びなす (青森〜函館)
 【津軽海峡フェリー株式会社】
 評価:★★
現代の津軽海峡の女王様?


           びなす(青森港)
新造時は青森〜室蘭航路に就航、その後青函航路とを行き来していたが、昨年の室蘭港からの撤退に伴って青函航路に戻ってきた。船名はひらがなで「びなす」だが、カタカナで「ビーナス」と言えば金星の事と意味がわかりやすいかと思う。元々は中距離航路仕様なので短時間の青函航路には勿体ないほど船内設備は充実しており、個室もあるので快適な船旅をたのしめる。平成21年11月より津軽海峡フェリーへ社名変更、船体塗装も真っ白に改められている。

平成7年就航 総トン数7100トン。
(利用時期:平成21年11月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特 等 ・バス・トイレ付きのツインルーム。バスルームの外にも、もう1つ別に洗面所がある。
・ゆかた、スリッパ、バスタオル、サービスタオル、せっけん、シャンプー、リンス、歯ブラシ、カミソリ、ティッシュペーパー、茶器セット(電動ポット)、船内案内冊子がある。
・放送音量、空調の調節可能。
・ベッド幅は船首の部屋は90cm、左舷の部屋は110cmとゆったり。寝具はシーツ付きの毛布。
・部屋のは広く、質としては長距離フェリーと遜色ないというかそれ以上で立派すぎるものである。
・船首の部屋は前が見れる窓があるのだが、変わった形の構造物のため眺めが悪い。1部屋だけ左舷側に部屋があるが、その方が好き。
・和室も2部屋あるが、布団を自分で敷かなければならないのが面倒。乗船時に用意しておいて欲しい。
・航海中も通風機の音が気になる。
(※特等室の情報は平成20年9月現在。変更あるかも?)
1 等 ・洗面台、テレビ付きの2段ベッドの4人部屋。部屋数は少ないが2人部屋もある。
・2人部屋は1人での「予約」には50%の貸切料金が必要となるが、4人部屋は相部屋の可能性を承諾すれば定員以下でも利用できる。2人部屋は室数が少ないので予約はお早めに。
・ゆかた、スリッパ、サービスタオル、液体せっけんがある。
・ベッド幅は90cmで寝具は清潔なシーツ付きの毛布。
・放送音量、空調の調節可能。
・カーテンの遮光性が低いので明るい時間帯は寝苦しいかも。
2 等 ・普通の大部屋。箱型の枕はあるが、毛布は有料で300円。
・皆が好き勝手な向きに寝るので着席効率が悪い。
・他に上の階の展望室も実質的に2等として使われている。
※平成19年9月より、個室内も禁煙になったとの事。
特 等(洋室) 特 等(和室) 1等(4人部屋)
1等(2人部屋) 2 等 2等(展望室)
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売店
エントランス
・案内所と売店は兼用で、品物は必要最小限。出港後しばらくすると閉店される。(営業時間の掲示が欲しい。)
・いかめし350円、レトルトカレー347円、アイスクリーム126円など。1円単位での価格設定が面倒。
・電子レンジ、記念スタンプ、消毒液、オリジナルゲロ袋、携帯充電器(有料)あり。
・エントランスは禁煙で隔離された喫煙室が新設されていた。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)300円、ビール(小)230円。
・カップラーメンも扱っている。
旧レストラン ・営業していないので、かたく閉鎖されている。
浴 室 ・窓なし。浴槽に湯はなく、シャワーのみ使用可能で水圧は良好だった。洗い場は4ヶ所に削減。
・ボディーソープ、リンスインシャンプー有。脱衣所には100円玉返却式コインロッカーあり。
・ベビーベッドが女性用の脱衣所にあるそうだ。
展望室 ・船尾に展望室があるが、ソファー等は全て撤去されており、実質2等室として運用されていた。
トイレ ・洋式のみ。シートペーパーや便座クリーナ等は一切なし。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
給湯・冷水 ・冷水器あり。
※夜間は外部デッキへの扉は閉鎖されていた。
エントランスホール プロムナード 浴 室
 Infomation〜船内案内・感想など
東日本フェリーの国内フェリー事業からの撤退、赤字の青森〜室蘭航路が廃止され、本船は売船されるのかな?と思ったものだが、再度青函航路に戻ってきた。

発券窓口、船内蝶ネクタイ氏、車両甲板作業員、清掃のおばちゃん達まで、従業員の接客態度は以前とは比べものにならない程、気持ちのよいものだと感じた。会社が厳しい状態となって、やっと現場の意識も向上してきたのだと思う。どこかのクルージングリゾートフェリーの車両誘導監督も見習うべしと言いたい。

船体の塗装は旧東日本フェリーのものとは全く異なり、白い船体に津軽海峡フェリーのロゴが描かれている。真っ白すぎて何だか物足らない印象で、しかも塗装後日数が経っているので船体の汚れや錆がよく目立ち、前のデザインの方がよかったなと個人的には感じる次第。

現在は1日2往復半のダイヤなので、「びるご」と本船で配船が毎日入れ替わっているのだが、年末以降は1日2往復のダイヤへ減便となり、配船が固定される。元貨物フェリーの船も就航しているので船内設備差が顕著で、配船は時刻表やHPで告知されている。

2等船室の通路には、上級船室の写真や、船橋、機関室の写真などを展示したコーナーがあった。こういう時代なのでなかなか実際の見学は受けにくいとは思うが、海事思想の普及を促進する掲示物に好印象を持った。また、その場所にはスーパーのようにお客様の声を投書する投書箱があり、それに対する会社側の回答が掲示されており、実際に改善しているものもあるようだ。投書箱はよく見るが、回答を掲示するフェリー会社は多分初めてだと思う。

車輌甲板からのエスカレーターがある。重い荷物を持った人やお年寄りには長い階段を昇らなくてもよいので、素晴らしい設備だと思う。青函航路は徒歩の場合でも車輌甲板からの乗下船となるので、特に価値あり。尚、下船は車両が優先となる。徒歩の場合は案内所前に集合させられて少し待たされる事になる。
   船 室 構 成 合 計
特  等  洋室2名×3室 和室2名×2室 10名
1  等  洋室2名×5室 洋室4名×14室 66名
2  等  大部屋425名 展望室219名 644名
ドライバー室  2段ベッド 80名
 更新履歴
H19.10.27 船室、公室の写真追加、サービス体制の確認。
H20.10.03 写真の一部を差し替え。2枚の乗船券への意見を削除。
H21.11.23 航路変更に伴い大幅に書き直し。

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