フェリーはちのへ (八戸〜苫小牧)
 【川崎近海汽船株式会社】
 評価:★★★
八戸発の夜行便に2等寝台が登場!


         フェリーはちのへ(苫小牧港)
以前は東日本フェリーとの共有船であったのだが、現在は川崎近海汽船単独での運航となっており、船体塗装も改められた。昨年末より八戸発が夜行便、苫小牧発が昼間の便に配船変更され、燃料費高騰対策も含めて若干のダイヤ改正が行われた。船は古いものの、2等寝台の設定があるので夜行便には便利で、レストランの営業があるので暖かい食事がとれるのも魅力。平成24年春に新造代替の話もあり、一昔前のフェリー独特の雰囲気を味わえるのもあと少しのようだ。

平成元年就航。総トン数5600トン。
(利用時期:平成22年5月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
特 等 ・バス、トイレ付きのツインルーム。テレビあり。
・備品は、ゆかた、スリッパ、歯ブラシ、せっけん、ボディーソープ、リンスインシャンプー、バスタオル、持ち帰り可のサービスタオル、茶器セット(電磁サーバー)、簡単な船内案内冊子がある。ロッカーには消毒済みの封のある予備毛布あり。
・ベッド幅は110cmとゆったりしており、寝具は毛布をマットに敷き込むスタイル。マットが柔らすぎ。
・空調はダイヤル式で調整可能なのだが利きが悪い。放送音量の調整可能だが壊れていた。
・ユニットバスの水圧が低くてお湯を溜めるのに時間がかかり、またお湯が熱くなく、ややストレスを感じた。
・部屋は船首にあるので時化るとよく揺れ、また夜間はカーテンを開けることができない。
・真上がブリッジなので出入港時にはテレグラフのプーという音がよく聞こえてくる。
・部屋そのものは広くて快適だが、位置する場所が悪いかと思う。
1 等 ・2段ベッドの4人部屋。テレビと洗面台付き。
・ソファーとテーブルの洋室タイプは窓側。
・じゅうたん敷きの小上がりとちゃぶ台の和洋室タイプは窓の無い内部屋になる。
・ゆかた、スリッパ、タオル、歯ブラシ、せっけん、茶器セット(電磁サーバー)、簡単な船内案内冊子がある。
・ベッド幅は80cmで寝具はシーツ付きの毛布。
・空調は天井のつまみで風量のみ調節可能。 放送音量の調整可能。
・2段ベッド同士の間隔が狭く、狭さは否定できず、内部屋の場合はさらに圧迫感を感じる。
・他に、じゅうたん敷きの和室もある。寝具はマット、枕、シーツ付きの毛布。窓にはカーテンではなく障子なので、夜があけると室内も明るくなるので寝苦しいかな?
2等寝台 ・2段ベッドの20人部屋。
・毛布はシーツ付きできちんとベッドメイクされているのでとても気持ち良い。
2 等 ・大部屋で自由席。
・貸し毛布は300円に値上げされていた。
・女性専用室、幼児専用室の設定があった。
特 等 1 等(洋室) 1 等(和洋室)
1 等(和室) 2等寝台 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
売店
エントランス
・売店の品はお菓子や簡単な洗面具程度で最小限。出港後と入港前のみの営業となる。
・案内所前のロビーには新聞とまんが雑誌が自由に読めるように用意されている。
・案内所前の空気清浄機のあるソファーの一角だけが喫煙コーナーとなり、他は全て禁煙。
・100円玉返却式のコインロッカーが設置されており、2等を利用する際の荷物保管に便利かと思う。
・エントランスに給湯器、冷水器あり。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)350円、ビール(小)250円。アルコールは出港後しばらくすると販売停止になる。
・カップラーメン、アイスクリームも扱っている。
・1万円札も使える両替機があるので重宝する。
・自販機コーナーに自由に使える電子レンジあり。
レストラン
「ゆうかり」
・入口の自販機で食券を購入する。
・営業時間は
 八戸→苫小牧 21:00〜22:30
 苫小牧→八戸 8:45〜10:00 12:00〜13:00 16:45〜17:45
・夜行便での朝食営業がないものの、客の少ないはずの昼便で中途半端な時間帯にもかかわらず朝昼晩と3食も営業があるのは特筆に値すると思う。
・持ち込み食材の調理はやりませんと掲示あり。ドライバー様の事だとは思うが。
・営業時間外でも手前のテーブル席を開放していた。
・メニュー例:和朝食800円、生姜焼き定食1000円、うどん500円、カレーライス600円など。いか刺身定食がメニューから消えていた。夜行便では定食類は販売休止となり夜食向きメニュー。
展望浴室 ・男性はいつでも入浴できるが、女性は防犯のためか、案内所が閉鎖されている時間は利用できない。入口に防犯カメラあり。
・洗い場は6ヶ所でボディーソープとリンスインシャンプーが用意されている。
・脱衣所には100円玉返却式の鍵付きのロッカーがあり、また浴室内へ私物の持込用のビニール袋が用意されていた。新たにドライヤーを設置。
・非常用の連絡ブザーあり。
トイレ ・和式中心で洋式も併設。温水便座やクリーナーなし。
・以前は汚かったが改装されていたようだ。
公衆電話 ・テレホンカード専用のみ。
分煙の状況 ・個室も含めて喫煙コーナー以外は全面禁煙と厳しい。
エントランスホール 喫煙コーナー 展望浴室
レストラン ホール 自動販売機コーナー
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)4月から八戸港で本船接続の路線バスが廃止されてしまった。利用が少なかったのだろうが、何とかならなかったのだろうか?上り昼便は客が少ないので廃止されても仕方がないとは思うが、シルバークイーンにはバス運行があるので、本船もせめて夜行便への接続だけでも運行して頂けたら・・・と思う。最寄の路線バス停から歩くと15〜20分かかる。天気の良い時期なら歩けるが、冬季や荷物の多い時は厳しいと思う。ここでも趣味的な徒歩客はタクシー代の出費を覚悟して利用しなくてはならなくなったようだ。

(NEW)アルコール類の自動販売機が出港後しばらくすると停止、レストランでも以後の販売はなくなる。開始された当初は激しく不便に感じ、皮肉も書いたものだが、多くのフェリー会社で同様の体制となりつつあるので、時代の流れとしてやむを得ないと感じるようになった。フェリー会社が時代を先取りしていたのだと思う。

(NEW)船室貸切料金は75%ではあるが、混雑時に相部屋になる可能性を承諾すれば定員以下でも貸切料金なしで利用できる。どこかの沖縄航路とは違って閑散期は1人でも相部屋で詰め込んだりせずに、客側の気持ちにたった部屋割りを行ってくれているような感じで、この点の印象はとても良い。(だから船は古くても評価は3) 

酒には厳しいこの会社だが、ペットには甘い。ゲージに入れておく条件との事だが、個室にペットの持ち込みが可能。だが、全員が守っているとは「到底」思えないし、ネットで検索してみると堂々と室内で犬が歩いている写真も見受けられる。そもそも、個室に入っているのに家族同様のペットを狭いゲージに入れっ放しにする残酷な飼い主が多数いるとは思えない。飲酒や喫煙に厳しくなった社会情勢と同様に、ペットを公共の場に連れ込まないのも社会の流れであると思う。(盲導犬は除く)こういう方針は会社の偉い人の一存で決まるケースが多いのではないかと想像するが、ペットが好きで酒が飲めないような人が独断で決めているのかなあ・・・。

昨年末の配船変更により、苫小牧発が昼便、八戸発が夜行便に変更された。八戸発は本船が唯一の夜行便となるので混雑する事が多いようだ。八戸発の夜行便が「べが」の頃は2等寝台がなかったのだが、本船では八戸からの夜行便でも2等寝台が選択できるようになったので、若干航海時間は長くなったもののサービス改善になったと思う。

ホームページでの船内の情報がやや不足していると感じる。同様に紙のパンフレットもあるのだが、4便に増えてからは船室写真が不足している。(以前のパンフレットは全てのタイプの船室写真があって良かった) 客室の設備や備品、レストランの営業時間については事前に知る事ができるようにして欲しい。

川崎近海汽船のインターネット予約は、会員登録やカード決済のような嫌な要素なく簡単に予約できるのでとても便利である。(簡単に予約できると予約精度が落ち、No Showが生じやすいという欠点もある。)但し、部屋位置の希望がある場合や、キャンセルはインターネットでは利用できず、電話のみとなる。あまり強くはPRされていないが、インターネット予約を使うと1割引になる。

乗船時は車両甲板からかなり急な階段を昇る必要があるのでお年寄りには辛いかと思う。バリアフリーという観点がまだまだだった昔の船なので、エレベーターやエスカレーターの類はない。
   船 室 構 成 合 計
特  等  洋室2名×6室 12名
1  等  洋室4名×8室 和洋室4名×6室 和室4名×5室 76名
2等寝台  洋室20名×2室 40名
2  等  和室123名×1室 40名×3室 65名×1室 8名×1室 316名
ドライバー室  2段ベッド 84名
 更新履歴
H19.05.21 1等の設備を確認、写真を追加。公室の写真を3枚追加。
H20.05.31 配船変更に伴うサービス体制の確認。一部の写真を差し替え。
H22.05.16 1等洋室、特等の写真を差し替え。他、サービス体制の確認と若干の加筆。

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