べにりあ (八戸〜苫小牧)
 【川崎近海汽船株式会社】
 評価:★
持ち込み必須のドライバーワールド?


            べにりあ(八戸港外)
川崎近海汽船の八戸〜苫小牧間を運航するが、船と乗組員は東日本フェリーらしい。レストランを廃止して冷凍食品の自動販売機でしか食事ができない合理化船。一般旅客には利用しにくい時間帯なので、乗客の大部分はトラックドライバーとなる。特等や2等寝台はないが辛うじて1等が残ったので個室でないと嫌な人も利用可能。船名の由来はローマ神話に登場する海の妖精。

平成11年就航。総トン数6100トン。
(利用時期:平成21年12月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
1 等 ・2段ベッドの4人部屋。テレビと洗面台付き。
・和洋室タイプ(201〜209号室)と洋室タイプ(210、211号室)がある。一般客は和洋室、洋室は主にドライバー様が利用している感じ。
・備品は、ゆかた、スリッパ、サービスタオル、歯ブラシ、せっけん、茶器セット、簡単な船内案内冊子がある。小上がりの座椅子に座布団が追加されていた。
・ベッド幅は90cmで寝具はシーツ付きの毛布で清潔。
・放送音量の調節可能、空調の調整も可能の筈だがつまみが固くて難しかった。
・カーテンの遮光性は良いので外が明るくても寝やすい。
・個室も禁煙との事なのでやや厳しいかも。
2 等 ・ごく普通の大部屋。枕はあるが、毛布は300円で有料となる。窓があり、開放感がある。
・一部のシーズンを除いて一般客は少ないのでガラガラにすいている事が多い。
1 等 2 等 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売 店
エントランス
・「案内所・売店」は必要最小限の品揃え。食べ物はお菓子やつまみしかない。
案内所前のロビーはけっこう広く、ソファーもゆったりとしていて気持ち良い。
・旅客応対は男性の蝶ネクタイ氏のみ。
・アルコール飲料を対面販売。ビール(小)250円、ビール(大)350円。他はカレー350円、アイスクリーム130円、使い捨てスリッパ190円など。
・出港してしばらくするとインターホンを残して閉鎖。インターホンでの酒の販売は不可との事。
・アルコール対面販売は苫小牧発は06:30、八戸発は19:00まで。入港前のアルコール販売不可。
・ロビーの一部に隔離された喫煙コーナーあり。閲覧用の新聞あり。
・携帯電話充電器(有料)。両替機あり。
ホール
自動販売機
・本船にはレストランがなく、このホールが食堂のような存在となる。苫小牧、八戸のどちらとも出港後にはトラックドライバー様の大宴会が始まる。(早朝でも関係ない)
・電子レンジ、しょうゆ、紙皿、紙コップ、割り箸、給湯器、給茶機の用意あり。
・ジュース120円。アルコール飲料の自販機は封鎖さてている。
・冷凍食品の自販機が豊富。(全品400円に値下げ) カップラーメン200円。
浴 室 ・窓はなく、あまり大きくない。洗い場は7ヵ所。
・シャワーの水圧はあまり良くなかった。
・100円玉が返却されるかどうか微妙な?感じがする小さなコインロッカー、シャンプー、リンス、ボディーソープの用意あり。ドライヤーなし。
・苫小牧発は6:30まで、八戸発は20:00で終了。
トイレ ・洋式のみ。以前あったシートペーパーはなくなっていた。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。(利用が少ないのか電話ボックスが1台閉鎖されていた)
分煙の状況 ・ロビーにある隔離された喫煙コーナーを除き、個室も含めて禁煙となる。
エントランスホール ホール 浴 室
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)前回の利用から約2年半が経過していたのだが、トラックドライバー様の喫煙マナーが驚く程向上していた。たまたま大人しい人が多かったのかも知れないが、今回はホールで飲酒しながら喫煙する人も見かけず、皆まじめに喫煙コーナーを利用していた。世の中のが極度の分煙傾向に流れつつあるなか、喫煙率の高いドライバー様も順応(あきらめ?)してきたという事だろうか?前回、極度の禁煙化は現場を知らないのだと批判したものだが、会社側が時代を先取りしていたのかも知れない。(アルコールの販売規制についても同様かと) 

(NEW)乗用車で乗船すると、苫小牧行きのみだが、簡単なアンケートに回答すると苫小牧のお土産が貰える企画をやっていた。苫小牧着の他社も同様の企画を行っているが、他社ではお土産の他に船内で使える金券が貰えるのに対し、この航路では運賃が少しだけ安いからかお土産のみ。お土産より、金券の方がいいなあ・・・。お土産で利用促進につながるかどうかはやや疑問で、利用促進というより、おまけといった感じかな。

一般客には利用しにくいダイヤなので、乗客のほとんどはトラックドライバー様。夏季のごく一時期を除いてすいていることが多いし、夏季繁忙期でも最後まで予約が取りやすい穴場的な便となる。

アルコール類の自販機は封鎖され、売店での対面販売のみ。不便ではあるが、一般客にとっては普通なら飲酒する時間帯のダイヤではないので、この便に関しては、トラックドライバーの飲酒運転防止の観点から仕方ない面もあるかと思う。

冷凍食品の自販機は種類も豊富で、特別にまずいわけではないのだが、量が少なくて高い。2つ食べると千円近くして、冷凍ものの食事に千円かかるのには抵抗が強い。ドライバー様は皆、事情を熟知しており、それぞれが弁当や惣菜を持ち込んで一杯やっていた。

旅客需要の低い本船では、レストランの廃止、自販機化はやむを得ないかもしれない。航海中の食事は1回だけなので我慢できる範囲だし、他の合理化船のように船室をモノクラスにするのでなく、1等船室を用意してくれているので有り難い。乗船前に弁当などを購入して持ち込み、割り切って乗船すれば、船内は新しくて、すいているので快適な船旅を楽しめると思う。

案内所前には上部のデッキへの大きな階段があるが、非常時以外は通行禁止との事。乗客が出ることができる外部デッキは両舷と船尾側の狭い通路のみとなり、しかも夜間は外部デッキへの出入り禁止となる。

客室乗務員は蝶ネクタイのおじさま達ばかりだが、儲けにならない一般旅客や乗用車に対しても接客態度は良好だった。以前、他船で態度の悪さに呆れたのだが、本船では気持ちよかった。
   船 室 構 成 合 計
1  等  和洋室4名×9室  洋室4名×2室 44名
2  等  大部屋 326名
ドライバー室  ベッド 80名
 更新履歴
H19.04.27 運航会社変更に伴い、ほぼ全文書き直し。
H22.01.19 1等室の写真のみ差し替え。サービス体制の確認。

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