ホメオパシーによる被害
(事務所誌「ほなみ」第107号掲載)
Q. 子どもが頭蓋内出血を起こしました。病院で診て貰ったときに説明を受けましたが、ビタミンK2シロップというものを飲まなかったのがよくなかったようです。
私は助産所で子どもを産み、そこの助産師さんの世話になってきました。その助産師さんがホメオパシーというものを信じているようで、その考えからビタミンK2シロップを投与しなかったようです。
そもそもホメオパシーって何ですか?
A. ホメオパシーは、植物・鉱物・昆虫などを、元の物質がなくなるまで薄めて作った砂糖玉であるレメディの投与により、病気の症状を増幅させ、自己治癒力を強めると称する代替医療です。 元の物質がなくなるまで薄めて作った砂糖玉に何らかの効果があるとは思われず、科学的根拠はないと思われます。主要な学会もホメオパシーの効果を否定しています。
ホメオパシーを信じている人が必ず現代医学を否定しているわけではないようですが、ホメオパシーを信じる人の中には現代医学で効果があるとされているものまで否定する人もいるようです。そのため、少なくない助産師が頭蓋内出血を防ぐために有効だとされているビタミンK2シロップを投与していなかったことも明らかになっています。
Q. 助産師さんがビタミンK2シロップを投与しなかったことは何か法律にひっかからないのですか?
A. 科学的根拠もないのにビタミンK2シロップの投与を拒否した助産師は法的に責任を問われる可能性があります。
Q. それでは私としては何ができるのでしょうか?
A. お子さんが頭蓋内出血となったことにより受けた損害(治療費、慰謝料等)をその助産師らに請求することができる可能性があります。まずは弁護士に相談してみて下さい。
弁 護 士 齋 藤 裕