びるご (青森〜函館)
 【道南自動車フェリー株式会社】
 評価:★★
真っ白!何を意味するの?


            びるご(函館港)
青函航路から高速船と東日本フェリーが撤退、道南自動車フェリーとなり、道南のえさん2隻と東日本だった本船と「びなす」の計4隻で運航を継続している。会社が変わって早速のドック入りとなり、船体塗装が注目されたのだが、何と真っ白にいるかマークのみで衝撃を与えた。船は旧東日本フェリーの中距離航路仕様の典型的な仕様。レストランは以前から閉鎖されているものの、個室やそれなりの設備が整い、ゆっくりと「船旅」を楽しめる貴重な存在となる。

平成2年就航。総トン数6300トン。
(利用時期:平成21年2月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特 等 ・バス、トイレ付きのツインルーム。テレビあり。他の等級と独立した場所にあるので静かで良い。
・備品はゆかた、スリッパ、歯ブラシ、シャンプーとリンス(持ち帰り可のボトル式)、せっけん、ひげそり、バスタオル、社名入りサービスタオル、茶器セット(ポットは電動)。
・ベッド幅は90cmで寝具は毛布。マットに敷きこむスタイルで上にベッドカバー。
・放送音量の調節可能。空調はナイトテーブルに調節つまみがある。
・面積は広く、ソファーはどっしりとして座り心地良好。
・バスルームと洗面台が別なので、入浴中に洗面台が外に出ないと使えないので歯磨きやひげそりに不便。
・時計の針が進む音が1分ごとに聞こえるので寝付くまで耳障りか。
1 等 ・洗面台、テレビ付きの2段ベッドの4人部屋で和洋室と洋室タイプがある。右舷側が和洋室、左舷が洋室。
・他に1等和室もあるが詳細は不明。
・備品はゆかた、スリッパ、サービスタオル、せっけんのみ。案内冊子や茶器セットは青函航路ではない。
・ベッド幅は90cmで寝具はシーツ付き毛布。
・放送音量、空調の調節可能。
2 等 ・一般的な大部屋で枕のみ。毛布は有料で300円もする。
・上の階の展望室も実質的に2等室として機能している。
特 等 特等室内の浴室 1 等(洋室)
1 等(和洋室) 2 等 2 等(展望室)
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売店
エントランス
・案内所と売店は隣接していて共通。長期保存可の菓子パンやカップラーメンの販売あり。電子レンジあり。
・ロビーはふかふかの大きなソファーが並んでいるので快適。それ故、居座ってしまう2等客も。
・船内はほとんどが禁煙となったので、エントランスの一角に隔離された喫煙室が新設されていた。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(小)230円、ビール(大)300円。
・カップラーメンあり。
レストラン ・レストランの営業は青函航路では行っていない。入口に掲示がありドアは固く閉鎖されていた。
浴 室 ・窓なし。洗い場は5ヶ所でかなり狭い。最近、タイルの張替えをやった模様。
・浴槽にお湯はなくシャワーのみの利用に制限。
・ボディーソープ、リンスインシャンプーの用意あり。
・脱衣所には100円玉返却式コインロッカーあり。ドライヤーの用意なし。
展望室 ・上の階の船尾には展望室があるが、ソファーが撤去されており、実質2等室として機能していた。
・じゅうたんが張り替えられており、綺麗になっていた。
トイレ ・和式、洋式とも併設。便座クリーナーやシートペーパーなし。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。1台撤去されていた。
給湯・冷水 ・給湯器、冷水器あり。(案内所後方のドライバー室へつながる通路)
分煙の状況 ・案内所前の隔離された喫煙室を除いて禁煙。個室も禁煙になっていた。
・分煙を徹底、マナーを守るように掲示があった。
エントランスホール エントランスホール 浴室(シャワーのみ)
 Infomation〜船内案内・感想など
いまや青函航路で普通の旅客設備を有し、接客要員が乗務して個室まで販売しているという貴重な存在の船となった。快適な船旅を求めるのなら本船か「びなす」を選ぶのが無難。特に深夜時間帯のセキュリティー面では客室乗務員が居るのはありがたい。

ドック明けの新塗装は予想に反して真っ白!通常は真っ白な船体は豪華客船やよほどの信念でもない限り、錆や汚れが目立つので避ける傾向があると思うのだが、汚れやすいフェリーにもかかわらず何故か真っ白!真っ白になったフェリーといえば、海外に売船された「フェリーつくば」が記憶に新しいが、同じような運命となるのであろうか?

高速船が撤退し、それ以前よりも輸送力、便数が大幅に減って不便になったうえに運賃大幅値上げ。割引もやらざるを得ない一般的な割引以外はほとんどなくなった。並行する青函フェリーと比べて価格差も大きくなっている。本船と「びなす」は旅客設備もそこそこ整っているので仕方ないと何とか納得できるが、えさん姉妹まで大幅値上げはどうかと思う。えさん姉妹は「エコノミーフェリー」とでも命名して少しは安くしてはどうか。

港で配布や掲示している時刻表には船名の記載がない。旅客設備の差が顕著すぎるし、配船は固定されているようなので、船名の記載をお願いしたい。インターネットで空席照会すれば表示されるが、ネットを使わない人にもわかるようにきちんと表示すべきと思う。

前の会社が撤退して同じ船や人を道南に移籍という形をとられ、従業員の労働条件の切り下げるという冷酷な経営のなか、現場の人達はとても良く頑張っていたように感じた。特に窓口の対応は素晴らしいと感じたよ。

青森のターミナルが旧高速船ターミナルへ移転している。徒歩の場合は駅からのタクシー運賃が高くなるうえに、船は旧ターミナルのそばに接岸するので、無駄な移動距離が増える。寒い日や雪の日は最悪。

あまり豪華な船ではない割には車輌甲板からのエスカレーターがある。重い荷物を持った人や老人には長い階段を昇らなくてもよいので、すばらしい設備だと思う。徒歩の場合でも車輌甲板からの乗下船となるので、特に価値あり。(エレベーターはなし)

乗船名簿が大幅に簡略化されていた。代表者名と電話番号、人数のみの記載でOK。

以前の行方不明者多発の影響が残っているのか、夜間の航海は外部デッキへの出入りが禁止されるようだ。
   船 室 構 成 合 計
特  等  洋室2名×3室 6名
1  等  洋室4名×12室 和室5名×6室 78名
2  等  大部屋 436名
ドライバー室  2段ベッド 80名
 更新履歴
H18.11.23 航路変更に伴い大幅に書き直し
H19.09.08 航路変更に伴い大幅に書き直し
H21.02.12 運航体系の大幅変更に伴い書き直し

もどる
トップページにもどる