いしかり (名古屋〜仙台〜苫小牧)
 【太平洋フェリー株式会社】
 評価:★★★★★
お勧め!日本一の豪華フェリー


            いしかり(苫小牧港)
就航からすでに約19年が経過、大型フェリーのなかでも古い方になってしまったが、大掛かりな改装が施され、船齢を感じさせない位に手入れされており、太平洋フェリー自慢の旅客サービスもあって快適性は健在。一時期、苫小牧〜仙台間の折り返し便に配船されていたが、フル区間へ戻ってきた。新船「きそ」よりもゆとりのある個室で長い航海時間を満喫できると思う。一般には新船「きそ」の方が人気のようだが、私は本船の方が好きで日本一のフェリーだと思っている。

平成3年就航。総トン数14500トン。
(利用時期:平成22年5月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
スイート
セミスイート
・スイートはツインベッドに応接セット、ホームバーのある広い部屋。船首角部屋にあり、バスルームにも窓が付いている。スイートとはいうものの続き部屋ではなく、広〜い一部屋。ソファーは6人位まで座れそうで、新船きそよりも格段にゆったりした室内だと思う。
・セミスイートは船首側中央に位置しており、窓の位置以外、広さや設備はスイートとほぼ同等かな。
バス、トイレ(温水便座)、冷蔵庫、テレビ、インターホン、バスローブ、ナイトウェアー、サンダル、バスタオル、タオル、歯ブラシ、かみそり、ボディーソープ、リンスインシャンプー、ドライヤー、ティッシュペーパー、茶器セット(ドリップ式コーヒー、粉末のほうじ茶と煎茶)、船内案内冊子、オリジナルゲロ袋がある。ビデオデッキは撤去されていた。
・ベッド幅は110cmでゆったり。寝具は布団。
放送音量の調節可能で、空調は冷暖房を自由に調節できる。
・船首部の一番揺れる場所にあるので、荒天時は辛いと思う。
特 等 ・バス、トイレ(温水便座)、冷蔵庫、テレビ付きで、ツインがメインだが、船首角部屋だけ3〜4人部屋となる。
・ナイトウェアー、サンダル、バスタオル、タオル、歯ブラシ(色違いで良い)、かみそり、ティッシュペーパー、茶器セット、船内案内冊子、船酔い用ゲロ袋がある。
・バスルームにはドライヤーと据付式のシャンプー、リンス、ボディーソープがある。
・固型せっけんとマッチの備え付けはなくなったが、案内所でもらえるとの事。
・ベッド幅は90cmで寝具は布団。放送音量の調節可能で、空調は冷暖房を自由に調節できる。
・ベッドのマットはやや固めで個人的には寝心地が良かった。
・テレビは新替されており、ビデオデッキは撤去されていた。
・カーテンの遮光性が良くないので夜が明けると明るくて寝苦しいかも?
・部屋の面積は決して広くはないが、快適にくつろげる船室として自信をもってお勧めできる。
特 等
(和室)
・バス、トイレ(温水便座)、冷蔵庫、テレビ付き。本物の畳敷きで2〜3人部屋。
・備品は特等洋室と共通。
1 等
(洋室)
・洋室2人部屋は船首に位置する2段ベッドの部屋でソファー、テーブル付き。
・寝台幅は90cmで寝具は布団でシーツ1枚あり。
・シャワー、トイレ、テレビ、ゆかた、サンダル、バスタオル、タオル、せっけん、歯ブラシ、ティッシュペーパー、茶器セット(茶は粉末)、船酔い用ゲロ袋、船内案内冊子、シャワールームにドライヤーと据付式のシャンプー、リンス、ボディーソープがある。放送音量、空調の調節可能。
1 等
(和洋室)
・和洋室4〜6人部屋は2段ベッド×2台と、あとの2人は絨毯敷きの小上がりにマットと布団。
・和洋室3〜4人部屋は1段ベッド×2台と、あとの2人は絨毯敷きの小上がりにマットと布団。
・設備や備品は洋室と共通。
・寝るときはベッドで、昼間は小上がりで座って寛げるのでとっても快適。むしろ特等よりも良いかも?
1 等
(和室)
・和室4〜5人定員で畳敷きではなくじゅうたん敷きとなり、寝具はマットと布団。
・設備や備品は洋室と共通。
A寝台 ・カプセルホテル風の寝台で、テレビ付き。
B寝台 ・ごく普通の2段ベッド。ベッド幅は80cmでコンセントなし。枕は柔らかいもの。
2 等 ・箱枕、マット、キルトケットがセットされた指定席。マットが付くようになって居住性が大幅に改善されている。
スイート セミスイート 特 等(洋室)
特 等(和室)
1等洋室(2人部屋)
A寝台
B寝台
2 等 2等臨時席
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・案内所は夜間は連絡用インターホンを残して閉鎖。
・営業時間中でも航海中は呼び鈴を置いて奥の事務室に引っ込んでいる事が多かった。
・映画のプログラム、BSデジタル放送の番組案内あり。
・壁に掲示されている航路図には目的地の天候と予想波高が示されていた。
レストラン
「タヒチ」
・夕食2000円、朝食と昼食は1000円のバイキング。
・店内は禁煙で、喫煙のために外に出るときは再入場証を受け取って外へ出る。
・入口にその日の提供メニューを掲示しているのは良い。
・団体がいるとたびたび入場規制がかかって長蛇の列に並ぶ必要がある。
・たまたまかも知れないが、デザート類を持ち帰れないようにヨーグルト等を皿に盛るように工夫されていた。持ち帰りが醜かったのではないかと想像する。
・正直な感想として、品数が少なくなり、他社と比較して割高感を感じるようになった。
スタンド
ヨットクラブ
・ピアノもある海に面した喫茶コーナー。閑散期のショーはラウンジではなくこちらで行うこともある。
・バイキングはちょっと重い・・・という人のために軽食メニューもある。カレー500円、うどん500円、モーニングセットA700円など。
・冷水器、コップがあり、自由にどうぞとの事だが、営業時間中は水だけ飲むのは気がひける。
・船旅系の雑誌等がカウンターにある。
ショッピング
ストアー
・国内フェリー最大規模の売店。(売店っていわずにカタカナ表記にしているのが面白い)
・お土産、オリジナルグッズなど商品は充実。
・以前は長い営業時間だったのだが、どこかの他社を真似して時間を決めて営業、昼までも閉店している時間帯がある。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)350円、ビール(小)270円。
・アイスクリームはあるが、他の食品なし。煙草の自販機あり。
スターライト
ラウンジ
・毎晩、専門のスタッフによるショーを実施している。(客が少ないと会場がヨットクラブに変更もあり)
・深夜とリハーサル中は閉鎖される。その他の時間はラウンジとして自由に使える。
ミニ
シアター
・映画上映を行っている。
・部屋のテレビでも見れるように改善されていた。
展望大浴場 ・入港前30分間を除き、深夜でもいつでも利用可能。(荒天時は閉鎖されることもある)
・展望式。洗い場は10ヶ所で水圧は良好だった。ボディーソープとリンスインシャンプー備付け。
・脱衣所には100円玉返却式の小さなコインロッカー、ドライヤー、綿棒、ティッシュペーパーあり。
・盗難事件に相当懲りているようで、入口にわざと見えるように監視カメラ、脱衣所にスーパーのようにわざとモニターを設置して撮影していることを強調している。
・浴室前の「プラザ」にはマッサージ機2台あり。(5分100円)
トイレ ・和式と洋式を併設。洋式は温水便座で、便座クリーナーあり。ドアに洋式の表示あり。
・一部の和式トイレを洋式に改造していた。
ロッカー ・女性用の浴室の前にコインロッカー(有料200円)あり。
公衆電話 ・クレジットカード専用のみ。持ってない人はコレクトコールにしろとの事。
・公衆FAX(送信のみ)があるが、誰が使うのかなあ?忙しいビジネスマンも便利?
給湯・冷水 ・給湯室があり、カップ麺自粛の掲示あり。
・ヨットクラブに冷水器、紙コップあり。
分煙の状況 ・Cデッキエントランスに隔離されたスモーキングルーム、Bデッキは以前バーであった場所をスモーキングルームに改造している。
・ゲームコーナーは禁煙に変更されていた。
外部のデッキが禁煙?外で吸っても他人の迷惑にはならないと思うが・・・?
エントランスホール スターライトラウンジ 展望通路
ヨットクラブ プラザ 展望浴室
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)船のパンフレットが新しくなっていた。(感動の太平洋クルーズ) 以前の各船ごとに全ての等級の部屋や施設を紹介するのではなく、各船の写真を混ぜ合わせて掲載している。写真を少なくして「イメージ画像」的なものとしてすっきりさせたかったのだとは思うが、資料としてはやや物足りないかと思う。船ごとの細かな部屋の写真はHPを見てくれという事なのかも知れない。

(NEW)個室の備品について
・茶器セットの湯沸し器は小型の電磁サーバー。お茶やコーヒーを飲むにも約1杯分しか作れないので著しく不便。できれば電動のポットを用意して欲しいと思う。
・粉末の茶は質的にどうかなと感じるので改善してほしい。
・船内案内冊子に各施設の営業時間の一覧のようなものを追加してほしい。(どこかの他社の方が親切?)
・サンダルは布製のもので、洗ったり消毒したりするのには不向きで、清潔感に欠ける。普通のスリッパの方が便座クリーナー等で消毒してから履けるので良い。スイート級には安心、清潔な使い捨てスリッパを希望。

本船に限らず、この会社では営業努力のおかげか、熟年の団体客と遭遇する可能性が高い。そうなればレストランは食券を持った団体客で長蛇の列ができて入場規制がかかることもある。そういう日に乗ってしまうと、今更外へ弁当やカップ麺を買いにいくわけにもいかない?ので、配給のように並んで待つしかなく、空腹のなかとてもみじめな気分になる。瀬戸内海航路のある会社のように当日の窓口でもいいから「今日はレストランが団体で混雑する」と警告してくれたら心の準備と買い物が間に合うかと。予告して持ち込みされるとレストラン利用率が下がるので教えてくれないかな?

乗用車は乗下船ともに同乗者は別に旅客用のタラップからとなる。特に下船は陸上で合流しないとならないのでかなり面倒。下船口は徒歩客、団体、同乗者が集中してとても混雑するし、下船してからもいつ降りて来るかわからない車を待つのは辛いし、はじめての人には場所がわかりにくいかと思う。(集合場所案内用の大きくて親切なチラシを用意しているが・・・)近隣のフェリー会社で、乗船はともかく下船まで別にしているのは、ここだけなんですが・・・。会社ごとに安全基準や方針は違うと思うので、仕方ないのかも知れないけど、利用客としては大変不便に感じる。

船齢が古くなるが、客室の絨毯張替えが実施されており、非常に綺麗な船内。(ということは、まだまだ使うつもり?)就航当初は「カリブの風」のコンセプトでデザインされた派手な内装だったのだが、それを外れてしまった感はある。

カップ麺について、個室以外では禁止ではないが遠慮してほしいとの事。豪華な船内でカップ麺や弁当を広げて宴会をされると船旅目的の立場としてはいい気はしないが、完全に締め出すのは気の毒。船尾の「プラザ」のみを持ち込み食品を食べる場所として認め、じゅうたん敷きの場所では禁止してはどうだろうか?

部屋の壁が薄いのか、隣の部屋のテレビの音や話し声(携帯での会話)がとても気になった。隣室の年寄りが早朝5時からテレビを大音量でつけていて本当に腹がたった。(私にとっては夜中だぞ!)注意喚起のラミネートカードの設置やテレビへの掲示をお願いしたい。

従業員の態度は大変良好。徒歩で乗船すると、ロビーまではエスカレーターでなく階段となるのだが、重そうな荷物を持ったお年寄りが乗船してくるとサッとおにいさんが荷物を持ちに行く光景が見られた。また、早朝から暇そうな乗客の世間話(人生の自慢話?)にも嫌な顔もせずに付き合う女性乗組員の姿も印象的だった。

客室の案内表示は○○号室〜○○号室のような感じで、特等室とか1等室とかの等級による表示がない。等級による区別(差別ではない)の色を出したくないという意味かも知れないが、かえってわかりにくいと思う。(2等と寝台は船で作ったと思われるラミネート加工の掲示物あり)

インターネット予約でクレジットカード決済をすると10%OFFとなるのだが、部屋の位置の指定等は一切できない。どうも陸側とは反対の舷が指定される傾向が強いように感じる。(確認したわけではない)部屋の位置の希望がある場合は電話予約のほうが良い。

公室は充実しているのだが、「きたかみ」にある船首の「展望室」がなくなり、かわりに船室が配置されている。どこか1つ、真ん中だけでよかったので展望室を設置してほしかったと思う。この会社は 船首の部屋が上座だとしているようだが、時化の時はよく揺れるし、夜間カーテンを開けれない制約が生じるので私は好きでない。
   船 室 構 成 合 計
スイート  スイート:洋室2名×2室  セミスイート:洋室2名×2室 8名
特  等  洋室2名×22室 洋室3〜4名×2室 和室2〜3名×2室 58名
1  等  洋室2名×12室 和洋室2〜6名×28室 和室4〜5名×2室 182名
2等寝台  A寝台 カプセルベッド40名  B寝台 16〜30名×10室 270名
2  等  和室8〜16名×7室  他(宴会場・ミーティングルーム) 234名
ドライバー室  洋室10名×6室 60名
 更新履歴
H18.06.22 写真特等以外差し替え、本文大幅に書き直し
H19.11.03 船室の写真を追加。他サービス体制の確認。
H20.03.02 スイート、セミスイートの写真を追加。特等洋室の写真を差し替え。他、一部加筆。
H22.05.16 客室清掃への苦言を削除。船室の写真の一部を差し替え。

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