術前に、しっかり書面などで本人確認をしていれば、事件は起きなかったのでは」と指摘した。
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| 2006年12月06日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 2被告、万波医師認識と供述
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| 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)での 臓器売買事件 で、臓器移植法違反の罪に問われた患者の水産会社役員山下鈴夫(59)、内妻で同社社長松下知子(60)両被告の初公判が5日、松山地裁宇和島支部(福井健太裁判長)であった。同病院の泌尿器科部長・万波誠医師(66)について、両被告は「先生に、初めからドナー(臓器提供者)は他人であり、対価のことも話していた」などと、万波医師が事前に臓器売買を知っていたことをうかがわせる供述をした。
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| 福井裁判長による被告人質問で、「何が問題だったのか」と聞かれて、供述した。松下被告は「万波先生にすがったことが大きな間違いだった」と述べた。
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| また、「売買が悪いと知ったのはいつか」との問いに、山下被告は「ドナーを探している段階で、万波先生から『金品を渡したら法に触れる』と言われた時」と答えたが、一方で、「(腎臓提供の謝礼について)万波先生から『私はよくわからんけど、1本程度とちらほら耳にするで』とも言われ、100万円と理解した」と供述した。
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| 両被告の供述について、万波医師は読売新聞の取材に「ドナーが他人とは絶対、聞いていない。1本というのは何の意味かよくわからない」と否定した。
「閉鎖・独断的医療に責任」…調査委メンバー
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| 宇和島徳洲会病院の調査委員会のメンバーで、日大総合科学研究所の高木美也子教授(生命倫理)に、臓器売買事件について聞いた。
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| ◇
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| 背景には、死体腎の臓器提供が少ないという厳しい現状がある。移植は親族間による生体腎に頼らざるを得ず、ドナーの女性は松下被告の「妹」と偽った。他の病院で実施されている移植でも、不審なものは少なくない。急な養子縁組で提供者を見つけた患者の手術を断った病院もあると聞く。
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| 山下、松下両被告は「生きる」という意味では成功した。彼らはたとえ有罪になろうと、目的は遂げている。だが、腎臓の提供を数十年にもわたり待つ患者は、たくさんいる。
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| それなのに、生体腎移植を規制する法がないのは、問題。ルールを守る人たちがいる中で、「やったもん勝ち」を防ぐためにも、厳格な法整備が不可欠だ。
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| 舞台となった宇和島徳洲会病院は、そもそも死体腎の提供を受けるために必要な臓器移植ネットワークにも登録していなかった。倫理委員会の規定はあったものの、実際に開催されたことは一度もなかった。腎移植で将来、どのようなリスクを負うのか、ドナーにインフォームドコンセント(十分な情報提供に基づく説明と同意)を行っていなかったことも信じがたい。
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| この閉鎖的で、独断的な医療が事件を招いたともいえ、責任は重い。その後、病気腎移植も発覚したが、同じ温床。今回の事件は氷山の表出した一部分じゃないだろうか。病気腎移植には、摘出に合理的な理由があったかどうか。今後の調査委で、明らかにしていかねばならない。
臓器売買事件
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| 山下、松下両被告は知人の女性(59)(罰金100万円など刑が確定)に腎移植のドナーになることを依頼。昨年9月、女性から山下被告に腎臓を移植。両被告は見返りとして、11月に30万円、今年4月には新車の乗用車(150万円相当)を渡した。事件発覚後、万波医師らが病気腎移植を行っていたことが判明。厚生労働省などが調査している。
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臓器売買でドナーの女に罰金100万円の略式命令 2006/10/27 The Sankei Shimbun 大阪夕刊から
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| 愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で行われた生体腎移植をめぐる臓器売買事件で、臓器移植法違反の罪で略式起訴された臓器提供者(ドナー)の貸しビル業の女(59)=松山市東石井=に対し、宇和島簡裁は27日、罰金100万円の略式命令を出した。また贈与を受けた現金30万円を追徴し、乗用車(150万円相当)も没収する。
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| 起訴状などによると、女は昨年8月ごろ、水産会社社長、松下知子被告(59)=同罪で起訴=と、松下被告の内縁の夫で重い腎臓病だった同社役員の山下鈴夫被告(59)=同=にドナーになるよう依頼され、同年9月28日、移植手術を受けて山下被告に腎臓を提供。謝礼として現金30万円と新車の乗用車を受け取った。
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| 松下、山下両被告は弁護士に「女性には謝礼として車の購入だけを約束した」と話しているのに対し、女は「松下容疑者に貸していた200万円に300万円を上乗せして返してもらう約束だった」と供述していた。
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| 2006年08月16日 日刊ベリタ
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| 【東京16日=斎藤力二朗】世界の関心はレバノンに集まっているが、イラクの惨状はより激しさを増している。15日のアラビア語紙クドゥス・プレス(QUDS PRESS、本社ロンドン)は、イラクでは、マフィアらによる臓器売買が横行しており、死体、時には生体からじん臓や眼球などが摘出されていると報じた。
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| 2006/04/24 大紀元
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| 【大紀元日本4月24日】英国臓器移植学会は19日、中共当局が死刑囚の臓器売買は、人権侵害であり、認めることができないとし、中共を非難する声明を発表した。
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| 英BBCによると、英国臓器移植学会は、日増しに積み重ねられる証拠から、中国では数千人に上る死刑囚の臓器は本人の同意を得ていない状況下で、摘出され移植されていることが判明したことを伝えた。
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| 同学会の道徳委員会主席ステファン・ウィグモアー氏は、BBCのインタビューに対して、中国で行われている臓器移植の適合検査作業は、最短1週間で完成することから、死刑囚は処刑される前から、すでに臓器移植の適合検査作業に入れられていることが明らかであると指摘した。
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| 中共衛生高官は先週、当局は時々死刑囚の臓器を使い移植するが、すべて事前に本人の同意を得ているとした。しかし、そのような例は少ないことが明らかになった。
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| 日増しに積み重ねられる証拠の数々
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| 近年、中共当局は死刑囚の臓器を摘出し販売していることに対して、国際人権団体を含む外界から相次いで批判を受けてきた。
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| ウィグモア氏は、「ここ数ヶ月、証拠が絶えず増えており、しかも、これらの証拠は信頼にたるものであると我々はみている。中共が事実を明らかにする時期が来たのだ」との見解を示した。
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| ウィグモア氏は、現在中国へ臓器移植のツアーが増える一方であり、健康な臓器を販売する者にとってますます有利であるとし、中国では臓器売買は非常に普遍的に行われているため、さらに拡大の勢いがあると指摘した。同氏は、同僚と共に中国での臓器移植を考えている英国の患者と出合ったことがあると語った。
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| 真剣に考慮すべきである
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| ウィグモア氏は、患者は中国へ赴いて臓器移植を行うべきかどうか真剣に考慮すべきであると述べるとともに、ことの重大さを語った。中共は長期にわたり、死刑囚の処刑を秘密裏で行っているため、外界は真相を知ることは難しい。
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| 中共衛生部は外界からの強い指摘に対して、人体の臓器販売を禁止する臓器移植条例を制定し、今年の7月1日より実行することにした。新条例は、医療機構臨床用の移植臓器は、本人の同意が必要とし、臓器移植する前に臓器提供者は拒否することができると定めている。
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| しかし、評論家らは、臓器販売による高利を獲得できることから、販売行為を完全に制止できるかどうかは、新条例が条文どおりに実行できるかどうかにかかっているとみている。
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| 2006年04月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 中国で手術、「国内待てない」
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| 臓器移植をめぐり、国内での臓器提供者(ドナー)の不足から、海外で移植を受ける患者が増えている。近年はその多くが中国に渡っており、年間100人を超えるという。
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| 中国で腎肝同時移植を受けた札幌市の男性(63)が読売新聞の取材に応じ、「渡航移植」の実態を証言した。
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| 男性は20代半ばに腎炎を発症。1989年、母親から腎臓の生体移植を受けたが、3年前に再び悪化した。肝機能も低下し、主治医から「肝臓は移植しないと助からない」と告げられた。
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| 「移植ネットワークに登録しても、いつ順番が回ってくるかわからない」。そう聞いた男性は、中国・天津の病院で移植手術を受けるため、総額1300万円の費用を振り込み、昨年12月、現地に飛んだ。
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| 手術後、原因不明の高熱が続いたが、医師は「問題ない」と繰り返すばかり。薬を求めると「近くの薬局で買え」と言われ、不安にかられた男性は自ら退院、今年1月に帰国した。
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| 現在は仕事も再開。体調にとくに不安はない。「危険な賭けだったが、とても感謝している」と語る。
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| 中国では、移植に用いる臓器の大半は死刑囚からの摘出といわれる。だが、ドナーが誰なのか、男性には明かされなかった。「死刑囚の臓器、とも思った。でも、だからといって移植をやめられるだろうか」
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| 男性は繰り返す。「ここまでして患者は海外に向かわなければならない。自国の患者を救えない移植医療とは、いったい何なのか」
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| 日本臓器移植ネットワークによると、脳死・心停止後移植を待つ腎臓病患者は約1万1649人(10月2日現在)いるのに対し、昨年1年間に行われた脳死・心停止後移植は160件(生体腎移植を含めると994件)に過ぎない。
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| 中国での移植は、手術費が比較的安いなどの理由で増加した。インターネットで患者を募る仲介機関もあり、患者が直接申し込める簡便さも、「中国志向」に拍車をかけている。
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| しかし、法外な費用をとる仲介業者も多く、手術中に死亡するケースもある。免疫抑制剤の過剰投与という問題も指摘されている。
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| 渡航移植を支援している大阪府内の団体によると、瀋陽や北京、上海などで手術を受ける患者が多く、瀋陽の病院は年間約100人の日本人に施術。費用は腎臓で600万円、肝臓は1000万円が相場という。
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| 厚生労働省の調査研究班が4月にまとめた調査結果では、これまでに少なくとも522人が海外で臓器移植を受けたが、渡航移植の実態は不明で、日本移植学会は専門委員会を設けて調査に乗り出している。
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「海外で臓器移植」522人…厚労省把握分2006年04月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 厚生労働省の研究班(主任研究者=小林英司・自治医科大教授)は21日、海外で臓器移植を受けた患者数についての調査結果を発表した。
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| これまで少なくとも522人が渡航移植を受けたことが判明、1997年の臓器移植法施行後も渡航移植に歯止めがかかっていない実態が明らかになった。
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| 同法に基づいて国内で臓器移植を受けた患者は今年3月現在、心臓33人、肝臓31人、腎臓51人にとどまっている。このため、研究班は昨年12月から、日本移植学会の会員医師などに文書と電話で調査を行った。
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| その結果、心臓移植では国内の医師が患者に同行する場合が多く、ほぼ全例が判明。84年〜2005年末に103人が渡航していたことが分かった。15年生存率も70%と良好な成績だった。渡航先は米国が85人と突出し、ほかは欧州とカナダの4か国だった。
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| 一方、肝臓と腎臓は自己判断で渡航した患者が多く、全体数や生存率は把握できなかった。このため研究班は「術後の治療で国内の病院に通院している患者」に限定して調査した。このうち肝臓は221人で、渡航先はオーストラリア、米国、中国など12か国。腎臓は198人で、中国やフィリピン、米国など9か国へ渡航していた。
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| 2006/04/09 大紀元
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| 【大紀元日本4月9日】日本が1997年に臓器移植法案を改定してからも、日本での臓器提供の回数が50回に留まっており、腎臓移植は998回のみが行われた。臓器提供者が少ないため、1万2000人もの臓器移植を待機する者の多くは、中国へ臓器移植を求めた。しかし、それらの多くの臓器の出所は未だに不明である。
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| ウェブサイト「ジャパン・フォーカス」は4月2日、中国で腎臓移植に掛かる費用は6万6500米ドル(約778万円)で、肝臓移植に掛かる費用は15万 7000米ドル(約1835万円)であると報道した。少し前に、台湾の「イエーソン・ヘルスケア・サービス・センター」のネット仲介者は、「ジャパン・タイムス」に対して、上海の中山医院での心臓移植手術は、わずか11万9000米ドル(約1392万円)でできることを示したという。ちなみに、米国で同様な手術を行う場合は、86万米ドル(約1兆円)がかかるという。
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| 最近の実例
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| 日本で腎臓移植の手術は年間10回にも満たない中で、4年間腎臓を待ち続けた建築関係の会社経営者・平野ケンイチロウ(62)は、インターネットで噂の中国臓器を探し当てた。
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| 平野氏は、ウェブサイトの「中国国際臓器移植センター」で連絡先を求めた。同サイトhttp://en.zoukiishoku.com/list/link.htm(2006 年4月2日版)は、英語、日本語、韓国語およびロシア語による詳細な説明が行われており、「患者様の検査データを当センターへメールにて送付し、またはファックスにて送付し、当地担当病院において、移植に際しての禁忌等確認および診断等を行う。診断後移植可能と診断された場合、移植手続きの申し込みをいただく。もっとも早いケースでは1週間程度でドナーが現れる可能性がある。肝臓のドナーは1ヶ月、長くても2ヶ月で現れる」と掲載している。しかし、臓器の出所は一切説明していない。
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| 平野氏は、中国瀋陽市にいる日本人仲介者と連絡を取ってから10日後に、自分が上海の病院で腎臓移植を行っていることに驚いたという。腎臓提供者は若い死刑囚と言われ、腎臓の価格は680万円だった。同氏にとって、安価な買い物だった。同氏は、最近中国で腎臓、肝臓または心臓移植を行った数百人の金持ち日本人の中の一人に過ぎないのだ。
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| 中国闇市場での臓器売買、臓器の出所が謎
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| 中国東部海岸は「臓器移植の旅」と称される貿易はますます盛んになっている。韓国人、米国人および各国の人々は安価で健康な臓器に注目している。地元の仲介者にさえ支払いをすれば、金持ちの患者は上海やその他の都市にある一流病院での臓器移植ができる。術後のアフターフォローが行われない状態で、多くの患者は、帰国後2,3年で死亡する現状である。しかし、それても、中国へ臓器移植を求める人々を止めることはできないのだ。
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| 移植用の臓器売買は中国では違法であるが、闇の市場ではますます盛んになっていることを裏付けるが、移植される大量な臓器の出所に関する情報は非常に少ない。また、医療関係者によると、より完全無欠な臓器を保つために、現在は、銃による処刑より、注射による安楽死の方法が増えたという。
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| アムネスティ・インターナショナルの調査によると、2004年の中国での処刑者数は世界でもっとも高い3400人であり、一部のアナリストはさらに上回り8000人が処刑されていると分析している。
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| また、中共側はこのころ、死刑囚の臓器は移植用として、外国人向けに販売されていることを明かし、臓器提供者全員が自ら同意したとし、家族にも販売された一部の金額が与えられることを示した。しかし、一部の死刑囚の家族は当局に対して、家族の同意なしで臓器摘出したことを訴えたという。一部の人権団体も、中共当局に対して、処刑時間を臓器移植の時間に合わせたことを譴責した。1980年の中共政権では、臓器摘出する際、本人または家族の同意が必要と定めている。
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| 今年、一部の外国新聞メディアは、少なくても8人の日本人患者が中国で臓器移植を行ってから死亡したことについて、北京当局に対して譴責した。また、マレーシア、カナダおよび米国の患者が中国で、臓器移植を行ってから死亡した報道もあった。
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| 中国で臓器のドナーを待っている患者は200万人を超えていると言われる。しかし、外国の患者がいきなりに彼らを飛び越え、最優先的に臓器移植が行われることから、刑務所から病院までのルートに金銭が作用されたと考えられる。それ故に、調査もなお難しくなるのであろう。(記者・金沙)
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| 2006/04/04 大紀元
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| 【大紀元日本4月4日】日本駐上海領事館の男性館員自殺事件をいち早く報道したため、中共政権に追われ、米国へ脱出した中国人ジャーナリストのR氏は3月の初め、中国で法輪功学習者の臓器を摘出し、売買する巨大な秘密収容所の存在を暴露した。その後、さらに2人の情報提供者が現れたことによって、中共政権の国家犯罪の裏幕が明るみに出された。法輪功への集団迫害を調査する国際機構の「追査国際」は、この事件に関する「調査報告書」を公表した。
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| R氏は日本の某報道機構に在職していた。中国ニュースを担当し、制作した番組を各大手テレビ局に提供していたという。
数々の真相を暴露したR氏(大紀元)
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| R氏から提供された情報によれば、中国東北部の瀋陽市の蘇家屯地区に巨大な秘密収容所があり、その中に数千人の法輪功学習者が監禁されている。中共政権はまだ生きている彼らの臓器を摘出し、国内外の移植を待つ患者に販売している。死体は所内の焼却炉で焼却し、証拠が完全に隠滅されているという。
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| この秘密収容所の真相を報道してからまもなく、さらに複数の情報提供者が現れた。その一人は元遼寧省血栓中西医結合医院(瀋陽市蘇家屯区雪松路49号、以下「血栓医院」と略す)の女性スタッフで、現在米国に在住している。
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| 彼女の証言によると、その秘密収容所は血栓医院の大規模な地下施設を改築したものであり、2001年ごろに約6千人の法輪功学習者を監禁していたが、その中の4分の3の人はすでに腎臓、肝臓、角膜などを摘出された後処分された。現在にも約2千人の法輪功学習者が収容されている。ほとんどの人は秘密に逮捕されたため、家族にも行方を知られていない。学習者の多くは、生きたままで臓器を摘出され(生きたままの人から摘出した臓器は死体から摘出した臓器より売価が遥かに高いという)、そしてボイラーを改造して造った病院内の焼却炉で焼却処分された。彼女の前夫は、かつて数年間にわたって臓器摘出の執刀医を担当していた(非常に信頼されている医者だけが臓器摘出の執刀医に選ばれるという)。2003年、前夫の精神状態がおかしくなり、再三尋ねたところ、この事件に関与している事実を彼女に打ち明けた。病院職員の多くはこの秘密収容所の存在を察知していたが、自分の安全を配慮し、厄介な事を引き起こすことに恐れて、堅く口を閉ざしているという。
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| 彼女の証言を受けて、大紀元記者は血栓医院に電話取材しようとしたが、電話口に出た男性は、秘密収容所の存在について、肯定も否定もせずに、「うん、うん、」と繰り返し、言葉を濁した。
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| そして、3月31日に瀋陽軍区のある軍医が匿名で新たに蘇家屯秘密収容所での臓器売買の事実を証言した。以下は証言内容の一部である。
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| 中共政権は法輪功学習者を「政権の敵」と指定し、厳しく弾圧すべき対象となる重犯罪者だと宣伝している。法輪功学習者の臓器を摘出し、販売する蘇家屯秘密収容所のような施設は、全国に36ヶ所もある。蘇家屯秘密収容所の実在、および法輪功学習者の臓器売買、死体或いはまだ生きている人の焼却処分などは、全部事実である。私が知る限り、2005年初めに、蘇家屯秘密収容所に1万人以上の法輪功学習者が監禁されていた。今でも600-750人が収容されており、多くはすでにほかの収容所に移送された。私が見た内部の秘密資料によると、法輪功学習者を監禁する最大の秘密収容所は東北部の吉林省にあり、「672 -S」という略称で、正式名称がなく、住所も分からない。全国各地で法輪功学習者や、重犯罪者、政治犯など12万人以上が収監されている。
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| 法輪功への集団迫害を調査する国際機構の「追査国際」は、このほど調査報告書を公表し、情報提供者らの証言を裏付けた。以下は調査報告書内容の一部である。
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| 1.東北部の瀋陽市に、中国での主要な臓器移植施設と巨大な臓器バンクが存在している
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| 瀋陽市で約10軒の病院は臓器移植を実施している。そのうちの数軒のデータから見ると、瀋陽軍区総医院(その泌尿外科は軍部の腎臓移植センターである)は、2006年1月まで、計1500例以上の腎臓移植を行った。解放軍463医院も、相当数の腎臓移植を行なった。他に、中国医科大学付属第一医院の臓器移植科は2005年まで、腎臓移植が600例以上、肝臓移植が120例以上を行なった。
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| さらに2003年から瀋陽市にある中国医科大学に「中国国際移植網援助中心(China International Transplantation Network Assistance Center (CITNAC))」が設立されて、同機構はホームページを通じて、5カ国語(英語、日本語、韓国語、ロシア語、中国語)で毎年100例以上の腎臓移植と 20例以上の肝臓移植を成功していると宣伝し、世界各地から移植を受けたい患者を募集している。移植医療先進国のアメリカでは、腎移植を受けるために、適合の臓器を待つことは、3年から7年の時間が必要であるのに、同機構のホームページに、「腎臓移植の待機時間はわずか1週間から1ヶ月で、例え移植中に提供した臓器に問題が発見された場合でも、必ず1週間以内で新たな腎臓を提供できる。また肝臓移植の待機時間も大体1ヶ月で、長くても2ヶ月超えない」と記載している。腎臓が摘出された後、24時間(米国では48時間)以内に移植完了しなければならないので、このように随時随所で臓器を提供できることは、巨大な生体臓器バンクが存在しているとしか考えられない。
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| 生体臓器バンクの存在を裏付けるもう1つの証拠がある。保守的な伝統観念により、中国人のほとんどは死後の臓器提供に否定的である。国際社会から中国でのたくさんの臓器提供に疑惑の目が向けられたため、中国衛生部の副部長・黄潔夫氏は2005年7月、「中国の臓器提供者はほとんど死刑囚である」と発言した。しかし国際人権団体アムネスティ・インタナショナルの年次報告によると、中国で毎年処決される死刑囚は3400人あまりだという。医学上では、血縁関係のない人からの腎臓移植の完全適合率は数百万分の一であり、不完全適合移植でもその比率はかなり低い。つまり、中国全土の死刑囚の臓器をすべて瀋陽市の病院に提供しても、このように随時随所の臓器移植も不可能である。しかし瀋陽市にある中国医科大学第一付属病院臓器移植科の呉剛助教授は、2004年12 月24日の中国紙「華商報」に、「現在、瀋陽市の腎臓提供源は充分の量がある」と談話を発表した。米国在住の民主活動家、中国情報センター責任者のハリー・ウー(Harry Wu)氏はRFAの取材を受けた際、「中国の病院で毎年1万例以上の臓器移植手術を行っており、一体どこからこんなたくさんの臓器を提供できるのか、死刑囚以外にも巨大な闇の生体臓器バンクが存在しているに違いない」と指摘した。
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| 2.全国範囲で、臓器移植が数多く行われており、秘密収容所も瀋陽市蘇家屯地区以外に数多くある
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| 中国紙「影視図書週報」の報道では、天津市第一総合病院は臓器売買で大儲けした「病院」の1つとしてリストされている。この病院の移植外科部門のもうひとつの名称は「東方臓器移植センター」であり、世界最大の臓器移植機構ともいえる。看護主任の李蓮氏は取材を受けて、「2002年から大勢の韓国人の患者を受け入れ始め、病院の入院施設で対応できなくなり、付近の別の病院の病室や、近くのホテルの2つのフロアーを借り切りで使っていた。それでもまだ足りないため、近いうちに約500人の患者を収容できる入院病棟の新しいビルが完成され、2006年5月から使用可能になる」と商売繁盛ぶりを語っている。
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| さらにこの中国紙は「2004年末まで、この病院は計1500例の肝臓移植と800例の腎臓移植を成功させ、角膜移植もしている。2004年だけで、約 900例の肝臓や腎臓移植を成功させた。移植センターの医療主任・瀋中陽氏によると、2005年の1年間で650例の肝臓移植を行った」と報じた。内部情報筋によると、2005年12月16日からの2週間で53例の肝臓移植をした。最も多いときには、一日24例の肝臓と腎臓を移植したという。
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| 中共当局の統計によれば、1991年から1998年までの8年間で、全国でわずか78例の肝臓移植を行なったに留まる。しかし1999年法輪功への弾圧が始まってからは、肝臓移植が激増した。中国紙「健康報」の2004年11月2日の報道では、「1999年、2000年、2001年には、それぞれ118 例、254例、486例の肝臓完全移植が行われた」と報じた。2003年になると、さらに急増し、計3000例の肝臓完全移植が報告されたという(東方器官移植センターのホームページの情報による)。
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| 2004年以来、計100人以上の日本人の患者が瀋陽市で臓器移植を受けた。2003年から3000人以上の韓国人の患者が中国で移植を受けた。「大韓臓器移植学会」の総理事で、ソウル大学病院に在職する河鐘遠氏は、「報じている人数が氷山の一角にすぎず、実際に中国で臓器移植を受けた韓国人の患者はもっと多いはずである」と指摘した。そのほかにもイスラエルや、カナダなど世界各地から毎年千人以上の患者が中国に押し寄せて、臓器移植を受けている。
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| 「追査国際」の調査員は、移植希望の患者に扮して、天津市、上海市、広州市、北京市、遼寧省、湖北省、河南省、山東省など各地の病院に対して電話調査を行った。その結果では、ほとんどの医療機関が法輪功学習者から摘出した臓器を使っていると認めた。以下は電話調査内容の一部である。
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| 調査例1.湖南省某医科大学付属医院
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| 病院関係者:我々が選ぶのは皆若くて健康な人の腎臓です。年配者のものは一切使っていません。
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| 調査員:法輪功学習者の臓器を提供できるかどうか・・・
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| 病院関係者: それはご心配が要りません。
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| 調査例2.山東省某病院
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| 調査員 : 法輪功学習者のような人の健康の腎臓があれば・・・
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| 病院関係者: うん・・・、4月になると、このような供給源が多くなるはずですが、最近すでに増えています・・・
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| 調査員:どうして4月になると、増えるのですか?
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| 病院関係者: この問題は説明しにくいので、これは・・・うん・・・まあ、とにかくこの問題を解釈する必要がありません。しかも解釈できない・・・。
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| 調査例3.広州某病院
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| 調査員:腎臓移植はどのぐらい待つのでしょうか?
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| 病院関係者: 当方の病院では約1週間待機すれば、移植できます。
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| 調査員: しかし提供される腎臓は健康で、新鮮なものですか、死体からのものではないよね。
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| 病院関係者: 品質は絶対に保証します。
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| 調査員: 法輪功学習者の臓器って、ありますか?
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| 病院関係者: 当病院では全部この種類のものです。
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| 調査例4.天津市某医科大学
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| 調査員: 医者によると、法輪功学習者の腎臓は非常に良いと言われていますが、法輪功を修煉しているから、健康状態がとても良いと聞いていますが、本当ですか・・・
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| 病院関係者:もちろんそうです。うちの病院にもそのような人からの臓器もあります。しかも、呼吸や心拍が止まっていない生体からの臓器です。今年はすでに十数個このような腎臓がありました。・・・提供される臓器の品質は非常に大事です。若い人から、血流が止まった直後、或いは止まってないうちに摘出した腎臓を移植すれば、非常に効果が良いです。これは確かなことであります・・・。
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| 以上のような生々しい証言や情報から、中国国内に、法輪功学習者の臓器を摘出し、売買する秘密収容所の存在が裏づけられた。しかも瀋陽市蘇家屯地区だけではなく、全国各地に設立されている。
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| 秘密収容所の真相が世界各地で暴露されてから、中共政権は3週間の間にずっと沈黙し続けていた。3月28日にようやく沈黙を破った。中国外交部のスポークスマンの秦剛氏は、定例記者会見で、事実を完全に否認するコメントを発表し、これは中国の司法制度に対する悪意的な攻撃だと発表した。中共衛生部の黄潔夫副部長は昨年7月、国際社会に向けて、死刑囚から臓器を摘出していることを認めたが、今回、秦剛氏の発言は死刑囚からの臓器摘出すら完全に否認した。
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中国が臓器売買を禁止2006年03月28日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 【北京=末続哲也】中国衛生省は27日、臓器売買を禁止し、臓器移植の管理強化を図る規定を公布したと発表した。7月1日に施行する。
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| 中国では、死刑囚の臓器を使った移植が多数行われているほか、臓器売買や移植の仲介ビジネスも横行、日本など海外の患者が中国で移植を受けるケースも多いとされる。今回の立法措置の背景には、中国の臓器移植の不透明さに対する国際的な批判の拡大がある。
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| 同規定は、移植手術を行う医療機関の基準を明示。医療機関に対しては、移植前に臓器提供者側から書面で同意を得るよう義務づけたほか、臓器や移植を利用して不当な利益を得ることを禁止した。
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| 2006/03/24 大紀元
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| 【大紀元日本3月24日】報道によると、2004、05年の2年間に、計108人の日本人が中国の遼寧省瀋陽市と上海市の病院で腎臓や肝臓の移植手術を受けていた。中国国内で実施している臓器移植に用いられている臓器に関して、中国衛生省は昨年大多数が死刑囚から提供されていると認めたが、最近、邦人の臓器移植遠征地である中国瀋陽では、6000人の法輪功学習者(1999年7月から中国当局により弾圧されている気功修煉する人々)を密かに収容した蘇家屯収容所の関連医療機関・遼寧省血栓中西医結合医院は、活きている法輪功学習者から臓器摘出している情報が元在日の中国人ジャーナリストによりリークされた。更に、当医療機関に勤めていた内部関係者(女性)がこのほど、大紀元の取材に、法輪功学習者の身体から生きたまま臓器摘出の詳細を証言した。その女性によると、自分の前夫は脳外科の医者で、主に角膜の摘出を担当していたという。本稿は、その女性から聞き出した、遼寧省血栓中西医結合医院で生きたまま角膜を摘出された法輪功学習者についての取材内容。
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| 問:なぜこのように秘密裏に行なうことができるのですか?
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| 答:数人が一緒に利益を山分けしているから、他の人に言わないのでしょう。一時たくさんの法輪功学習者が病院内の平屋に拘禁されていました。ご存知のように、当時、法輪功学習者を拘禁するとき、一人に一つの部屋ではなく、たくさんの人が一つの部屋に押し込まれて一緒に寝泊りしていました。時に便所に行って帰ったら、寝る場所がなくなる場合もあります。
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| 2003年に、蘇家屯病院内の、かつて法輪功学習者を拘禁していた平屋が取り崩され、撤去されました。監禁されていた人たちは多分病院の地下室に移されたと思います。もちろん、今、平屋のことを聞いても病院の管理者らは、その存在を認めないかもしれません。或いはそれが臨時就労者のために用意したものだと言い訳するかもしれません。
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| 問:院長の池明宇が「生体から臓器摘出と死体焼却炉」のことを知っていると思いますか?
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| 答:彼は知っていると思います。
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| 問:公に収容所を作ったことはなぜでしょうか?
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| 答:半公開というべきです。この病院は比較的有名ですが、心臓病、血栓症のような病気の患者でなければ、ここに来る人があまりいないので、それほど公になっているとは言えないのです。
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| 蘇家屯区は、瀋陽市の郊外にあります。蘇家屯区の他の病院で同じことをやっているかどうか、分かりませんが、医療機関の間に繋がりがあります。
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| 私達は病院内の日常消費物質が急に増えることに気付きましたが、なぜこれほどたくさんの人が病院に入れられたのか分かりませんでした。職員は皆通勤バスで院外から通っているから、院内のことにあまり関心を持っていません。且つ、当時は法輪功が良いものなのか悪いものなのかも知らなかったのです。
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| 瀋陽市に法輪功を練習する人がたくさんいるから、逮捕された人も多いです。当時、北京や広州などの都市より、瀋陽市の弾圧が少し遅れて、全国で弾圧し始めてからも、瀋陽市の法輪功学習者がまだ外で一緒に煉功していました。2001年「焼身自殺」事件以後から、瀋陽市で本格的な弾圧が始まりました。
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| 問:あなたは生きている人から臓器を摘出することをどこから知ったのですか?
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| 答:2003年の正月の時、私達の家に新年の挨拶に来た人たちは、将棋や麻雀をする際に、話の中で生きている人から臓器を摘出したことに触れました。前夫が簡単に金を稼いていることを知っていましたが、どうやってそんなに稼いたのか知らなかったです。その後、前夫がそのことを私に打ち明けました。
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| 前夫は2001年に蘇家屯病院に就職したのです。最初は研修医でしたが、間もなく脳外科の主治医に抜擢されました。2003年初めの頃から、私は前夫がよくぼーっとしていることに気がつきました。時に彼がソファーのクッションを抱いてテレビを見ているとところ、テレビの電源を切って上げても、彼はまったく気がつかない場合がありました。
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| 一時期、前夫は勤務先を変えたいと私に話しました。私は不思議に思いました。こんなによく稼げるのに、仕事を変えようとするのか分かりませんでした。その後、徐々に彼はシーツを濡れるほど寝汗を掻いて、悪夢を見るようになり始めました。仕事のストレスが大きすぎるのではないかと思いました。彼は時に私の父親と長時間にわたり書斎の中に閉じこもって話していました。彼はそこから離れて別の職場に転勤できるように、父親に頼んだようです。なぜか、誰も彼に仕事を変えてくれませんでした。
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| 私は非常に心配していたので、彼に直接事情を聞いたことがあります。その時、私はすでにある程度実情を知っていました。私の友達は蘇家屯に拘禁していた法輪功学習者を目撃したことがあります。みんなが馬三家労働教養所や大北刑務所から大勢の法輪功学習者が送られてきたことを知っていました。しかし、みんながあまり気にしなかったのです。この病院で働いている人はほとんど高級幹部の子弟で、私達は小さいときから身につけた習慣があり、つまり、自分に関係がないことには構わないことです。
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| 私のある同級生の兄は2002年にこのことを携わったばかりに、すぐ外国へ行きました。数例の手術を行っただけで出国しました。
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| 問:あなたの前夫はどんな手術を担当していましたか?
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| 答:前夫は角膜を摘出する担当医でした。最初は手術を受ける相手が同意しているかどうかを知りませんでした。初めて摘出を執刀した時、相手はすでに麻酔をかけられて反応がなかったので、活きている人とは最初気づかなかったようですが、すぐに生きている人から臓器を摘出していることが分かりました。しかし、臓器をどこに売ったか、臓器や死体をどこに送ったかに関して尋ねることをしませんでした。手術を指示した人は「あなたはすでにこの船に乗ったのだから、一人を殺すのも、何人を殺すのも同じである」と前夫に言いました。
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| 彼は今報いを受けており、自分で車を運転するときにもかなり緊張を感じるなど、正常に暮らすことができないのです。
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| 2003年頃から、(衛生)局の中に多くの人たちはすでにこのことを知っていました。職員の家族だけではなく、外部の人たちに知っている人も居ます。
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| 前夫の話では、腎臓の移植を待っている患者は別の病院に待機しており、蘇家屯の病院で腎臓を摘出してそこへ持っていくのです。その後、死体をどう処理したのか分かりません。蘇家屯の火葬場か、病院のボイラー室(死体焼却炉に改造した)に持っていたかもしれません。
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| 一人からただ角膜だけを摘出するはずはなく、他のところに運ばれ、その他の臓器を摘出される可能性は高い。これは殺人と何の変わりもありません。
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| 私はこの事によって夫と別れました。もし夫の浮気くらいであれば、まだ我慢できるかもしれません。彼が私にこのことを語ってくれたから、まだいくらかの良心を持っていると私はそう信じています。もし、彼が直接に私に言ったことでなければ、私はどうしても信じることができません。彼は自分の口で私に話してくれたのです。わざと自分で自身に泥を塗る人はいないでしょう。
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| 問:執刀した人は別の医者もいますか?
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| 答:執刀した人は別の医者もいます。私の前夫は角膜の摘出を担当するだけで、他の臓器の摘出は、別の医者に担当されています。
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| 問:どこから蘇家屯病院に監禁されているのがみんな法輪功学習者であることを知ったのですか?
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| 答:監禁されているのはすべて法輪功学習者であり、法輪功学習者だけです。刑務所に監禁されている受刑者なら、家族が知っているから、家族が面会に来るはずです。法輪功学習者だからこそ、家族に知らされないままここに移送されるのです。かつて馬三家労働教養所と大北刑務所には多くの法輪功学習者を監禁していましたが、今はほとんどいなくなりました。毎日「釈放される」人がいるのですが、これらの人はどこに行ったでしょうか?
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| 蘇家屯収容所に連れていかれた法輪功学習者は、法輪功の修煉を固く堅持する人たちです。この人たちの多くが絶食して抗議していたから、身体がすでにかなり虚弱になっている。そこですべての人に一枚の紙が渡されて、「もし法輪功の修煉を放棄する意思があれば、紙に拇印を押して、すぐ釈放される」と言われるかもしれない。一人ずつ連れ出されるから、中にいる人たちは真実を知らなく、釈放されたと思うかもしれない。あるいは、外に連れて行って治療を受けさせると知らされるかもしれない。連れ出された人は麻酔剤を注射されて意識が無くなります。
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| 問:2000年中国大陸ウェブサイトの報道によると、蘇家屯で政治学習会を行い、法輪功を誹謗して迫害を煽ったそうですが?
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| 答:私は知りません。前夫は時に病院の寮に泊まり、これらの事をあまり口にしません。電話をかけてきて「忙しいから家に帰れない」と言って、帰ってこないことがよくあります。
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| 前夫は被害者が皆法輪功学習者であることを知っていました。他の執刀する医者も法輪功であることを知っていました。当時彼らは法輪功を迫害するのが犯罪ではないと教われて、共産党の敵を片付ける気持ちでした。手術台に載せられた人は意識不明の状態か、精神がおかしくなった人でした。角膜を摘出された人は、老人と子供が多かった。
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| 前夫は口封じのために殺されることを恐れて、外国へ出ることにしました。彼には真実を語る勇気がなく、必ず秘密を守れると、周りの人はそう信じていました。
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| 問:この数年間に、被害者の家族が人を探しに来たことはなかったのですか?
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| 答:2001年から2003年の間に、ただ一度、一人の農民が自分の家族がここに拘禁されているどうかを尋ねに来たことはあります。これは極秘なことですから、当然関係者以外、誰も知りません。逮捕される時に逮捕状もなく、釈放される時に釈放証明書もありません。
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| 迫害はどう言っても迫害です。人道上から言えば人間性が喪失した行為である。中国人として、とても悲しいことです。これは中国人同士を殺しているから、南京大虐殺と違い、自国民を虐殺しています。法輪功学習者であるかどうかにかかわらず、自分の国民を殺すというのは、あまりにも残忍すぎます。記者・周敏軍
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| 2006/03/21 大紀元
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| 【大紀元日本3月21日】ドイツのナチス後裔ギュンター・フォン・ハーゲンス氏は中国大連で世界最大の人体標本製造工場を経営している。1500万ドルを投資したハーゲンス氏の大連での「遺体工場」は約3万平方メートルの敷地面積で、看板は掲げていない。工場は現在更に規模拡大の建設を行っている。胎児を含め様々な年齢層の人間の遺体をプラスティネーション実物標本に製作し、世界各地で展覧会を開いている。この商売でハーゲンス氏は、9億ドル以上の利益を得たという。
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| 「ハーゲンス氏人体標本展」の中、最も論議をかもし出したのは、妊娠中の若い女性と腹中の8ヶ月胎児の標本。中国の法律では、妊娠中の女性には、死刑を実施することはできない。また、事故死の場合、死者の遺体を大事にする文化の中国では遺族は親子の死体を人体標本にすることを承認するとは考えにくい。この親子はどのような経緯で人体標本になったのか。この女性の遺体標本を含めて、「ハーゲンス氏人体標本展」に展示されている大量の人体標本を製作するための遺体は、一体どこから来たのだろうか?
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| 世界の臓器移植中心となっている中国
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| 2006年3月5日、中国紙「長春日報」の関連紙「影視図書週報」19版は、「中国が世界の臓器移植の中心地となった」と題する文章を掲載した。この記事は、天津市第一中心医院で肝臓移植を受けた韓国人患者の例を取り上げ、「韓国では夜空の星を摘み取るほど生態肝移植(健康者の肝臓の一部を移植する)を受けるのは困難だが、中国では、『品質極上』の肝臓を丸ごと、安易に入手できる」と患者の「感激の声」を伝えている。
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| 「影視図書週報」の報道には、韓国人患者の家族の話が引用されている。「天津で検査を受け、一週間後にはすぐ適合する臓器が見つかった」という。そのほか、「概ねの統計によると、この3年間で約3千人以上の韓国人が中国で臓器移植を受け、その他の国の患者も毎年千人以上が中国を訪れている」「イスラエルの新聞報道によると、毎月約30人のイスラエル人が中国で臓器移植を受けている」と報じた。
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| 一方、韓国紙「朝鮮日報」は、「大韓臓器移植学会」の情報を引用し、「1999年から2001年までに計7人の韓国人患者が中国で臓器移植を受けたのに対し、2002年から患者数が急激に増加した。北京のある臓器移植機構の責任者は、中国各大都市の有名病院で臓器移植を受ける韓国人の患者数は毎月 70〜80人おり、全国合計で年間1千人以上に達すると明かした。そのほかにも多くの国の患者が中国に駆け込んでいる」と報じた。
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| さらに「大韓臓器移植学会」の総務理事で、ソウル大学の病院に在職する河鐘遠氏は、学会が調査した人数は「氷山の一角」にすぎず、実際に中国で臓器移植を受けた韓国人患者はもっと多いだろうと述べた。
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| 臓器提供者は20代、30代の若者
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| 「影視図書週報」の報道によると、患者の間では、これらの「品質極上」の臓器提供者は、20代、30代の若者が中心で、身元は分からないという情報が流れているという。すでに数万人の外国人が中国で臓器移植を受け、臓器は死刑囚から摘出されたものだと説明されている。
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| 大紀元記者は、瀋陽陸軍病院総院、瀋陽軍区空軍中心病院、北京朝陽医院など、腎臓移植手術を受けたいという理由で調べたところ、腎臓の提供元は、極一部は親族の提供だが、そのほかは全て囚人から、しかも生きた体から器官を摘出するという。これらの病院の医者によると、中国の病院では、腎臓の提供元はほとんど囚人から、全て生きた体から摘出するものという。腎臓の質を保証でき、全て健康な若い人からだという。一人の医者は、提供者は、死刑囚のみではないと答えたが、詳細は本人と病院の責任者しかわからないという。
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| 腎臓器官移植の手術件数は多く、日本、韓国などの海外から来た患者も多いという。手術の成功率は、90%以上で、料金は6万から12万人民元(日本円90万〜180万相当)。患者が病院に入院してから、何日間も待たずに素早く手術が受けられるという。
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| 「四六三病院」のある医者によると、当院では腎臓移植手術は平均毎月10数例以上あるという。
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| 中国ではいったいどこからこんなに大勢の20代、30代の死者が集まるのか。この年代はほとんどが「一人っ子政策」の下で生まれた若者で、両親は亡くなった唯一の我が子の臓器を売り出したりするだろうか?疑問は多く残る。
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| 臓器売買で大儲けした「病院」
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| 「影視図書週報」には、天津市第一総合病院は臓器売買で大儲けした「病院」の1つとしてリストされている。この病院の移植外科学部のもうひとつの名称は「東方臓器移植センター」であり、世界最大の臓器移植機構ともいえる。看護主任の李蓮氏は取材で、「2002年から大勢の韓国人患者を受け入れ始め、病院の入院施設では対応できなくなり、付近の別の病院の病室や、近くのホテルの2つのフロアーを借り切った。しかし、それでも足りないため、近いうちに約 500人の患者を収容できる入院棟の新しいビルが完成し、2006年5月から使用可能だ」と「商売繁盛ぶり」を語っている。
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| 同紙によると、「2004年末まで、この病院は計1500例の肝臓移植や、800例の腎臓移植を成功させ、角膜移植もしている。2004年だけで、900例近くの肝臓と腎臓移植を成功させた。移植中心の医療主任・瀋中陽氏によると、2005年1年間で650例の肝臓移植を行った」。「この病院では、2005 年12月16日からの2週間で53例の肝臓移植をした。情報筋によると、最も多いときには、一日24例の肝臓と腎臓を移植した」という。
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| 2週間に53例の移植、一日に24例の全体肝臓と腎臓移植を行うには、この病院の臓器移植だけで、53人の臓器提供者が2週間の間に死亡し、ある日では24人の臓器提供者が死亡しなくてはならないことを意味する。いったいどこからこんなに大勢の臓器提供者が集まるのか。
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| 当病院が退院する移植患者に提出する記録表には、臓器提供者の死因は一律「急性脳挫傷」と書かれている。記者がなぜ臓器提供者の死因が全部同じなのかと質問したところ、当病院の移植責任者の瀋中陽・医療主任は、言葉を濁し、明確な答えを避けている。
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| 臓器は大量虐殺されている法輪功学習者のものか
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| 移植患者の家族によると、早いときには1日、2日待つだけで適合する臓器が見つかるという。臓器提供者はいったいどこから集まるのか。外部の人は疑問を抱き続けている。
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| なぜ2002年から中国での臓器提供者が急激に増加したのか、こんなにたくさんの臓器を提供する死者はいったいどこから集まったのか。中国人の考え方からすれば、ほとんどの人が死後の臓器提供に同意しないはずだ。
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| 政府側の発表では、臓器は死刑囚からだという。中国衛生部の副部長・黄潔夫氏は2005年7月、国際社会に対し「中国の臓器提供者はほとんど死刑囚である」と発言した。
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| しかし、上記の中国紙の報道では、「世界の臓器移植中心地である中国において、国内の肝臓移植の臨床経験と理論に関する論文は国際医学界に認められていない。その主要な原因は、論文の作成者が臓器提供者の身元を明かせないからだ」と報じた。このことから、中国衛生部の副部長が嘘をついていることがわかる。
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| ハーゲンス氏が製作した人体標本の中には、8ヶ月の胎児をお腹に抱えた若い妊婦があり、論議を呼んでいる。中国の法律では、妊婦を処刑できないと定められている。例え交通事故で亡くなったとしても、遺族が2人の身内の遺体を人体標本にすることに同意するはずがない。違法収監された法輪功学習者としか考えられないとの説が浮上している。
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| 1999年7月20日、中共政権は全国約1億人の法輪功学習者に対する集団迫害を開始した。江沢民前総書記が指揮する下で、法輪功学習者に対し、「名誉を貶し、経済力を絶ち、肉体を消滅させる」「法輪功学習者を殺しても、責任はない。自殺とすればいい」との内部通告が伝達されている。
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| 最近報道された、中共政権に追われ米国に逃亡した中国人ジャーナリストR氏の証言により、臓器摘出のために法輪功学習者を殺害する大型秘密収容所が東北部の瀋陽市蘇家屯地区に存在することが明らかになっている。R氏と連携する内部情報筋によれば、この秘密刑務所には東北地区の法輪功学習者約6千人が監禁されている。そのほか死体を処分する焼却炉が設けられ、臓器を摘出する専門医が多く駐留している。法輪功学習者は生きたまま刑務所から出ることがなく、殺害された後、臓器が摘出され、死体は所内で焼却されるという。
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| この秘密収容所が設置されている病院の元スタッフ(現在海外に在住している)と自称する女性が最近、弊社にさらに詳細な内部情報を提供し、数千人の法輪功学習者から臓器が摘出されていることを証言した。
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| 法輪功関連サイト「明慧ネット」」3月19日付の報道で、大量の法輪功学習者が集団に東北部に送られて行方不明のままとの証言が報じられている。ある証言者によると、2001年1月上旬、法輪功の冤罪を訴えるため、彼は北京に向かったが、公安当局に逮捕され、大勢の法輪功学習者と一緒に監禁された。ある日の午前3時、緊急集合を命じられ、1人の警官は怪しげな表情を浮かべながら、「法輪功の修煉を放棄しなければ、おまえたちを2箇所の『良い所』に送ってやる。1つは『馬三家教養院』(法輪功学習者に対する残虐な監禁、拷問で悪名高い東北部の大型収容所)、もう1つは…うん、言えないな」と漏らした。全国各地で逮捕された法輪功学習者は40人乗りのバス60台に乗せられ、東北部に出発した。その後大半の人の消息が途絶え、行方不明になったという。もう1人の証言者によると、2000年末ごろ北京の収容所に監禁されたとき、警官に自分の名前を絶対に明かさない大勢の法輪功学習者が2日ごとに大型バスで東北部に送られたと証言している。当時の警官は「東北部のあるところに送り届け、おとなしくさせてやる」と漏らしたという。
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| 一方、臓器摘出のための大型秘密収容所の存在が暴露される以前から、「明慧ネット」では、中共警察に殺害された法輪功学習者の遺体に、臓器が摘出された痕跡があることを、実例を挙げて報道していた。以下は報道されたいくつの事例:
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| 王斌氏(男、享年44歳)は、黒竜江省に在住する法輪功学習者、生前は大慶油田の探査開発研究所のコンピューター・ステーションのソフトエンジニアだった。2000年9月24日大慶市男子労動教養所で警官・ヒョウ喜などから酷刑拷問を受け死亡した。死後心臓や、脳組織などの臓器が摘出された。
王斌氏の遺体に臓器摘出の跡が残っている
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| 黒龍江省ハルピン市第三火力発電所に勤務する技術者・任鵬武氏(男、享年33歳)は、法輪功の冤罪を訴えるビラを配布したとして、呼蘭区の第2看守所に監禁された。5日後の21日、公安当局は家族に任鵬武氏が死亡したと通告した。遺体の損傷が激しいため、家族は写真撮影しようとしたが、警官に禁止された。その後家族の同意を得ずに、死者ののどから下半身までの臓器は全部摘出され、強制的に火葬した。
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| カク潤娟氏(女、享年28歳)は、広州の柯子嶺の住民だった。 2002年2月25日広州白雲区の警官に違法逮捕され、22日後に旦那さんには同氏が死亡したと通知された。遺体と対面したときに、あまり損傷が激しいため、家族は本人であると確認できなかった。その後、2歳の息子の血液を検査した結果、遺体はカク潤娟であることが確認された。内情を知る人の証言によると、カク潤娟は生前様々の酷刑を受け、さらに黄色い薬物のようなものが大量に鼻から管で強制注入され、激しい嘔吐を繰り返したという。死後警察は家族の了解がないままで、遺体を解剖し、内臓の一部を取り出した。状況から判断すると、薬物の実験台にされた可能性が高い。
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| 楊麗栄氏(女、享年34歳)は、河北省保定の定州市住民だった。法輪功の修煉を放棄しないため、毎日警官が自宅に現れ、一家を脅迫・騒乱し続け、さらに高額の罰金が徴収され、本人は3回も洗脳センターに収監された。2002年2月8日夜警官は楊家を違法家宅捜索した。次の日の早朝、夫は楊麗栄氏の首を絞め、殺した。当時10歳の息子さんは一部始終を全部目撃した。夫の自首の通報を受け現場に駆けつけた法医学者は、その場で遺体を解剖し多くの臓器を摘出し持ち去った。目撃者の証言によると、臓器から熱気が立ち上り、血は当たりの地面を赤く染めたという。
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| 左志剛氏(男、享年33歳)は、駐中国フィリップ社子会社に勤務する電気製品の修理技師で、河北省石家荘市中山路の瑞光コンピュータ会社に在職していた。2001年5月30日、左氏が結婚する前日に、警官に違法逮捕され、一夜で死亡した。公安当局は首吊り自殺と説明しているが、左氏は身長172センチで、自殺場所とされている刑務所の扉は160センチの高さだった。遺体には激しい損傷があり、背中の腰あたりには2つの正方形の大きな穴が開き、臓器が取り出された模様。遺族は納得しないため、いまだに遺体は火葬されていない。
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| 楊瑞玉氏(女、享年47歳)は、福州市台江区の房産局に在職していた。2001年7月楊氏は仕事場で違法逮捕され、三日後死亡した。遺族と同僚らは遺体に接近することが禁止され、福州市公安局のパトカーに乗せられ、火葬場に運ばれ、火葬された。関係者は死者の腰の後部には拳の大きさの穴が開いていると目撃した。
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| 孫瑞健氏(男、享年29歳)は、武漢体育学院を卒業した後、福州市で就職した。2000年11月直訴するために北京に出向かい、公安当局に逮捕された。 12月1日家族は同氏が走行中の列車から飛び降りる際に死亡したと告げられた。最初には、当局は遺体との対面を禁止したが、最後に遺体と会わせたときに、腹部や胸部はすでに解剖されていた。体には拷問を受けた傷跡が鮮明に残っている。
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| 王行塁氏(男、享年35歳)は、山東省臨沂市の燐酸肥料・工場に勤務していた。2001年8月21日、法輪功の冤罪を訴えるスローガンを書いたため、公安当局に逮捕され、16日後に死亡した。死後三日後に、陽谷県公安局は家族に知らせた。内情を知る人は、王氏は酷刑拷問で死亡し、解剖された後、県医院に搬送されたと漏らした。県医院のある医者もこの情報の信憑性を証明し、臓器が取り出された可能性を示唆した。一方、陽谷県公安局などは「明慧ネット」記者の電話取材を拒否した。
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| 広州市白雲区戒毒所(麻薬常用者を更生される施設)に収監されていた人が提供した情報によると、同収容所内では、法輪功学習者も多く監禁されている、警官は常に麻薬者に法輪功学習者を暴行するよう命じ、所内の医者はその都度に腹部や、腰、目を殴らないように強調した。「腰を絶対に殴るな、腎臓には大事の用があるからだ」という。一緒に監禁していた東北地区に在住する法輪功の中、青年男性は、ある日連れ出されたが、二度と戻らなかった、地方の法輪功学習者は逮捕され、殺されても、家族が知らないため調べる術もないという。
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| 2006/03/22 大紀元
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| 【大紀元日本3月22日】瀋陽市蘇家屯集中収容所で生きている法輪功学習者から臓器が摘出され、遺体が焼却処分されているというショッキングな事件がこのほど報道されたが、中共政府は3月13日、臓器移植に対する管理を強化するため、全人代で「臓器移植法」を起草中だと発表した。同事件を裏付けるような法案作成に、内外から批判が高まっている。
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| 専門家によると、蘇家屯秘密収容所のことは、中共の上層部が知らないという可能性は極めて低いという。また、当局は法案を起草中だと発表したが、それは国際社会からの非難を避けるためであると分析している。
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| 米国で出版されている中国民主化運動情報月刊誌『北京之春』の編集長で、評論家でもある胡平氏は「非常に驚いた」と述べ、国際赤十字に中国で調査を行うよう呼びかけた。
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| 日本の某報道機関や、駐日本中国大使館が設立した通信会社などに勤務していた中国人ジャーナリストR氏は大紀元の独占取材で、中国瀋陽市蘇家屯に秘密収容所があり、一時期には6000人もの法輪功学習者が監禁されていたと証言した。R氏によると、生きて出所できる者は一人もおらず、収容所には大勢の医師が常駐しているという。
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| 一週間後、同収容所にかつて勤務していた内部関係者は、蘇家屯秘密収容所は実は瀋陽市蘇家屯区雪松路49号にある遼寧省血栓中西医結合医院に設置されていると証言した。
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| この証人の前夫は、2001年から当収容所で、執刀医として生きている法輪功学習者から臓器を摘出していたという。学習者の大部分は腎臓、肝臓、角膜などを摘出された後、焼却された。現在、約2千人の法輪功学習者が監禁されている。彼女は、法輪功学習者からの臓器摘出は未だに行われていると確信している。また、臓器売買から経済利益を得たのはこの病院の上層部だけでなく、中共衛生部関連の官僚たちも絡んでいると指摘した。
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| 米国のコロンビア大学の李天笑博士は、(もし本当であれば)蘇家屯秘密収容所の残酷さは第二次世界大戦時のアウシュビッツ強制収容所を超えていると述べた。あの時、ナチスは毒ガスでユダヤ人を殺戮した後に死体を燃やしたが、中共は生きている人から臓器を摘出後、遺体を焼却処分している。李博士は、正常な人なら、この極悪非道な国家犯罪に、驚かずにはいられないと漏らし、中共にもし、少しでも良心が残っているのであれば、この件を徹底的に調査し、国際社会に結果を公表すべきだと付け加えた。
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| 胡編集長は、赤十字を含めた国際社会が必ず調査に行くべきであり、真相を究明しなければならないと強調した。更に、他にも内情を知る医師がいるはずであり、もっとたくさんの医師が真相を明かすよう呼びかけた。
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| さらに胡編集長は、ブッシュ大統領は訪米を予定している胡錦濤・中国国家主席に対して、中国の人権問題の改善を促すべきだと主張した。
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| 2006/03/17 大紀元
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| 【大紀元日本3月17日】法輪功への集団迫害を調査する国際組織「追査国際」は15日、中国瀋陽市蘇家屯地区にある秘密刑務所で法輪功学習者の臓器を強制摘出し売買する事件の真相の一部を纏めた調査報告書を公表した。そのなかで、瀋陽市蘇家屯地区の人体臓器の闇市場の存在とその詳細を暴露し、中共政権最高指導部は背後の黒幕であることを指摘した。
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| それによると、蘇家屯地区では臓器提供対象とされる法輪功学習者を監禁する大型秘密刑務所、適合検査と臓器摘出する病院、臓器が摘出された後の死体を処分する焼却炉、移植する病院(必ず蘇家屯地区にあると限らない)などが綿密な連携を保って行われているという。
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| 調査報告によると、秘密刑務所は蘇家屯地区の某病院の近くで、すべての施設は地下にあり、防空壕などの地下建築を改築したものである。少なくとも1つの出口は当病院の裏門に設置している。秘密刑務所は外界から完全に遮断され、地上からは状況を把握できない、常に厳戒警備の状態で、地下商店などの生活必需施設も完備している。
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| 6千人以上の法輪功学習者がこの秘密刑務所に監禁されているという。内部情報筋によると、彼らは二度と刑務所から出ることはできないという。臓器移植のタイミングに合わせ、生きたままで臓器が摘出され、遺体は刑務所内の焼却炉で処分される。全過程があまりにも残忍であるため、関与した医療関係者の多くは、睡眠障害、悪夢などの症状に見舞われ、精神状態が異常に陥り、中には風俗に浸りストレスを解消する人や、自殺者も出ているという。被害者の家族は彼らの行方を調べることもできない。全過程において証拠が完全隠ぺいされている。
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| また、同報告書は、この秘密刑務所の設置と運営を中共政権最高指導部が直接かかわり、臓器を移植する軍と地方の病院や遼寧省と瀋陽市の政府高官などは内情を知り尽くしており、側面から運営にかかわっていると指摘した。
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| 「追査国際」はこれからも調査を継続し、段階的に調査結果を公開すると表し、また情報提供を呼びかけると同時に、重要証拠提供者の海外脱出や、亡命申請に協力すると承諾した。(記者・ソーニー)
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| 2006/03/14 大紀元
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| 【大紀元日本3月14日】オーストラリア大紀元時報は3月11日、シドニーで「九評(共産党についての九つの論評)」シンポジウムを開催した。参加者らは、最近暴露された中国蘇家屯での臓器売買事件に強い関心を示し、質疑応答の時間には、白熱の議論が展開された。
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| 参加者からの質問:蘇家屯事件、鳥インフルエンザ事件について、何故主流メディアは報道しないのか?大紀元の報道の信憑性を疑うが
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| 自由主義法学家・袁紅氷氏は、グローバルなウェブサイトおよび新聞が、ある事件をトップニュースで報道した後、72時間が経過すると、米国内の事件の場合、政府当局がまず事実を明らかにすると述べた。もし蘇家屯のような集中収容所が存在しなければ、米政府は報道したメディアに対して責任追及をするだろう。蘇家屯事件の報道が発表されてから既に72時間が経っているが、未だに中共が沈黙を守っているということは、これらの報道内容が事実であると確信できると述べた。
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| 同氏は、SARS発生当時、北京当局がWHOの検査を逃れるために、多くの救急車にSARS患者を乗せて、町中を走り回っていたことに言及した。当時の衛生部長・張文康氏は記者会見で、北京は最も安全であり、北京にSARSは発生しておらず、中国は安全であると発表している。ここまでウソをつく政府に対して、証拠に基づいて原則上有罪であることを確定できると示した。
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| 自由主義法学家・袁紅氷氏(大紀元)
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| 袁氏は、1959年から1961年の間、中国大陸で4000万人が餓死したことについて、中共が対外的には、3年間の自然災害によるものであると言い切ったことに言及した。しかし、当時の気象記録調査によると、その3年間の気候は非常に穏やかだったことが分かっている。小規模の自然災害はあっても、全国的な悪影響には及ばなかったという。実際、多くの人が餓死した原因は、毛沢東が史上最大規模の集中収容所である「人民公社」を建設したからである。袁氏は、今回の蘇家屯事件について、中共が否定しないことは、事実だと断定できると指摘した。
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| 中国問題学者・陳弘シェン博士(大紀元)
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| 中国問題学者・陳弘シェン博士は、大紀元以外の主流英語メディアがじきに報道することは期待できるが、中国語の新聞は報道しないかも知れないと述べた。なぜなら、殆どの中国語新聞社は親中であり、中共の圧力を恐れるためであると分析した。また、陳博士は、SARS発生当時、上海当局は対外的に4人のSARS患者および1人がSARSに似た症例で発見されたと発表したことに言及した。しかし、当時、同氏が中国上海に在住する豪州の友人に電話で尋ねたところ、友人の会社の従業員140人のうち、既に3人が、SARSに似た症状が出ていたという。同氏は、それらの会社は中共の統計対象には入っていなかったのだろうと述べた。
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| 世界平和連盟大使・トレイシー氏(大紀元)
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| 世界平和連盟大使・トレイシー氏によると、第二次世界大戦の終わり頃、米兵がナチス集中収容所へ到達するまで、収容所を暴いたメディア報道はなかったと述べた。しかし、集中収容所は確実に存在し、中で経験した残虐な扱いは、多くの米兵を苦しめた。トレイシー氏は、独裁政権がいかに新聞および情報を厳しく封鎖していることを指摘した。
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| 参加者からの質問:報道の顔写真は何故ぼかすのか?何故大紀元だけが報道しているのか?報道内容の信憑性は?
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| 質問に対し袁紅氷氏は、中国には思想の自由、言論の自由、新聞の自由がなく、情報提供者の身の安全を守る必要性があると述べた。現在中共の刑務所にはまだ多くの政治犯、良心的囚人および思想犯が監禁されており、有名なのは張林氏、師濤氏、鄭怡春氏、楊天水氏などである。最近では、貴州でも、海外で文章を発表したとしてある記者が重刑を科されている。中共は国家テロ主義を極め、民衆の思想および言論の自由を抑圧しているが、大紀元が内幕を暴露する時は、情報提供者の身の安全を考慮し、顔をぼかしていると説明した。
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| また、袁氏は何故大紀元のみ報道しているのかについて、大紀元はニュースをキャッチする能力が他のメディアより優れているからであると述べた。
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| 袁氏はさらに、信憑性について実証すべきであると強調し、ネット上で提案されたように、直ちに国際調査グループを結成し、蘇家屯へ派遣する必要があると述べた。しかし、同氏は、中共が国際調査グループの捜査を受け入れる度胸があるかは疑問であると述べた。(続く)
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| 2006/03/11 大紀元
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| 【大紀元日本3月11日】中国は今、世界最大の臓器売買の闇市場と化している。これまで国際メディアの報道や医療関係者、被害者遺族の証言などにより、刑務所で囚人や法輪功学習者を殺害し、臓器を摘出する真相の一部が暴露されている。米国に逃亡した中国人ジャーナリストR氏の証言によりこのほど、臓器摘出のために法輪功学習者を殺害する大型秘密刑務所の存在が明かされ、ナチスよりも残酷な迫害実態が暴露された。一方、台湾の「明慧ネット」も複数の法輪功学習者が殺された後、臓器摘出された疑いがあると報じた。米国や欧州連合(EU)、国際人権団体なども中共の組織的犯罪行為を厳しく非難している。
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| 中国人ジャーナリストR氏が瀋陽市近郊の蘇家屯地区にある大型秘密刑務所の存在を明かした。この刑務所は非常に辺鄙な所に位置し、周辺は樹木に囲まれているという。同氏が独自の情報ネットワークで入手した内部情報によると、この刑務所の情報が外界に漏れないように、中の施設はすべて長期服役囚により建設された。高い外塀にはワイヤネットの電気柵が綿密に敷かれ、鉄門は閉ざされたままで、出入りする人はほとんどなく、通る車もワゴン車だけである。刑務所の存在が闇に包まれ、外部から完全に遮断されていて、看板も掲げていない。
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| R氏と連携する内部情報筋によれば、この秘密刑務所には東北地区の法輪功学習者約6千人が監禁されている。そのほか死体を処分する焼却炉が設けられ、臓器を摘出する専門医が多く駐留している。法輪功学習者は生きたまま刑務所から出ることがなく、殺害された後、臓器が摘出され、死体は所内で焼却されるという。
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| 周辺地区の住民によると、刑務所の正体を知らずに、周辺あたりには人の気配がなく、毎日煙突から白い煙が見え、非常に不気味な雰囲気が漂うため、住民は恐怖のあまり、ここには近寄らないようにしているという。
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| 別の目撃者の証言によると、蘇家屯地区に通じる道路には、障害物が設置され、車が通れないようにしているという。
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| 一方、瀋陽市一部の私立病院や医療機構の関係者の間では、蘇家屯の秘密刑務所で法輪功学習者の臓器を入手できるとの情報は密かに流れている。しかし、公ではだれも口を固く閉ざしている。
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| 中共政権は法輪功への集団迫害をすでに6年以上続けてきた。全国で数十万人の学習者が監禁され、ナチスよりも残酷な拷問を受けている。江沢民前総書記が指揮する下で、法輪功学習者に対し、「名誉を貶し、経済力を絶ち、肉体を消滅させる」「どんどん拷問をし、死んだら自殺だ」「身元を確認せず、火葬できる」などの政策が政権内部で通達され、6年間大勢の法輪功学習者が謎のままで殺害された。
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| 以下に公表する法輪功学習者の臓器が摘出された疑いがある実例は、台湾の「明慧ネット」で報道されたもので、恐らく氷山の一角にすぎない。
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| 王斌氏(男、享年44歳)は、黒竜江省に在住する法輪功学習者、生前は大慶油田の探査開発研究所のコンピューター・ステーションのソフトエンジニアだった。2000年9月24日大慶市男子労動教養所で警官・?喜などから酷刑拷問を受け死亡した。死後心臓や、脳組織などの臓器が摘出された。
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| 黒龍江省ハルピン市第三火力発電所に勤務する技術者・任鵬武氏(男、享年33歳)は、法輪功の冤罪を訴えるビラを配布したとして、呼蘭区の第2看守所に監禁された。5日後の21日、公安当局は家族に任鵬武氏が死亡したと通告した。遺体の損傷が激しいため、家族は写真撮影しようとしたが、警官に禁止された。その後家族の同意を得ずに、死者ののどから下半身までの臓器は全部摘出され、強制的に火葬した。
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| カク潤娟氏(女、享年28歳)は、広州の柯子嶺の住民だった。 2002年2月25日広州白雲区の警官に違法逮捕され、22日後に旦那さんには同氏が死亡したと通知された。遺体と対面したときに、あまり損傷が激しいため、家族は本人であると確認できなかった。その後、2歳の息子の血液を検査した結果、遺体はカク潤娟であることが断定された。内情を知る人の証言によると、カク潤娟は生前様々の酷刑を受け、さらに黄色い薬物のようなものが大量に鼻から管で強制注入され、激しい嘔吐を繰り返したという。死後警察は家族の了解がないままで、遺体を解剖し、内臓の一部を取り出した。状況から判断すると、薬物の実験台にされた可能性が高い。
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| 楊麗栄氏(女、享年34歳)は、河北省保定の定州市住民だった。法輪功の修練を放棄しないため、毎日警官が自宅に現れ、一家を脅迫と騒乱し続け、さらに高額の罰金が徴収され、本人は3回も洗脳センターに収監された。2002年2月8日夜警官は楊家を違法家宅捜索した。次の日の早朝旦那さんは楊麗栄氏の首を絞め、殺した。当時10歳の息子さんは一部始終を全部目撃した。旦那さんの自首の通報を受け現場に駆けつけた法医学者は、その場で遺体を解剖し、多くの臓器を摘出し、持って行かれた。目撃者の証言によると、臓器から熱気が立ち上り、血は当たりの地面を赤く染めたという。
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| 左志剛氏(男、享年33歳)は、フィリップ駐中国子会社に勤務する電気製品の修理技師で、河北省石家荘市中山路にある瑞光コンピュータ会社に在職していた。2001年5月30日、左氏が結婚する前日に、警官に違法逮捕され、一夜で死亡した。公安当局は首吊り自殺と説明しているが、左氏は身長172センチで、自殺場所とされている刑務所の扉は160センチの高さだった。遺体には激しい損傷があり、背中の腰あたりには2つの正方形の大きな穴が開き、臓器が取り出された模様。遺族は納得しないため、いまだに遺体は火葬されていない。
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| 楊瑞玉氏(女、享年47歳)は、福州市台江区の房産局に在職していた。2001年7月楊氏は仕事場で違法逮捕され、三日後死亡した。遺族と同僚らは遺体に接近することが禁止され、福州市公安局のパトカーに乗せられ、火葬場に運ばれ、火葬された。関係者は死者の腰の後部には拳の大きさの穴が開いていると目撃した。
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| 孫瑞健氏(男、享年29歳)は、武漢体育学院を卒業した後福州市で就職した。2000年11月直訴するために北京に出向かい、公安当局に逮捕された。 12月1日家族は同氏が走行中の列車から飛び降りる際に死亡したと告げられた。最初には、当局は遺体との対面を禁止したが、最後に遺体と会わせたときに、腹部や胸部はすでに解剖されていた。体には拷問を受けた傷跡が鮮明に残っている。
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| 王行塁氏(男、享年35歳)は、山東省臨沂市の燐酸肥料・工場に勤務していた。2001年8月21日、法輪功の冤罪を訴えるスローガンを書いたため、公安当局に逮捕され、16日後に死亡した。死後三日後に、陽谷県公安局は家族に知らせた。内情を知る人は、王氏は酷刑拷問で死亡し、解剖された後、県医院に搬送されたと漏らした。県医院のある医者もこの情報の信憑性を証明し、臓器が取り出された可能性を示唆した。一方、陽谷県公安局などは「明慧ネット」記者の電話取材を拒否した。
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| 広州市白雲区戒毒所(麻薬常用者を更生される施設)に収監されていた人が提供した情報によると、所の中では、法輪功学習者も多く監禁されている、警官は常に麻薬者に法輪功学習者を暴行するよう命じ、所内の医者はその都度に腹部や、腰、目を殴らないように強調した。「腰を絶対に殴るな、腎臓には大事の用があるからだ」という。一緒に監禁していた東北地区に在住する法輪功の中、青年男性は、ある日連れ出されたが、二度と戻らなかった、地方の法輪功学習者は逮捕され、殺されても、家族が知らないため調べる術もないという。
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| 米下院は昨年12月、中共政権の労働改造制度を非難する「労働改造譴責法案」可決した。草案を作成した共和党議員フランク・オルフ氏は、中共政権の囚人を利用した臓器売買を厳しく批判した。米国の労働改造基金会の関係者は「多くの患者が移植を受けるときに、だれもが臓器提供の合法性を考慮していない」と指摘、欧州議会も1998年、中共の臓器摘出事実に震撼、「これは国際基準に照らしても、深刻な人権違反、一種の犯罪行為」と厳しく非難した。(記者・文華、季達)
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| 2006/03/01 大紀元
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| 【大紀元日本3月1日】日本政府は、ここ2年間で、中国で臓器移植手術を受けた日本人7人が死亡したと発表した。26日に発表された報告によると、日本人7人の年齢は30〜50歳で、2004年から今年2月の間に上海、瀋陽、山西で手術後に死亡した。
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| 厚生労働省の研究班は、7人の臓器移植による死亡事故を個別に検証し、来月末に報告書を提出する予定。
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| また、共同通信社2005年12月31日付報道によると、2004年1月から2005年12月の間に、瀋陽、上海、北京3箇所の病院で108人の日本人が手術を受けていた事が明らかとなっている。
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| 中国死刑囚の臓器を移植
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| 中国での臓器移植は日増しに進歩しているが、多くの臓器は死刑囚からの提供であることから、倫理的な問題が指摘されている。
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| 中国遼寧省瀋陽市で臓器移植手術を請け負う「中国国際器官移植支援センター」のデータよると、2004年1月〜2005年12月の間に、移植された臓器のほとんどは死刑執行された人物のものであることわかった。
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| 中国社会の法体制は西洋社会に比べて整っておらず、中国刑務所に収監されている人の中には冤罪や政治犯が多い。刑務所内では看守による虐待で死亡するケースも少なくない。死刑囚の家族は死刑執行に使用する銃弾費を請求され、体の臓器は売買されているといわれている。
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外国人への移植自粛指示、取材拒否も 中国平成18(2006)年02月28日 The Sankei Shimbun
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| 中国国内で日本人を含む外国人に対する臓器移植手術が急増している事態を受け、中国衛生省が各地の移植実施病院に「外国人に対する移植手術を控える」よう自粛を指示する内部通知を文書で出していたことが二十八日分かった。複数の医療関係者が明らかにした。同関係者は、中国ではドナー(臓器提供者)の大半が死刑囚である点など人権上の問題が指摘されていることを挙げ、「中国政府は国際的イメージが悪くなることを懸念している」と述べた。
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| 内部通知は今年一月に出され、「臓器が足りないので、外国人への移植手術は控える」よう要請。さらに、移植に関して(1)外国人記者の取材を拒否(2)取材には許可を必要−とすることも義務付けた。ただ、衛生省は通知で「完全な中止」は求めておらず、各病院では現在も外国人への移植手術が続いている。通知は、外国人への移植手術が実施されている遼寧省瀋陽市や上海市などの大規模病院を対象に出されたもようだ。
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| 中国では二〇〇一年以降、瀋陽や上海などの病院を紹介し、通訳や付き添いで支援する複数のサポート組織を通じて腎臓や肝臓、心臓移植を受けた日本人が百八十人以上に上ることが判明。このうち移植実施が集中した〇四年以降に七人が手術直後に死亡している。
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| 世界中でドナー不足が深刻化する中で、日本のほか、欧米諸国や韓国、インド、イスラエルなど各国の患者が臓器を求めて中国に渡っている。中国当局が外国人を対象にした移植の完全中止に踏み切れば、移植を必要とする患者の間に混乱が生じる可能性が高い。(北京=時事)
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中国当局が調査、規制も 邦人ら対象の臓器移植2006/02/27 中国新聞
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| 【北京27日共同】中国衛生省が、同国内で日本人など外国人への臓器移植が増加していることを踏まえ、移植を行ってきた医療施設を対象に、実態把握のための調査に乗り出したことが27日、分かった。
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| 日本ではドナー(提供者)不足を背景に、安価とされる中国での臓器移植に関心が集まりつつあるが、中国側には「中国人の臓器を外国人に優先的に提供しているとの印象を与えかねない」との懸念があり、同省が何らかの規制に乗り出す可能性もある。中国の医療関係者らが明らかにした。
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| 対象の病院は明らかになっていないが、日本人の移植希望者を多数受け入れている上海の大学付属病院など、複数の医療機関の担当者から事情を聴いているもようだ。 |
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| 2006年01月12日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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| 厚生労働省は11日、2006年度の診療報酬改定で、心臓や肺などの脳死移植について、保険適用する方針を決めた。
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| 1997年の臓器移植法施行後、40例に及ぶ脳死移植が行われ、通常の医療として普及が進んだと判断したため。心臓や肺移植の場合、患者の自己負担とされた250〜300万円にのぼる手術費用も保険給付の対象となることで、患者の経済的負担が軽くなり、移植医療の普及を後押ししそうだ。
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| 同日、厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)で方針が示された。中医協で認められれば、4月から実施される見通し。今回新たに保険適用の方針が示されたのは、心臓や肺、肝臓の脳死移植と、すい臓移植。わが国では、混合診療が原則認められていないが、優れた効果があり、安全性も確認された新しい医療については保険適用までの過渡的措置として、医療費の一部を保険給付の対象とする「高度先進医療」の制度がある。今回、対象となる心臓移植などはいずれも高度先進医療の適用を受けており、移植手術費用を除いた検査や投薬、入院などの費用は保険で賄われていた。
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| 厚労省の試算では、保険適用されると心臓移植の総費用が1か月で1000万円かかった場合、負担が一定額を超えると保険給付が受けられる「高額療養費制度」の適用も受けられるため、患者の自己負担額は約17万円で済むことになるという。臓器移植で保険適用の対象となっていたのは、既に2600件以上行われている生体肝移植のほか、腎臓や角膜移植だけ。
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| 日本移植者協議会の大久保通方(みちかた)理事長の話「保険適用によって、移植医療が日本の医療の中で特殊なものではなくなる。誰もが移植を受けられるようになるべきだと、厚生労働省がメッセージを送ったものだと考える」
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日本人108人が中国で臓器移植 過去2年間、ドナー大半は死刑囚 2005/12/31 The Sankei Shimbun
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| 日本人を主な対象として中国での臓器移植を支援している遼寧省瀋陽市の現地法人「中国国際臓器移植支援センター」は31日、日本人計108人を2004年1月から05年12月までに受け入れ瀋陽、上海、北京の3病院で移植手術を実施したことを明らかにした。ドナー(提供者)のほとんどは死刑囚という。
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| センターのスタッフは約50人で、10人は日本人。日本国内では厚生労働省の許可を得た日本臓器移植ネットワーク以外の組織による臓器あっせんは、臓器移植法に抵触する恐れがあるため、インターネットを通じ、中国での移植に関する情報を日本語で提供している。
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| センター関係者は臓器移植について「これまでに150例前後は行われていると思う」と指摘。多くは末期患者とされ、中国で移植手術を受ける背景には、日本国内のドナー不足があるという。
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| 待機中の臓器移植希望者は日本国内で5人、上海の病院で5、6人ほどいるとしている。
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| 支援センターの話によると、過去2年間で97人に腎移植を行ったほか、9人に肝移植、2人に肝臓と腎臓の同時移植を実施。腎移植の成功率は100%、肝移植は末期状態の患者2人が死亡したが、手術に問題はなかったとしている。
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| 費用は、腎移植が600万―750万円、肝移植が1300万―1800万円など。日本よりも全体的に割高だが、欧米よりも安く、20―30歳代の健康な臓器の提供を受けられるとしている。
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| 中国衛生省は最近、中国国内のドナーについて「大多数が死刑囚」と初めて認めたばかりで、04年に実施された肝移植約2700例、腎移植約6000例のうち95%は死刑囚からの提供とされる。(共同)
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| 2005/12/14 大紀元
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| 【大紀元日本12月14日】中国衛生部はこのほど、中国で現在移植に使用されている臓器の多くが死刑囚から採取したものであることを認め、今後関連法案の改正に取り組む方針を明らかにした。香港星島日報が報じた。
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| 報道によると、中国政府は死刑囚の臓器を採取していることを初めて認め、死体移植(臓器移植の95%)のドナーのほとんどが死刑囚だという。
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| また、中国のある化粧品会社は死刑囚の遺体から採取した皮膚を化粧品の原料として使用し、ヨーロッパに販売しているという。この会社のエージェントの話によると、死刑が執行された死刑囚の遺体から皮膚を取り、コラーゲン蛋白を抽出し、リップとスキンケア用品に使用されているという。
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| 中国の死刑に関する統計は公表されていないが、アムネスティー・インターナショナルの調べによると、2004年の中国における死刑執行件数は、少なくとも3600件。毎年1万件近くの死刑が執行されているとする説もある。
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| 2005/10/29 Gulf Newsドバイ日和
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| 26歳のUAEナショナル、モハメッドは今、自分の内臓を売ろうとしている。腎臓や肝臓に比べて、心臓が最も高く売れるだろう、という。彼は、家族が抱える借金をDh60万(約1,800万円)を返済するまで、内臓を全て売ってもいいと考えている。
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| モハメッドの父親は、1985年にドバイに土地を買うために銀行からDh15万(約450万円)を借りた。さらに、海運事業のためにDh3万(約 90万円)を借りた。その後、父親に土地を売った人が法的な所有者ではなかったことが判明し、まもなく一家はその土地を失った。その後、事業が失敗した。緊急の医療費も必要になり、一家の借金はDh60万に膨らんだ。
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| モハメッドは、友人やインターネット、口コミを通じて臓器を買ってくれる民間団体を探している。買い手が見つかれば、海外に行って臓器を摘出する手術を受けるつもりだという。
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| UAEでは臓器の売買は違法で、国内の外科医は決して売買された臓器を移植に使用しないという。移植目的の腎臓・肝臓・心臓・肺などの臓器の売買は大半の国で禁止されているが、インド、トルコ、イスラエル、中国などでは臓器売買の闇取引が盛んに行われている。
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| 臓器を売る者の多くはひどい貧困に苦しんでいる。彼らは何も売る財産がないため、身体の一部を売るしかないのだ。一番高く売れる心臓を売りたいと強く願うモハメッドを、誰も止めることができない。
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| 一部の地域では公然と臓器売買が行われているというし、貧しい地域では一生に稼ぐ金額よりも高値で臓器が売れることもあるらしい。しかし、繁栄した国でもこのように、臓器を売るほどまで深刻な貧しさに苦しむ人がいることは衝撃的である。臓器を売るよりも他に、もっと健全で地道な方法もあるとは思うのだが・・・。
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| 2005/09/15 大紀元
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| 【大紀元日本9月15日】英国紙「ガーディアン」の報道によると、中国の化粧品会社が処刑された死刑囚の皮膚を利用して化粧品を開発し、香港経由で欧米に向けて輸出している。また、堕胎された胎児の組織からコラーゲンを製造する研究も進めているという。
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| 同紙によれば、記者が香港の業者を装い、ある中国化粧品会社の代理店と接触した。会社の名前は明らかにされていないが、黒龍江省を拠点に、全国各地に工場を設けている会社だという。代理店はおとりの記者に対し、「中国で処刑された死刑囚の皮膚から、唇や肌のしわ治療に有効なコラーゲンを開発している。製品の一部はすでにアメリカや、英国と欧州に輸出された」と語り、「死刑囚の皮膚は以前から使用してきた。中国では日常茶飯事だ。以前はもっと安かった。裁判所にも上納金を納めているし、政府からは控えめに進行するよう指導された。決して驚くべきことではない」と記者に強調した。
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| この代理店からの情報によると、この化粧品会社は死刑囚や胎児の皮膚を利用して、様々な研究を行っている。皮膚は黒龍江省のバイオテクノロジー関係の企業から仕入れ、中国国内のほかの地区で研究開発しているという。
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| 問題のコラーゲン化粧品の流通経路や販売状況などについてはまだ把握できていない。中国での関連開発の進行状況も不明だという。
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| 中国死刑囚数は、全世界の合計の9割強を占める
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| 中国で処刑される死刑囚の数は、他の国の合計よりも多い。昨年世界で執行された5500件近い死刑のうち、約5000件は中国で行われたとの集計結果もある。
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| 中国での死刑執行は、見せしめ効果以外に、死刑囚の体はまさに宝の山である、全身の臓器が摘出され、裏売買されているという。2001年6月米国へ亡命した天津武装警察医院の王国齊(音訳)医師は、アメリカ議会で証言したことによれば、処刑場や火葬場で、銃殺処刑されたばかりの死刑囚から皮膚や目の角膜を摘出したことを100回以上経験してきたという。時に死者の心臓がまた鼓動しているのに、摘出が行われたこともあると明かした。
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| 1998年、欧州議会は中国共産党のこの野蛮な行動に対し、関連決議を通過させ、「これは犯罪行為である。国際社会の犯罪者の人権を尊重する保護規定や、身体の不可侵条例に厳重違反している」と強く非難した。
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| 問題のコラーゲン化粧品による感染の危険性
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| コラーゲンは皮膚や骨、軟骨などの結合組織を構造する繊維性たんぱく質。今回のようなケースは倫理上の問題だけではなく、感染の危険性も指摘されている。欧米ではコラーゲンを原料とする化粧品の販売が禁止されておらず、医学界と政治家らは、この問題に懸念を示している。
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| 皮膚科専門医の香港医学会副会長・史泰祖氏は、「本来コラーゲン成分は、主に牛から採取されていたが、狂牛病問題で、植物から採取するようになった。死刑囚の遺体からコラーゲンを採取する手法は、道徳倫理上と衛生安全問題上では受けがたいことだ。血液も同様だが(中国では血液が売買されている)、人間の体と臓器まで商品化されると、大きな社会問題を引き起こす」と怒りをあらわにした。
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| 2005.09.12 中央日報パク・ソンウ記者
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| ソウル警察庁捜査科は臓器売買をあっせんして巨額を受け取った疑い(臓器など移植に関する法律違反)でユン某氏(47)らブローカー2人と前職看護師のシン某氏(44)ら3人を拘束したと11日、明らかにした。
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| 警察はまた、彼らから金を受け取り、臓器を売買したチェ氏(38)ら臓器売買者45人を書類送検した。
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| 法的に臓器寄贈は「純粋無償寄贈」のみ可能で、有償は禁止されている。
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| 警察によるとブローカーのユン氏らは全国の駅やバスターミナルのトイレに臓器売買広告ステッカーを貼り、2001年11月、これを見て連絡したパク氏(32)の腎臓をユン某氏(62)にあっせんし、3千万ウォン(約320万円)を受け取るなど54人に腎臓売買をあっせんし6億5千万ウォンを受け取った疑いだ。
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| 2005/03/27 The Sankei Shimbun 東京朝刊から
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| 「今の日本の法律や移植システムに殺されるのは納得できない。だから自己責任で決断した」。中国・広州市の「クリフォード病院」が日本の患者への腎臓移植に向けた窓口開設を計画している問題で、昨年夏に中国に渡り、この病院で移植を受けた40歳代の男性が産経新聞の取材に応じ、心情を語った。死刑囚の人権問題を指摘する声もあるが、5年間ドナーを待ち続け、体力の限界で下した決断だったという。一問一答は次の通り。
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| −−いつクリフォード病院で移植を受けたのか
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| 「仕事を片付けて昨年7月に中国に渡り、8月に手術を受けた」
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| −−どうやってクリフォード病院を知ったのか
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| 「クリフォード病院の日本支部設立を推し進めている日本クリニックが作ったパンフレットで知った」
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| −−死刑囚を臓器提供者にする「死刑囚ドナー」をどう思うか
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| 「クリフォード病院は、腎臓を提供してくれたドナーについては一切、答えない。だから死刑囚かどうかは分からない。だが、中国の法律で裏付けられたドナーであることは間違いない」
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| −−死刑囚の人権問題を主張する声もあるが
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| 「中国の法律に抵触する行為ではないので、日本人や日本の政府がとやかく言う問題ではないと思う」
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| −−それでもかなりの決断がいったでしょう
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| 「5年間、ドナーを待った末の決断だった。ただ、ひたすらドナーを待つより、一度にきっちりと決めた方がいいと考えた。その国の法律に違反してまで腎臓の提供は受けたくはないが、違反でなければ、自己責任でやればいい」
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| −−5年間の透析生活も大変だったでしょう
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| 「長い透析生活で、精神的にも肉体的にも限界に来ていた。もし、半年か1年、移植が延びていたら、透析の合併症で移植手術に耐えられない体になっていた。そうなっても、国は面倒をみてくれない。この気持ちは私のような病気(慢性腎不全)になった人でなくては分からない」
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| −−日本の臓器移植法や移植システムについてはどう思うか
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| 「はっきり言って、今の移植法は私たち患者を守ってはくれない。このままでは週4、5回、1日4時間も人工腎臓(透析装置)につながれる患者を増やすだけだ。倫理観がどうのこうのと言っても始まらない」
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| −−かなりの費用がかかったようですが
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| 「治療行為やその他の費用として支払った。お金を出したからと言って臓器売買には当たらないし、その意識も全くない」
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| −−クリフォード病院を選んだ理由は
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| 「腎移植にかなりの経験のある医者がいたし、病院のセキュリティーもしっかりしていたので」
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| −−移植はどのように進められたのか
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| 「透析の合併症を改善しないと手術できないと言われ、入院してから移植するまでは、肺や心臓の精密検査を行い、肺結核とがんも徹底的に調べた。同時に中薬(中国伝来の薬)で体質を改善し、体力も付けた」
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| −−どのくらいでドナーが現れたのか
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| 「2週間経過した時点で、一度、ドナー情報があったが、適合性の問題からパス。その1週間後、適合率90%のドナーが現れ、移植手術に踏み切った。最初に3週間かかると説明された通りになった。クリフォード病院は、腎臓が回ってくる優先順位が高い」
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| −−移植を受けた感想は
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| 「尿が出る喜びを知った。人生観も変わった」
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| <「日本クリニック」> 中国系米国人によって1992年に米国で設立された。米国内に日本人向けの8カ所の診療所(シカゴ、アトランタ、サンディエゴなど)を持ち、独立採算経営のもとに医療ネットワークを結んでいる。総スタッフ50人(うち医師20人)で、日本人、あるいは日本語が話せる米国人や中国人らが医師として勤務する。 |
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| 2005/03/27 The Sankei Shimbun 東京朝刊から
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| 中国の病院が、日本に支部(事務所)を開設して日本人の腎臓病患者(レシピエント)に情報を提供し、中国で腎臓移植手術を行う計画を進めていることが、関係者の話で分かった。腎臓を提供してくれるドナーが見つからず、長年、人工腎臓(透析装置)で透析治療を続けている患者にとって選択肢が増える。しかし、中国のドナーは死刑囚といわれ、日本臓器移植ネットワークを介した善意のドナーとは違うだけに大きな波紋を呼びそうだ。
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| 関係者によると、日本に支部を出す計画を進めているのは、カナダ系華僑が経営する中国広東省広州市の「クリフォード病院」。二〇〇三年に中国政府から腎移植手術ができる「腎臓移植医療項目技術準入」に認可され、中国臓器提供センターから腎臓を譲り受け、年間、中国全体の腎移植(年間、五千件)の4%に当たる二百件の腎移植を行っている。
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| クリフォード病院は、早ければ今年夏にも、東京都台東区秋葉原に支部となる事務所を置く計画で、現在、事務所の設置費、運営費、人件費の見積もりを詰めている。昨年の六月と七月には、四十歳代男性と六十歳代女性の日本人患者が、中国に渡ってクリフォード病院に入院して腎移植手術を受け、成功して帰国している。
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| クリフォード病院の日本進出を推し進めているのが、米国内に八つの診療所を持ち、日本人の駐在員や旅行者らを対象に治療行為を行っている米国の「日本クリニック」。中国の臓器移植は、技術面や衛生面で問題のある病院が多いと指摘されているため、平成十五年七月から半年かけ、この日本クリニックの日本人スタッフが、クリフォード病院について、腎臓の入手方法や手術内容を詳しく調査した。その結果、スタッフや設備、技術の水準は高く、問題なく、腎移植手術ができることが判明した。
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| 日本クリニックはすでに、年間、五十人の日本人が、腎移植手術を受けられる枠をクリフォード病院と結んでいる。中国人だと、二百万円前後だが、日本人がクリフォード病院で腎移植を受ける費用は、渡航費や入院費、通訳料などすべて含んで八百万円から九百万円かかる。
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| 入院は手術前と後を合わせ、平均六十日というが、HLA(白血球の型)や血液型の合ったドナーが見つかるまでに一週間から四週間はかかる。
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| 百パーセントの生着率(移植した臓器が機能して移植手術が成功する率)を確保するため、ドナーを三十歳代から二十歳代という若い人に限定。しかも腎臓は摘出後、十二時間以内でレシピエントに移植される。
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| ◇
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| ≪波紋呼ぶ「死刑囚ドナー」≫
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| 問題は「臓器売買」と並んで批判される死刑囚をドナー(臓器提供者)にする「死刑囚ドナー」をどう考えるかだ。
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| 一九九八年六月、米連邦議会の下院公聴会で、中国の「死刑囚ドナー」の実態について証言した岡山大の粟屋剛教授(生命倫理)によれば、中国では最高人民法院などの規定で、死刑囚から臓器を取り出して患者に植え付けることが認められ、一説では、移植される臓器の九割以上が、死刑囚からの摘出とまで言われる。
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| 粟屋教授は九五年から九七年にかけ、計五回、中国で現地調査を行い、入手した資料やリポートをもとに論文や著書を発表している。
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| 粟屋教授によると、中国では一般人からの臓器提供はほとんどなく、「死刑囚ドナー」のメリットは(1)多くの死刑囚は若く、健康(2)麻薬歴や肝炎、HIVの事前チェックができる(3)あらかじめ死亡の日時や場所が分かり、移植を受けるレシピエントの選定や待機が簡単−があげられている。粟屋教授は「ドナーの需要が、死刑執行数を増加させ、毎年、銃殺や薬物注射によって数千件の死刑が行われているとのリポートもある」とも語る。
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| 「死刑囚ドナー」を正当化する根拠が、「死刑囚は死ぬ。だが、死刑囚の臓器によって助かる患者がいる。死刑囚は社会に害悪を及ぼしたから、臓器提供は、最後の社会への償いだ」という実利主義で、中国政府は「死刑囚やその家族の同意があれば問題ない」としている。
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| しかし、粟屋教授は「同意がきちんと得られているかは分からない。死刑囚は特殊な状況下にいるので、自由な同意を得られず、同意が得られたと言っても人権上の問題はなくならない」と指摘する。
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| ただ、昨年一年間に日本で腎臓を移植できた患者数は、日本臓器移植ネットワークに登録された腎移植希望患者数のたった7%に過ぎない。脳死移植に至っては、三十六件しか行われていない。
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| 移植件数の少ない日本の現状から判断すれば、「医療技術のしっかりした中国の病院での腎移植は、歓迎できる」と肯定する患者関係者もいる。
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| それだけに「死刑囚ドナー」の是非は、最後は患者自身が判断するしかないのかもしれない。(木村良一)
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| 【クリフォード病院】2002年9月、新興住宅街の中に広州中医薬大学との医療提携で設立された総合病院。中国名は「祈福医院」。240床。総スタッフ500人。一般病棟は地上20階(地下1階)建て。西洋医学をベースに、中薬(中国伝来の薬)を用いた中医学を導入。03年12月、病院のランク付けを審査する米国の医療施設認定合同機構(JCAHO)傘下の「ジョイント・コミッション・インターナショナル(JCI)」から認定を受けた。
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| 2002年08月16日 Yomiuri On-Line
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| 【ワシントン15日=館林牧子】死後提供された人体組織を移植用に加工する米国最大の会社「クライオライフ」に対し、米食品医薬品局(FDA)は14日、人体組織が細菌感染している危険があるとして、出荷した組織の一部回収を命じた。同社は日本にも輸出しており、厚生労働省は医療機関に注意するよう呼びかけている。回収命令の対象は、昨年10月3日以降に取り出した軟骨、じん帯、腱(けん)などの軟組織。
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| FDAによると、同社の軟組織を移植し、ひざの外科手術などを受けた患者27人が重い感染症を発症、1人が死亡。死亡した患者と、同社が保管していた組織提供者の遺体から同じ細菌が検出された。心臓弁を移植された患者にも感染症による死者が出ている。
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| FDAと疾病対策センター(CDC)が立ち入り調査したところ、同社はFDAの定める感染症予防対策を怠っていたことが判明。感染源となった提供者の遺体は、死後19時間、冷蔵されないまま放置されていた。
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| 日本では、臓器移植と違い、組織移植には法規制がない。人体組織は医師が個人輸入しており、実態は不明だ。関係者によると、同社から少なくとも心臓弁と血管が年間20―30点輸入されているという。
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子供の臓器売買発覚 英リバプールの小児専門病院2001.01.27【ロンドン26日=共同】The sankei Shimbun
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| 英国リバプールの小児専門病院で、手術中に摘出した臓器を病院側が保護者に無断で製薬会社に“売却”していたことが分かり、保健当局が調査を進めている。
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| この病院は一九九一年から九三年の間、心臓手術の際に摘出した胸腺(せん)を製薬会社に提供、見返りに金銭を受け取っていた。胸腺は免疫に関する重要なリンパ性器官で「新薬などの研究」に使われたという。
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| 保護者は手術の同意書には署名していたが、臓器の譲渡は知らされていなかった。病院側は、提供件数や、受け取った謝礼の額は明らかにしていない。
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| 病院内では、摘出したはずの胸腺が手術後に不明になることが相次ぎ、「ひそかに売却しているのではないか」とうわさになっていた。
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| 病院側は製薬会社名の公表を拒否しているが、英メディアによると、フランスの製薬会社アベンティスの子会社アベンティス・パスツールとみられる。
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| 英国では複数の病院が死亡した患者から無断で臓器を摘出、大量に保存していたことが発覚して問題になっている。しかし手術で摘出した臓器の売買が発覚したのは初めてで、フットン保健担当閣外相は「恐るべき事実であり、なるべく早く真相を究明すべきだ」と語っている。
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臓器売るため連続殺人、女医と夫を逮捕 ウズベキスタン2001.01.06 asahi.com
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| 5日のインタファクス通信によると、ウズベキスタンのブハラで、女性外科医とその夫の大学教授が大量連続殺人と臓器密売の疑いで検察当局に逮捕された。夫婦の自宅近くから5人分の遺体の断片が埋められているのが発見された。
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| 調べによると、夫婦は旅行会社を設立し、海外移住の手助けをすると称して顧客を募集。1件あたり約200ドルを徴収した上、その顧客を殺害し、臓器を密売していた。臓器は主に、モスクワから来た客に売っていたという。
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| 家宅捜索では60人分以上のパスポートと多額の現金が見つかっており、殺害された犠牲者の数はさらに膨らむと見られている。
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ジャンボ鶴田さんが死去2000年05月16日 共同
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| 全日本プロレスのエースとして活躍した元プロレスラーのジャンボ鶴田(じゃんぼ・つるた=本名鶴田友美=つるた・ともみ)さんが13日午後5時(現地時間午後4時)、マニラ首都圏ケソン市の国立腎臓(じんぞう)研究所で肝臓移植手術を受け大量出血に伴うショック症状で死去した。49歳だった。
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「バングラで腎臓移植受けられる」詐欺容疑で業者を告訴January 28, 2000
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| バングラデシュで腎臓移植手術を受けられる、と持ちかけられ手術費用などをだまし取られたなどとして、腎臓病患者4人が28日午前、東京都世田谷区の医療器具販売会社「コスモメディカル」の実質的経営者(66)ら6人について詐欺と業務上横領の疑いで警視庁に告訴状を提出した。
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| 告訴状などによると、この経営者らは1996年ごろ、東京都内の男性(34)ら患者4人に「バングラデシュで腎移植が可能だ」「ドナー(提供者)が見つかったので契約金を振り込んでほしい」などとうそをつき、手術費用などとして計約4700万円をだまし取るなどした、とされる。
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| 経営者はテレビ番組に出演し、「バングラデシュで手術ができる」などと発言したため、手術を希望する患者の問い合わせが相次いだという。同社は13人から1億5000万円以上を受け取っているが、いずれも手術は行われておらず、うち4人に計約3600万円しか返金していない。ただ、13人とは別に手術を受けた患者が1人いるという。
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生活苦で腎臓「安売り」1999年12月23日 共同通信社
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| 1990年のクウェート侵攻以来、長期の国連制裁などで経済苦境が続くイラクの首都バグダッドが中東の「腎臓市場」と化している。生活苦から腎臓を移植用に提供して生活費に充てる市民が増えたため。中東各地の患者らが、安価な腎臓を目当てに遠路を続々とイラク入りしている。移植希望の患者家族らによると、イラクでの腎臓移植費用は手術・入院費を入れても7000〜8000ドル(70〜82万円)。
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まん延する臓器売買 1999年11月05日 【ワシントン共同通信社】
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| 移植医療の普及に伴って世界の貧困地域を中心にまん延する腎臓(じんぞう)などの臓器売買を監視する組織「臓器監視(オーガンズ・ウオッチ)」を米国の研究者らが8日、発足させる。売買の実例を集め、各国内や国際間の売買を禁止する運動に役立てる目的だ。
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海外での腎移植持ちかけ1300万円詐取 元業者を逮捕October 09, 1999
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| フィリピンでの生体腎移植手術を持ちかけ、患者から約1300万円をだまし取ったとして、大阪府警国際捜査課と淀川署は9日、大阪府摂津市別府2丁目、元臓器移植あっせん業、安楽克義容疑者(41)を詐欺の疑いで逮捕した。安楽容疑者にはこの患者以外にも、4人から計約6000万円をだまし取った疑いがあり、府警は裏付けを進める方針。
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| 調べによると、安楽容疑者は1997年3月ごろ、神戸市内の男性患者(55)に対し、「臓器移植法が成立すれば海外での生体腎移植手術が難しくなる」などと説明し、フィリピン・ケソン市の病院での生体腎移植手術のあっせんを持ちかけ、あっせん料として受け取った約1300万円をだまし取った疑い。安楽容疑者は手術予定日の6月を過ぎても「執刀する予定の医師の都合がつかない」などとうそをついて手術を再三、延期。8月下旬ごろ大阪市淀川区の事務所を閉鎖し、患者との連絡そのものを絶っていた。
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| 安楽容疑者は96年10月ごろ、フィリピン人ドナー(臓器提供者)に謝礼を払って確保した腎臓を、現地の病院で日本人患者に移植するためのあっせん会社「KSネットワーク」を大阪市内に設立。1部上場企業約450社の厚生部門にダイレクトメールを送り、1人当たり1200万―1800万円のあっせん料で患者を募集していた。
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| 97年10月に施行された現行の臓器移植法は、営利目的での臓器の提供、あっせんを禁じている。しかし、ネットワーク社が設立された当時は明確な規定が整備されていなかった。大阪府は、安楽容疑者の事業に対し、「法施行をにらんだ悪質な駆け込み勧誘」にあたるとして中止を再三、指導していた。
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| 関係者によると、安楽容疑者はネットワーク社設立前の96年1月から97年4月にかけて、静岡県のスーパー経営者や北海道の会社員ら4人から約1億4000万円を受け取り、フィリピンでの手術を実際にあっせんしていた。しかし、今回の患者も含めた計5人については、あっせん料を受け取ったままにしていた。府警には、患者らから「だまされた」という届けが出されていた。
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