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[25124] [習作]英雄伝説(軌跡シリーズ) ~闇夜の英雄達~ (クロス元 幻燐の姫将軍)
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/30 15:23
ついにやってしまった^^幻燐の姫将軍と書いてますが実際はVERITA後の話しです。基本幻燐側しか出す気がないので戦女神キャラを期待している方は諦めて下さい……
また、にじファンにも同じものがあります。



かつて、二つの世界が融合して誕生したディル=リフィーナ。
数ある大陸の中でもディル=リフィーナで2番目に大きい大陸、ラウルバーシュ大陸のアヴァタール地方
で邪竜復活による大きな戦いが起きた。戦いは多くの犠牲を出したが神殺しと半魔人とその使徒や
仲間たちによって邪竜は倒された。

そしてそれぞれが違う道を歩み始めた中で半魔人でありレスペレント地方を収める国、メンフィル帝国の
初代皇帝リウイ・マーシルンは亡き愛妻、正妃イリーナの魂を求めて息子シルヴァンに国を任せ、信頼ある仲間と旅に出ていたが、
メンフィルを飛び出した孫娘、第一皇女リフィアとリフィアに連れ出されたメンフィルの客人、魔神エヴリーヌを捕まえメンフィルに
戻し、また仲間と共に旅に出ようとした時リウイの最も信頼する家臣の一人であり混沌の女神、アーライナの神格者
ペテレーネ・セラの体調が崩れ、診察をした所なんとリウイの子供を身籠っていたのだ。これを知ったリウイは一時旅に出るのを中断したのだ。そんなある日………



後書き
紹介程度に書いたのですっごく短いです。更新は基本焔の軌跡を優先するのでかなり遅いと思いますのであまり期待しないで読んで下さい。



[25124] 第1話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/28 18:38
~メンフィル王都・ミルス城内~

新兵達の演習につきあったリウイはある部屋に向かい、ドアの前に立ちノックした。
コンコン
「はい、どちら様でしょう?」
「俺だ、入ってもいいか?」
「ご主人様!?どうぞ!」
ドアの中から慌てた声が返され、リウイは相変わらずだと苦笑し部屋に入った。
そこにはお茶の用意をしようとしているペテレーネの姿があった。
「あ、ご主人様。今、お茶の用意を致しますので少々お待ち下さい。」
その様子を見てリウイは呆れた。
「ペテレーネ……お前はもうすぐ子を産む身なのだから無理はするな。」
「ですが、折角ご主人様に来ていただいたのに何も御出ししない訳には……」
「構わん。これは命令だ。今はその身を大事にしろ。」
「ご主人様……ありがとうございます。」
リウイの言葉にペテレーネは顔を赤くし、椅子にすわり、リウイも椅子に座った。
そしてリウイはペテレーネを見、体の調子を尋ねた。

「どうだ、体の調子は。」
「はい、今は大丈夫です。でもときどき赤ちゃんがお腹を蹴るんですよ。ふふ、早く出してくれって言っているみたいです。」
「そうか……元気な子が生まれればいいな……」
「はい……」
ペテレーネはリウイの問いに答えた後、暗い顔をした。

「どうした、そのような暗い顔をして。」
「はい……リフィア様達を国に戻しこれからイリーナ様をお探しする矢先に私がこのようになってしまって、ご主人様の旅を中断してしまい申し訳ないんです。」
「そのことか……前にも言ったが気にするな。イリーナを探す旅はあてのない旅になるからな。数年中断した所で支障はでん。」
「ですが……」
「くどい。それともお前は俺の子を産みたくないのか?」
「そんな!私にとってご主人様の子供を授かるなんてこの上なく幸せなことです!」
リウイの言葉をペテレーネは慌てて否定した。

「ならばいいではないか。以前にも言ったが子供は多いほうがいい。それも信頼ある女性のなら尚更だ。」
「ご主人様………」
「それにイリーナがもし、これを知ったら間違いなくお前についてろと言うはずだ。だから今は安静にして
元気な子を産め。」
「ご主人様……はい、絶対に元気な子を産んでみせます!」
リウイの言葉にペテレーネは笑顔で答え、そんなペテレーネを見てリウイは笑みを浮かべた。そしてそこにほかの来客が現れた。

「は~い、ペテレーネ!元気?」
「全くあなたときたらいつも騒々しい……少しはペテレーネの性格を見習えないのかしら?」
元気よく部屋に入って来たのはリフィアの祖母で、リウイの幼馴染であり側室の一人であり、上位悪魔と睡魔族を両親に持つ闇剣士カーリアンと、その後から入って来たのはリウイの最も信頼する家臣の一人であり、飛天魔族のメンフィル大将軍ファーミシルスだった。

「なによ~いちいち五月蠅いわね~やるっていうの~?」
「私は当然の事を言ったまでよ。あなたがかかって来るならいつでも相手になるわよ?」
二人はどんどん険悪になり武器を構え始めた。それを見たリウイはいつものように2人を叱りつけた。
「いい加減にしろ、お前達。腹の子に悪影響だろうが。」
「申し訳御座いません、リウイ様。」
「ふう、今日のところはお腹の子に免じて収めてあげるわ。」
リウイの言葉に2人は武器を収めたが相変わらずお互いを牽制していた。それを見たリウイは相変わらずの様子に
溜息をついた。

そしてカーリアンはペテレーネに話しかけた。
「よかったわね、ペテレーネ。あなたずっとリウイの子供が欲しかったんでしょ。私、ずっと傍にいたあなたを出しぬいてちょっと悪く思っていたのよね。」
「そんな!恐れ多いです!私はカーリアン様なら素晴らしいお子様を産むと思っていましたし、そのお陰でリフィア様がいるではないですか。」
「ありがとう、ペテレーネ。」
カーリアンの言葉にペテレーネは慌てて否定した。そしてファーミシルスの方へ顔を向け申し訳ないような顔をした。

「それより、ファーミシルス様より早く子供を授かって申し訳ないです………」
「あら、気にしなくていいわ。幼い頃よりずっとリウイ様の傍にいたあなたなら私より早く産んで当然だと思っているわ。」
「ですが、私のような力不足の者が………」
「ペテレーネ、私はあなたを弱者だと思ったことはないわ。リウイ様のためだけに神格者にまで登りつめたその忠誠心、
魔術の力は私を超えていると言っていいわ。もっと自分の力を誇りなさい。そしてリウイ様のためにも元気な子を産みなさい。」
「ファーミシルスの言うとおりだ。プリゾアもあの世できっとお前を誇りに思っているだろう。」
「ファーミシルス様、ご主人様……ありがとうございます!」
ファーミシルスからの思いがけない励ましにペテレーネは自信を持った。
そこにさらに来客が来た。

「元気であるか、ペテレーネよ!」
「……気持ちよく寝てたのに………」
一人はリウイとカーリアンの孫であり、次期メンフィル皇帝第一候補である第一皇女リフィアともう一人は
姫神フェミリンスと戦うために太古の魔術師ブレア―ドより召喚された魔神の一柱、深凌の楔魔第五位のエヴリーヌだった。

「リフィア……もう少し静かに入室できないのか。それにエヴリーヌを無理やり起してくる必要はないだろう……」
リウイは相変わらずの孫の様子を見て呆れた。
「せっかく余の新たな妹か弟ができるのに大人しく入って来れるものか。それにエヴリーヌにとっても妹か弟になるのだから
連れて来て当然であろう!」
リウイの問いをリフィアは一蹴した。

「妹か弟って……カミ―リが産むわけじゃないんだから、正確にはあんたは叔母になるんじゃないの?」
カーリアンはリフィアから普段、婆と言われてた分、ついにリフィアが叔母と呼ばれるようになったのに気付き
ニヤついた。
「何を言っておる!生まれてくる子が伯父か叔母になるのじゃぞ?全くこれだからカーリアン婆は……」
「だ~れが婆ですって~!!」
「い、痛い、痛い!痛いのじゃ~!!離すのじゃ~~!!」
婆と言われ怒ったカーリアンはすかさずリフィアの後ろにまわりリフィアの頭を拳でグリグリし、それをされた
リフィアは呻いた。
「そのぐらいにしてやれ、リフィアも新たな命に興奮してるだけだろう。」
「もう、リウイったら。相っ変わらずリフィアには甘いわね!」
リウイに諭されカーリアンは文句を言いつつリフィアを離した。

「ハアハア、死ぬかと思ったのじゃ。リウイ、大好き!」
「これに懲りたらもう少しカーリアンを親切にしてやれ……」
「うん、わかった!」
リウイの言葉にリフィアは笑顔で答えた。
そしてリフィアはエヴリーヌといっしょにペテレーネに近寄った。

「ここに余とエヴリーヌの新たな兄妹がおるのか……不思議じゃの。」
リフィアはペテレーネのお腹をマジマジと見、興味深そうに見た。
「お2人ともさわってみますか?」
「よいのか?」
「はい、お2人でしたら赤ちゃんも喜ぶでしょうし。」
珍しく恐る恐る聞いたリフィアにペテレーネは笑顔で答えた。

「そうか、では早速……おお!かすかだが動いておるぞ!エヴリーヌも触ってみるが良い!」
リフィアはペテレーネのお腹に触り驚いた。
「ん……わあ、動いている……生きているの?」
「ええ、生きていますよ。この子が生まれたらエヴリーヌ様も姉になりますね。」
ペテレーネのお腹に触って驚いているエヴリーヌに優しく言った。
「エヴリーヌがお姉ちゃん……ふふ、楽しみ………早く産んで元気になって……いつも作るお菓子も楽しみだから……」
「ええ、その時はまた作らせていただきます。」

さまざまな人から祝福されペテレーネは幸せを感じ、また仲間もそれぞれ新たな命が産まれる時を待っていた……




後書き なんかペテレーネを凄く贔屓してしまった気分です……エヴリーヌやリフィアの口調がおかしくないかちょっと心配です……



[25124] 第2話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/28 22:01
~メンフィル王都・ミルス城内~

月日が経ちついに、ペテレーネはリウイの子を産んだ。
「ペテレーネ、無事か!」
お産の時部屋の外で待たされたリウイは新たな命の泣き声が聞こえるとすぐに部屋に入った。
そこには幸せそうな顔で赤ん坊を抱いているペテレーネとそれを優しく見守っているカーリアンの姿があった。
「リウイ、少しは落ち着きなさい。全くあなたったら子供が生まれるといつもそうなんだから……」
「ご主人様……はい、見ての通り無事です。それより見て下さい、この子がご主人様の子です……」

慌てている様子のリウイを見てカーリアンは呆れた。
そしてペテレーネは抱いていた子をリウイに見せた。
「仕方がなかろう。それよりこの子か……ほう……元気な子だ……それに魔力もリフィアに負けず劣らずあるようだな……きっと素晴らしい子に成長するだろう。性別はどっちだ?」
リウイは抱いていた子を渡されその子供の魔力を感じ取り驚いた。
「はい、女の子になります。」
「そうか……リフィアがいる以上恐らくこの子は王位継承者にはなれないが、正式な皇女扱いにはするから安心しておけ。」
「そんな!私はご主人様の子を授かれただけでも嬉しいのにそこまで気にして頂けるなんて……本当にありがとうございます!」
ペテレーネはリウイの優しさを感じ感謝した。

そしてリウイはある事に気付き、ある提案をペテレーネにした。
「ペテレーネ、いつまでもその呼び方はやめてはどうだ?」
「え、呼び方といいますと……?」
「その“ご主人様”だ。子供が産まれた以上その呼び方もおかしかろう。」
「え………でもご主人様はご主人様ですし……」
ペテレーネはリウイからの突然の提案に戸惑った。
「子供にとって父と母がお互い呼び合うのにはおかしかろう。お前ならば俺を呼び捨てにしてもいいのだぞ?」
「あら、それなら私も呼び捨てにしていいわよ?お互いリウイの子を産んだし、私とあなたは長年の仲間じゃない。」
「そんな!お2人を呼び捨てにするなんて恐れ多いです!その……せめて名前でしたら……」
ペテレーネは2人の提案に恐縮し、その後小さな声で呟いた。

それを見てカーリアンは感心し、リウイは笑みを浮かべた。
「あなたって本当遠慮気味ねえ……」
「ならばこれからは俺の事も名前で呼べ。これは命令だ。」
「はい、わかりました……その……リ、リウイ様……」
ペテレーネは恥ずかしげにリウイの名前を呼んだ。それを聞きリウイは笑みを浮かべた。

そしてカーリアンがある事に気付いた。
「そういえばその子の名前はどうするの?」
「ふむ……名か。ペテレーネ、お前がつけていいぞ。」
「え、私がですか!?よろしいのでしょうか?」
ペテレーネはリウイの言葉に驚いた。
「構わん。お前が産んだのだから当然だ。シルヴァンの時は俺がつけたがほかの子はその子の母につけさせたしな。」
「わかりました………では、プリネというのはどうでしょう?」
ペテレーネは少し考え子供の名を言った。

「プリネ……珍しい名だな。どこからその名が出た?」
リウイは新たな子の名を聞きペテレーネに名の由来を聞いた。
「はい、プリゾア様の名前から頂いた名です。私にとってあの方はもう一人の母親のような方でしたから……女の子が生まれたらこの名前にしようかなとずっと思っていたんです。」
「なるほどな……わかった、今日からこの子は「プリネ・マーシルン」だ。ペテレーネ、お前もマーシルンを名乗ってもいいぞ?」
「いえ、お気持ちはありがたいのですがそれだけはできません。リウイ様の妃でその名を名乗っていいのはイリーナ様だけであると私は思っていますから。」
「そうか……」
「そうね……ペテレーネの言うとおりだわ。」
王族の名を名乗っていいと言われたにも関わらずそれを断り、その断った理由を知り
ペテレーネのその忠誠心にリウイは感心し、またカーリアンもその言葉に賛成した。

「ペテレーネ!産まれたそうじゃの!余の新たな妹はどこじゃ!」
「エヴリーヌの妹……どこ?……」
そこに新たな妹の誕生で興奮しているリフィアと秘かに期待しているエヴリーヌが部屋に入って来て部屋は賑やかになった。
その後、ファーミシルスやシルヴァン等リウイの縁者や家臣が次々にやって来て賛辞を述べた。

そして神格者の子で、帝国の新たな皇女の誕生にレスぺレント地方の人々は喜び、記念に国を挙げた祭り等を行ったのでレスぺレント地方は一時期賑やかになった……

そして賑やかなレスぺレント地方に一つの魂が彷徨って来て太古の迷宮、「ブレア―ドの迷宮」の中にある不思議な魔法陣に入り消えた……

~クロスベル自治州・ウルスラ病院~

同じ頃、ディル・リフィーナとはまた異なる世界の大陸、ゼムリア大陸の様々な貿易がされている自治州、
クロスベルでも新たな生命が誕生した。
ある夫妻の夫は病室の前でうろうろしてる時、そこから新たな生命の初声が聞こえた時、
いてももたってもいられなく病室の中に入り、子供を抱いている妻の姿を見て安心し、笑顔で妻に近づいた。
「よくやった!本当にかわいい子だよ……」
「ええ……見て、この金の瞳と髪はあなた似ね……」
「そうか!でも女の子だからきっとお前に似て美人になるさ!」
「もう、あなたったら……」
赤ん坊を見て赤ん坊の将来を語り合っている夫妻が目を少し離している間に別の世界から来て
彷徨っていた先ほどの魂が赤ん坊の中に入り、その事に気付かない夫妻は赤ん坊の名を考えていた。

「名前はどうしようか……?」
「一応、考えてあるわ。エリィ、セリーヌ、イリーナ。どれがいいかしら?」
「どれもいい名だね。迷うな……」
夫は妻が提案した名前に迷い、一通り考えた後ある名前に決めた。

「そうだな……イリーナはどうだろう?なんとなくその名にしたらこの子は身分のある男性に嫁いで幸せになる気がするんだ。」
「イリーナ……いい名ね。偶然かしら、私もその名を口にした時、そう思ったわ。」
「決まりだな!今日からこの子の名は「イリーナ」!「イリーナ・マグダエル」だ!」
夫は決めた名を口にし、妻もその名を口にし赤ん坊を祝福した。

名を決める時、妻が「イリーナ」の名を口にした時、赤ん坊が反応したのは誰も気づかなかったことだった……

そして数年後………


後書き オリジナルキャラ、プリネ登場です。多分、これからの冒険でプリネとリフィアが主体になると思います。ちなみにエリィは生まれますのでご心配なく……



[25124] 第3話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/30 10:56
~アヴァタール地方・冥き途~

新たなメンフィル皇女、プリネが生まれて数年後リウイはペテレーネ、カーリアン、ファーミシルス、そして幼い娘のプリネを連れて死した命が集まる場所、冥き途にイリーナの魂の行方を門番に聞きに来た。

「あら、お久しぶりですね。またお妃様の行方を聞きに来たんですか?」
「……久し……ぶり……」
リウイ達の姿を見つけ、姿を現したのは冥き途の門番であり神殺しの使い魔であり、魔槍の使い手、リタ・セミフと、同じく神殺しの使い魔であり、ソロモン72柱の1柱、魔神ナベリウスが姿を現した。

姿を現した2人にリウイは魂の行方を聞いた。
「イリーナの魂はあれから何かわかったか?」
「………何年か前に……北……行って……消えた……場所………深い……そこで…魂……感じにくい……」
「数年前に北のほうへ行って魂が消えたそうです。場所はどこか地下深くに潜ってしまってそこから魂の反応が感じとりにくいそうです。」
独特の話し方をするナベリウスを補佐するようにリタが説明した。

「消えたって……もしかして、魂が消滅したってこと!?」
カーリアンは説明を聞き焦った。
「いえ、魂が消滅したのならナベリウスが感じ取ります。ナベリウスが存在を微かに感じましたから恐らくですが神の墓場のような別次元の世界に行って彷徨っているか、そこで新たな人間に転生したかもしれません。」
「別次元の世界か……それにここから北の地方なら我が領土であるし、地下深くならブレア―ドの迷宮に手がかりがあるかもしれんな。」
「ええ、あそこは全ての階層は制覇しましたが、転移門に未だ謎の部分がありますから可能性はあるかもしれませんね。」
リタの説明でリウイは場所を推測しまた、ファーミシルスもリウイの考えに賛成した。
「そうだな……ならば国に戻り次第、迷宮の探索隊を再び結成し調べてみるか……」
リウイは少し考えた後これからの方針を決めた。

「あ……よければこれをどうぞ。」
ペテレーネは荷物からお菓子を出し門番の2人に渡した。
「……甘い……匂い……あり……がとう……」
「わあ、ありがとうございます。エクリアちゃんやマリーニャちゃんのお菓子もおいしいですけどこれもおいしいから気にいってるんですよ。」
「気にいって頂けたのなら何よりです。」
ペテレーネは2人の様子を見て笑顔になった。
そこに興味深そうに周りをみていた母と同じ髪を持つ娘、プリネが2人と母のところに来た。

「ねえねえおとうさま、おかあさま~この人達、だれ~」
娘の素朴な疑問を聞きペテレーネは優しく答えた。
「この人達はお母さん達の友達のようなものよ。ほら、挨拶をしなさい。」
「わかった~メンフィル皇女、プリネ・マーシルンです~よろしくおねがいしま~す。」
「よろ……しく……」
「わあ、かわいい。ペテレーネちゃんの子供ですか?私はリタ、こっちはナベリウスよ。よろしくね。」
幼いながらもたどたどしい礼儀で挨拶をしたプリネに2人は自己紹介をし、少しの間おしゃべりをした。

「……そろそろ国に戻るぞ。」
「はい、リウイ様。お2人ともお世話になりました。プリネ、帰りますよ。」
「わかった~じゃあ、またね。リタちゃん、ナベリウスちゃん。」
「ええ、無事見つかる事をお祈りしておきます。」
「……また……会う……」
門番の2人に別れを告げたリウイ一行は祖国、メンフィルに戻った……

~ブレア―ド迷宮・地下100階層・野望の間~

広大なレスぺレント地方にある古代の迷宮”ブレア―ドの迷宮”に帰還したリウイは調査隊を結成し
迷宮内の奥深くを調べて、そこでメンフィル機工軍団の団長、古代の兵器でもある機工種族の
シェラ・エルサリスより報告をうけていた。
「謎の転移門だと?」
「ハ、調査隊の一部が調べましたところ、現在登録済みの転移門のほかに記録されてない新たな転移門が見つかり現在、その門の先を探索中です。」
「そうか……では、ほかの調査隊をもそちらにも廻してその転移門の先を重点的に調べるようにしておけ。」
「御意。」
淡々と報告するシェラにリウイは新たな命令を出した。

~メンフィル王都・ミルス城内~

そして数日が経ちリウイは謎の転移門から帰還した調査隊の隊長より報告を受けていた。
「……別次元の世界だと……?」
「ハ、謎の転移門の先を調べました所、別の世界につながっておりました。最初はほかの大陸かと我々は疑いましたが、調査しましたところ、この世界とはあまりにも違う文明が発達しておりました。さらにそこにも信仰されている神はいたのですが”空の女神(エイドス)”という聞いたこともない神しか信仰されていなく”軍神(マーズテリア)等の
他の神の名を出しましたが全く知らない様子でしたので別次元の世界だと我々は判断致しました。」
「光の勢力で最も知られている”軍神”も知らぬとはな……それは信憑性が高そうだな……ほかに報告はないか?」

リウイは新たな世界が存在することを知り、内心驚いたが心の奥深くに止め、先を促した。
「ハ、あの門には欠点がございました。」
「欠点だと?」
「我々先行隊より後に来た部下達が申すには我々とは異なった場所に出たようです。ただ、向こうからこちらに戻ってくる門は何ヵ所かに固定されているというおかしな現象がございました。」
「その異なった場所というのは全く違うのか?」
「いえ、調べました所、”ロレント”という街の近くの森に全て出ましたのでそれほど離れてはございませんでした。魔術師達の話ではもうすぐ出る場所の固定は出来るそうです。」
「そうか……御苦労、下がっていいぞ。」
「ハ!失礼いたします!」
隊長はリウイに一礼した後部屋を後にした。

「リウイ、やったじゃない!もしかするとそこにイリーナ様がいるかもしれないわね。」
報告を聞いていたカーリアンは喜んだ。
「まだ、断定はできん。だが、可能性は出てきたな。しばらくはその世界に拠点を作り調べるとするか。」
カーリアンの言葉を否定しながらもリウイは微かな希望を持ち、笑みを浮かべた。

~ブレア―ド迷宮・謎の転移門前~

そこにはリウイ一行のほか、リフィア、エヴリーヌ、シェラとファーミシルスの副官、ティルニーノエルフのルースがいた。
「では、これより別次元の世界の調査及び拠点作りに我々が先行する。みな、準備はいいか。」
「いつでもオッケーよ。」
「こちらも万全です。」
「ふふ、腕がなりますわ。」
3人の頼もしい言葉を聞きリウイはリフィアとエヴリーヌの方に顔を向けた。

「……どうしてもお前たちもついてくるのか?」
「当たり前であろう!別世界に余の名を知らしめしてくれる!」
「エヴリーヌはお兄ちゃんといっしょならなんでもいい……プリネとお留守番もいいけど、すぐ帰ってくるんでしょう……?」
「……仕方のないやつらだ。絶対に俺達から離れるなよ?」
おいていってもついてきそうな2人にリウイは溜息をつき注意をした。そしてシェラとルースに顔を向けた。

「いつでも軍は出せるようにしておいたか?」
「ハ、機工軍団は問題ありません。」
「こちらも問題なく迷宮の外に待機させています。みな、リウイ様の久しぶりの出陣に勇んでおります。
かく言う俺も楽しみなのです。」
淡々と報告するシェラと年甲斐もなくワクワクしているルースの言葉にリウイは頷き背を向けた。

「では、みな行くぞ!」
そしてリウイ達は門の先に進み光につつまれた……









後書き リタとナベリウスは出してもおかしくなかったので出しました。多分戦女神キャラはもう出ないかと……リウイ達がついた時の時代は”焔の軌跡”といっしょですのでいくつかの軌跡キャラの運命を改変いたしますので期待して待って下さい。



[25124] 第4話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/30 10:57
~ロレント市内~

ズドーン!ダダダダダ!キャア―!助けてくれ!逃げろ!
ディル・リフィーナとは異なる世界の大陸ゼムリア大陸にある小国、リベールの都市の一つロレント市内は戦場であった。なぜそのような事になったのは突如、エレボニア帝国がハーメルという村をリベール軍が襲ったと言い、戦争を仕掛けてきたのだ。リベール軍は劣勢ながらも軍人カシウス・ブライトが考えた作戦で反撃をし始めたのだ。この作戦でエレボニア帝国軍は崩れ始めたのだが、作戦により孤立した一部の部隊が半ばやけ気味にロレントを襲ったのだ。そしてあちこちで市民が戦闘に巻き込まれ、悲劇が生まれた。
そして、ある場所でも悲劇が生まれようとした。

「おかあさ~ん!」
「に……げ……て……エ……ステル……」
瓦礫に埋もれている女性はカシウス・ブライトの妻レナで呼びかけているのはその娘、エステルだった。
レナは砲撃によって崩れてきた瓦礫からエステルをかばい重傷を負い、正に命が風前の灯であった。
「誰か~助けて――!おかあさんが死んじゃう!」
エステルは必死で助けを呼んだが逃げる事に必死な市民達は誰も気付かなかった。
そこにリウイ達が転移してきた。

「ふ~ついたわね。あら、面白い事になってるじゃない。」
カーリアンは周りの戦闘を見て不敵に笑った。
「きゃは、久しぶりに遊べそう……」
エヴリーヌも周囲の状況を見て遊ぶ相手を見つけたような顔をした。
「報告では街中に出るというのはなかったんですがね……」
ファーミシルスは街中に出たのに気付いて呆れた顔をした。
「まだ、転移の固定が出来てないのだから仕方ないだろう……それより現状の把握をするぞ。」
リウイは周りを見て現状を把握しどう動くか考え始めたところ、その姿を見つけたエステルがリウイのマントをひっぱた。

「ねえ、おかあさんを助けて、お願い!」
「……なんだ、貴様は?」
マントをひっぱられた事に気付いたリウイはエステルに声をかけた。
「お願い!あそこにいるおかあさんを助けて!おかあさんが死んじゃう!」
エステルは瓦礫に埋もれているレナを指差してリウイに懇願した。

「リウイ!助けようぞ!それが余達王族の義務のひとつであろう!」
リフィアはレナを見てリウイに答えを求めた。
「(………母か)ああ。」
母の助けを懇願しているエステルを見て人間に追われ母に庇われた昔を思い出し、瓦礫のところに近寄った。
「さっさと片付けるぞ。カーリアン、ファーミシルス、悪いが手伝ってくれ。」
「しょがないわね~」
「ハ、了解しました。」
そして3人は協力して瓦礫からレナを出した。

「おかあさん!」
瓦礫から出された意識を失っているレナを見てエステルは縋りつくように泣いた。
「おかあさん!死なないで!お願い!」
「……リウイ様……」
それを見てペテレーネは懇願するような目でリウイを見つめた。
「わかっている。治療してやれ。」
「はい、わかりました!」
「余も力を貸そうぞ!」
リウイから許可をもらいペテレーネとリフィアはレナの所に近寄った。

「おかあさん、助けてくれるの?」
「ええ、今助けますからね。」
「安心するがよい。余の辞書に不可能という文字はない!」
泣きはらした顔をあげたエステルにペテレーネは優しく言ってリフィアと共に魔術を発動した。
「「暗黒の癒しを……闇の息吹!!」」
神格者であるペテレーネと、魔力の高いリフィアの手から放たれた紫色の光はレナの傷を完全に癒した。
そしてレナは目を覚ました。

「う……ん?あら、どうして傷が?」
レナは重傷だった傷が治っていることに気付き不思議がった。
「おかあさん!よかったよ~。」
「エステル……ごめんね心配をかけて……」
目が覚めたレナにエステルは抱きつき、抱きつかれたレナは受け止めエステルの頭をなでた。そしてそれを見ていたリウイ達に気付き話しかけた。

「あの……どちら様でしょうか?見た所帝国兵でもありませんし、かといってこちらに住んでいない方と見受けられていますが……」
「……ただの旅の者だ。」
レナの問いにリウイは適当に答えた。
「あのね、おかあさん。この人達がおかあさんを助けてくれたの。」
「そうでしたか……本当にありがとうございました。」
「礼はいらぬ。それが余達の義務であるからな。」
エステルから事情聞いたレナはリウイ達にお礼を言ったがリフィアのおかしな言動と
翼のついているファーミシルスを見てレナは疑問を持った。

「義務……?それにあなたは人間ですか?」
レナの疑問にどう説明するべきか考えていたリウイ達のところに複数の帝国兵達が包囲した。
「市民がいたぞ!殺せ!」
ズダダダダ!
帝国兵達は銃を構え一気に放ち、それを見たレナはエステルを抱きしめた。
「ハッ!」
「甘い!」
「遅いわよ!」
「させません!」
「させぬわ!」
「「「「「「「「な!!!!!!」」」」」」」
放たれた銃弾はリウイのレイピア、カーリアンの双剣、ファーミシルスの連接剣にはじかれ
リウイ達の横を通り過ぎた銃弾はペテレーネとリフィアの簡易結界に弾かれ兵達は驚愕した。

「まさか、いきなり攻撃してくるとはな……」
リウイが出す闘気に兵達は後ずさった。
「ク……臆するな!かかれ!」
「「「「「「「オオ!!」」」」」」

一人の兵の言葉に兵達はリウイ達の恐ろしさも知らずに襲いかかった。
後にこの一人の兵の判断がエレボニア帝国の衰退の原因となった……




後書き 次回はリウイ達の蹂躙です。といかリウイ達に勝てる人って英雄伝説シリーズはいないんですけどね……



[25124] 第5話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/30 21:42
突如襲いかかった兵達にリウイ達は戦闘態勢に入った。
「みな迎撃するぞ!」
リウイはレイピアを兵達に向けて号令をし
「ハイ!リウイ様!」
ペテレーネは杖を構えて詠唱をし始め
「ハッ!」
ファーミシルスは連接剣を構え
「ふふ、楽しませてもらうわよ!」
カーリアンも双剣を構え
「力持たぬ者を攻撃した上、余達に剣を向けたその罪……死して悔いるがよい!」
リフィアはペテレーネと並ぶような位置で杖を構えて詠唱をし始め
「きゃは、遊んであげる……」
エヴリーヌは弓を虚空から出し、片手に魔力の矢を作りだした。

「「「死ね―!」」」
「炎を味わえ!フレインバル!」
ゴオ!
「「「ぐああ……」」」
リウイに襲いかかった兵達はリウイの炎を纏ったレイピアによって急所をつかれた上、その身を炎が跡形もなく焼いた。

「相手は女子供がほとんだ!殺せ!」
「「「「オオッ!!」」」」
「ふふ、ファーミ、何人殺せるか競争ね?それェ!」
「フン、こんな雑魚共相手に何を言ってるのかしら?……まあ、あなたには負けないけどね!」
ズバ!ドス!
「「ガ!」」
「「ガあ……」」
軽口を叩きながらもカーリアンとファーミシルスは次々と兵達を葬っていった。
「うふふ、みんな死んじゃえ!」
ドスドスドス!
「「「グ……ア……」」」
遊び感覚のエヴリーヌが空中に向けて放った矢は空中で分散し複数の兵達の眉間や喉元に当たり絶命させた。

「大いなる闇よ……ティルワンの死磔!」
「古より伝わりし純粋なる爆発よ……落ちよ!エル=アウエラ!」
ゴォォォォ……ズドーン!
「「「「「ギ!………」」」」」
ペテレーネの暗黒魔術とリフィアの純粋魔術によって周りの兵達は跡形もなく消え去った。
リウイ達の圧倒的な強さに帝国兵達はなすすべもなく命を落とし、ついには突撃を命令した兵しか残らなかった。

「……さて、残るは貴様だけのようだな。」
「ヒ!な、なんなんだよ……貴様らはぁ!」
近づいて来るリウイに恐怖した兵は銃を何度も撃ったが、全てリウイの剣によって弾かれ弾切れになった。
「俺達<闇夜の卷族>に剣を向けた事をあの世で後悔するがいい!」
ズバ!
そして一瞬で相手に詰め寄ったリウイの剣が兵の首を通り、恐怖の顔をした兵の首が地面に落ちた。
「フン、雑魚が。あっけない。」
「ん~ちょっと物足りないわね。」
物足りなさそうな顔をしたカーリアンと死体に侮蔑の顔をむけたファーミシルスは武器を収め、ほかの仲間達も武器を収めた。

「あなたたちは一体……」
驚異的な強さを見せたリウイ達をエステルに死体を見せないように抱きしめたレナは呟いた。
「……いずれ我ら<闇夜の卷族>を知る時が来るだろう。せっかく助かった命だ。娘共々さっさとここから離れるがいい。」
「……わかりました。命を助けて下さって本当にありがとうございました。」
リウイの警告にレナはリウイ達に頭を下げた後、エステルを抱いて戦場から走り去った。

「それでこれからどうするのリウイ?」
レナ達を見送ったカーリアンはリウイにワクワクした顔で何をするか聞いた。
「少し待て。ファーミシルス、確かこの世界には3ヵ所の国があるそうだな?」
「ハッ、”カルバード共和国”、”エレボニア帝国”、そしてここ”ロレント”を持つ国”リベール王国”の3ヵ所の国が主体で、ほかは自治州等小国がちらばっているほどかと。先ほど助けた女性の話から推測すると我らを襲ったのはエレボニア帝国兵かと。」
「そうか……フ、この世界に拠点を作る手間が省けたな。」
「では……?」
リウイの言葉から先を予測しファーミシルスは不敵に笑った。
「ああ、ここロレントを”一時的”に我がメンフィル”保護領”にしここを拠点にエレボニアに攻め入る。ファーミシルス、お前は一端戻ってルース達を連れて来い。戻る転移門の場所は知っているだろう?」
「ハッ!すぐに連れて来てまいりますのでお待ち下さい!」
リウイの命令を受けたファーミシルスは翼を広げ空へ上がり転移門がある森のほうへ向かった。

「フフ、国を攻めるなんて”幻燐戦争”以来じゃないの?」
「勘違いするな。俺達は”襲われた”から対処するだけだ。ロレントもいずれリベールに返還する。まあ、”条件”は付けさせてもらうがな……」
久しぶりの戦争の気配で笑っているカーリアンの言葉をリウイは否定しながらも笑みを浮かべた。そしてリフィアのほうに顔を真剣な顔を向けた。

「リフィア、お前にとってこれが初めての国同士の戦争になるだろう。怖いのなら国に戻ってもいいぞ?」
「余を誰だと思っているのじゃリウイ?余は次期メンフィル皇帝、リフィア・イリーナ・マーシルン!余の辞書に後退の二文字はない!あっても消し去ってくれる!此度の戦いで得た知識を余の力にしてみようぞ!」
「そうか……ならばしっかり学べ。」
「当然じゃ!」
迷いのない顔で否定し、前向きな発言をしたリフィアにリウイは孫娘の将来を期待した。

そしてそこに先ほどメンフィルに戻ったファーミシルスに先導されたルース率いる陸兵軍団とシェラ率いる機工軍団が到着した。
「リウイ様!ご指示通り我らメンフィル軍、いつでも出れます!ご命令を!」
「ご指示を、リウイ様。」
命令を待つ2人にリウイは頷き、勇んでいる兵達の正面に立ち、レイピアを空高くへ振り上げ大きな声で号令をした。

「これより我らメンフィル軍はロレント市を”保護”しエレボニア帝国に進軍する!!一般市民達の保護と建物の消火を最優先にしろ!!力持たぬ一般市民を襲うエレボニア帝国兵に慈悲はいらぬ!!行くぞ!!!」
「オオオオオオオオオッオオオオオオオッ!!!!!!!!」
リウイの叱咤激励を受け、武器を掲げ勇んだ兵達は帝国兵との戦闘や一般市民の保護を行い始め、わずか2刻で市内の戦闘は終了した。

そしてリウイ達は市内の戦闘後の処理をし、市内にいくつかの部隊を残し1日後に来た援軍と共に破竹の勢いで帝国軍が守るエレボニア帝国とリベールの国境、ハーケン門を突破しエレボニア帝国に侵攻をし始めた。

何の前触れもなく、突如現れたメンフィル軍はゼムリア大陸全ての国に激震を走らせた……


後書き やばい、どんどんアイディアが来ます。本編に入るまで下手したらこっちを更新し続ける気がします……



[25124] 第6話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2010/12/31 17:35
~エレボニア帝国・平原~

晴れ渡る平原に2つの軍が睨みあっていた。一つはエレボニア帝国でも5本の指に入る名将、ゼクス・ヴァンダール率いるエレボニア帝国軍でもう一つは突如どこからともなくロレントより現れ、ロレントの帝国兵を殲滅した後、破竹の勢いでハーケン門を突破し次々とエレボニア帝国領を制圧しているリウイ、ファーミシルス、シェラ、ルース率いる猛者揃いのメンフィル皇帝軍だった。


「(ク……リベール攻略だけでも手間取ってるというのに、ここで我が国土に侵攻する強国が現れるとは……これもリベールに無実の罪を被せた我らの報いか……)全軍、ここで必ず押しとめるぞッ!!!今こそ我らの忠誠を皇帝陛下に見せてみよ!!!!」
「イエス、サー!!!!!」
目の前の謎の軍――メンフィル軍の強さを感じ取り自軍の劣勢を悟ったゼクスは自分を叱咤するように兵達に号令を挙げた。
「全軍突撃ッッ!!」
「オオオオオオッオオオオッ!!!!!!」
ゼクスの命令で歩兵や導力戦車はメンフィル軍に向かって突撃した。

その突撃を丘の上からリウイ達は見ていた。
「リウイ様、機工軍団、戦闘配置完了しました。ご指示を」
機工軍団の戦闘配置を完了したシェラは主君の命令を待っていた。
「よし、突撃してくる帝国兵どもを一掃しろ。」
「了解しました。―――全軍に通達、第一戦闘準備。繰り返す――」
ウィィ――ン……
リウイの命令を受けた軍団長シェラの指令に反応し、兵士たちが唸りにも似た騒動音を徐々に高めていた。

「(……なんだこの音は……まさか!)いかん!全軍後退せよ!」
風に乗って聞こえてきた騒動音に嫌な予感を感じ、ゼクスは後退の命令を出した。

「我が主、攻撃準備完了。」
「攻撃開始だ。」
「……攻撃開始。」
ズド―――――ン!!!!
「「「「―――――ッ!!!!」」」」
「なッ!!!!」
しかしその命令は空しくリウイの命令によりシェラ率いる機工軍団が放った砲撃は平原を轟かす大爆音と共に、業火と爆発が一瞬で
突撃した敵兵を飲み込んだ。兵達の断末魔の叫びさえ掻き消し導力戦車さえも跡形もなく吹き飛ばした
機工軍団の一斉砲撃にゼクスは驚愕した。

「……目標攻撃範囲の生体反応が半減、残存した敵兵に動揺が見られます。」
「わかった。御苦労。」
シェラの報告を聞きリウイは兵達の前に出て大声で号令をした。

「我らはこのまま目の前の帝国軍を突破し、エレボニア主要都市の一つに侵攻する!兵は将を良く補佐し、将は兵を震い立たせよ!何人たりとも遅れることは許さんぞッ!!」
「オォォォオオォォォォォォオオオォォッッッ!!!!」
リウイの叱咤激励に応じて勇ましい雄叫びを上げたメンフィル軍は一斉に突撃を開始し帝国兵達を蹂躙した。
動揺している帝国軍はなすすべもなく突撃したメンフィル兵に次々と討取られて行った。

「………まさかこれほどの強さとは………全軍、退却せよ!!!」
戦場の敗北を悟ったゼクスは退却命令を出し、退却をし始めたのだが。
「ギャア!」
「グワア!」
「な、何が起こった!」
次々と討取られて行く周りからの叫び声にゼクスはうろたえた。

「フフ、どこを見ているのかしら?」
「どこだ!どこにいる……馬鹿な!」
どこからともなく聞こえて来た声を探していたゼクスは空を見上げた時、降下してくるファーミシルス率いる
親衛隊の飛行部隊に驚愕した。
「まさか、天使……」
「フン!あんな奴らと同等だなんて気分が悪いわ。……見た所貴様が指揮官のようだからここで討取らせてもらうわよ。」
ゼクスの呟いた言葉に降下したファーミシルスは鼻をならし連接剣を構えた。
「戦う前に聞きたい事がある……貴殿等は何者だ!なぜ、我が国土を侵攻した!」
「フフ……死に行くものに教えてやる義理はないけど、冥途の土産に教えて上げるわ。我はメンフィル大将軍ファーミシルス!誇り高き闇夜の卷族の国の将なり!貴様らによる我らが王を攻撃した罪、そして我らが王の悲願のため、貴様等には死を捧げて貰うわよ!」
「メンフィル……!?闇夜の卷族……!?我らが貴殿等の王を襲っただと……!?何を言っているのか理解できんぞ!」
「おしゃべりはここまでよ……ハッ!」
「ッ!!」
ガン!
戸惑っているゼクスにファーミシルスは襲いかかったが咄嗟の判断で剣を抜いたゼクスは防御した。

「少しはできるようね……楽しませて貰うわよ!」
「クッ!」
ガン!ギン!ガン!ヒュッ!
人間でありながらファーミシルスの攻撃を捌き致命傷を避けていたゼクスだったが、メンフィルでも一、二の実力を争うファーミシルスには叶わず徐々に疲弊して行った。
「ハアハア……(つ、強すぎる……この私が手も足もでんとは……)」
「フフ……神格者でもない人間にしては中々やるようだけど、遊びはここまでよ、ハッ!」
「クッ!」
疲弊したゼクスは迫る連接剣を交わそうと動いたが、疲弊していた体は云う事を効かず少ししか動かなかったので
攻撃を受けてしまった。
「グアアアッッ!!」
「少将ッ!」
ファーミシルスの凶刃を受けて叫び声を上げたゼクスを見てファーミシルスの部隊と応戦していた兵士達は思わず悲鳴を上げた。

「だ、大丈夫だ……うろたえるな。」
「しかし少将、目が……!」
駆け寄ってくる兵達を片手で止めたゼクスだったが、もう片方の手で連接剣で斬られ血を流し続けている片方の目を押さえていた。
「フフ、疲弊しながらも致命傷をさけるとはやるじゃない……だが、ここまでよ……!」
それを見てファーミシルスは半分感心し、止めを刺すため連接剣を振るった。
「グウッ!」
「な……!」
「あら。」
ゼクスは迫り狂う連接剣を見てもはやこれまでかと諦めたがほかの兵が楯になったのを見て驚き、ファーミシルスも少しだけ驚いた。

「少……将……お逃げ……下さい……グフ!」
ファーミシルスの剣によって貫かれた兵は血を吐き事切れた。
「少将、今のうちにお逃げ下さい!」
「お前達をおいて逃げれるものか……!やめろ、離せ!離せ――!」
わめくゼクスを兵達は抑え戦場から退避しようとした。
「チッ、逃がすか!」
「させるか!少将をお守りしろ!」
ズダダダダダダ!
追撃しようとしたファーミシルスを止めるため、周りの兵達は銃を撃ったが全てファーミシルスやファーミシルスの部下によって防がれた。
「鬱陶しい!……闇に落ちよ!ティルワンの闇界!」
「「「アアアアアッッ……!!!」」」
「怯むな!少将を逃がす時間を稼ぐだけでいい!」
「「「「オオッッ!!!」」」」
ファーミシルスの暗黒魔術を喰らった兵達は叫びを上げて事切れた。しかしそれでも将を守るため挫けずファーミシルス達に帝国兵達は襲いかかった。

「どうやらよほど死にたいようね……いいわ、その心意気を買って上げるわ!親衛隊よ!まずはこいつらを皆殺しにしてその後逃げた将を追うわよ!」
「「「「「「ハッッッッ!!!!」」」」」
ファーミシルスを中心とした飛行部隊に周りの帝国兵は一矢も報いることができずわずか1刻で全滅した。

「フン、雑魚共があっけない!」
全滅した兵に侮蔑の顔を向けたファーミシルスは武器を収めた。
そこに伝令を携えた副官のルースがやって来た。
「リウイ様より伝令です、ファーミシルス様!敵は全滅し街も制圧したとのことでただちに部隊を戻すようにとのことです!」
「……そう。指揮官を討ち取れなかったのは口惜しいがあの程度の者を逃がしたくらいで支障は出ないわ。親衛隊、ただちに帰還せよ!」
「「「「「「ハッッッッ!!!!」」」」」
ファーミシルスは指揮官が逃げた方向を見た後踵を返し、リウイ達の元へ向かった。

この戦いでエレボニアは全兵力の4割と主要都市の一つが失われた……




後書き 今年最後の更新です。みなさんよいお年を…… 感想お待ちしております。



[25124] 第7話
Name: sorano◆b5becff5 ID:15a3753e
Date: 2011/01/01 21:23
あけましておめでとうございます。これからもよろしくお願いします。








~グランセル城~

リベールの首都グランセル城内は今、新たな第3勢力謎の軍――メンフィル軍についての話し合いが行われた。
「……それで、現在ロレントに駐屯している謎の軍についてはわかりましたか?」
不安そうな顔で情報を聞いたのはリベールの全国民に慕われているリベールの女王、アリシア・フォン・アウスレーゼであった。そして報告を待つ人物の中にはロレントに妻と娘がいるリベールの英雄、「剣聖」カシウス・ブライトもいた。
カシウスは最初ロレントが謎の軍に制圧されたと聞き、一人で向かおうとしたが上司や部下達総動員で押しとどめられなんとかグランセルに留まったのだ。ロレントの状況を最も知りたかったため、ロレントへ偵察に行ったカシウスの部下・リシャールが戻った時は鬼気迫る顔で妻と娘の状況を聞き、リシャールを脅えさせ女王にたしなめられてようやく大人しくなったのだ。

「ハッ!では報告いたします!現在ロレントに駐屯している謎の軍はメンフィル帝国軍という名前でございました!」
「メンフィル帝国……?エレボニアではないのか?」
聞いたこともない国の名前を出されリベールの将軍、モルガンは確認するように聞いた。
「間違いございません。町人の振りをし見回りを行っている謎の兵に聞きました。念のためエレボニアの間違いではないかと聞きましたが強く否定されました。」
「君主の名前はなんという者ですか?」
アリシア女王は先を促すように聞いた。
「ハッ!現メンフィル皇帝はシルヴァン・マーシルン。そして現在軍を率いているのはその父リウイ・マーシルンという者だそうです。そしてリウイ・マーシルン率いるメンフィル皇帝軍はロレントを制圧後翌日には部隊を残しハーケン門へ向かったとのことです。」
「……市民はどうなっている。」
最も聞きたかった事をカシウスは心の中で妻と娘の無事を祈るようにして聞いた。
「はい。市民達は少々とまどってはいますが普通の生活をしてました。聞けば襲撃の混乱の最中に突如現れ、市民達の保護や建物の消火をしエレボニア兵達を皆殺しにしたそうです。戦闘後は食料、医療品の配給や市民の怪我人や病人の治療も
行っていて、市内は至って平和です。ただ……」
「ただ……とはなんだ?ハッキリ言え!」
「カシウス、落ち着け!」
リシャールの言葉を濁すような言い方にカシウスは我慢できず声を上げたがモルガンに窘められた。

「……取り乱して申し訳ございません、将軍。リシャール続きを。」
「ハッ!メンフィル兵の中には人ではない存在がいました。」
「人でない?どういうことですか?」
アリシア女王はリシャールの言葉に疑問を抱き聞いた。
「見た目は人なのですが翼や尻尾がついている者や明らかに人の姿ではない者がいました。メンフィル兵によると彼ら自身を含め自ら”闇夜の卷族”と名乗りました。」
「”闇夜の卷族”……聞いたこともない人種ですね。ほかにはありませんか?」
アリシア女王は未知の人種名を聞き少しの間思考したがほかの情報を聞いた。
「はい。もうひとつございまして……こちらは我々リベールというよりゼムリア大陸全てが驚愕するようなことかと。」
「ゼムリア大陸全てだと?一体何なのだ?」
モルガンは先を促すように聞いた。
「……たまたまメンフィル軍による市民の治療を見たのですが、市民の治療をメンフィル軍のあるシスターがしていました。」
「……軍にシスターがいるとはな……それで?どこがおかしいんだ?」
カシウスは軍内にシスターがいたことに驚き理由を聞いた。

「はい。そのシスターが傷を癒す時手から光が出、光が収まった後は傷は跡形もなく消えていました。それを見た市民達は奇跡だと大騒ぎをしてメンフィル兵達によってその場は収められました。
騒ぎは収まりましたがそのシスターは現在、市民から奇跡を起こす聖女として敬われています。……それでそのシスターに七曜教会の者かと聞いたのですが、否定されました。……混沌の女神(アーライナ)の神官だそうです。」
「「「混沌の女神(アーライナ)!?」」」
ゼムリア大陸唯一の信仰されている神、空の女神以外の神の名前が出されその場にいた全員は驚いた。

「……続けます。そのシスターに治療され感謝した者やそれを見ていた市民達の一部がそのシスターに教義等を求め信徒となる者まで現れ、七曜教会の者達はどうすればいいのか戸惑っています。」
「……陛下、これは一度七曜教会の者を含め、メンフィルと話し合う必要がございますな。」
驚愕したカシウスだったが気を取り直し女王に進言した。
「……そうですね。市民達に危害を加えていない上、治療もしているということは少なくても話しあう余地はありそうですね。
誰か、紙と筆を。」
「ハッ!」
報告していたリシャールは部屋の前を守っている兵に紙と筆を持ってくるように命じた。

そこにリシャールの部下、カノーネが慌てて入って来た。
「重要会議中の所申し訳ありません!火急の情報が入ったので報告に参りました!」
「火急の情報とはなんですか?」
どんなことが知らせれてもいいように心構え、アリシア女王は先を促した。
「ハッ!偵察兵によるとメンフィル皇帝軍はハーケン門を破竹の勢いで突破後、エレボニア帝国領内に進軍し主要都市の一つやいくつかの帝国領を制圧しました!エレボニア帝国軍も抵抗はしたのですがなすすべもなく全滅あるいは敗退いたしました。かのゼクス・ヴァンダール率いる帝国の主力部隊も壊滅しゼクス少将自身も重傷を負い撤退したとのことです!メンフィル軍はその後部隊を残し本軍はロレントに引き返したそうです!」
「「「「なっ!?」」」」
カノーネの言葉に部屋は驚愕に包まれた。

「この短期間で主要都市を落とし、エレボニアでも5本の指に入るというゼクス少将がなすすべもなく敗退するとは……メンフィル軍は一体どれほど強いのでしょうか……」
報告を聞いたリシャールは震えるように嘆いた。
「……それよりエレボニア帝国が今後どのように動くかだ。見ようによってはリベールの逆襲とも見られてしまうぞ……」
モルガンはこれから先起こりそうなことを考え唸った。
「……そうですな。陛下、一刻も早くリウイ・マーシルン殿と会見をする必要がございますな。」
カシウスもモルガンの考えに同意し女王に進言した。
「……急いで教会の者に同行するよう連絡してください。そしてエレボニア大使館にも人をやって帝国侵攻は私達の仕業ではないと伝えて下さい!準備ができ次第すぐにメンフィル軍本陣に私自身が向かいます!」
「陛下!危険なのでは!」
女王の命令にモルガンは慌てた。
「……人を信じることで信頼が生まれるのです。最初から私達が向こうを疑えば相手の本音を知ることができません。市民に危害を加えていないのです。相手は賢王なのでしょう。ですから心配は無用です。」
「……わかりました、陛下、ただし私もお連れ下さい。」
女王の決意を知りモルガンは諦めたような顔で護衛を申し出た。
「僭越ながら陛下、私も同行させて下さい。」
「わかりました。お願いします。」
「「ハッ!」」
そして女王の命令の元、城内は慌ただしくなり準備ができた女王たちは陸路でロレントへ向かった……




後書き 感想お待ちしております。



[25124] 第8話
Name: sorano◆b5becff5 ID:024b2ccc
Date: 2011/01/08 17:17
文章力がだんだん落ちて来た気がします……




~ロレント郊外・メンフィル皇帝軍本陣~

ロレントの郊外にあるメンフィル軍の本陣の前に女王達はつき、入口を守っている兵士に話しかけた。
「リベール国王、アリシア・フォン・アウスレーゼです。リウイ・マーシルン皇帝陛下に御取次をお願いします。」
「……少々お待ち下さい。」
女王の言葉を受け、判断がつかなかった兵の一人が伝令を伝えに本陣の中へ走っていた。
そしてそこにロレントの探索から帰ってきたプリネを連れたリフィアが女王達の姿を見つけ近寄った。

「なんじゃお主らは?余達になにかようか?」
「あなた達はどなたですか?見た所身分が高い方に見受けられますが……」
話しかけられた女王はリフィア達の服装を一目見て、位の高い者だと判断し、正体を聞いた。
「余か?余はメンフィル皇女にして次期皇帝、リフィア・イリーナ・マーシルン!謳われし闇王、リウイ・マーシルンの孫!」
「……メンフィル皇女、プリネ・マーシルンです。お父様に何か御用ですか?」
自身満々に紹介するリフィアと幼いながらもしっかり紹介したプリネを見て女王達は驚いた。

「あなたが次期皇帝ですか……!それにそちらの方は父とおっしゃりましたが両親はどなたしょうか。」
「父はメンフィル初代皇帝、リウイ・マーシルン。母はアーライナの神官、ペテレーネ・セラです。」
「え……リフィア姫は今、リウイ皇帝陛下の孫とおっしゃていましたが……」
女王達はリフィアとプリネを見比べ戸惑った。
「事実じゃ。ここにいるプリネは形式上には余の叔母じゃが、余の後に産まれておるから実質余の妹のようなものだ。」
「そうでしたか……紹介が遅れ申し訳ありません。リベール国王、アリシア・フォン・アウスレーゼです。
リウイ皇帝陛下に此度のロレント制圧のことについてお聞きしたいことがあり、こうして参上してまいりました。」
「ふむ、そうか。一つだけ訂正しておこう。余達はロレントを制圧した覚えはない。あくまで”保護”だ。」
「”保護”ですか……詳しいことをお聞きしても?」
「それはリウイ本人に聞けばわかる。……どうやらお主たちの迎えが来たようだな。」
女王としばらく話していたリフィアは近づいてきてる気配を感じ、その方向に向いた。

「ペテレーネ、迎え御苦労。」
「おかえりなさいませ、リフィア様。それにプリネも。」
「ただいま戻りました、お母様。」
「おかえりなさいプリネ。……リフィア様、この場は私にまかせて本陣の中へ。」
「わかった。エヴリーヌのところに行くぞ、プリネ。」
「はい、リフィアお姉様。」
女王達を迎えに来た時、その場にリフィアとプリネを見つけたペテレーネは2人を本陣の中へやった後
女王達の正面に立った。
「お初にお目にかかります。アーライナの神官にしてリウイ様の側室の一人、ペテレーネ・セラです。」
「貴殿がかの”聖女”か……」
モルガンは先ほど出会ったプリネ皇女の母であり、報告にあった聖女だと気付き、少女と言ってもおかしくないペテレーネの若さに驚き呟いた。
「あの……その呼び名は恥ずかしいのでお止め下さい。みなさんが勝手におっしゃているだけです。
……それでご用件はリウイ様とお会いしたいとのことですが。」
「はい。お会いできるでしょうか?」
「構いません……こちらです。」
そしてペテレーネは女王達をリウイの元へ案内した。

ペテレーネによって案内された天幕の中に入り女王達はリウイと対面した。
「……メンフィル皇帝リウイ・マーシルンだ。まあ、今は隠居の身だがな。」
「(なんて覇気……まさに覇王ですね……)リベール国王、アリシア・フォン・アウスレーゼです。使者も出さずのいきなりの訪問、お許し下さい。」
女王はリウイがさらけ出す覇気に飲み込まれないよう自分自身を保って自己紹介をした。
「七曜教会より参りました者です。」
「リベール王国軍所属、モルガンです。」
「同じくリベール王国軍所属カシウス・ブライトです。とても孫がいるような年には見えないのですが失礼ながら本物ですか?」
「本物だ。これでも100年以上は生きてる。そこにいるペテレーネもそうだ。」
「ハッ……?」
リウイを見て年齢を疑ったカシウスだがリウイの言葉に理解ができず女王達と共に固まった。

「この世界の人間が驚くのも無理はない。俺は半魔人でそこにいるペテレーネは神格者だからな。」
「この世界……?詳しいことをお聞きしたいのですが。」
一瞬思考が停止した女王はリウイ達の正体を聞き、リウイは語った。自分達は異世界の者でありその中で
人ならぬ者やその者と共に暮らす者を”闇夜の眷属”といい、異世界には複数の神が現存していることを語った。
また、信仰する神より”神核”という力を承った者を”神格者”と呼び、神格者は半不老不死の存在であることも話した。

「異世界では不老不死の方法があるのですか……」
カシウスはペテレーネの容姿を見て、どう見ても年下にしか見えない少女が自分の倍以上生きてるようには思えなく驚愕した。
「複数の神が現存しているのですか……!そこには我らが神、エイドスはいらっしゃるのでしょうか?」
異世界の存在、神が現存していることに驚いた七曜教会の司祭は自らの神の存在を聞いた。
「生憎ながら聞いたことはない。まあ所詮異世界だ。いなくて当然だ。……世間話はここまでだ。要件を聞こうか。」
「では……異世界に来た目的、此度のロレント保護とエレボニア侵攻についてお聞かせ下さい。」
女王はリウイにここに来た理由を話した。

「……こちらに来た理由はある探し物だ。」
「……それはどのような物ですか?」
「それは教えることができん。国家機密と言っておこう。」
「……わかりました。では続きをお願いします。」
「まず、エレボニア侵攻はこちらの世界に来た時、いきなりエレボニア軍に襲いかかられたからだ。よって我らは身を守るためとこの世界の拠点を作るためにエレボニアに侵攻しただけだ。ロレント保護はそのついでだ。そちらに通達もなしで勝手ながら保護をしたのは謝罪する。」
「……いえ、聞けば市民の保護や食料の配給等もして下さったと聞きます。リベール国民を代表してお礼を言わせて下さい。民を守って下さってありがとうございます。」
アリシア女王はリウイに頭を下げた。それを見てモルガンは慌てた。
「へ、陛下!他国の王族に簡単に頭を下げるなど……!」
「よいのです。民の命と比べられません。……それでできればロレントを返還してほしいのですが。」
「……条件がある。今回の保護で食料、医療薬などかなりの出費が出た。その条件を呑むのなら我ら
メンフィル軍はロレントから兵を退こう。」
「その条件とは……?」
女王達はリウイから出される条件を固唾をのんで待った。

そしてリウイが出した条件とは
1、ロレントの近くにある森の一部にメンフィル大使館を作ることを許可すること。
2、導力技術の提供
3、メンフィルの国教の一つ、混沌の女神(アーライナ)の教義を広めることの許可
だった。

「……以上の条件を呑むのならすぐに兵を退こう。よければ友好の証として現在占領されている都市の解放を手伝うが?」
「いえ、貴国にそこまでしていただくわけにはいきません。条件ですがアーライナ教を広めることにはすぐには頷けません。七曜教会との相談が必要ですので。」
「……いいだろう。こちらにも多少の非はあるしな。返事をもらうまでは我らが責任を持ってロレントを守ろう。」
「……念のためにこちらの兵も置いてよろしいでしょうかな?」
モルガンは情報等手に入れるためリウイに兵の配置の許可を聞いた。
「かまわん。我らをよりよく知るにはちょうどいい方法だしな……」
「ありがとうございます。……陛下、一度城に戻り会議を開かなくては。」
「そうですね……リウイ殿、私達はこの辺りで失礼します。」
一通り話し合いが終わった女王達はその場を去ろうとした時、シェラが入って来た。

「会議中のところ、申し訳ありません。リウイ様、エレボニア兵がボース方面より迫って来ています。」
「何……?ハーケン門にはファーミシルス達を配置したが。」
「敵兵勢力は数はありますが我らが圧倒的に優勢。ファーミシルス大将軍から伝令が来まして、現在ハーケン門にも
ボース方面から向かってきたエレボニア兵を相手にしてるとのことです。恐らくリベールの都市内を占領していた兵が2手に分かれたかと。」
「フン……ロレントとエレボニア侵攻の兵の敵討ということか。出陣するぞ。シェラ、ペテレーネ。」
「御意。」
「はい、リウイ様。」
リウイは外套をペテレーネから受け取るとそれを羽織り、エレボニア兵の出現に驚いている女王達に顔を向け話した。
「我らはこれよりエレボニア兵の迎撃にうつる。よければ我らの戦いを見ていくか?」
「よろしいのでしょうか?自国の戦い方を見せつけるなど。」
女王はリウイの提案に戸惑った。
「かまわん。見られた所で貴殿等が我らの真似をできる訳ないしな。」
「陛下、せっかくのご好意を受けられるのがよいかと思われます。」
モルガンはリウイの言葉に内心、自国では真似できないと言われ憤ったがメンフィルの強さを知りたいため
顔に出さず女王に進言した。
「陛下、将軍の意見に私も賛成です。陛下の身は我らが責任を持ってお守りしますので。」
「大佐まで……わかりました、リウイ殿、よければ後方で貴殿らの戦いを見せて貰ってもよろしいでしょうか?」
「ああ。」
そしてリウイはシェラやペテレーネと共に天幕から出て行き女王達もリウイ達について行った……







後書き 今、レンをどうしようか考え中なんですよね……
一つは教団壊滅作戦の時リウイ達に保護されマーシルン王家入りする。もう一つは原作通り結社入りし王都襲撃かリベル=アークの際リウイ達に敗北し、パテル=マテルはリウイ達に破壊され心のよりどころをなくし、脅えたレンにリウイ達が止めをさそうとした所をエステルに庇われ、今まで嫌っていたエステルを大好きになりエステルの支えになることを決める。どっちがいいかみなさんのご意見待っています。



[25124] 第9話
Name: sorano◆b5becff5 ID:50efcd77
Date: 2011/01/13 17:04
~メンフィル皇帝軍・本陣~

天幕から出た女王達はすでに整列して命令を待っているメンフィル兵を見て驚いた。
「な……すでに出陣用意ができているとは……なんという早さだ……!」
モルガンはメンフィル兵達の行動の早さを知り驚いた。そしてリウイは兵達の前に立ち、命令を出した。
「我らはこれより街の防衛とエレボニア兵の迎撃にうつる!第1部隊から第3部隊は市民を安全な場所に避難させろ!
第4部隊は……」
次々と命令を出すリウイに兵達はリウイに敬礼をした後それぞれの行動を移すために動き始めた。
そしてリウイ達は少数の兵を率いてボース方面の街道でエレボニア兵が来るのを待ち構えていた。そこにはリフィアやペテレーネもリウイと共にいた。
前線となる場所に皇女や衛生兵がいるのに驚きカシウスはリウイに自分の疑問を話した。

「リウイ殿、前線に皇女やシスターがいるのは危険なのでは……?それにこの数では迎撃が難しいのでは?」
「カシウスと言ったか。何か勘違いしているようだが2人がいるからこそこの数で迎撃できるのだ。」
「ハッ……?」
カシウスはリウイの言葉に思わず呆けた。
「……今にわかる。シェラ、エレボニア兵はまだか?」
「少々お待ちを……複数の反応が近付いております。後、数分で姿を表すかと。」
「わかった。ペテレーネ、リフィア。」
「お任せを、リウイ様。」
「余に任せておけ!リベールの者達よ、余の戦いをその目でしかとみるがよい!」
リウイの言葉を聞き、2人はそれぞれ詠唱を開始した。
「シェラ、お前も準備しておけ。」
「ハッ……いつでもいけます。我が主ご命令を。」
シェラもエレボニア兵が来る方向に攻撃できるように準備した。
そしてついにエレボニア兵達がその姿を見せた。

「来たか……攻撃開始だ。」
「……攻撃開始。」
「……アーライナよ!私に力を……深淵なる混沌、 ルナ=アーライナ!」
「これが余に秘められし真なる力!究極なる光、クロースシエル!」
「「「「「「「「「………ッ!!!!!」」」」」
シェラの砲撃、リフィアの出す強大な光の奔流とペテレーネの出す強大な闇の奔流がエレボニア兵を呑みこみそれをうけた大半のエレボニア兵達は叫び声を上げずのも許されず消滅していった。
「「「「なっ……!」」」」
それを見た女王達は驚愕した。

「敵兵戦力、攻撃前の兵力と比べ3割を切りました。」
「御苦労。いくぞ!一兵たりとも生かすな!」
「オオオオッオオオオオッ!!!!!」
「フフ、やっと私の出番ね。行くわよ!」
リウイの号令でカーリアンを筆頭にメンフィル兵達は進軍しリフィア達の攻撃を運良くのがれたエレボニア兵達を蹂躙した。

「神聖なる力よ!エクステンケニヒ !」
「「「ギャぁぁぁ……」」」
リウイの聖なる力を宿したレイピアが複数の兵を消滅させ
「ふふ、行くわよ……奥義!桜花乱舞!」
「「「グワァ!」」」
カーリアンの剣技は兵達の体を2つに分かれさせ
「古より伝わりし炎よ……落ちよ!メルカーナの轟炎!」
「「「ウワァァァァ……」」」
ペテレーネの火炎魔術に兵達は叫び声を上げながら骨すら残さず炎に焼かれ
「出でよ!ソロモンに伝わりし魔槍!……封印王の槍!死愛の魔槍!」
「「「グッ、ガハ!」」」
リフィアが次々と出す暗黒魔術の槍が兵達を貫き絶命させた。そしてメンフィル兵達も雄叫びをあげ敵兵を討取って行った。

「……メンフィルは信じられない戦い方をしますな……まさか王自身も戦うとは……」
カシウスはシスターのペテレーネや皇女のリフィアの魔術攻撃、シェラの砲撃、またリウイ自身が戦っているのを見て驚愕した。
「王族達も強いが兵達自身、統率がとれ一人一人が強すぎる……これがメンフィルの強さか……」
モルガンはメンフィル兵達の統率のとれた攻撃に唸った。
「……一般兵達がこれほど統率のとれた攻撃にうつれるのはやはり、リウイ殿の仁徳の良さですね……兵の一人一人がリウイ殿を信頼を超えて信仰に近い形で慕っているように見えます……私やクロ―ディア、デュナンでは決して真似はできませんね……」
女王はリウイのカリスマ性を感じ、自分たちでは決して真似できないとわかり溜息をついた。
「それだけではなく、王自身が戦い自らの強さを見せることで兵達の士気も上げているのでしょう……本当にリウイ殿は隠居をなさっているのでしょうか?」
カシウスはリウイの強さは自分を超えていると感じ、また先ほどのリウイの隠居しているという言葉に疑問を持った。そしてわずか1刻でエレボニア兵は全滅した。

メンフィル兵の勝利の雄叫びの中、驚愕している女王達のところにリウイ達が悠然と歩いてきた。
「いかがかな?我が軍は。」
「さすがエレボニアに侵攻するだけのことはありますね……それより、ロレントを守って下さってありがとうございました。」
女王はロレントを守ったことをリウイにお礼を言った。
「気にする必要はない。力持たぬ者を守るのも我ら王族の務めだ。」
「ご高説ありがとうございます。私達も見習わせていただきます。」
女王とリウイが会話を終えた時、今まで黙っていた七曜教会の司祭がペテレーネに質問した。

「ペテレーネ殿、一つ質問はよろしいですか?」
「……はい、なんでしょう。」
「なぜ、奇跡の力を戦争のために使うのですか?我々聖職者はそのような力を決して戦争に使ってはいけないはずです!」
「そう、申されましても……私はリウイ様のためにこの力を使っているだけです。」
司祭はペテレーネの言葉に驚愕した。
「なっ……!個人のためだけに使うというのですか!それでも神を敬う人間の一人ですか!?」
「……もちろん、我が主神、アーライナも敬っております。それにアーライナ様は混沌を司る女神。力をどのように使うかは個人の自由が我らの教えです。それに神核を頂いた時、アーライナ様は自分の思うがままにその力を使えとおっしゃられました。」
「「「「なっ!!!!!」」」」
司祭と横で聞いていた女王達はペテレーネの言葉に絶句した。

「一つだけ言わせてもらいます。あなた達の教義と我が主神アーライナの考えは違います。あなた達の考えといっしょにしないでください。」
ペテレーネは毅然とした態度で自分自身の考えを言った。そして女王達の様子を見たリウイが口を開いた。
「異世界の神官よ、一つだけ言わせてもらおう。ペテレーネは俺にとっても掛け替えのない存在だ。また、我が国にとってもなくてはならない存在だ。この意味はわかるな?」
「……それはどういうことでしょう?」
リウイの脅しともとれる言葉に司祭は震えながら聞いた。
「確か貴殿等、七曜教会にも武装集団がいたな。……”星杯騎士団”と言ったか。」
「なっ……!どこでその名を!?」
司祭は教会でも極秘とされる集団の名前を出され驚愕した。
「この世界はある程度調べさせてもらった。もちろん貴殿等、七曜教会も詳しくな。ペテレーネは我が国メンフィルの神官長であり、王族でもある。ペテレーネや娘のプリネに手を出したらどうなるかわかるな?」
「ッッつ!!!!」
司祭はリウイが星杯騎士団の実態を知っていることに気付き、王族でもあるペテレーネやプリネに騎士団が危害を加えることがあれば先ほどのエレボニア兵のようにメンフィル帝国に蹂躙されると思い、押し黙った。

「……さて、我らは事後処理があるのでこれで失礼させてもらう。先ほどの条件、よい返事を待っている。」
「……はい。では、私達はこれで失礼させてもらいます。」
メンフィルの強さを知った女王達はそれぞれが違った表情を出しながら、リウイの言葉に頷きその場をカシウス達と共に去った。


~ロレント郊外・ブライト家~

リウイと会談を終え、グランセルに戻る女王達にカシウスは1日だけ家に戻ることの許可をとり、急いでブライト家に戻りドアを蹴破った。
「レナ!エステル!無事か!?」
ドアを開けたカシウスが見た光景は食事の支度をしているレナと、何かの本を読んでいるエステルだった。
「あら、おかえりなさい、あなた。」
「おかえり~おとうさん!」
いつもとかわらない愛妻と愛娘の姿にカシウスはホッとした。

「ああ、1日だけ家に戻れる許可がとれたので戻ったぞ。ケガはしてないか?食事はまともにとれているか?」
「ふふ、見ての通りよ。食事のほうはメンフィル軍が食料を配給してくれているおかげで大丈夫よ。」
「そうか……そういえばエステル、何の本を読んでいるんだ?見た所聖書のようだが?」
元気そうなレナから現状を答えられカシウスはホッとし、エステルが聖書らしきものを読んでいるのを見て驚き聞いた。
「あのね、これはアーライナ教の教えと魔術の使い方が書いてあるの~」
「なっ……!エステル、お前、アーライナ教の信者になったのか!?」
カシウスはエステルが異教の信者になったのかと気付き顔色を変えた。
「ううん違うよ。あたしはただ、聖女様みたいに誰かを助ける力が欲しいから読んでいるだけだよ?」
「聖女様……!?エステル、ペテレーネ殿に会ったのか!?」
エステルから予想もしない人物の名が出、カシウスは驚いた。
「ほえ?おとうさん、聖女様に会ったの?」
「ああ……陛下の会談の時にな。」
「すっご―――い!あたしも会ってお礼をしたかったな。聖女様、めったに町に出てこない上に町に出てきたらみんなの人気者だから近づけないし……」
「お礼?エステル、何かあったのか?」
「うん、あのね……」
ペテレーネに会ったことにはしゃぐエステルにカシウスは事情を聞いた。それは死にそうになったレナをペテレーネと誰かが魔術を使いレナの命を救ったことで、レナからはリウイ達が自分達をエレボニア兵から守ったことを聞いた。
そしてエステルは大好きな母を助けたペテレーネに憧れ、少しでも近づくためにアーライナ教の教義が載っている本をアーライナ信徒から貰ったことを言った。

「そうだったのか………」
全てを聞き終えたカシウスは溜息をついた。そしてエステルに聞いた。
「エステル、お前はこれからどうしたい?ペテレーネ殿を慕ってアーライナ教に入信するのか?」
「ううん。あたしにはシスターなんて向いてないもん。でも聖女様のように誰かを助けれるようになるために、あたし遊撃士になる!そしてこの本に書いてある魔術を覚えて、それを使って聖女様のように傷ついた人を助けるわ!」
「そうか……父さんは応援するぞ。」
「お母さんも応援しているわ。がんばりなさい、エステル。」
「うん!」
父と母に自分の夢を応援され、エステルは元気よく頷いた。

その後久しぶりの家族そろっての夕食に3人は楽しんだ。そしてエステルが寝かしつけた後、カシウスはレナと話をした。
「レナ……今回のことが片付いたら俺は軍人をやめて遊撃士になろうと思う。」
「あなた?」
「エステルとお前から話を聞いて痛感した……軍人では身近な人間は守れない。今回はリウイ殿達のお陰でお前達は無事だったが、次があるかもしれないしな……だから俺はそうならないために遊撃士になる。」
「あなたがそう決めたのなら私はそれに従います。」
一家を預かる男として、職を手放すその行為にレナは笑顔で応援した。

そしてリベール王国はメンフィル帝国との条件を呑み、同盟を結んだ。異世界の宗教を広めることに七曜教会の
一部が反対したが、グランセルの司祭よりアーライナ教が広まる元となる人物は王族であり、またその人物より敵対する意思はないと伝えられ、星杯騎士団がメンフィル帝国を相手にする訳にもいかず、しぶしぶながらアーライナ教の布教を認めた。
その後、メンフィルの攻撃とリベールの反撃で疲弊したエレボニアはメンフィルとの仲介を条件にリベール侵攻を断念し、リベール、メンフィルと講和条約を結んだ。

こうして後に百日戦役と呼ばれる戦争は結果的に戦争を仕掛けたエレボニアが領土のいくつかを失い終結した。
また、ペテレーネは今回の功績が評価されアーライナ自身がメンフィルに降臨し、ペテレーネにさらなる力を授けるという異例の事態が起こった。

そして数年後………



後書き 次はいよいよリウイ達のパラメータを出します。まあ、反則的なパラメータですが。



[25124] 設定1
Name: sorano◆b5becff5 ID:9b89eb66
Date: 2011/01/14 16:44
<漆黒の神魔王>リウイ・マーシルン
LV500
HP70000
CP6000
ATK7000
DEF6000
ATS4000
ADF3000
SPD60
MOV20

装備

武器 ロイヤルバキュラ
防具 神魔の戦鎧(属性・魔神……空、時、幻以外の属性ダメージを半減する)
靴  ロイヤルブーツ
アクセサリー イリーナの首飾り(リウイ専用、回避30%上昇、5%の確率でダメージ無効)
       マリアハート (全パラメータ20%上昇効果、HP+5000)

自らの身体能力のお陰で即死無効、また、一人出番が廻るごとにCP300自動回復する。
ほか、パーティーにカーリアン、リフィア、ペテレーネ、プリネがいるとお互いATK、DEF10%アップ

オーブメント(無属性)並びはリシャールです。

クラフト フェヒテンアルザ 200 単体 5回攻撃
     フェヒテンケニヒ 900 単体 ダメージ450%
     戦闘指揮 100 全体 自分を含めた味方の回避、命中を20%アップ
     マーリオン召喚 300 自分 サポートキャラ、マーリオンを召喚する
(水属性の全体攻撃or味方全員20%回復)
     ウィンディング 400 小円 風属性130%攻撃
     フレインバル 400  小円 火属性130%攻撃、火傷20%
     メーテアルザ  400  小円 地属性130%攻撃
     エクステンケニヒ 600 中円 空属性150%攻撃

Sクラフト フェヒテンカイザ 単体 レイピアによる驚異の連続突き 
                     ダメージ300%の8回攻撃
      魔血の目覚め  全体 内に秘めたる魔の力を解放する究極奥義。時属性のダメージ2000%

<燐武の戦妃>カーリアン

LV500
HP68000
CP6500
ATK8000
DEF3500
ATS3000
ADF2000
SPD70
MOV18

装備

武器 戦姫の双剣
防具 女剣士の肌着
靴  剣士の靴
アクセサリー 剣の耳飾り(CP+500、SPD3%アップ)
       技力再生の指輪 (一人終わるごとにCPが200回復)

味方のすぐ後に攻撃すれば1.5倍。また、常にクリティカル率20%、回避率50%で回避すればカウンター攻撃。

オーブメント(時属性)並びはジョゼットです。

クラフト 挑発 20 自分 敵の攻撃対象を自分に向ける
     三段斬り 200 単体 3回攻撃
     双葉崩し 100 単体 騒動&アーツ妨害
     北斗斬り 300 単体 120%攻撃&マヒ20%、遅延効果
     淫魔の魅惑 500 全体 敵を50%で混乱させる
     魂の接吻術 600 単体 敵の体力を奪い自分の体力を回復させる
                    (ただし威力はATSに反映される)
     乱舞 400 小円 140%の複数攻撃
     冥府斬り  800 単体 200%攻撃&マヒ30%、またこの攻撃の後すぐ自分の番になる。

Sクラフト 白露の桜吹雪 特殊 自らを中心とした中円攻撃。ダメージ800%
     奥義・桜花乱舞 中円 武器から強力な衝撃波を出す技の中の最終奥義。ダメージ1200%

<アーライナ聖女>ペテレーネ・セラ
(属性・神格……物理攻撃を含め全属性ダメージを70%にする)
LV490
HP35000
CP9500
ATK300
DEF2000
ATS9999
ADF8000
SPD45
MOV12

装備

武器 アーライナの聖杖(攻撃の際30%の確率で敵のいずれかの能力を下げる)
防具 混沌の聖衣(即死無効)
靴  混沌の聖靴(毒無効)
アクセサリー 杖の耳飾り(EP、CP+250 SPD3%アップ)
       混沌の証(ペテレーネ専用、混乱・封魔・封技無効。5%でダメージ無効)
一人終わるごとにCP、EPが500回復、10%で敵の攻撃を反射、リウイがいると本人のATK、DEF10%上昇

オーブメント(時属性)ならびはレンです。

クラフト 連続闇弾 100 単体 2回攻撃の時属性攻撃
     闇の息吹Ⅴ 300 単体 味方のHPを全回復させる
     ティルワンの死磔 800 全体 180%の時属性攻撃
     死愛の魔槍 600 単体 時属性ダメージ150%&HP吸収30%
    滅びの暗礁壁 700 特殊 指定した横3列全体に時属性攻撃130%&毒30%
     トラキアの消沈 700 全体 敵全員のSPDを30%下げる
     アルテミスの祝福 500 全体 味方全員のSPDを30%上げる
     メルカーナの轟炎 800 小円 ダメージ180%&火傷30%の火属性攻撃
     ケシェスの聖炎  1500 全体 ダメージ140%&火傷20%の火属性攻撃
     酸衝撃 600 特殊 指定した横3列全体に地属性攻撃130%&毒30%
     イオ=ルーン 300 小円  ダメージ110%の無属性攻撃
     レイ=ルーン 400 中型直線 ダメージ130%の貫通する無属性攻撃
   ベーセ=ファセト 3000 全体 ダメージ200%&混乱、毒40%の地属性攻撃
   アーライナ召喚 5000 全体 サポートキャラ、アーライナを召喚する。
  (ダメージ1000%&混乱90%の全体攻撃or味方全員異常&全回復)


Sクラフト ルナ=アーライナ  全体 混沌の女神、アーライナの力を憑依させ、最大級の神力を放つ。ダメージ3000%

ペテレーネのクラフトは全てATSに反映される


<メンフィル帝国第一皇女> リフィア・イリーナ・マーシルン

LV400
HP25000
CP7500
ATK250
DEF1000
ATS7000
ADF6000
SPD30
MOV10

装備 

武器 プランセスロッド
防具 燐露の聖衣(空、幻属性の攻撃を半減する)
靴  燐露の靴
アクセサリー 賢者の石(一人廻るごとにCPが500回復)
       マルウェンの腕輪(経験値が40%増加)

アーツ攻撃無効、敵に見つかりやすい

オーブメント(空・時属性)並びはレンです。

クラフト 追尾弾 100 2回攻撃の無属性攻撃
     イオ=ルーン 300 小円  ダメージ110%の無属性攻撃
     レイ=ルーン 400 中型直線 ダメージ130%の貫通する無属性攻撃
     闇の息吹Ⅳ 300 単体 味方のHPを80%回復させる
     防護の光陣 500 全体 味方のDEF、ADFを30%上昇
     死愛の魔槍 600 単体 時属性ダメージ150%&HP吸収30%
     贖罪の光霞 800 全体 空属性ダメージ140%
     ティルワンの闇界 700 全体 120%の時属性攻撃
     エル=アウエラ 1200 全体 200%の無属性攻撃

Sクラフト クロースシエル 特大直線 内に秘めたる魔力を全解放する究極魔術の一つ。
ダメージ4000%

リフィアのクラフトは全てATSに反映される

<深凌の楔魔第五位>エヴリーヌ(属性・魔神)

LV380
HP40000
CP5500
ATK4000
DEF3000
ATS4000
ADF2800
SPD50
MOV10

装備

武器 蒼穹の魔神弓
防具 黎魔の戦衣
靴  闇の靴
アクセサリー 杖の耳飾り(EP、CP+250 SPD3%アップ)
       黒の魔鏡(20%の確率で敵の攻撃を反射)
一人廻るごとにCP、EPが300回復、常にクリティカル率10%、戦闘開始時10%で先制攻撃

オーブメント(時・風属性)並びはケビンです。

クラフト 三連射撃 300 単体 3回攻撃
     贖罪の雷 200 直線 貫通する130%の風属性攻撃、封技10%(ATSに反映)
     ティルワンの闇界 700  全体 120%の時属性攻撃(ATSに反映)
     闇の息吹Ⅲ 300 単体 味方のHPを60%回復させる
     制圧射撃 400 全体 110%の攻撃
     精密射撃 350 単体 150%のアーツ&騒動妨害、遅延攻撃
     審判の轟雷 800 中円  150%の風属性攻撃、封技25%(ATSに反映)
     ケール・ファセト  900 単体 時属性ダメージ200%&HP吸収50%
                              (ATSに反映)
     アン・セルヴォ 1000 中型直線 ダメージ300%

Sクラフト ゼロ・アンフィニ  大型直線 魔力の眼と闘気を最大限に出した一撃奥義
ダメージ2500%

<メンフィル大将軍>ファーミシルス
LV490
HP65000
CP6000
ATK6000
DEF4500
ATS5000
ADF3000
SPD55
MOV15

装備 ラクシュティール
防具 飛天魔の鎧(時属性ダメージを半減)
靴  飛天魔の靴 
アクセサリー 大将軍の指輪(DEF40%上昇)
       魔力再生の指輪(一人廻るごとにCP、EPが300回復)
味方のすぐ後に攻撃すれば1.5倍、戦闘開始時20%で先制攻撃

オーブメント(時属性)並びはヨシュア、ダドリーです。

クラフト 戦闘指揮 100 全体 自分を含めた味方のATK、SPDを20%アップ
     連接剣伸張 200 直線 アーツ&騒動妨害の貫通攻撃
     闇の息吹Ⅱ 300 単体 味方のHPを40%回復させる
     電撃剣 300 単体 140%の風属性攻撃、封技10%
     ティルワンの闇界 700  全体 120%の時属性攻撃(ATSに反映)
     封印王の槍 400 単体 時属性攻撃ダメージ130%
     強酸の暗礁壁 700 特殊 指定した横3列全体に時属性攻撃、120%&毒20%
     連接剣双伸張 1000 直線 ダメージ300%の2回攻撃、この攻撃の後すぐ自分の番になる

Sクラフト 暗礁電撃剣 単体 電撃剣の上位奥義、ダメージ800%&封技70%
      暗礁回転剣武 大型直線 近づく者全てをチリにする最終奥義、ダメージ1500%






後書き 強すぎです。特に前衛は正直言ってカシウスやレーヴェどころかウロボロスの全戦力でも無理でしょう。原作知ってる人ならわかると思いますが、VERITA後だったらこれぐらい強くても可笑くないはずです。HPの限界は軌跡シリーズを採用しています。後、CPはリウイ達に200とか少なすぎですし。というかリウイ達にオーブメントって必要でしょうか?全員、人間じゃないですから。オーブメントを使って身体能力上げたらとんでもないことに……それとペテレーネが純粋と地の魔術が使えるのはアーライナからさらなる力を貰った時に使えるようになりました。
元々大地も司っていましたから使えてもおかしくないでしょうし。
後、更新はしばらくないかもしれません。ここで一区切りができましたので、焔の軌跡に集中しようかなと思っています。


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