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元海上保安官を起訴猶予へ、中国人船長も 来週にも 漁船衝突・映像流出事件
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、検察当局は、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検された一色正春・元海上保安官(44)と、公務執行妨害容疑で逮捕され、処分保留で釈放された漁船の中国人船長(41)を、不起訴(起訴猶予)処分とする方針を固めたことが13日、関係者への取材で分かった。
元保安官の処分を決める東京地検の捜査はほぼ終了。那覇地検は中国人船長の処分について最高検などと詰めの協議を進めており、処分理由などが固まり次第、来週にも一緒に処分するもようだ。
捜査当局によると、中国人船長は昨年9月7日、尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船が停船を命じながら追跡してきた際、漁船を巡視船に衝突させ、海上保安官の職務執行を妨害。一色元保安官は昨年11月4日、神戸市内のインターネットカフェから、衝突場面を含む計約44分の映像6本を動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿し、職務上知り得た秘密を漏洩(ろうえい)させた疑いが持たれている。
警視庁は元保安官を送検した際、検察当局に処分を委ねる意見を付けていた。
検察内では、元保安官が流出させた映像は国家公務員法の「秘密」にあたり、流出は違法行為との見方でほぼ一致。しかし、映像が一時期、海上保安大学校のパソコンの「パブリックフォルダ」と呼ばれる職員全員がアクセス制限なしに見られるフォルダーに保管されていたことから、「秘密性は高くない」(検察幹部)との意見が大勢を占め、起訴猶予にする判断に傾いていった。
また、海保が一色元保安官を停職12カ月の懲戒処分とし依願退職したことや、元保安官が金銭的利益を得てないことなども考慮したとみられる。
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