漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」などの名前での贈り物が県内各地で13日も続いた。なかには明治時代まで活躍した篤農家の顕彰に使ってほしいとの趣旨の寄付もあった。【舟津進、小玉沙織】
現金10万円が入った祝儀袋が袋井市役所本庁舎北にある市営展示棟の玄関に置いてあった。巡回中の警備員が同日早朝、見つけた。送り主は「伊達直人」名で、祝儀袋には「名倉太郎馬(なぐらたろうま)さんに使ってください」と書いてあった。
地元出身の太郎馬は、江戸時代末から明治時代にかけて活躍した篤農家。「耕地整理の祖」として知られる。今年は没後100年にあたるため、顕彰碑を建立するための募金が行われている。
同棟では同日まで、その業績を紹介する展示会を開いていた。主催した実行委員会の名倉三雄委員長(70)は「石碑の建立には約500万円必要なのでありがたい。郷土の偉人のために使いたい」と話した。
浜松市北区の障害者施設「生活介護・根洗作業所」の郵便受けには現金10万円入りの茶封筒が入っていた。同封の手紙にゲームキャラクター「アリス・マーガトロイド」名が書いてあった。
同市中区の市役所の受付に、高齢の女性が現金3万円入りの封筒を置いていった。手紙には「国民年金の中から些少(さしょう)ですがお仲間入りさせていただきます」と書いてあった。
静岡市葵区の「静岡乳児院」には、幼児用の紙おむつ2箱(約1万円相当)が宅配便で届いた。宅配伝票の依頼主の欄に「松坂こうたろう」とあり、住所などは無記入だった。
御殿場市萩原の社会福祉協議会は13日、「伊達直人」名で現金10万円が郵便で届いたと発表した。
毎日新聞 2011年1月14日 地方版