ブルードルフィン (青森〜函館)
 【津軽海峡フェリー株式会社】
 評価:★★★
まさか?帰ってきた「ほるす」


       ブルードルフィン(青森港)
東日本フェリーで「ほるす」として就航、韓国に用船されクルーズ色の強い「パンスターハニー」として使われていたのだが、再度おおがかりな改造が施され、津軽海峡に戻ってきた。船内は豪華なパンスターハニーの面影は少なく、「ほるす」を改善したという印象。日本のフェリーでははじめて犬をデッキで散歩させることができる「ドッグバルコニー」を設けた点が大きな特徴。

平成22年就航(改造)。総トン数7000トン。
(利用時期:平成22年9月)
 Cabin〜船室は快適か?
等級の名称は本船のみカタカナの表記となっている。
等 級  設備・感想など
プレミア ・船首に位置する寝室、リビング、ジャグジーのある広い部屋。パンスターハニーのプレジデントスイートであった場所にある。せっかくの豪華な部屋だが、航路事情を考えるとほとんど利用はないと想像する。という事で、当サイトでは調査の対象とする予定はない。
スイート ・シャワー、トイレ(温水便座)付きの2人部屋。スイートというより特等の印象。
・テレビ、バスタオル、フェイスタオル、使い捨てスリッパ、ナイトウエアー、粉末のお茶とコーヒー、空の電動ポット、ドライヤー、ティッシュペーパー、シャンプー、リンス、ボディーソープ、紙コップ、歯ブラシ、かみそり、くし、簡単な案内冊子の用意がある。
・ベッドはシングルベッド(幅95cm)を2台並べて置いているので男性2人での利用はお勧めしない。
・放送音量の調節可能。空調は室温の設定ができる操作盤があるのだが、触るなとの事。天井のつまみで風量の調節は可能。
・シャワーの水圧は良くないが、我慢の範囲内。
・靴を脱いで小上がりに上がる斬新なスタイルの洋室なのだが、椅子が固すぎて長く座ると痛い。しかも椅子が固定されていて不便。せっかくなら座布団とちゃぶ台にして床にべたっと座るスタイルにして欲しかった。欧米人だったら靴を脱ぐというのを理解できずにそのまま土足で上がりそう。
・ドアクローザーの調節が固すぎてドアがなかなか閉まらず、強く引かないと閉まらない。
ファースト ・洗面所、テレビ付きの2人部屋。
・フェイスタオル、使い捨てスリッパ、ナイトウエアー、粉末のお茶、空の電動ポット、ティッシュペーパー、紙コップ、歯ブラシ、簡単な案内冊子の用意がある。
・ベッド幅は95cmで寝具は布団で快適。
・放送音量の調節可能。空調はスイートと同じで、室温の設定ができる操作盤があるのだが、触るなとの事。天井のつまみで風量の調節は可能。
・靴を脱いで小上がりに上がる。大きなクッションが2つあるのでそれに座れという事なのかも知れないが、中途半端な姿勢になり、テーブルの高さも中途半端。
・テーブルの角が尖っているのだが、怪我をしないように保護していた気配りには好感。
コンフォート ・カーペット敷きの4人部屋。部屋単位での販売となるので貸切が必要。
スタンダード ・箱枕、テレビあり。毛布の貸出しについては調査を忘れてしまった。
・窓なしの部屋を女性専用に指定していた。
スイート ファースト スタンダード
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売 店
エントランス
・エントランスには週刊誌、パンフレット、船位の表示モニター、ブリッジからの船首側の映像を表示するモニター、パソコンブース、テレホンカード式の公衆電話ボックスがある。
・売店の営業は出港後数時間で閉店。お菓子やお土産が主で食事になるもんお販売はない。
・案内所には閉鎖後の連絡用のインターホン、記念スタンプあり。
・マッサージ機は20分100円で割安。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)300円、ビール(小)230円。
・飲み物の他、冷凍食品、カップラーメン、アイスクリームも扱っている。
オート
レストラン
・旧レストランの跡地は、自販機と電子レンジが並ぶ、持ち込みOKのフリースペースとなっていた。
・冷凍弁当は親子丼やパスタなど550〜600円。
・割り箸、紙皿、スプーンの用意あり。
シャワー
ルーム
・8ヵ所。水圧は良好で、各ブースにシャンプー、コンディショナー、ボディーソープあり。
・脱衣場には無料の鍵付きロッカー、ドライヤーあり。
トイレ ・洋式のみで温水便座付き。便座クリーナーあり。
・男性用にもベビーベッドの設置あり。
ロッカー ・エントランス後方に100円玉返却式の貴重品ロッカーあり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
給湯・冷水 ・冷水器あり。お湯はオートレストランのカップラーメンの自販機から出る。
分煙の状況 ・エントランスとプロムナード前方に喫煙コーナーあり。
ドッグ
バルコニー
・ペット料金を千円払えば、ペットをデッキで堂々と散歩できる日本のフェリー初の設備。
※その他の設備:ゲームコーナー、キッズルーム、パウダールーム(女性専用)など。
※船内各所に監視カメラあり。
エントランスホール オートレストラン オートレストラン
プロムナード シャワールーム ドッグバルコニー
 Infomation〜船内案内・感想など
幸い「パンスターハニー」に乗る機会があり、「ほるす」と同じ船とは思えないほど豪華になったのに驚いたものだが、「ブルードルフィン」になってまた元の「ほるす」に戻ったなというのが感想。「パンスターハニー」を知らなければ、「ほるす」が綺麗にリニューアルされてパワーアップして帰ってきたなと感じると思う。船内各所には改装工事の写真が展示されているのだが、内装は見事に剥がされていたので、その変貌ぶりも理解できた。

船室の等級呼称が流行のカタカナ表記となった。スイートが特等に、ファーストが1等に、スタンダードが2等に相当する。同じ航路を運航しているほかの船は旧呼称のまま。同じ航路で船によって等級呼称が違うというのはわかりにくくてややこしい。カタカナの呼称は好きではないから統一してほしくはないけど、一般の利用者の立場にたてばどちらかに統一した方がいいと思う。

スイートとファーストの個室、上で少々苦言も書いたが、日本の他のフェリーでは見られなかった斬新なアイデアを盛り込んでいるのは確かだと思う。靴を脱いで上がる洋室という概念は小笠原海運の特等ぐらいでしか記憶にない。日本人の感覚にとてもマッチした良いアイデアだと思うので、もう少し詰めてより快適な部屋になることを期待したいと思う。

日本初の「ドッグバルコニー」で愛犬と一緒に楽しむ船旅がウリのようだが、わずか4時間弱の短距離航路で、車内に残す人が多いなか、わざわざ有料で利用する人がどれだけいるかが見物。また、わずか千円の料金で、過大な設備投資をして、清掃のコストをペイできるのか、素人目にみても難しそうな気がする。おそらく経営トップに犬好きの人がいて、採算度外視のサービス覚悟でやっているのはないかと思える。まあ、それはそれで大変結構なことで。

青森港での岸壁は、津軽海峡フェリーのターミナル(高速船ターミナル)からは最も遠くて不便。徒歩乗船時はバスでの案内となるが、下船時は放置だった。わざわざ移転しているのだが、高速船がなくなった今日、街からも遠くなり、船にも遠くて不便でしかないと思う。
   船 室 構 成 合 計
プレミア  洋室2名×1室 2名
スイート  洋室2名×2室 4名
ファースト  洋室2名×8室 16名
コンフォート  洋室4名×4室 16名
スタンダード  和室130名×2室 52名×2室 42名×2室 24名×1室 他 550名
 更新履歴
H22.09.29 新規掲載

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