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CHAPTER 67 :
魔界ウォーカー2.12〜サイレント・マウンテンの銃声〜

CHAPTER 66 :
魔界ウォーカー2.11〜それでも廃墟は廻っている〜

CHAPTER 65 :
アルティマニアの館〜20th century toy〜

CHAPTER 64 :
魔界ウォーカー2.10〜だから廃墟サイトじゃないのに〜

CHAPTER 63 :
魔界ウォーカー2.09〜俺達の幻想入り〜
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魔界ウォーカーX.XX
〜華麗なる一族〜


加齢なる洋館


某県某所、某有名廃墟サイトに掲載されて一躍脚光を浴びた 通称「華麗なる一族」と呼ばれる謎の廃墟がある。

所在地などの詳細情報は現在、事実上非公開であり、在り処や素性を巡ってはネット上(主に廃墟マニア間)で様々な憶測を呼んでいる、そんな幻の物件である。

だが今回、我々は裏でアレコレしてひょんな事から同地に足を踏み入れる事と相成った。

※なお、本記事は何処ぞの圧力により予告無く削除・改変される可能性があり、また、原則お問い合わせには一切応じられませんので、あらかじめご了承下さい。

山というものは色々なものを隠してしまう。
しかし、一部の熱意ある者とアホは必ずソレを見つけてしまう。
トリック・オア・トリート!お菓子をくれなきゃ●●しちゃうぞ!!
・・・そのヴィレッジヴァンガードに売ってそうな不気味なお面とイカれた脳はどうしたんですか?
いちいち説明せんと理解出来ぬとは嘆かわしい・・・。
今世間はハロウィンの季節(※撮影時)じゃろうが!
んなこた知ってますが、何故それをここで反映しとるんですかいッ!TPOってやつをわきまえて下さいよッ!
あの〜、そもそもここ何なんでござる?
「自然のうまい空気を吸いに行こうぜ」って言うからついてくれば、せっかくの休日に山ん中の変な廃墟って・・・。
なんかDASH村以上に知られてない場所らしいですよ。
おうよ、思う存分この空気を吸うがいい・・・!
まあ腐臭もするかもしれんがな。

思いっきり山中の森林に囲まれて建つこの洋館。
周辺環境から得られる情報がこれだけじゃ場所がなかなか特定出来ないのも頷けるってもんだ。
建物の外観自体はクソ金持ちの別荘みたいな、お洒落で立派な造りと言えよう。
だが住む者を失って早幾年月という事で、すっかりただならぬ雰囲気を放っている。
正面から見るとちょうど木に隠れて分かり難いが、屋根の一部は隕石が落ちたみたいに崩落してしまっていた。
お前んちー、おっばけやーしきー!って感じのお宅じゃなコラ。
うわ、勘太ウゼえ・・・。
え、これ誰の家なの?カンタって?

動画でも建物一周の様子をどうぞ。
・・・ところで息苦しい。
だったら取らんかいッ!
ってかよくそんな薄着で平気でござるなあ・・・。

この物件の正面外観を特徴的な印象にしている屋根つきの玄関。

玄関先にテーブル&椅子たあ、定番の貴族スタイルで紅茶でもすすっていたんでしょうかね。今はただ邪魔くさいだけだ。

それではこれより、いよいよ魔界へ決死の凸撃を開始しますオーバー・・・!読者の皆も覚悟は宜しいかな・・・!?
よし、行くぞ・・・!あっ、ライト持ってくんの忘れた!
沢山アングラなトコ行ってるくせに何ですかそのケアレスミスはッ!
やれやれ、拙者が100均のやつ持ってきてるでござるよ・・・。
扉の先には一体どんな光景が広がっているのだろうか・・・?
そんな思いで敷居をくぐった次の瞬間・・・!

いきなりゴミの山が我々の前に立ちふさがった。
くそっ、出鼻をくじきやがって・・・。メイドさんを呼ばなきゃダメじゃな。
んなもん待ってる時間無いですヨ。ってか来ねえよ。

玄関に蓄積されたゴミを掻き分け、ギシギシきしむ頼りない通路を先に進んでいくと・・・

やはりグッチャグチャなこの家のリビングルームがございましたよ。
これは酷い。
一体これの何処ら辺が華麗なんですか。
腐海です。死にます。
匠もリフォームは劇的にお手上げじゃな。

経年の自然崩壊により、確かに人が住んでたとは思えないくらいの荒れ具合だが、 “洋館補正”の所為か構造自体は未だに何となくお洒落に見えない事もない。

それにしても足元が酷い事になっている。
かろうじて板がバランスを保ってはいるが、大部分が崩落しつつあり、もう床として成立していない。
デブは一触即発じゃから立ち入り禁止区域じゃな。
ってかこれは我々も行かない方がいいのでは・・・。

前述のとおり足の持ってき場に困る為、 あまり人様にはお見せしたくない動きでお送り致しております。
写真撮るのもやっとという残念な有様である。
と、その時ッ!
うわーッ!!?
んなッ!?
ちょっ!?

ニシナギ君が穴に堕ちました。
バカタレ!脅かすんじゃねーやい!
む、無念でござる・・・。
ここが2階じゃなくて良かったですね・・・。

レトロな感じの家財もゆっくり地面に飲み込まれつつある感じです。
ところで、オーブという名のホコリがすげーな。
昔の家の割にはテレビの数が多いでござるな・・・。
うちも早めに地デジに切り替えなくっちゃ・・・。
やはり金持ちの別荘か何かだったんですかね・・・。

でもって、リビングに隣接する空間で、通路の奥にあった扉の先が台所である事を確認して・・・

この物件の本領発揮と思われる2階へ、背筋がゾクゾクするような感覚で上がっていきます。

ギシ・・・ギシ・・・
フッ、恐らく本当の地獄はこれからじゃぜ・・・!
何言ってるんですか・・・。
平和に暮らしていたかったのに、ものすごくディープなゾーンに来てしまった・・・。

階段を登ったらこんな感じ。
部屋の外にも物があふれていて、あまり華麗ではない。

唐突に床に置かれてた人物写真にお出迎えされ、ヒヤッとしました。
どうやら写っているのは、葉巻にワインを嗜む割腹のいい老年の外人男性の様だ。
なんとなく政治家っぽいが、この家の関係者であったのだろうか。

さらに、この直後・・・

ニシナギ君がやってくれました。
こ、これって遺影じゃない・・・?
我々は何も見なかった事に。
ゆっくり戻してください。
これは実にヤバい所に足を踏み入れてしまった感が漂うものの、 もはや後には引けないので、やれるだけやっちまおうという方針で闇の深淵へ進んでいきます・・・。
外から見た時に構造が菱形っぽく感じられた内部の部屋は、1階以上に日用品が残されており、 依然として生々しい生活感が漂う状態であった。
どうじゃ、何かイカしたお宝とかあったか?
いえ、足元でウジ虫が死んでるだけデス。
また余計なもの見つけないで下さいよ・・・。

そして、さらにもう一部屋の方に歩みを進めた時・・・、我々はそこが他とは“空気”が違うという事を即座に認識した。

そう、辿り着いてしまったのだ。
この曰くつき物件の元凶である最深部へと・・・。

基本的に不気味な物件ではあるのだが、何と言うか、よりいっそう背筋に独特の悪寒を感じるこの和室。

まるで、葬式が終わった後そのまま放置されたみたいな品々のある、この異様な雰囲気・・・。
なんか気持ち悪いですね、この部屋・・・。
フッ、どうやら来るとこまで来ちまった感じじゃな、おい。
気軽にそんな場所へ連れてくるなよ・・・。

そして、先程から我々を見つめる視線が・・・。

!!?
ひいいーッ!!
オババがこっち覗いてるうううー!!?
落ち着けボンクラ、アレはただの油絵じゃろが。
なにこのジャパニーズ・ホラーっぷり・・・。

この部屋で時間という概念が無用となり、時計がちょうど12時頃で動くのをやめてから、一体どれくらいの時が経過したのだろうか。

仏壇が残されたままというのも、この場のおどろおどろしさを強くしている要因であろう。
そもそも他人の家の仏間というのは基本的に居心地がいいものではないが、まして廃墟ともなると、その比ではない。

だが、そんな理屈はともかく、仏壇の横に位置する床の間を見た瞬間、我々の中の全米が震撼した。

とても濃厚なメモリアル・ゾーン。
コレハモウ、オ腹イッパイダネ。
ソウデスネ。
遺影ガ多イナア。

異次元空間に飲み込まれ、生唾ゴクリで恐る恐る探索。
萌えフィギュアが沢山並べてある光景たあ訳が違う濃度じゃな・・・。
この部屋もしかして、肖像画のおばあさんが暮らしてたんじゃない?
え、何故そんな事を?
いやなんとなく。テレビの下に呼吸器あったし・・・。

そしてこれが、この物件が「華麗なる一族」とされる所以である。

お察しの通り、とある一族が写されたものであり、この謎のアイテムが引き金となりネット上に波紋を呼んだと言っても過言ではない。
決して橋田寿賀子ドラマの登場人物相関図ではない。
誰こいつら?
さあ?でもこの紋章どっかで・・・。
え?もしかしてこれ、皇族なん(ry

そして、大変申し訳ないのですが、お見せできるのはここまでです。
(もうドアが開かなかったので)

で、もうそろそろ撤収しようと1階まで下りて玄関に戻った時、ゴミの山に混じって、ある不可解なものを発見した。

何故かお墓の写真ばかりのアルバムが・・・。
まるで不気味さ助長の為に置かれた小道具かの様ですね・・・。
意味深な写真が豊富な家でござるな・・・。
いわゆる墓石マニアでもいたんじゃね?
そりゃどうですかね・・・。

で、極めつけはコチラの写真。
・・・なんぞこれ?合コンの反省会か?
んなアホなッ!
よくは分かりませんが、終戦後とかに撮影された日本とアメリカの政治会談の様子みたいに見えますね・・・。
でも、何でそんなものがこの家に・・・?それも額縁に入れられて・・・。
やはり、何らかの関係者であったとか・・・。

誕生日祝いで元住人の誰か宛に寄せ書きが記されたこんな色紙もあった。
昭和の遺物が詰め込まれた物件であったが、色紙の年月を見るに、思ったより最近まで住人が暮らしていたのかもしれない。

謎が謎を呼ぶ洋館であったが、今回の探索によって、その一端を紐解く事が出来た・・・ というかぶっちゃけ、ある程度の全容は把握出来たのだが、それをここに記すのは野暮なので自重する。
謎のままであった方が美しいものもあるからだ。

柔らかな日差しとひんやりとした山の空気の心地よさを再認識しつつ、我々は同地を後にした――。
Special Thanks : 『太陽の教団
あれ?道こっちだっけ?
いい加減にして下さいよ・・・。
なんだかなあ・・・。

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