さんふらわあ ふらの (大洗〜苫小牧)
 【商船三井フェリー株式会社】
 評価:★★★★
生まれ変わった「へすていあ」


       さんふらわあ ふらの(大洗港)
首都圏からのアクセスに便利な大洗港と北海道を結ぶ航路。以前は東日本フェリーで船名 「へすていあ」として運航していたが、当時共同運航していた商船三井フェリーに集約することに伴い、入渠時に商船三井方式の「さんふらわあ」シリーズに船名変更した。おおがかりな客室の改装が行われ、日本のフェリーでは初となる乗客向けのインターネットコーナーを設置している。

平成5年就航、平成19年船名変更。
総トン数13500トン。
(利用時期:平成22年6月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
スイート
ルーム
・以前は一般に発売していなかった「特別室」(オーナーズルーム)を「スイートルーム」として発売開始。
・右舷船首にあるので苫小牧行きの場合は陸側と逆の舷となるので注意。(この場合、携帯電話はほぼ圏外)
・利用したことがないので詳しくは知りません!
デラックス
ルーム
・バス、トイレ(温水便座)、冷蔵庫、テレビ、DVD付きのツインルーム。
・ゆかた、スリッパ、バスタオル、サービスタオル、せっけん、歯ブラシ、リンスインシャンプー、ボディーソープ、茶器セット、ティッシュペーパー、船内案内冊子が用意されている。
・ベッド幅は90cmで寝具は布団。マットは固めで個人的には好き。ロッカーに予備の毛布あり。
・空調はダイヤル式で調整可、放送音量も調節可である。
・椅子とテーブルの配置が悪くて使い勝手が悪い。HP等には普通に向い合わせの椅子とテーブルの部屋もあるみたいだが、残念ながら当たったことがない。
・ユニットバスが上げ底になっていて危ない。三菱下関建造はこういう韓国製のユニットバスが多い。
スタンダード
ルーム
・テレビ、DVD、洗面台付きの2段ベッドの4人部屋。ソファーのある洋室が2タイプと小上がりのある和洋室タイプがある。個人的には和洋室タイプが好き。(他に完全な畳敷きの和室もある。)
・ゆかた、スリッパ、サービスタオル、せっけん、歯ブラシ、茶器セット、ポケットティッシュ、船内案内冊子がある。
・ベッド幅は90cmで寝具は布団。
・空調(壁の温度つまみ)と放送音量の調節可能。
カジュアル
ルーム
・窓のない2段ベッドの12人部屋。ドアは無くカーテンで区切る。
・寝台の通路幅が広く、寝具は毛布だが、別にシーツあり。毛布が新しくなっているように感じた。2等寝台としては上出来かと思う。
エコノミー ・いわゆる大部屋の指定席。厚めのマット、毛布、シーツ、そして「枕カバー付きの柔らかい枕」がセット。
・2等としては非常に質が高くてサービスが良いと思う。
デラックス デラックスのユニットバス スタンダード(和洋室)
カジュアル エコノミー エコノミー
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売 店
・案内所は夜間(21時30分〜8時)は緊急電話を残して閉鎖。貴重品の預かりOK。
・品揃えは必要最小限ながら、案内所と併設されているので、深夜に閉まる以外は営業しているので利用しやすい。
・割り箸、紙コップを無料で配布。
・記念写真用の船長制服のコスプレ衣装がある。
・船名にちなんでか、富良野周辺の観光パンフレットが多数揃えられていた。
・新聞、古雑誌や漫画本のサービスあり。
・売店ではカップラーメンや長期保存の菓子パンなど、レストランの売り上げを妨げる可能性のあるものも、客の立場にたって販売していたのは好感。
インターネットコーナー ・船からインターネットができるという国内フェリー初の画期的な試みだが、利用は少ないようだ。
・当たり前だとは思うが監視カメラで警戒。
・25分または3000パケットで500円の時間、従量併用制。動作は遅く、重いサイトを見るとどんどん減る。
・ネットに繋ぐ前に文を編集したり、自分のパソコンで書いたものをメモリーに入れてから書き込むなどはできない。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)300円、ビール(小)230円。
・他はアイスクリーム、お菓子など。カップラーメンは売店で販売。
レストラン ・夕食は1800円、朝は1000円のバイキング。昼は800円のカレーバイキング。券売機で食券を購入。
・昼はコーヒーのみ(300円)でも利用可能との事。
・夕食と朝食または昼食のセット券が2300円でお得。この場合、夕食時は食券に検印を、朝食時に券を回収される。船酔いや寝坊で食べなくても払い戻しはない筈なので注意!以前は朝食用だったのだが、昼食でも使えるように改善されている。
・生ビールは北海道限定のもので500円だが、朝、昼は販売しないとの事。
・テーブルに衝立を設けた日本特有の1人客向けの席もあった。繁忙期にはいいかも?
・調味料や、爪楊枝などは各テーブルにはなく1ヶ所に集約した、あいかわらずの旧ブルハイ式。
・従業員の接客態度は良好だったが、忙しそうでアルコール類を頼みにくかった。
浴 室 ・展望式で洗い場は15ヶ所。サウナを併設。シャワーブースも3ヶ所あるがカーテンなしで丸見え。
・22時〜6時30分の間は閉鎖される。
・リンスインシャンプー、ボディーソープ備え付け。(名の通ったメーカーの品)
・脱衣所には100円玉返却式コインロッカー、ドライヤーあり。
・洗濯機と乾燥機が2台ずつ設置されており何と無料で利用できる。洗剤なし。
・使う人はほとんどいないと思うが、社会の流れに対応してか、男性用にもベビーベッドあり。
展望
ラウンジ
・ソファー、寝れそうなリクライニングシート、カウンター席があり、深夜も含めて利用できる。
・電子レンジが無料で使える。製氷機は使用不可になっていた。
・昼夜を問わずに2等客の溜まり場と化していた。
・下船前の昼食時間帯はカップラーメンを食べる人で賑わっていた。
・ドライバー食堂が隣接していて天井がつながっているので、声が聞こえてきていつも賑やか。
・マッサージ機が12分200円。
キッズランド ・カーペット敷きの広間で、大人にも一部開放との事だが宴会は禁止。(旧ミーティングルーム)
・いつでも繁忙期に臨時席に転用できそうだが、本当にやるかは不明。
マリン
シアター
・映画を乗船日と翌朝に2種類放映。
・個室のテレビでも視聴可能。
トイレ ・洋式で、全て温水便座に改善されていた。便座除菌クリーナー有り。
・予備のトイレットペーパーが山積みされており、品切れの可能性が少ない。
ロッカー ・エントランス(案内所前、後部)に100円玉返却式コインロッカーあり。
・後部エントランスに冷蔵品ロッカー(以前は無料だったが有料200円に変更)あり。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
給湯・冷水 ・給湯器、冷水器あり。一部の給湯室に電子レンジ有り。コップは案内所で無料配布。
※船内通路に監視カメラが増設されていた。
※外部デッキは悪天候時は立入不可。スリッパでも出ないようにとの事。
エントランスホール インターネットコーナー 展望浴場
展望ラウンジ 喫煙所 レストラン
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)レストランについては北海道への長距離航路(他、太平洋と新日本海)の中では一番良いと思う。バイキングではあるが、冷凍食品が主体ながらも、メニューにそれを感じさせないような工夫がなされていると思う。北海道や季節を感じるメニューも見受けられ、刺身もある。旧ブルハイ時代の冷凍紙皿バイキングの悪いイメージを払拭できるものと思う。価格についてもセット券を購入すればお得(私の解釈では夕食1500円+朝食800円=2300円かな?)であるので、是非利用して欲しいと思う。

(NEW)1人客のためには閑散期限定だが、時期によっては貸切料金がかからない「シングル スタンダード キャンペーン」や「シングル デラックス キャンペーン」を実施している。ただ、最新の6月末までのスタンダードの企画だが、2週間前までに要予約という厳しい制約が付いて利用しにくくなった。(以前は直前でも空室があれば利用できた。) 今後、縮小傾向となるのではないかと危惧している。競合他社では閑散期には1人でも貸切料金を取っていないので、秋以降の閑散期にも是非設定をお願いしたいと思う。尚、予約は電話のみで、こちらからキャンペーン利用を申告しないと貸切料金が課金されるので注意。

(NEW)閑散期限定だとは思うがデラックスルームを1部屋、モデルルームとして見学できるように開放していた。普通の部屋にはないとは思うが、ベッドの上に花毛布も飾っていたのには感動!上等級の販売促進に大変有効な試みだと思う。ついでにスタンダードも公開してはどうかな?と思う。

(NEW)エントランスの階段と展望室への階段に車椅子用のリフトが新設されていた。エレベーターは車両甲板から案内所のある第5甲板までしか通じておらず、建造当初はそれで良かったかも知れないが、現代の社会的の流れに対応するようにコストをかけて設置したのだと思う。これによってデラックスルームやレストランを利用することができるようになった。

個室の予約をするときに、部屋番号の指定や条件の指定、確約ができない。HPによると、当日早めに窓口に行って希望を言えとの事だが、何を基準に決めるのか知らないが、当日はすでに部屋割りは完成しているので、希望を言うと手間をかけてしまうので言いにくい雰囲気も。携帯を使いやすい陸側にこだわる人、静かな船首の方が好きな人、揺れの少ない中央が好きな人など、人によって部屋位置への希望は異なると思う。予約時に部屋番号を確定できるように予約システムを改善してほしい。

甲板の階数を表示する方法が3種類もあって非常にわかりにくい。数字、アルファベット、日本語、さらに車両甲板については色での表示もしている。(例:第6甲板=Bデッキ=上部遊歩甲板) 旅客への案内で使うのは数字と車両甲板の色だけの方がシンプルでわかり易いのではないかと感じた。脱出経路図や船内配置図で記載が統一されていない。

船内テレビで表示される航路表示なのだが、いまだに船体の写真が「さんふらわあ つくば」。せっかく大掛かりな船体塗装の変更を行ったのだから、航路表示の作成を遅らせてでもきちんと「さんふらわあ ふらの」の写真としてほしかったと思う。あきらかに「つくば」の文字が見えるし、客室が1層しかなく外観が一見して異なるので、ヲタでなくても気付くのでは?

車両甲板では駐車した階をわかりやすくするために階段付近を色で表示して、陸上の立体駐車場のように確認票を置いている。(以前は動物の絵だったが)ここまで徹底するという事は駐車位置がわからなくなる客が多いという証。この件に関しては、「自分の車を駐車した位置をきちんと覚える。」という客側の常識も必要かと思う。陸上の立体駐車場で迷ってしまうのはご自身の勝手だが、船の場合は他の車の下船が遅くなる事があり、他人に迷惑をかけることになる。

等級の呼称が変更され、カタカナ表記となった。慣れ親しんだ等級制の方が私はピンとくるのだが、会社側としては古臭くてお堅い印象を薄くして親しみやすくしたいのだと思う。ただ、「1等=スタンダードルーム」というのはイメージが違うような気がする。1等がスタンダードならそれ以下は何なの?個人的には「スタンダードルーム」は2等や2等寝台に付けるものだと思うが。

部屋番号は「へすていあ」時代は船の伝統に従って右舷が奇数、左舷が偶数番号で「一般には」わかりにくかったが、番号の順番に並ぶように改善されていた。

女性従業員の船内放送はとてもさわやかで上手だった。売店やレストランでの接客態度も無理に気取ったりせずに親しみやすくて気持ちが良いと思う。サービスが良いとされる他社よりもかえって良いかも?
   船 室 構 成 合 計
スイート  洋室2名×1室 2名
デラックス  洋室2名×28室 56名
スタンダード  洋室4名×24室  和洋室4名×20室 和室4名×5室 196名
カジュアル  洋室12名×14室 168名
エコノミー  和室75名×1室 65名×1室 28名×2室 17名×1室 213名
ドライバー室  洋室35名×2室 70名
 更新履歴
H19.03.09 新規掲載
H20.01.18 一部写真の追加、差し替え、サービス体制の確認。
H21.02.23 一部船内写真の差し替え、感想の追加など。
H22.07.03 感想を追加。サービス体制の確認。

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